留学先の国の特徴や留学情報をご紹介。
国ごとの違いを明確に知り、自分にあった留学先を見つけましょう。

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留学先国・地域:スウェーデン・ストックホルム
留学期間:2022年8月~2024年6月
学校名:ストックホルム大学
専攻名:国際比較教育学
留学形態:大学院への進学(修士号取得)・日本の大学/大学院在学中の留学(修士課程在学中)

Q. 留学をしようと思った動機を教えてください。

学部時代にスウェーデンのウプサラ大学で交換留学をした経験から、スウェーデンとスウェーデンの教育に興味を持ったことがきっかけです。
前回の交換留学を通して、日本とは違った形で「子どもの意見を尊重する」スウェーデンの教育に魅了され、もっと学術的に研究してみたいと思うようになりました。将来的にスウェーデンで博士課程に進むことを考えており、人脈を広げるという意味でも、留学を決めました。
また、少しシャイなところやパーソナルスペースを大切にするところなど日本人と似た国民性を持っていて居心地が良いと感じる一方、民主主義やジェンダー、働き方、生き方に関する考え方が違ったり、非常に合理的で柔軟性に富んでいたりとスウェーデンの人たちの考え方に非常に刺激を受けたことから、もっとスウェーデンで過ごしてみたいと思いました。


Q. 留学先の国・地域、留学先校を選んだ理由を教えてください。

留学先の国を選んだ理由は、前述の通り学部時代にスウェーデンの大学で交換留学したことが大きく影響しています。
留学先校を選んだ理由は、スウェーデンで教育学の修士プログラムを英語で開講している大学の中で、ストックホルム大学の国際比較教育学のプログラムが一番自分の興味に合っていると思ったからです。


Q. 留学に対する家族の反応はどうでしたか?

最初は、将来の進路やキャリアのことなどで心配、日本から私が離れることが寂しいなどの理由でかなり難色を示されました。また、経済的な理由で、自分で留学資金をすべて賄うことが留学の条件でした。
しかし、留学に向けて奨学金の応募や大学院入試の準備など計画的に努力する姿をみて、次第に応援してくれるようになりました。奨学金の書類審査や面接の練習などもみてもらい、アドバイスをもらう中で、私の留学に対する熱意も伝わったようでした。
最終的に、留学が決まった時には自分のことのように喜んでくれ、今も応援してくれている家族に心から感謝したいです。

Q. 留学の準備にはどのくらいの期間を要しましたか?留学を思い立ってから、実際に出発するまで、それぞれの準備段階にわけて教えてください。

留学を決めたのは、学部の交換留学から帰国した2020年の春でした。新型コロナウイルスの影響もあり、2021年には留学が叶わず、日本の大学院に進学しました。2022年の夏から日本の大学院を休学し、スウェーデンの大学院に入学することになりました。
具体的な準備としては、2020年の春から奨学金や大学院などの情報収集を始めました。2021年の春頃から日本の大学院の指導教員にも相談しながら、スウェーデンでの研究計画書の作成や奨学金の選考書類の準備を始めました。大学院はテストはなく、語学試験の結果、学部と修士の成績、志望理由書、研究計画書など各大学で決められた書類を提出しました。こうした書類の提出準備は、2021年の秋頃から始め、2022年の1月上旬が締め切りでした。
奨学金にはJASSOも含めて5つ、大学院にはストックホルム大学を含めて3つ出願しました。


Q. 留学情報の収集はどのように行っていましたか?使用したウェブサイト、雑誌、イベント、SNS(YouTube、Twitter等)などがあれば、あわせて教えてください。

奨学金の情報は、それぞれの財団の公式ホームページや個人のブログを参照しました。
大学の情報は、それぞれの大学の公式ホームページや授業のシラバスを主に参照しました。また、大学の学生団体など課外活動に関する情報は、スウェーデンはフェイスブックが主流なので、様々な団体のアカウントをフォローしていました。
奨学金・大学両方に関して、一番勉強になったのは、実際に経験した方からお話を伺ったことでした。知り合いから紹介してもらったり、個人のブログで連絡先がわかった方に直接連絡したりしました。みなさん本当に驚くほど親身になって相談に乗ってくださり、心から感謝しています。


Q. 語学学習はどのように行っていましたか?

英語の資格試験に関しては、IELTSを独学で勉強して、留学に必要なスコアを取りました。過去問やオンラインの無料教材などをひたすらに何度も繰り返し解きました。
英語の研究計画書や志望理由書に関しては、所属していた日本の大学院にネイティブの先生からアカデミックライティングのアドバイスをいただけるサービスがあったので、そこで添削していただきました。何度も添削していただく中で、ライティングスキルが向上し、実際に留学してからの課題提出の際にも役立っていると思います。


Q. 留学(斡旋)サービスなどは利用しましたか?

利用しませんでした。とてもありがたいことに、奨学金や大学院に関して、実際に経験された方と連絡を取り、情報をいただいたり志望理由書のアドバイスをいただいたりすることができたからです。また、所属していた日本の大学院の教授も様々な面で協力してくださったので、留学斡旋サービスを利用するに至りませんでした。


Q. 留学の資金調達はどのように行いましたか?利用した奨学金などがあれば、あわせて教えてください。

経済的な理由で、自分で留学資金をすべて賄うことが留学の条件でした。ありがたいことに、JASSOに加えて、ロータリーのグローバル補助金と、飯塚毅育英会の海外留学支援奨学金をいただくことができました。


