留学先の国の特徴や留学情報をご紹介。
国ごとの違いを明確に知り、自分にあった留学先を見つけましょう。

留学の準備

このページは2013年度の調査をもとに、2018年2月時点で更新した情報です。
学校情報については留学を希望する学校に直接最新の情報を確認してください。なお、当機構がこれらの学校を特におすすめしているという趣旨ではありません。
特殊文字や記号は英語のアルファベットに置き換えています。

留学の種類

スペインへの留学は、目的により以下の4つに大別できます。

(1)語学留学
(2)大学・大学院への正規留学
(3)交換・派遣留学
(4)芸術専門教育機関への留学
スペインでは公用語(カスティーリャ語。一般的にはスペイン語と呼ばれる)のほかに、バスク語、カタルーニャ語、ガリシア語、バレンシア語の4つの言語が各地方自治州の公用語として認められており、それぞれの言語の語学学校があります。
スペイン語を学ぶ機関は以下の3種類です。
 

  •  大学付属プログラム(公立・私立)
    【コース例】一般スペイン語/集中スペイン語/ビジネススペイン語/検定試験対策など

    現地でのレベル分けテスト後、クラスが振り分けられます。
    ビジネススペイン語など一部のコースでは、中・上級以上のスペイン語能力を要求される場合があります。
    このほか、スペイン語によるスペイン美術史・文学・地理・歴史の各講座や、大学によっては学部の正規授業を受講するための語学サポートを行っています。多くの場合、母体となる大学の設備(食堂、図書館、スポーツ施設、インターネットなど)が利用できます。コースの開始時期や期間は大学によってさまざまです。

     
  • 私立語学学校
    【コース例】
    一般スペイン語/集中スペイン語/ビジネススペイン語/検定試験対策/個別レッスンなど

    1週間単位での申込みが可能です。特定の語学力を要求されることはありません。一般に私立の語学学校は都市部に集中し、少人数制なので実用的です。

     
  • 公立語学学校(EOI:Escuela Oficial de Idiomas)
    地域住民が外国語を学ぶための教育・文化・スポーツ省管轄の語学研修機関ですが、外国人対象のスペイン語コースも設けています。受講修了後に試験があり、合格すれば正式な語学能力証明書が発行されます。
    外国人を含む現地の一般住民を対象としている
    ため、手続きは通常現地で行います。したがって、日本から直接留学することは難しいでしょう。

​★語学学校検索
語学学校の詳細な情報については本サイト内の「スペイン語研修の手引き」をご参照ください。
スペインの高等教育機関である国公立・私立大学で学べる専門分野は、芸術・人文、科学、健康科学、社会科学・法学、工学・建築の各系統です。
 

国公立大学
国公立大学は1218年に設立されたスペイン最古の大学サラマンカ大学(USAL:Universidad de Salamanc)をはじめ、起源を中世に遡る大学が数多くあります。1947年に創設されたメネンデス・ペラヨ国際大学(UIMP:Universidad Internacional Menendez Pelayo)は夏期コースおよび外国人留学生向けスペイン語・スペイン文化コースのパイオニア的存在です。
私立大学
1952年にはデウスト大学(Universidad de Deusto)やナバラ大学(Universidad de Navarra)など、カトリック系の大学が4校存在するのみでしたが、1991年以降急速に増加しています。イエズス会などの修道会、オプス・デイ、あるいはローマ教皇によって創設されたカトリック系の大学などがあります。

遠隔教育大学
1972年に設立された国立遠隔教育大学(UNED:Universidad Nacional de Educacion a Distancia)は、25万人以上の学生を抱えるスペイン最大の大学です。近年は1995年設立のカタルーニャ・オベルタ大学(UOC:Universitat Oberta de Catalunya)をはじめ、遠隔教育大学の設立が相次いでいます。UNEDはスペインの学部課程への入学を希望する外国人のための出願サービス、UNEDassisを提供しています。また、提出書類の認証や、書類審査の際に加点材料となる試験、PCE(Pruebas de competencias especificas)なども行っています。
 
