留学先の国の特徴や留学情報をご紹介。
国ごとの違いを明確に知り、自分にあった留学先を見つけましょう。

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留学国・地域:スウェーデン
留学期間:2021年8月~2023年6月
学校名:ヨーテボリ大学
専攻名:ジェンダー学
留学形態:大学院への進学(修士号取得)

Q. 留学をしようと思った動機を教えてください。

日本の大学では英文学におけるジェンダー表象の研究をしていました。ジェンダー学の知識をより専門的に学ぶことで、現代におけるジェンダー平等の促進に貢献出来ないかと思うようになったことが、今回の国外の研究機関に留学したいと思うようになったきっかけです。


Q. 留学先の国・地域、留学先校を選んだ理由を教えてください。

大学がジェンダー学に力を入れていることは勿論ですが、スウェーデンが国としてジェンダー平等を推進しているため、学問としてだけでなく、留学生活を通じて制度やどのような価値観が根付いているかなど学べることも多いと思い、スウェーデンを留学先に選択しました。また、英国や米国などの大学院に比べ、授業料の負担が少なかったのも魅力的に感じました。


Q. 留学に対する家族の反応はどうでしたか?

母親や姉からは応援してもらえましたが、父親に理解してもらうのは大変でした。今思えば心配する親心のようなものだったのかとも思いますが、一生懸命説明しても話を聞いてすらもらえないというのはとても辛かったです。最終的には、「資金調達や異国での生活が困難なことを承知の上で、それでも留学をしたい」という決意を伝えたことで、分かってもらえたと思います。

Q. 留学の準備にはどのくらいの期間を要しましたか?留学を思い立ってから、実際に出発するまで、それぞれの準備段階にわけて教えてください。

2020年3月⇒コロナ禍ではあるが留学を決意、応募できそうな奨学金に関する情報収集を始める。
2020年5月頃から11月⇒修士論文執筆と並行し、各種奨学金への応募
2020年12月から1月⇒志望校への応募書類準備
2021年3,4月⇒奨学金の採用・志望校への合格
2021年5月から8月⇒出発に向けた準備(各種事務手続き、航空券の手配、留学先での住居探し等)
2021年8月⇒出発


Q. 留学情報の収集はどのように行っていましたか?使用したウェブサイト、雑誌、イベント、SNS(YouTube、Twitter等)などがあれば、あわせて教えてください。

奨学金に関する情報は日本で在籍していた大学の先輩方が運営するウェブサイト「留学とその先(https://hokudaikaigaigrad.wixsite.com/support)」に奨学金の一覧が掲載されていたので、そこから自分が応募できるものを早めに見つけていました。各種奨学金の細かい情報に関しては奨学金の名前を検索して該当したブログ等を参考に選考における傾向などについて学んでいました。


Q. 語学学習はどのように行っていましたか?

言語を上達する上で一番大切なのは、日々の生活でなるべく学んでいる言語に触れる機会を増やすことだと思います。テキストを使い基本的な文法・語彙に関して学ぶのも大切ですが、ある程度分かるように会ってからは、学んでいる言語を話す友人を作ることや、普段からその言語で動画を見たり、ポッドキャストなどを聞いたりすることの方が私にとっては語学力向上に役立ったように感じています。


Q. 留学(斡旋)サービスなどは利用しましたか?

すでに学びたいこと・学びたい国が決まっていたことと、入試に関する手続きにおいてもあまり留学(斡旋)サービスの必要性を感じなかったので利用しませんでした。金銭的にも余裕があり、色々な選択肢について相談したい場合や身近に相談・ライティングの添削をお願いできる先輩、先生などがいない場合はそのようなサービスを使うのも効果的かもしれないですね。


Q. 留学の資金調達はどのように行いましたか?利用した奨学金などがあれば、あわせて教えてください。

JASSO海外留学支援制度(大学院学位取得型)奨学金に加え、ロータリー財団の地区補助金奨学金を頂いています。奨学金には併用可能なものと不可能なものがあるので、資金調達をする上で奨学金が必須の場合は必ず確認するのが大切だと思います。


