海外留学を考え始めた方や、準備を進めている方にお勧めの基礎情報。
語学や芸術文化など目的にあわせた留学先の情報を調べることができます。

各情報・データは更新時(2019年12月)における一般的な状況です。教育機関、地域、あるいは時期により異なる場合がありますので、最新・個別の情報については必ず各機関にご確認ください。このガイドの中ではいくつかの教育機関を取り上げていますが、あくまでも一例示であり、特にそれらを推薦する趣旨ではありません。特殊文字や記号は英語のアルファベットに置き換えています。
イタリアには400校以上の語学学校があります。外国人大学、大学付属語学コース、私立の語学学校の3種類があるので、それぞれの特色を知ったうえで、自分に合った学校を選ぶようにしましょう。
学校情報(2019年)
学校の種類 外国人大学 大学付属のイタリア語・イタリア文化コース 私立の語学学校
在学期間 2週間~ 2週間~ 1週間~
プログラム・コース時期 通年でイタリア語・イタリア文化コースを開講。コースごとに1~3か月で区分され、それぞれ開始日と終了日が設定されている イタリア語・イタリア文化コースを通年あるいは夏期などに開講 通年で多岐にわたるコースを開講。週単位、月単位で開始日と終了日を設定しているが、入学時期と受講期間は学生が選択できる
応募資格 例:シエナ外国人大学
高等学校修了以上
 
学歴や年齢下限を設けるコースや、交換留学生など特定の学生のみ対象のコースあり 年齢下限を設けるコースあり
必要な語学力 コースによっては初級レベル(A2※)以上の語学力が必要な場合もある コースによっては初級レベル(A1※)以上の語学力が必要な場合もある 特になし
出願方法 ウェブサイト上で入学申請書の入手や入学申請を受け付けが可能 ウェブサイト上で入学申請書の入手や入学申請を受け付けが可能 ウェブサイト上で入学申請書の入手や入学申請を受け付けが可能
出願期限 コース開始の1か月前 例:ジェノヴァ大学付属Centro Internazionale Di Studi Italiani
コース開始の1か月前
例:Accademia Italiana Salerno
コース開始の1か月前
入国・滞在手続き 滞在期間が90日以上の場合は就学ビザが必要  滞在期間が90日以上の場合は就学ビザが必要  滞在期間が90日以上の場合は就学ビザが必要 
授業料 例:ペルージャ外国人大学
600~680ユーロ/1か月コース
1,800~2,040ユーロ/3か月コース
例:ジェノヴァ大学付属Centro Internazionale Di Studi Italiani
590ユーロ/6週間
例:Divulgazione Lingua Italiana
グループレッスン(20時間/週)235ユーロ~/週
個人レッスン(20時間/週)840ユーロ~/週
生活費 約10~13万円/月  約10~13万円/月  約10~13万円/月 
滞在先の種類 ホームステイ、アパート、ホテル、大学寮、大学が紹介してくれる施設など ホームステイ、アパート、ホテル、大学寮、大学が紹介してくれる施設など ホームステイ、アパート、ホテルなど
※欧州言語共通参照枠(CEFR)に基づくレベル分け。初級(A1・A2)、中級(B1・B2)、上級(C1・C2)の6段階で評価される。

費用のレート計算は外国為替情報ページで確認してください。
外国為替レート ユーロ

外国人大学
イタリア語とイタリア文化の世界への普及を専門とする大学で、外国人学生対象のコースとイタリア人と外国人学生対象の大学正規コースがあります。

期間
イタリア語・イタリア文化コースは、シエナ外国人大学で2週間、1か月、3か月のコースが、ペルージャ外国人大学で1か月、3か月のコースが開講されています。いずれの場合も開始日と終了日が決められています。また、ペルージャ大学は夏期に上級者対象の1か月の集中コースも開講しています。
 
プログラム内容
イタリア語・イタリア文化コースや、外国人のイタリア語教師を対象にした教授法のコースなどが開講されています。イタリア語・イタリア文化コースは、欧州言語共通参照枠(QCER:英語ではCEFR)に基づきA1、A2、B1、B2、C1、C2の6レベルに分かれています。
コースを修了し試験に合格すると、語学能力証明書が発行されます。一定レベル以上の証明書を取得していると、イタリアの大学入学時のイタリア語試験が免除されます。
 
