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このページは2015年度の調査をもとに2018年5月時点で更新した情報です。

概要

留学生受入制度

イタリアにおけるこれまでの試み

イタリアは、欧州における高等教育相互形成を目的としたボローニャ・プロセス(1999年)をいち早くとりいれた国のひとつでした。それにともない、それまで4年間の学部課程しかなかった大学は、第一レベル(3年間の学部課程)、第二レベル(2年間の修士課程または1年間のディプロマ課程)、第三レベル(3年間の博士課程または1年間のディプロマ課程)という3つのレベルに区分されることになりました。

ボローニャ・プロセスについてはこちらをご参照ください。

留学生受け入れ状況

ボローニャ・プロセス調印後の15年間で、イタリアは何度か教育制度改正を試みています。けれどもその成果は乏しく、イタリアの高等教育機関への留学生は他の欧州諸国に比べて低い割合となっています。2012年のユネスコの統計では、イギリスの17.1%、フランスの11.2%に対し、イタリアは4.1%にとどまっています。

美術・音楽高等教育機関への留学生受け入れ状況に関しては、2016年1月11日発表のイタリア教育・大学・研究省の統計結果によると、2014-2015年度の高等芸術音楽舞踏機関(Alta Formazione Artistica, Musicale e Coreutica:AFAM)の入学者約87,000人のうち12%が外国人です。

イタリアの教育制度

イタリアの学制は、就学前教育、初等教育、中等教育、高等教育に区分されます。学校種別ごとに区分すると、初等教育は小学校の5年間、中等教育は前期中等教育(中学校の3年間)および後期中等教育(3~5年間)からなり、高等教育は大学、高等芸術音楽舞踏機関(Alta Formazione Artistica, Musicale e Coreutica:AFAM)、高等技術教育機関(Istituto Tecnico Superiore:ITS)からなります。
教育制度図は次のとおりです。
 
イタリア教育制度図
 
 

義務教育

義務教育期間は初等教育(小学校)の5年間、前期中等教育(中学校)の3年間および後期中等教育の最初の2年間を合計した10年間です。以前は14歳時点で義務教育が完了していましたが、現在は16歳となっています。

後期中等教育

後期中等教育は3~5年間で、非常に多岐に渡っていることが特徴です。専門的な知識や技術を身につけるための学校が選択できます。就学期間が5年間の高校、技術専門学校、職業専門学校と、3~4年の州立職業訓練専門学校の4種類があります。高校は6つに分類され、芸術高校(Liceo artistico)や音楽・舞踊高校(Liceo musicale e coreutico)では芸術分野が学べます。

高等教育

高等教育に属する機関には、大学、高等芸術音楽舞踏機関(AFAM)、高等技術教育機関(ITS)の3つがあります。
大学は、学士課程が3年間、修士課程が2年間、または専門コース[レベル1]が1年間、博士課程が3年間または専門コース[レベル2]が1年間が就学期間となっています。そのほかに、学士取得者を対象とした1年間のディプロマ課程、修士取得者を対象とした1年間のディプロマ課程が置かれています。

芸術分野を学べるのは、高等芸術音楽舞踏機関は(Alta Formazione Artistica, Musicale e Coreutica:AFAM。以下、AFAMと記載)です。イタリア教育・大学・研究省管轄の機関で、視覚芸術、音楽、舞踏、演劇、デザインといった芸術分野の教育、生産、研究活動を行います。国立美術院(Accademie di Belle Arti)、国立演劇アカデミー(Accademia Nazionale di Arte Drammatica)、国立音楽院(Conservatori di Musica)、国立ダンスアカデミー(Accademia Nazionale di Danza)などがこれに属しています 。

高等技術教育機関(Istituto Tecnico Superiore:ITS)は全国に931機関 存在し 、短期の非大学型高等教育を提供しています。受講資格を有するのは上級中等教育修了者資格取得者と4年間の職業専門学校修了者です。また、 高等技術者認定証(Diploma di tecnico superiore)の取得も可能です。

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。