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2016年7月更新

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ベトナム

留学の準備

この「ベトナム留学情報ページ」は、2016年7月時点の一般的な情報を紹介しています。ビザについては日本国内の大使館・総領事館に、学校情報は留学を希望する学校に、最新の情報を直接確認してください。また、本文中で紹介している学校情報については、当機構がこれらの学校を特におすすめしているという趣旨ではありません。

ベトナムの教育制度

ホウオウボク

教育の中央行政機関は教育訓練省(Ministry of Education and Training)です。教育行政は国・省・市町村の各レベルで担当しており、国は教育政策の立案や各教育レベルでの課程基準を設定し、省・市町村はその実施や監督の責任を負います。初等・中等学校は市町村が設置、管轄します。専門中等学校は教育訓練省、職業中等学校は労働傷病兵社会福祉省が所管します。大学や研究所などの高等教育機関は、教育訓練省の設置・管轄のもの、他官庁や省人民委員会が設置・管轄するもの、民間の機関が設置・管轄するものがあります。

全国的に学校教育制度が一本化されたのは、1989年になってからです。1975年の統一前まで南北の教育制度は異なっており、統一後6年たった 1981年に旧南ベトナムの制度を採用することが決まりました。1991年に初等教育の 5年間を義務教育とすることに決まり、現在では、初等教育の5年間と前期中等教育の4年間が義務教育となっています。義務教育の後は、3年制の後期中等教育機関(高校に相当)、そして、短期大学、大学、大学院などの高等教育機関が設置されています。  

ホーチミン市


ベトナムの学校制度は、旧南ベトナムの制度が採用された1981年以降、初等教育(小学校)5年、前期中等教育(中学校)4年、後期中等教育(高校)3 年の 5・4・3 制となりました。

ベトナムにおける教育年度は 9 月から始まり、翌年の 6 月中旬頃に終了します。年度によって異なりますが、1 月下旬~2 月中旬の旧正月(テト)休日を境として、2 学期制を採用しています。夏休みは 7~8月です。
<初等教育>
初等教育は、通常 6~11歳の子どもを対象に初等学校(小学校)で行われ、修了すると初等教育修了証が授与されます。 
  • 2014-2015年 初等教育純就学率:99%  (Country Report: 15 Years Achieving the Viet Nam Millennium Development Goals, UNDP2015 Sep. ) 
<前期・後期中等教育>
中等教育は、前期4年、後期3年で構成されます。前期中等教育(中学)は基礎中学(Lower Secondary School)と呼ばれます。修了すると前期中等教育修了証が授与されます。 
  • 2014年 前期中等教育純就学率:87.2 % (同上) 
後期中等教育の機関としては、普通中等学校(普通高校)と専門・職業中級学校があります。普通中等学校では、高等教育機関に進学するための準備教育や職業教育が行われます。修学期間は 3年(15歳~18歳)です。普通中等学校に入学するためには、基礎中学を修了後、入学試験に合格しなければなりません。
  • 2010年 後期中等教育純就学率:50% (Viet Nam National Education for All 2015 Review, Ministry of Education and Training (UNDP) p.9) 
<高等教育>
高等教育機関は、短期大学、大学、大学院などがあります。大学・大学院の修学年限は学部・研究科によって異なりますが、一般的に大学の学士課程は4年(工学部は5年、医学部は6年)、大学院修士課程は2年、大学院博士課程では修士号取得者は3年、修士号未取得者は4年が標準修学年限です。短期大学は3年制が一般的です。 
  • 2014年 高等教育就学率:30.5% (UNESCO Institute for Statistics)

ベトナムの大学・大学院

ベトナムの大学、大学院の数と在学生数と教員数(2014年)
種類 大学数 在学生数 教員数
公立大学/ 短期大学
(Public university/college)

347
 
2,050,300 74,100
私立大学/ 短期大学
(Non-public university/ college)
 
89 313,600 17,300
公立大学院
(Public graduate school)
 
377,900
私立大学院 
(Private graduate school)
 
