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語学や芸術文化など目的にあわせた留学先の情報を調べることができます。

スウェーデン 高等教育機関 留学の手引き

はじめに
  • 各情報・データは作成・改訂時(2014年11月)における一般的な状況です。
    実際の状況は、教育機関、地域、あるいは時期によって異なる場合があるため、最新の情報については、各機関及び各学校のウェブサイトを必ず確認してください。
  • この手引きではいくつかの教育機関を取り上げていますが、あくまでも一例示であり、特にそれらを推薦する趣旨ではありません。
留学概要
※費用のレート計算は外国為替情報ページ(例:http://jp.reuters.com/investing/currencies)で参照できます。 レートは常に変動していますのでご注意ください。
学校の種類 ・University (Universitet):学士課程、修士課程、博士課程
・University College(Hogskola):学士課程、修士課程 
在学期間 学士課程:
   University Diploma(Hogskoleexamen):2年
   学士号(Kandidatexamen):3年
修士課程:
   修士号(Masterexamen):1年 (Magisterexamen):2年
博士課程:
  博士課程前半に取得する学位(Licentiatexamen;Licenciate degree):2年
  博士号(Doktorsexamen;Doctoral degree):4年
学年度 2学期制 秋学期:8月下旬~1月中旬/春学期:1月中旬~6月
応募資格 各大学・プログラムにより異なる
学士課程:高校卒業以上。職歴が考慮される場合もある
大学間の交換留学が一般的、個人での留学は受け入れ人数に制限あり
修士課程:同じ、または関連する専攻分野の学士号取得者
博士課程:同じ専攻分野の修士号取得者
必要な語学力 スウェーデン語力と英語力
※英語で学べるプログラムあり
出願方法
選考方法
一般的な出願書類、論文、作品、職歴などによる書類選考、面接。Universityadmissions.seへの出願料として900クローナが必要。
出願期限 大学の課程やプログラムによって異なる。国のオンライン出願システム(Universityadmissions.se)を通して出願する場合、オンライン出願の締切りは、秋学期入学の場合は1月15日頃、春学期入学の場合は8月15日頃。そのほか所定の日までに必要書類を郵送する。 
入国・滞在手続き 3か月以内の滞在の場合、ビザは不要。
3か月以上滞在する場合は居住許可が必要。スウェーデン移民庁へオンラインで直接申請する
授業料 EU・EEAおよびスイス以外の国からの留学生に対して、授業料を徴収する。金額は特別な専門分野を除き、年間80,000~140,000スウェーデンクローナで大学やプログラムによって異なる。博士課程は無料
学生組合会費は50~350スウェーデンクローナ/学期で、加入は任意
生活費 約7,660スウェーデンクローナ/月
地域によって異なる
滞在先の種類 学生組合の寮、アパート、フラットなど
都市によって異なる
スウェーデンの教育制度は初等教育から成人教育まで統一された制度になっています。
中等教育機関はすべて中学・高校一貫制をとっており、そのほとんどが公立です。16歳で義務教育を終えて高等学校課程へ進み、3年間でこの課程を修了します。
大学入学の選考は、論文、作品、職歴などによる書類選考や面接によって行われます。学年は秋学期(8月下旬~1月中旬)、春学期(1月中旬~6月)の2学期制です。
スウェーデンの高等教育機関は、Universitet(University)とHogskola(University College)に分けられます。これらの高等教育機関の制度的な違いは、Hogskolaでは博士号を授与しませんが(一部例外を除く)、Universitetでは学位としてLicentiatexamen (博士課程前半で取得できる学位)あるいはDoktorsexamen(博士号)を取得できることです。
また、機関によって提供しているプログラムが異なり、企業、地域などとの密接なつながりを持った独自の教育を展開しているところもあります。
種類
高等教育機関は約50校あり、学士、修士及び博士課程が学べるUniversitet(University)と学士と修士課程までを提供するHogskola(University College)に分けられます。 (一部例外有り)
学位
2007年に、ボローニャ・プロセスに基づく学士、修士、博士の課程が導入されたため、学位取得のシステムが変わりました。
学士号課程では、2年間に120ECTS取得でHogskoleexamen(University Diploma)の学位が、3年間に180ECTS取得で学士号(Kandidatexamen)が授与されます(教育学士号は210ECTS)。また、新システムでは、今まで授与がなかった芸術系分野での学位も取得できるようになりました。
修士号課程では、1年間に60ECTS取得でMagisterexamの学位が、2年間に120ECTS取得でMagisterexamenの学位が授与されます。
博士課程では、博士号(Doktorsexamen)は4年間で240ECTSを修めて取得します。また、論文執筆が必須である博士号とは別に、科目履修を主とし、2年間で120ECTSを修めると取得できる修士号と博士号の中間学位であるLicentiatexamen(Licentiate Degree)があります。
また、弁護士、ソーシャルワーカー、医師、エンジニア、教師、獣医など計50の専門職(professional degree)の資格を取得するコースもあります。取得単位や修学年数は専攻によって異なります。
スウェーデンの高等教育機関の学位プログラムはStudy in Swedenより検索できます。
 
学士課程:
スウェーデンの高校卒業に相当する学歴(大学入学資格)と、スウェーデン語力及び英語力が必要とされます。
スウェーデン語は、TISUS(Test i Svenska for universitets:Test in Swedish for University Studies)試験の合格が必須です。
この試験は読解・口答・記述から構成され、合否で判定されます。申し込みやその他詳細は、下記ストックホルム大学北欧言語学科Institutionen for nordiska sprak内のTISUS事務局まで問い合わせください。
英語力は、TOEFLでiBT90以上(PBT575以上)またはIELTSで6.5以上が必要です。さらに、書類審査に加えて面接や独自の試験などを課す大学もあります。
 
