留学先の国の特徴や留学情報をご紹介。
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大学・大学院・短期大学・専門学校 私費留学

Yさん
都市名:ブリュッセル
学校名:ブリュッセル王立美術アカデミー
専攻名:Executive master food design
留学期間:2012年9月~2013年6月
取得資格・学位:executive master
留学形態:私費留学
留学の動機
なぜベルギーに留学しようと思いましたか?他国との比較、決め手になったことなどお答えください。
food designという学問を学べる国が限られていたこと。フランスにも学べる学校はあるが、親戚がベルギーに住んでいたことが決め手になった。
留学前の準備期間、言語の勉強方法
留学を思い立ってから実際に現地へ出発するまで何か月くらいの準備期間が必要でしたか?
3ヶ月程度。

準備期間中にいちばん大変だったこと、時間は十分だったかをお答えください。
ビザの取得が煩雑であったこと。

留学前にフランス語またはオランダ語または英語をどのように勉強しましたか?
英語での授業ということでとりたてて語学の勉強はしなかった。実際は、授業は仏語で行われて、クラスメイトが英語に翻訳してくれる、という形式で授業が進んだので、勉強しておけば良かったと思った。

語学学習において、どんな勉強方法が一番効果的だと思いますか?
その言語を話す友人を作り、なるべく長い時間を一緒に過ごすこと。
情報収集方法
どのようにしてベルギー留学について情報収集しましたか?
インターネットで志望の学校を見つけた後は、ベルギー留学経験者のブログなどを参考に準備を進めた。
現地学校への問い合わせ
学校へはどのような手段で連絡を取りましたか?また、具体的な質問内容を差支えない範囲で教えてください。
学校のウェブサイトで調べた宛先にメールを送って入学申し込みに必要な書類の詳細などを質問した。具体的には、自分には芸術大学で学んだ経験がないので作品集を提出できないのだが、代わりにオリジナルのレシピ集を提出することは可能か?など。

連絡の際に困ったことはありましたか?
特になし。
出願
出願時に提出した書類と、提出方法を具体的に教えてください。
願書、履歴書、成績証明書、推薦状、ポートフォリオ(レシピ集)を郵送で送った。

出願から正式な入学許可を受け取るまでに苦労したことはありましたか?それをどのように解決しましたか?
特になし。
入学試験
入学試験を受けましたか?またその教科や内容を教えてください
Skypeで面接をして、これまでの経歴や料理の経験などを話した。あとは書類選考のみ。
ビザ・居住の許可の取得
ビザ(査証)を取得しましたか?申請から取得まで、どのくらいの時間がかかりましたか?
取得した。急いでいる旨を伝えて1ヶ月ほどかかった。

ビザ(査証)の取得にはどのような書類や手続きが必要でしたか?気をつけた点も教えてください。
成績証明書、入学許可証、無犯罪証明書、戸籍謄本、健康診断書、収入証明(両親)それらのアポスティーユなど。両親が都内にいないので、収入証明のサインなど、たびたび上京してもらわなくてはならなかった。

滞在許可を取得しましたか?取得にはどのような書類や手続きが必要でしたか?気をつけた点や申請から取得までにかかった時間も教えてください。
取得した。VISAを取得して現地入りし、1週間以内に在住するコミューンで手続きをした。1ヶ月くらいかかった気がする。
学費、生活費、お金の送金・管理方法
留学中にかかった学費(+諸経費)の総額はおよそいくらでしたか?どのような支払方法が便利でしたか?
およそ7,000ユーロくらい。入学金+授業料は振込、それ以外に授業で必要なもの(エプロン・調理器具など)は各自で購入。クレジットカードで買った。

学費以外の生活費の、1か月平均額または留学期間全体の金額、及び内訳を教えてください。
友人とルームシェアをし、1人あたり1ヶ月450ユーロの家賃だった。これに光熱費・食費などが1ヶ月100ユーロくらい。娯楽費は月によって50ユーロくらい。

学費、生活費をどのように捻出しましたか?
学費は入学以前に働いて貯めたお金でまかなった。生活費はアルバイトで。

お金をどのように管理していましたか?現地で銀行口座を作った場合、どのような手続きをしましたか?
現地で銀行口座を作った。アルバイトをしていたので若干の定期収入があり、そのため作った。

日本からの送金が必要な際、どのように送金してもらいましたか?
一度だけ送金をしてもらった。現地の銀行に、日本の銀行から送金してもらった。
健康管理
どのような保険に入っていましたか?留学先校など現地で保険の指定はありましたか?
保険には加入していなかった。

日本またはベルギーで予防接種・健康診断を受けた場合、その内容を教えてください。
VISA取得にあたって健康診断を受けた。身長体重聴力視力尿検査…など。

現地の医療サービスを受けましたか?またその場合、気をつけるべき点があれば教えてください。
受けていない。
学校生活
日本の授業に比べて異なる点、ベルギーらしいと思う特徴、受講した感想を教えてください。
日本で通っていた大学よりも時間に厳しかった(受講人数が少なかったせいもあるかもしれない)。またこれも受講人数の少なさのせいかもしれないが、ひとりひとりが意見を言う機会が多かった。