Q. 入学や学生登録の手続き、ビザの手続きなどはどのように行いましたか?特に苦労したことや気を付けた方がいいことなどがあれば教えてください。

一番苦労したのは、授業料の納付とビザの取得でした。授業料は、期日までに銀行振り込みで現地通貨SEKで支払わなければならず、SEKに対応している銀行が限られていたため、いくつかの銀行をはしごすることになりました。請求書が届いてから支払い期限までの時間が短い、かつ授業料を支払わなければ、正式な入学許可証が発行してもらえないためビザの申請もできないので、早めに準備することをおすすめします。
また、同様の理由でビザの手続きもギリギリになってしまい、直前まで入国できるかドキドキすることになってしまいました。他の国からのクラスメイトも同じ問題に直面していて、ビザがもらえないせいで初回授業に参加できなかった人もいました。

Q. 留学中の学校生活はどうですか(どうでしたか)?海外の学校だからこそ苦労することや、逆に学校生活での楽しみなどを教えてください。

日本の高等教育のシステムと違うところがたくさんあって、いいなと思うところも戸惑うところもあります。例えば、毎回授業の最後に課題論文を提出するのですが、成績だけではなく、毎回成績をつけた教授から文面でコメントをもらうことができます。少なくとも私が所属していた日本の学部や大学院ではいつも成績がつけられるだけだったので、これはとても勉強になります。
一方で、日本の大学院のように指導教員が最初から決まっているわけではなく、最後の1学期になって修士論文を書く授業が始まってから指導教員が決まります。そこで指導教員とのミーティングの時間が設けられ、その時間内で相談ができるようです。個人的に教授に研究の相談や質問をたくさんしたいと考えていたので、これは少し不安になりました。おそらく、スウェーデンの働き方や平等性に関する考え方が影響しているのだと思います。あくまで決められた枠組み・時間の中で生徒は教授に質問できるという印象を受けます。また、他の生徒と比べて誰かが特別に長い時間指導を受けられるという状況もよくないと考えられているという側面もあるのかなと思います。
他にも日本で私が経験してきたことと比べて様々な違いがあり、教育学を専攻している私からすると、こうした高等教育の仕組みの違いを体感できること自体が楽しみになっています。


Q. 学校外の生活はいかがですか(いかがでしたか)?寮などでの生活や休日の過ごし方に加えて、街の治安などについても教えてください。

ストックホルムで住居を見つけることが難しかったため、前回の留学で住んでいたストックホルムまで電車で40分ほどのウプサラという街に住んでいます。学生寮に住んでいて、キッチンとシャワーは共用ですが、みんな綺麗に使っているのでとても快適です。スウェーデンの学生寮はシャワーが男女共用であることが多いのは、初めての人はびっくりするかもしれません。ストックホルムもウプサラも治安は非常によく、怖い思いをしたことは一度もありません。
休日や授業のないときには、クラスメイトと過ごすか、ウプサラの学生団体で活動しています。クラスメイトとは、一緒にカフェやランチに出かけたり、誰かの家を訪ねてそれぞれの国の料理を作って一緒に食べたりしています。授業は英語開講で、ほとんどが海外からの留学生なので、ウプサラの学生団体で過ごす時間がスウェーデン人の友人を作る貴重な機会になっています。


Q. アルバイトやインターンはしていますか(していましたか)?

有給ではありませんが、ウプサラの学生団体の飲食店で何度か勤務しています。ウプサラには、飲食店や様々なイベント、メンバーのための奨学金や住居、スポーツや文化活動などのクラブなどの運営をしている学生団体(ネーション)があります。前回留学していた時に所属していた団体に再び入れてもらい活動しています。飲食店での勤務は、人数が足りない時の手伝いで、現在は、International secretaryという留学生のためのイベントを企画する役職についています。

Q. 留学を経験してみて感じたこと、学んだことはありますか?

限られた文字数ではとても書ききることができないほど、色んなことを感じ、学んでいると思います。まず学業面では、1ヶ月に1回ほどの頻度で5,000字~7,000字程度の課題論文を書くことになるので、自分の専攻に関する知識と、自分の考えをアカデミックに表現する力が次第に身についているのを感じます。研究はこれから現地の中学校でフィールドワークを始めるところなので非常に楽しみです。学業面以外では、スウェーデンに留学するのは2回目ですが、様々な経験を積み、色んな人と関わるほどに、新たな価値観に触れ、自分自身・日本の伝統的な価値観について相対化され、考えさせられることがたくさんあります。


Q. 留学後の進路について教えてください。

留学後はまず帰国し、休学している日本の大学院に復学、2つ目の修士論文を仕上げて卒業予定です。卒業後は、私立の中高の英語教員になりたいと考えています。現場での経験をしっかりと積んだ上で、将来的にスウェーデンで博士課程に進学することも視野に入れています。教員をしながら現場の立場から研究ができる研究者になりたいと考えています。


Q. 最後にこれから留学をする方へのメッセージ・アドバイスをお願いします。

ありきたりなコメントですが、留学準備も留学生活も大変なこと・不安になることが尽きないと思いますが、それ以上に得ることがたくさんあると思います。私だけではなく、私の周りの留学中の友人・留学経験のある友人は、口を揃えて、「留学して本当に良かった!人生が変わった!」と言っているので、留学は必ず、人生にとってかけがえのない経験になるのではないかと思います。
最後に、私が留学に関して書いているブログを以下に添付します。少しでも参考になると嬉しいです。https://note.com/arinko_sweden

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。