英語で授業が行われるプログラムを希望する場合、あるいはスウェーデン語で授業が行われるプログラムを希望しながらもスウェーデン語の能力が不足している場合は、以下の通りです。

英語で実施されるプログラムへ出願する

スウェーデン語の試験の受験は必要ありません。
約100の英語による授業プログラムが提供されています。
一般には、英語による講義を提供しているスウェーデンの大学が、協定関係にある外国の大学からの交換留学プログラムの学生として受け入れる場合が多いです。個人で留学する場合には、一般入学者として種々の条件・資格を求められます。
スウェーデン語のコースを受講してからスウェーデン語によるプログラムに入学する
志望校へ直接コンタクトをとります。スウェーデン語の初心者を対象にした大学進学準備コースを提供しているのは、Linkoping University(フルタイムで1年間の集中コース)です。この他にもいくつかの大学では初級クラスから語学コースを設置しています。
修士課程:
修士課程で専攻したい分野と同じ、または関連する専攻分野の学士号を持っていることが条件です。ただし、分野によってはその他の条件(一定期間以上の職業経験等)を求められる場合もあります。
語学力に関しては、スウェーデン語で授業を受講できる能力が必要です。なお、修士課程では900以上の英語による授業プログラムが提供されおり、これらを受講する場合には、学士同様の英語力が必要です。
博士課程:
博士課程で専攻したい分野と同じ分野の修士号(場合によっては学士号以上で可能)を持っていることが条件です。ただし、国内外の学生を問わず授業料が無料 であり、月約23,000~26,000スウェーデンクローナの給与が支給されるため、応募者数は多く、非常に狭き門となっています。
語学力に関しては、学士課程同様です。 
出願に際し一般的に必要な書類は以下の通りです。

a.卒業証明書
b.成績証明書
c.語学能力証明
d.財政証明書
e.志望動機書
f.推薦状

学位課程、プログラムによって求められる書類は異なることがあるので、必ず志望校に確認してください。
学士課程・修士課程では、基本的に国のオンライン出願システムUniversityadmission.seを利用して出願します。その場合の出願締切り は、欧州経済領域(EEA)以外の国からの留学生の場合、一般に秋学期入学では1月15日頃、春学期入学では8月15日頃です。
芸術系大学の場合、出願の締切りや手続き、提出作品や実技試験などを大学が独自に決める場合が多いので、希望する大学に確認して下さい。
博士課程は自国の在籍大学を通して、スウェーデンの大学・研究機関などに直接交渉します。
なお、学士課程入学における審査(自国で取得した学位・単位がスウェーデンの大学で認められるかの審査なども含む)に関しては、スウェーデン高等教育国内事務局(VHS:Verket for Hogskoleservice)が管轄しています。
スウェーデン人と同条件で審査され、手続きの段階で高度なスウェーデン語力(読解/記述)を要求されますので、外国人学生が合格するにはかなりの準備期間が必要です。(留学の条件・資格・語学力のTISUS参照)
 
入国の際にビザは不要ですが、3か月以上スウェーデンに滞在する場合は居住許可(Residence Permit)が必要です。
留学の受入機関がFolkhogskola(フォルケホイスコーレ)あるいは高等学校の場合は、必要書類をスウェーデン大使館領事部宛に郵送します。
一方、受入機関が大学、大学院の場合は、スウェーデン移民庁のホームページからインターネットで直接、申請を行います(大使館を経由しません)。
詳しくは駐日スウェーデン大使館やスウェーデン移民庁のウェブサイトにて確認して下さい。
 
 
高等教育機関では、2011/2012年の秋学期から、EU・EEA(欧州経済領域)およびスイス以外の国からの留学生に対して、学士・修士課程では授業 料が徴収されています。授業料は年間80,000~140,000スウェーデンクローナです。詳細は各大学のウェブサイトあるいは Universityadmissions.seで確認してください。なお、博士課程では授業料は無料です。
学生組合へ加入する場合は、組合費として学期ごとに50~350スウェーデンクローナを支払います。生活費は生活形態などによって個人差がありますが、食 費約2,000スウェーデンクローナ/月)、住居費約3,200スウェーデンクローナ/月、そして衣食住や医療費も含めた1か月の費用は約7,660とさ れています。ただし、居住許可取得のためには、7,300スウェーデンクローナ/月の滞在経費があることを証明する必要があります。
留学期間が1年以上の場合は医療保険への加入が可能です。保険料の負担はありませんが、登録のための住民登録番号(personnumber)を税務署で取得する必要があります。
なお、都市別の住居費は、小規模の都市で2,200~3,700スウェーデンクローナ/月、中都市で2,500~4,500スウェーデンクローナ/月、大都市で3,000~5,500スウェーデンクローナ/月とされています。

滞在先

交換留学生は日本で在籍している大学に住居を手配してもらえる場合が多いです。それ以外の学生は、留学先校の学生組合や、ストックホルム大学など一部の大学ではUniversity Accommodation Centerで住居情報が得られます。
ただし、ストックホルム、ヨーテボリや伝統的な大学都市(ウプサラ、ルント)では学生向けの住宅が不足しているため、一般的に家賃は割高になります。
奨学金についての詳細は直接該当機関に問い合わせてください。

日本学生支援機構の奨学金

貸与型と給付型、短期留学向けと学位取得希望者向けなどの種類があります。詳細は以下リンクにて確認できます。

スウェーデン留学のための奨学金

なお、当機構では、上記の奨学金も含め、日本で募集される各種奨学金の概要をまとめた『海外留学奨学金パンフレット』を毎年1回発行しており、当サイト上にも掲載しています。この掲載データは『海外留学奨学金検索サイト』にて検索することもできます。
(2015年3月改訂:禁無断転載)

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。