Q. 入学や学生登録の手続き、ビザの手続きなどはどのように行いましたか?特に苦労したことや気を付けた方がいいことなどがあれば教えてください。

早め早めの準備・提出が大切だと思います。私が留学を開始した時期はコロナ禍であったため、ビザや奨学金の手続きに普段以上に時間を要しました。ギリギリに提出すると後々大変になることも多いと思うので、万が一の場合に備えて、手続きに関するメールを受け取ったらすぐに準備に取り掛かるくらいの気持ちで臨んだ方が良いと思います。

Q. 留学中の学校生活はどうですか(どうでしたか)?海外の学校だからこそ苦労することや、逆に学校生活での楽しみなどを教えてください。

授業に関しては日本の大学よりもリラックスした雰囲気で楽しく学べています。もちろん慣れるまではリーディングの量の多さ、自分の考えを説明する能力の低さなど大変に感じることも多かったですが、日本で経験した修士課程よりも楽しく学問を深めることが出来ているような気がします。


Q. 学校外の生活はいかがですか(いかがでしたか)?寮などでの生活や休日の過ごし方に加えて、街の治安などについても教えてください。

友人の友人から借りた普通のアパートに住んでいるので、あまり「学生らしい」過ごし方はしていないような気がします。そういった意味では学生寮に住んだ方が週末のパーティーであったり、イベントに気軽に参加できる機会は多いと思います。時間のある日は、友人やクラスメートとカフェでFIKA(スウェーデン語のコーヒーブレイクのこと)をしたりすることも多いです。スウェーデンはコーヒーの消費量も多いので、街にもいろいろなカフェやロースタリーがあり、コーヒー好きな私にとっては良い環境だと思います。一年目は修士の勉強に慣れることで精一杯であまりイベントなどには参加できていなかったのですが、最近はFacebookやInstagramなどで見かけた興味のあるイベントは積極的に参加しています。


Q. アルバイトやインターンはしていますか(していましたか)? 

修士プログラムのインターン期間中は、大学の他の学部の先生の下で研究プロジェクトアシスタントのインターンシップをしていました。業務内容としては、インタビュー内容の要約、文献調査補助などです。元々は学外の機関でのインターンを希望していましたが、なかなか受け入れ先が少なかったり、スウェーデン語の知識が求められたりなど苦労しました。アルバイトに関しては、街にあるラーメン屋さんで週1回ほど働いています。現地での労働経験も今後の就職に役立つ貴重な経験だと思うので、スウェーデンで働くのはどのような感じなのかアルバイトを通じ少しでも学べたいと思っています。

Q. 留学を経験してみて感じたこと、学んだことはありますか?

大学の研究を通じても、生活を通じても学ぶことが多いです。ジェンダー学という学問は、「当たり前と思われていることに問いかける学問」、「これまで聞き入れられて来なかった人々の声に耳を傾ける学問」だと思っています。授業で習う理論的視座が思わぬ形で日常生活に活かされたり、異国の地で暮らすからこそ日本にいたときには気が付かなかった「特権(privilege)」に気がつかされることも多いです。もちろんなかなか思うように進まないことも多いですが、そういった経験から学ぶことも多いので、そういった意味では研究分野においても、また人間としても成長できているのではないかと感じています。


Q. 留学後の進路について教えてください。

まだ今後の進路についてはわからない状況ですが、今のところは一年間の求職ビザを取得し、この修士課程で学んだことを活かせる職業を探したいと思っています。社会科学系の学問と直結した職業はあまり多くはないので、競争率は高まると思いますが、この修士課程プログラムを通じ、卒業後は実務経験を積みたいとより強く感じるようになったので、目標実現に向けて頑張りたいと思っています。


Q. 最後にこれから留学をする方へのメッセージ・アドバイスをお願いします。

留学に向けての準備はなかなか険しい道のりで大変に感じることも多いと思いますが、そこで得られた経験は留学先で困難に直面した際にも糧となる経験だったと思っています。もし周りに同じ目標を掲げた仲間や応援してくれる先輩・先生方がいる場合には、沢山そのような方からアドバイスを貰ってください。私自身も自分自身の努力はもちろんですが、周りからのアドバイスに耳を傾けることが目標実現に向けての鍵だったように感じています。大変な道のりではあると思いますが、目標実現に向けて頑張ってください!!

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。