大学についての詳細な情報は本サイト内の「スペイン 大学留学の手引き」をご参照ください。

【留学生受け入れ方針】
大学の国際化を目的とした公的機関にSEPIE(Servicio espanol para la internacionalizacion de la educacion)があります。SEPIEはEUの留学支援プログラム「エラスムス・プラス」の運営・普及・促進や、国内外の教育関連プログラムへの協力・参加、奨学金情報の提供、留学生向けのプログラムの公募や支援・助言などを行っています。

スペインは地方自治の独自性が強いことから、留学生受け入れにおいても各自治州が独自の政策を進めています。

マドリード州
高等教育に関するポータルサイトEMES(Espacio Madrileno de Ensenanza Superior)を開設し、州内の大学に関する一般的な情報から、入学要件、奨学金、住まい探しなど留学生にとって役立つ情報を提供しています。

カタルーニャ州
ウェブサイトStudy in Cataloniaで州内の大学留学に関する情報提供を行っています。
また、国際的な大学都市バルセロナを目指して、カタルーニャ州政府、バルセロナ市役所および周辺の大学などの協力で1997年に設立された団体BCU(Barcelona Centre Universitari)は、外国人留学生を対象に情報提供や住居探しの支援をしています。

【交換・派遣留学制度を利用しないで、休学して留学する】
個人で手続きを行って協定校以外の学校に留学した場合でも、大学への事前申請によりスペインで取得した単位が認定されることがあります。学校によっては留学を休学理由として認めないこともありますので、留学方法や留学中の学籍の扱いについては、在籍校の留学担当部署と事前によく相談してください。
スペインに留学を希望する日本人の間で関心の高い分野として音楽・美術があります。近年は幅広い分野にわたって高度に専門化された教育を受けることができますが、大学レベルに相当する上級の課程に進むためには、スペインの高校卒業資格と同等の資格を有することが条件で、入学試験が課されることもあります。出願手続きは教育機関ごとに異なるため、詳しくは留学を希望する教育機関に問い合わせてください。

以下にそれぞれの分野の代表的な教育機関を紹介します。 
 

【音楽】
クラシックギターの本場であるスペインは、音楽留学先としても人気があります。音楽を学ぶ機関にはマドリード高等音楽院、ソフィア王妃高等音楽院などがあります。

【美術】
絵画、彫刻、版画などのほかに、応用美術の分野があります。応用美術は造形美術・デザインの領域において、職業教育(中級・上級)および大学教育に相当するレベルで実施されています。大学教育に相当するレベルの教育には、グラフィックコミュニケーション、工業デザイン、ファッションデザインなどがあります。

王立サンフェルナンド美術アカデミー(マドリード) Real Academia de Bellas Artes de San Fernando〔スペイン語〕1752年設立。スペイン国内に8つある王立アカデミーの一つで、現在はアカデミー正会員56名を数えます。絵画、建築、彫刻、音楽、映像美術の普及・促進を目的としています。
ワークショップや講演会も開催されており、同校のウェブサイトから情報を得ることができます(Home>Actividades>Cursos y conferencias)。

マサーナ美術学校(バルセロナ) Escola Massana, Centre d'Arts i Disseny〔英語・スペイン語など〕1929年にバルセロナで設立された美術学校です。美術・デザイン学部のほかに現代応用美術を専門に学ぶことのできる大学院も設置されています。一般向けのコースも開講されており、装丁、デッサン、ジュエリー、絵画、ガラス制作、映像など、その分野は多岐にわたります。
学費は芸術・デザイン学部6,436ユーロ/課程です(2017~2018年)。

リョッジャ美術学校(バルセロナ) Escola Superior de Disseny i Art Llotja〔英語・スペイン語など〕スペイン最古のデザイン学校で、1944年に美術部門が独立するまでの間にカタルーニャの著名な芸術家のほとんどが同校で学んでいます。現在は造形芸術・デザインの職業教育(中級・上級)、大学レベルの教育において、各資格を授与する機関となっています。入門コース、講演会、セミナー、ワークショップも開催されています。