応募資格
ほとんどのコースがA1レベルから入学可能です。入学時に簡単なクラス分けテストを行います。
 
出願方法・出願期限
一般的な提出書類は、授業料の支払い証明書、写真、パスポートのコピー、卒業証明書などです。シエナ外国人大学への入学は、高校の卒業証明書が必要です。コース開始の1か月前までに申し込みます。
大学付属の語学コース
大学に付属する機関が開講しているイタリア語・イタリア文化コースです。

期間
大学付属の語学コースには、通年で開講されているものと夏期・冬期に開講されているものがあります。通年で開講されているコースの場合、1か月~半期のコースを設置している場合が多いです。夏期のみ、冬期のみなど期間限定の短期コースは一般的に2~6週間です。大学によっては、最短1週間から受講が可能です。

​通年でコースを開講している大学例

夏期・冬期などに短期コースを開講している大学例
プログラム内容
通年コースの場合、初級では語学の習得に重点がおかれますが、中級以上になると語学に加え、様々な文化講座を受けることができます。また、最終テストに合格すると、受講したレッスンの数に応じてヨーロッパ互換単位(ECTS)が与えられるコースもあります。夏期や冬期の短期コースでも、語学以外の文化講座や小旅行などが用意されている場合があります。大学付属の語学コースの授業料は語学学校に比べて安く、したがって1クラスの人数が比較的多いようです。通常はコース開始前に簡単なテストが行われ、受講者のレベルにあったクラスに振り分けられます。

応募資格
基礎的なイタリア語力を身につけていることが望ましいとされていますが、ほとんどのコースは初級レベルから入学が可能です。ただし、学歴や年齢下限を設けているコースや、交換留学生やその大学の正規課程の学生など特定の学生のみを対象にしたコースもあります。

出願方法・出願期限
一般的な提出書類は、申請書、授業料の支払い証明書などですが、写真や卒業証明書、イタリア語の試験のスコアなどが必要となる場合もあります。提出書類および申込期限は学校によって異なりますので、各校のウェブサイトで確認してください。
私立の語学学校
期間
1日4時間、週20時間が一般的なコースです(就学ビザの申請には、週20時間以上の授業時間数を明記した入学許可書の提出が求められます)。期間は1週間からです。毎週開催されるコースのほか、毎月開講のコースもあります。

プログラム内容
入門から上級まで各レベルの受講が可能です。コースの期間、授業時間、種類などを比較的自由に選択できます。少人数制のグループレッスンや個人レッスンの受講が可能です。

応募資格
必要な語学力や応募資格は特にありませんが、年齢下限を設けている学校もあります。

出願方法・出願期限
一般的な提出書類は、申請書、申込金(申請料)・授業料の支払い証明書などです。提出書類および出願期限は学校によって異なりますので、各校のパンフレットやウェブサイトで確認してください。
音楽や美術といった専門的な勉強を留学目的とする留学については、「音楽・美術留学」のページをご参照ください。

音楽、美術分野のほか、靴製作・デザイン、絵画修復、料理など、日本で既に専門の勉強あるいは実務経験を持つ留学希望者を対象にイタリア語指導+各専門分野の実践研修プログラムを持つ学校もあります。

実り多い語学留学にするには、目的と条件にできるだけ見合った学校を選ぶことが重要です。書籍やインターネットから日本語で学校情報を得ることもできますが、必ず学校のウェブサイトなどで詳細を確認してください。選択にあたって留意すべき点を以下項目別に挙げます。

地理・気候
イタリアは地中海に面した暖かい地域に位置し、イタリア半島、サルデーニャ島、シチリア島からなる国です。南北に長い国で、北はアルプス山脈、南はアフリカ大陸からの影響で地域による気温差が極端です。北部は冬は寒く、夏は適度な湿気があります。中部は温和な気候ですが、フィレンツェなど盆地の街では、夏場は蒸し暑くなります。南部や諸島部は冬の寒さはそれほど厳しくなく、春と秋は北部の夏に近い気候です。
学校の種類
就学ビザ取得のためには教育監督局の認可校であることが必要です。その中でも、教育・大学・研究省(MIUR)の認証を受けている学校はその質を保証されていると言えます。
イタリア文化会館・東京のウェブサイトでは、大学付属の語学・文化コースや語学学校の一覧を見ることができます。
ASILS(Associazione delle Scuole di Italiano come Lingua Seconda)やAIL(Accademia Italiana di Lingua)などのイタリア国内規格の団体、または国際規格の団体に加入しているかどうかも、学校評価のポイントです。ASILS やAILの加盟校は「イタリア留学情報 リンク集」掲載の各団体のウェブサイトで確認できます。