63,900
GENERAL STATISTICS OFFICE of VIET NAMより作成

ダナン大学外語大学



現在ベトナムには 2 つの国家大学のほか、地方総合大学、専門大学、公開大学、私立大学があります。
このうち、国家大学、地方総合大学、専門大学と公開大学は公立大学です。

それぞれの大学の特色は以下の通りです。
  1. 国家大学
    ハノイにベトナム国家大学ハノイ校、ホーチミン市にベトナム国家大学ホーチミン市校が設置されています。国家大学と国立大学の英語表記ではどちらも「National University」ですが、ベトナム語では前者は「Dai hoc quoc gia」、後者は「Dai hoc quoc lap」と区別して表記されています。この二つの国家大学は他の国立大学より行政上高い位置付けとなっていて、研究費の配分も優遇され、教育・科学研究活動などにおいて主導権を持つなど、多くの点で優先的な待遇が与えられています。
    ベトナム国家大学ハノイ(VNU Hanoi)は1906年にインドシナ大学として開学し、1945年にベトナム国家大学、1965年にハノイ大学となり、1993年以降は主要ないくつかの大学が統合して再編成されて現在のベトナム国家大学ハノイとなりました。一方、ベトナム国家大学ホーチミン市(VNU-HCM)は1995年に主要な大学が統合して設立されました。このように、複数の大学が統合して発展してきた経緯から、両ベトナム国家大学では、国家大学の中に、さらに大学という名称で各分野の部門が設置される形となっています。(例 ベトナム国家大学ハノイ 人文社会科学大学)外資による大学 
    近年、ベトナム政府の政策に基づき、外資を導入した大学が設立されています。2008年にはドイツ政府と共同でVietnamese-German Universityが設立されました。2014年には日本政府と共同で、日越大学がベトナム国家大学ハノイの傘下に設立されています。
     
  2. 地方総合大学
    地方中心都市でも、国家大学と同様にそれぞれの地域における総合大学を目指し、1994年に総合大学と単科大学の統合が行われました。その結果、フエ大学、ターイグエン大学、ダナン大学が、地方の拠点大学となっています。
     
  3. 専門大学
    ベトナムでは、旧ソビエトの高等教育制度の影響から、特定の専門分野に関する教育を提供する専門・単科大学が設立されてきました。専門分野としては、技術・教育・農林・地質鉱業・経済・法律・医薬・体育などがあります。
     
  4. 私立大学
    地方コミュニティーなどによって設立・運営された大学を民立大学、政府以外の組織や個人によって設立・運営された大学を私立大学と称していましたが、2012年制定のベトナム高等教育法では両者とも、私立大学と同じ位置づけになっており、現在過渡期にあります。1988年にハノイ市内に民立大学の 1 号として設立されたタンロン大学も、現在では私立大学と称しています。公開大学(Open University)
    成人教育機関として、1993年にハノイとホーチミン市に公開大学が開設されました。当初は準公立大学として運営されていましたが、現在は公立大学となっています。eラーニングなどの遠隔教育だけでなく、通学制のフルタイム授業も展開しています。
     
  5. 短期大学(College※)
    1970 年代から、3 年制の短期大学が大学内部および単独の学校として設置されました。短期大学には師範系が多く、それ以外の短期大学には、専門大学と同様の分野があります。
    ※ベトナムでは短期大学の英訳をCollege、大学をUniversityとしています。
<大学入学資格と試験>
ベトナムの大学への受験資格は、高等学校を卒業していることです。入学試験科目は分野別に 5つのカテゴリーに分けられています。
ベトナムにおける大学入学試験科目の分類
グループ 試験科目 指定分野
Aグループ 数学、物理、化学 工学系、コンピュータサイエンス系、
物理学系等
Bグループ 数学、化学、生物 医学系、生物学系など
Cグループ 文学、歴史、地理 社会科学系、人文学系
Dグループ 文学、数学、外国語 外国語系、貿易系
Eグループ 数学、物理、他の科目 その他の分野
Higher Education in Vietnam, May 2004
World Education News and Reviews, World Education Servicesより作成
現在、ベトナムの大学入学試験制度は改革中にあり、今後大きく変わっていくことも予想されます。なお、外国人留学生向けコースの入学選考は、主に書類審査により行われています。
<大学における成績評価方法>
全ての教育段階で 10段階評価が用いられています。5以上が合格で、各点数の配分は以下の通りです。 
 