スペインの教育機関に留学する際、一般的に語学試験はありませんが、授業についていけるだけのスペイン語力は必須です。また、自治州によってはバスク語、カタルーニャ語、ガリシア語、バレンシア語などの地方公用語で授業が行われることも考慮する必要があります。

【スペイン語語学試験】
スペイン語の語学試験については、以下のリンクをご参照ください。
【 英語語学試験(英語が必要な場合)
留学先によっては一定水準の英語の能力を要求される場合がありますので、各教育機関に問い合わせてください。また奨学金の申請の際に英語能力の証明を要求される場合もあります。
英語の語学試験については、以下のリンクをご参照ください。

【地方公用語の能力判定】
  1. カタルーニャ語
    カタルーニャ語の能力証明は、カタルーニャ州内では州政府言語政策局、それ以外の地域ではラモン・リュイ研究所(Institut Ramon Llull)が実施しています。ラモン・リュイ研究所はカタルーニャ語およびカタルーニャ文化の普及を目的とした機関です。ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR:Common European Framewok of Reference for languages)のA2、B1、B2、C1、C2の5段階で能力証明を得ることができます。CIFALC(Comision Interuniversitaria de Formacion y Acreditacion Linguisticas de Cataluna:語学の教育・認証を行うカタルーニャの大学委員会)もこれら5段階のいずれかに相当する能力認定を行っています。

ヨーロッパ言語共通参照枠 CEFR〔英語〕

 
  1. バスク語
    バスク州政府教育・言語政策・文化庁のRUTCE(Registro Unificado de Titulos y Certificados de Euskera:バスク語能力証明の登録を行うサービス)で、バスク語の能力証明の申請を受け付けています。成人に対してバスク語教育を行う州政府機関HABEおよび公立語学学校で取得した資格とヨーロッパ言語共通参照枠の対照表は、RUTCEのウェブサイトに掲載されています。
 
  1. ガリシア語
    ガリシア州政府文化・教育・大学整備庁言語政策総局はガリシア語証明試験(Celga)を実施しています。Celga1~Celga5の5つのレベルがあり、ヨーロッパ言語共通参照枠のA2~C2に対応します。また、公立語学学校などで取得したガリシア語の資格およびガリシア州内で取得した義務教育や高校修了の資格に対しても、それぞれ対応するレベルのCelgaが認定されます。Celga5はガリシア語に関連する学士課程修了資格などを持つ場合に認定されます。
 
  1. バレンシア語
    バレンシア語の運用能力の証明は、バレンシア自治州政府の機関であるQUV(Junta Qualificadora de Coneixements de Valencia)が実施しており、ヨーロッパ言語共通参照枠に対応したA1、A2、B1、B2、C1、C2の6種類の証明書を発行しています。さらに行政言語、校正、コミュニケーションメディアにおける言語運用能力を認定する証明書も発行しています。認定試験はバレンシア自治州の主要都市で実施されています。
渡航前の方を主な対象者として日本で募集される奨学金としては、以下のものがあります。
留学時期の1年以上前に締め切る奨学金もありますので、志望校から正式な入学許可を得るのを待たず、早めに情報を収集しましょう。
スペイン政府奨学金の詳細はページ下部 「この国の外国政府等奨学金を見る」 をご参照ください。

【日本学生支援機構の奨学金】
貸与型と給付型、短期留学向けと学位取得希望者向けなどの種類があります。概要は本サイト内の「海外留学のための奨学金」で確認できます。
【スペイン政府奨学金】
詳細は本サイト内の「外国政府・関係機関等が直接募集する政府奨学金:スペイン政府奨学金」で確認してください。
【その他の奨学金】
当機構では、上記の奨学金も含め、日本で募集される各種奨学金の概要をまとめた『海外留学奨学金パンフレット』を毎年1回発行しており、本サイトにも掲載しています。この掲載データは『海外留学奨学金検索サイト』にて検索することもできます。
また、各教育機関が独自に奨学金を用意している場合もあるので、ウェブサイトなどで確認してください。

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。