予習・復習での工夫や苦労した点があれば教えてください。
語学の面でとにかく苦労した。わからないところでいちいち質問すると授業が進まないので、授業はICレコーダーで録音して後で聴き直すようにしていた。

試験やエッセイ・レポート対策について、工夫や苦労した点があれば教えてください。
仏語ができないので英語で記入していたが、教授陣に英語をしゃべれない人が何人かいて、その度に友人に翻訳の助けを頼まねばならず、大変だった。逆に、あまり英語ができない先生の場合、英語で出したレポートに対しての評価が甘い、という利点もあった。

英語による授業または英語研修に参加した方に伺います。オランダ語またはフランス語は、授業・リサーチ・日常生活において必要でしたか?
事前の学習要項によると、授業は英語で行われるということだったが、自分以外のクラスメイトが全員仏語話者だったので、結果授業は仏語で行われることになった。

授業やレポートにおいて、語学上・学習上のサポートはありましたか?
友人のサポートのみ。

学校の施設(図書館・Computer Lab・カフェなど)は充実していましたか?
図書館はあったがコピー機を使う時にしか利用しなかった。カフェはなかったが、自動販売機はよく利用した。

学校全体やクラスで、現地の学生・外国人留学生・日本人留学生の割合、学生の年齢層はどのようでしたか?
学校全体では日本人は私を含め4人程度しかいなかったように思う。アジア人が少ない印象だった。クラスメイトは12人いて、そのうち3人が欧州からの留学生、私が唯一のアジア圏留学生だった。

現地の学生・外国人留学生と交流できましたか?その方法や得られたこと、大変だったことがあれば教えてください。
基本的にはクラスメイトのみとの交流だった。そのうちの1人とルームシェアをしたので、他のクラスメイトを家に招いたり、外で食事したりした。自分以外全員が仏語話者なので、気を遣って英語で話してくれるのが逆に申し訳なかった。

日本人留学生との交流はできましたか?得られたことや大変だったことはありましたか?
学内の日本人留学生とは話す機会がなかった。学外で知り合った音楽学校の日本人学生たちとの交流はあった。日本語を話す時間を楽しみ、日本人とのつながりを増やすことができた。

指導教官とのやり取りでよかったこと、大変だったことはありましたか?
唯一仏語を解さない生徒だったので、ずいぶん良くしてくれたと思う。アルバイトの紹介もしてくれたし、自分の学外での職場にも連れて行ってくれた。入学願書申請時に説明された学習要項と違う点がいくつかあったので、それについて言い争いになることもあったが、おおむね優しくしてくれた。
食事
普段はどのように食事をされましたか?現地の食事・飲料水・食材で苦労したこと、気をつけたことはありましたか?
基本的には自炊をしていた。スイス人のルームメイト(ベジタリアン)と暮らしていたので毎食日本食を食べるわけにはいかなかったが、互いの国の伝統料理を御馳走しあったりして楽しかった。飲料水に関してはカルキが多くて苦労した。それ以外は日本より安い食材費で暮らせたため、特に困ることもなかった。

日本の食材を手に入れることはできましたか?日本から持参すると良い食材があれば教えてください。
日本食スーパー、アジア食品スーパーがあったのでたいがいのものは手に入った。ただし品数は限られるため、頻用する特定の調味料があるならば持参した方が良い。ブリュッセルにある田川という日本食材屋は、現地の日本食レストランに卸していることもあり、普通の日本食スーパーでは手に入らない美味しいポン酢などが買えて、重宝した。
住居
留学中、どんな住居に住んでいましたか?その特徴とともに教えてください。
アパートにクラスメイトと2人で暮らしていた。4階建ての最上階で、比較的人気のあるエリアだったため家賃は少し高めだったが、治安が良く便利であった。入学した9月は住居を探す人が多くてなかなかアパートが見つけられず苦労した。

住居を決めた際の基準や、探した方法を教えてください。
住居探しのウェブサイトで探していたが入居希望者も多くなかなか見つからず、Facebookのコミュニティで探し始めて見つけることができた。一刻も早く住むところを見つけなければならなかったため、家賃と治安という2大条件を満たした時点で即決した。

住居でトラブルはありましたか?あった場合、どのように対処しましたか?
特になし。大家さんも良い人だった。
現地の治安状況・注意したこと
現地の治安状況についてどのように情報収集しましたか?
情報収集は特にしていない。現地に住んでいる親戚から体験談を聞いたくらい。

居住地域の治安状況を教えて下さい。治安状況を踏まえて気をつけた点について教えてください。
日本よりは確実に悪い。移住して間もない時に財布と携帯を盗まれた。以降、気をつけるようにしてからは特に何も盗まれたりはしていない。欧州の他の国も旅行し、ブリュッセルに住み慣れた今となっては、とりたてて良くもないし悪くもない、といった印象。