点数 評価
9-10 Xuat sac (Excellent)
8-9 Gioi (Very good)
7-8 Kha (Good)
6-7 Trung binh kha (Fairly good)
5-6 Trung Binh (Fair)
4-5 Yeu (Weak/Fail)
< 4 Kem (Bad)
Education system Vietnam, EP-Nuffic, 2nd edition January 2011 version 2, January 2015より作成


<学期構成(学事日程)>

基本的に、1学年は前期と後期の 2期制で、前期は通常 8~1月まで、後期は 2~6 月までです。それぞれの学期末には修了試験があります。
休みは原則として旧正月休み (1月の終わりから 2月上旬の2週間)と、長期の夏休み(後期終了後、次年度の前期に至る期間)です。

留学の種類と奨学金

日本からベトナムへの留学は、交換留学が主流ですが、日本政府や民間団体が実施する奨学金を得て留学したり、私費で語学留学したりすることもできます。 

  1. 交換留学(大学間協定)
    ベトナム・日本の大学間協定に基づく交換留学は、ベトナム留学の一般的な形式の一つです。これは、ベトナムの主要大学が日本の大学と交換留学プログラム制度を設け、それぞれの学生の派遣と受け入れを行うものです。内容は、日本人学生のベトナム語運用能力を考慮して、ベトナム語を身につけていなくても活動できるように構成されているものや、ベトナム語の学習が中心に組まれているもの、日本語教育のアシスタント体験、農村の見学、地域住民との交流などを中心とした異文化体験プログラムなど、短期体験型のものから単位取得型、大学院の場合はフィールドワークなど様々な形態で展開されています。

日本学生支援機構では、大学の短期交換留学プログラムを推進するために「海外留学支援制度(協定派遣)」を大学に対して提供しています。応募はすべて日本の大学を通して行われます。募集要項などの詳細は、在籍大学の担当部署に直接お問い合わせ下さい。

海外留学支援制度(協定派遣) ※リンク先を新しいウインドウで表示

  1. その他の奨学金による留学
    奨学金による留学は、日本政府または民間団体が実施する各種奨学金を得てベトナムへ留学するケースです。日本人学生に対してベトナム政府招聘の奨学金はありません。
    民間のアジア留学に限定した他の主な奨学金としては「松下アジアスカラシップ」があり、大学学部、大学院生に 2 年までの奨学金を支給しています。詳しくは各奨学金案内書やホームページを参照してください。 
  1. 私費留学
    ベトナム教育訓練省は、国際交流の一形態として私費留学生の受け入れ増加を目指しています。学部学位課程での留学生受け入れは、二つの国家大学の人文・社会科学大学やハノイ外国語大学の外国人留学生向けベトナム語・ベトナム文化学科などで行われています。これらの学科では、短期のベトナム語コースを開設しており、クラス授業や個人レッスンなども展開しています。私費留学を希望する場合、志望大学・大学院または大学付設の語学センターなどに個人で直接連絡し、出願手続きなどについて問い合わせてください。

ベトナム語およびベトナム学などが学べる主な国立大学の学科・機関

  • 現在、ベトナムへの留学は語学留学が中心です。一般の大学・大学院の学位取得課程に入学する場合は、十分なベトナム語の能力が必要とされます。
     
  • 一方、留学生受け入れを推進するために、留学生向け特別コースとして語学学習と同時にベトナムの歴史・文化・社会を総合的に勉強し、4年間で学士の学位を取得するベトナム学コース(ベトナム語ベトナム文化学科)を開設している大学もあります。
     
  • 近年は、英語による授業で学位を取得できるコースを開設している大学があります。入学してからの1~2年で英語を習得し、その後、英語による授業で専門的な科目を履修します。
     
  • 学校によっては夏季休暇を利用した短期プログラムを開設しています。
    ※内容、学費などは各大学のホームページより確認してください。
学位取得課程と同時に短期の語学レッスンコースを開設している大学が多いので、コースや大学の特徴については、「手続きについて」や「学校情報」をご参考ください。

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