イタリア文化会館 学校検索〔日本語〕

手続きの流れ
色々な学校や地域をじっくり比較検討するためにも、留学開始時期の半年くらい前から計画を立て、情報収集を始めていきます。
以下のページを参考に、タイムスケジュールを立ててみましょう。
手続きの詳細はイタリア文化会館のサイトでも紹介しているので、確認してください。
申し込み
留学開始時期の4か月前をめどに、入学したい候補を数校選び、資料を請求します。ほとんどの学校が必要な情報をウェブサイトに掲載しており、必要書類をダウンロードすることが可能です。ウェブサイトに載っていない詳細や最新情報については、留学生担当窓口にメールなどで質問します。学校の対応も、学校選択をする際の判断材料になります。イタリア語や英語での質問に自信がない場合は、日本語のウェブサイトを持つ学校を探してみましょう。
希望校が決まったら、学校の募集要項に沿って必要書類を準備します。申請書、申込金(申請料)・授業料の支払い証明書のほか、写真や卒業証明書、イタリア語の語学試験のスコアなどが必要となる場合もあります。出願時期についてはビザの取得期間も考慮する必要があります。また、万一に備え、すべての提出書類はコピーをとっておきます。
定員に達すると期限前でも申し込みが締め切られることもあるため、日程に余裕を持って手続きを進めましょう。
<語学学校に送る資料請求のE-mail例>
Gentile Signore/a,
Sono interessata/o※ a frequentare la Vostra scuola e vorrei iniziare il corso a partire da開始したい月、年 della durata di 希望研修期間(週) settimane.
Vi chiedo gentilmente di inviarmi il Vostro materiale informativo riguardante i corsi di Italiano e l’alloggio al sequente indirizzo.
住所:
Cordiali saluti
名前:

※interessata/o書き手が女性の場合はinteressata、男性の場合はinteressatoを使う。
入国・滞在の手続き
大学入学目的以外の語学留学で90日未満の場合、ビザは不要です。90日以上の留学目的の入国には就学ビザの取得が必要です。
ビザ申請の際、お住いの場所によってビザの申請先が異なるので注意が必要です。愛知県と静岡県を境に、東日本の場合は東京のイタリア大使館領事部、西日本の場合は大阪のイタリア総領事館となっています。
まずオンライン予約システムにて申請の予約をします。申請には本人が出向かなければならず、第三者による代理申請はできません。必要書類や申請方法は大使館や総領事館のウェブサイトで確認し、不明瞭な部分については大使館や総領事館に直接問い合わせてください。
滞在許可証
イタリアに3か月以上滞在する場合は、入国後8日以内に滞在許可証(Permesso di Soggiorno)の取得手続きを行ってください。
郵便局にて「Kit」とよばれる無料の滞在許可証申請書類一式を受け取り、必要書類をそろえて郵便局の窓口に提出します。
以下の州中央警察のサイトより発行状況が確認できます。

Polizia di Stato〔英語・イタリア語など〕発行の通知がきたら、警察署に滞在許可証を受け取りに行きます。

イタリア国内におけるEU出身以外の学生の労働許可取得は難しいため、滞在期間中、充分生活できる費用を用意しなければなりません。
外国人大学、大学付属の語学コース
滞在先はホームステイ、アパート、ホテルなどのほか、大学寮や大学が紹介してくれる施設を利用できる場合もあります。大学寮の場合は、大学や時期によっても利用状況が違います。また、コース期間中は、大学の施設や食堂などの利用が可能です。
学校側が直接手配してくれる場合もありますが、一般には、学校が用意した住居リストや紹介されたエージェントを通して、各自で交渉するところが多いようです。

Universita per Stranieri di Perugia(ペルージャ外国人大学)

Universita degli studi di Catania(カターニア大学)

イタリア政府公認の学生寮紹介サイト
私立の語学学校
滞在先は、ホームステイ、アパート、ホテルなどがあります。私立の語学学校では、ほとんどが滞在先の手配をしてくれます。

Accademia Italiana(アカデミア・イタリアーナ)
現在、日本の大学に在籍している場合は、その大学に在籍したままの留学も可能です。詳しくは以下をご参照ください。

ヴェネツィア

(2019年12月改訂:禁無断転載)

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。