犯罪に巻き込まれたことはありましたか?その際どのように対処しましたか?
上記の盗難。友人に頼んで警察に連絡してもらった。携帯は戻ってこなかったが、財布はお金を抜き取られた上で、近所のゴミ箱で見つかった。
通信
通信機器は、日本から持参されましたか?学校や居住施設での利用はいかがでしたか?
携帯は日本から持参したが間もなく盗まれた。現地で安いスマートフォンを購入して、ヨーロッパの通信会社と契約した。PCは日本から持参した。コンセントの形が違うのでそこだけ変換機を利用したが、それ以外は日本と同じように使用していた。

現地で上記の通信機器やインターネットを利用した際、機器・プロバイダの選択や手続きはどのように行いましたか?
友人に聞いたりして、いちばん安そうなプロバイダと契約した。携帯はプリペイドの契約だったので、オンラインでチャージできることを重視してキャリアを選んだ。
気候
日本との気候の違いに対して心がけた点を教えてください。
乾燥しているので、肌が荒れた。また水も日本とは違うので、化粧品は特に保湿を重視して選ぶようになった。気候は、夏は日照時間も長く素晴らしいが、冬は天気が悪くて寒い日々が続くので、憂鬱だった。また天気が頻繁に変わるので、折りたたみ傘をいつも鞄に入れて歩いた。
現地生活状況・各種相談先
現地購入できて役に立ったもの、日常品で重要なものがあれば教えてください。
食材に関しては日本食材屋で賄えるし、現地の食品に慣れれば特別な枯渇感もない。日常品はたいがい現地のもので間に合う。強いてあげるならば、日本人の肌質にあった基礎化粧品は日本で揃えておきたいのと、冬は日本から持ってきたホッカイロを重宝した。本や雑誌はどうしても手に入らなかったので、日本から友人が来る時などにまとめて持ってきてもらった。

学校内・学校外で問題があったとき、誰に相談しましたか?
現地の友人(クラスメイト、学外で知り合った日本人など)。

住居などについて支援を受けられるような学生互助会(自治会)などはありましたか?その支援を受けましたか?
調べたことがないのでわからない。支援も受けなかった。

現地の人との文化的摩擦、トラブルの経験や、異文化の中で気をつかった点はありましたか?
「察する」ということを他者に期待してしまい、自己主張をせず、自分のしたいことや言いたいことが相手に伝わらないことが多々あった。日本人の傾向かなと思う。主張があればとりあえず言った方がいいと思った。あと、これはトラブルではないが、現地の友人は人を褒めることにためらいがないな、と感じた。新しい服にいち早く気付いたり、髪型を褒めたりなど。学びたい美点だと思う。
帰国後の進路/留学と進路との関係
現在の所属について、差し支えない範囲で教えてください。
ブリュッセルの日本食レストランで調理業務。

留学前・留学中・留学後のいつ、就職活動をされましたか?
卒業間際の夏休みに、現在働いているレストランで就職活動をした。もともと知人が働いていたこともあり、スムーズに就職できた。

ベルギーで就職活動をされましたか?その場合、その内容や特徴、現地大学・語学学校からの支援の有無について、差し支えない範囲で教えてください。
学校からの支援は特になく、日本人コミュニティを伝っての就職活動であった。芸術大学で料理を学ぶ、という特殊な学科だったため、他のクラスメイトの就職先もそれぞれだが、レストランに勤務したのは自分1人のみだった。日本人経営の日本食レストランだったのでベルギーらしい特徴はないかもしれないが、話を聞いていると、日本のように正規雇用/非正規雇用のような雇用形態の大きい違いは重要でないように感じた。

日本で就職活動をされましたか?
していない。

留学経験は進路決定に影響しましたか?また、留学経験は現在の仕事・学業にどのようにいかされていますか?
結果的に現地で就職したので、大きく影響した。芸術大学の調理学科からの就業ということで、実際の調理学校からの就業よりも現職場での実用性は低いと思うのだが、就労ビザ取得の際に、ただの調理人ではなく「フードデザイナー」として登録できたおかげでビザが取得しやすかったのだろうなと思う。
後輩へのアドバイス
日本にいる間にしておけば良かったことや、留学先にベルギーを選んで良かったと思うこと、期待とは違ったことなどを踏まえて、これから留学を考えている後輩へのアドバイスをお願いいたします。
他の仏語圏よりも英語が通じやすいとは言え、現地言語をしっかり学んでおけばよかったと思う。それ以外は特に心構え無く来ても大丈夫である。暮らしやすい国であるように思う。唯一、公共交通機関が想像以上にルーズだったので、そこに関してだけは期待ゼロで来た方がいい。
留学中の1週間の授業時間割
時限
1 (9時30分~10時30分)   食とデザイン 食と社会学   調理実習
2 (10時45分~12時15分) 食と歴史 食とデザイン 食と社会学 ワイン学 調理実習
3 (13時15分~14時45分) デザイン  衛生学 フードデザイン 観光学   フードデザイン
4 (15時00分~16時30分) デザイン    フードデザイン 食と文化  フードデザイン

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。