海外留学を考え始めた方や、準備を進めている方にお勧めの基礎情報。
語学や芸術文化など目的にあわせた留学先の情報を調べることができます。

各情報・データは更新時(2018年2月)における一般的な状況です。教育機関、地域、あるいは時期により異なる場合がありますので、最新・個別の情報については必ず各機関にご確認ください。このガイドではいくつかの教育機関を取り上げていますが、あくまでも一例示であり、特にそれらを推薦する趣旨ではありません。ウムラウト記号は、該当の母音後にeを入れることで代替しています。

学校の種類

  • 大学:公立22校、私立13校
  • 専門・応用科学大学:21校
  • 教員養成大学:14校
 

在学期間

  • 学士課程:3~4年
  • 修士課程:1~2年
  • 博士課程:3年以上
 

学年度

  • 2学期制
  • 冬学期:10/1~1/30
  • 夏学期:3/1~9/30
 

出願資格

  • 学士課程:日本の4年制大学に合格していること(専門分野が留学先と同一)
  • 修士課程:留学先の専攻に関連した学士課程を修了していること
  • 博士課程:同分野の修士号かそれに準ずる資格を取得していること
 

必要な語学力

  • 十分なドイツ語運用能力選考方法書類選考※大学や専門分野により入学試験あり
 

出願期限

  • 冬学期:9月初旬 夏学期:2月初旬
    ※入学試験を課す専攻や、専門・応用科学大学や私立大学では出願期限が異なる
 

入国・滞在手続き

  • 6か月以上の滞在は入国後現地で在留許可を申請
 

授業料

  • 公立大学および教員養成大学:726.72 ユーロ/学期
    ※専門・応用科学大学や私立大学は独自の授業料を設定している
 

生活費

  • 約950ユーロ/月
 

滞在先

  • 寮、アパートなど

 
● 費用のレート計算は、外国為替情報ページで確認してください。
  ロイター外国為替レート>ユーロ

公立大学  Oeffentliche Universitaeten(独)/Austrian Universities(英):22校
専門・応用科学大学  Fachhochschulen(独)/Universities of Applied Sciences(英):21校
私立大学  Privatuniversitaeten(独)/Private Universities(英):13校
教員養成大学  Paedagogische Hochschulen(独)/University Colleges of Teacher Education(英):14校
大学
ウィーン大学をはじめとする伝統的な総合大学、特定の専門分野に特化した工科大学や単科大学に加えて、社会人の大学院教育に特化したドナウ大学クレムスなど大学によってそれぞれの特色があります。公立の医科大学は3校(ウィーン、グラーツ、インスブルック)、公立の芸術大学は6校(ウィーン、ザルツブルク、グラーツ、リンツ)あります。
専門・応用科学大学
ビジネス、観光、工学、IT、安全、メディア、デザイン、医療といった経済・産業界からのニーズの高い分野において活躍できる人材を育てることを目的とした高等教育機関です。実践的演習や職業実習などがカリキュラムの一部に必修として組み込まれています。

大学の1学年は冬学期と夏学期の2学期に分けられています。冬学期は10月1月~1月30日まで、夏学期は3月1日~9月30日までです。クリスマス休み(2週間前後)、学期休み(2/1~2/28)、夏休み(7/1~9/30)の間は講義がなく、事務対応も遅れる可能性があるので注意してください。

1999年のボローニャ宣言とそれに基づくボローニャプロセスにより、他のEU加盟国と同様に大学改革が進められました。現在は、学士課程(3~4年)、修士課程(1~2年)、博士またはPhD課程(3年以上)が一般的な学位です。この他に、旧来のディプローム課程(4~5年)と博士課程(2年)が選択出来る専攻もあります。

ボローニャプロセスとは

<学士課程>
一部例外を除き(※)、入学試験は無く、書類審査で合否が決定されます。日本から学士課程やディプローム課程に留学する場合、一般的に以下の条件があります。
  1. 高校を卒業していること
  2. 日本の4年制大学に合格していること
  3. 合格している大学での専攻分野が留学先の専攻と同じであること
  4. 十分なドイツ語運用能力

<修士課程>
志望する専攻に関連した分野を、学士課程で6学期以上(180ECTS以上)学んでいる必要があります。

<博士課程(PhDプログラム)>
研究内容に関連した専攻分野の修士課程を修了しているか、それに準ずる資格を有することが条件です。
※学籍数が制限されている専攻では、入学資格を満たしていても、入学が許可されるとは限りません。入学者を選抜する試験:Aufnahmepruefung(独)/Zulassungspruefung(独)が課される場合があります。

※芸術やスポーツの分野では入学許可をもらう前に、適正試験:Eignungspruefung(独)を受けて才能を示す必要があります。また、入学試験に先行して、作品ポートフォリオ:Portfolio(英)/Mappe(独)の提出などを求められることがあります。

※入学のための各種試験は、通常の入学手続きよりも前に行われることが多いので、日時などを必ず各自で確認し、余裕を持って登録を行ってください。

<学士課程>
一般的な入学条件として、大学から入学許可を得ていること(高校の卒業証明でも可の場合有り)、もしくは、志望分野に関する職業資格を持っていることが求められます。また、高いレベルのドイツ語能力を要求する専攻もあります。専門・応用科学大学は、学籍数に制限があるため、全ての志願者が入学できるわけではありません。

<修士課程>
修士課程については、志望の専攻に関連した分野の学士号を取得しているか、相当する課程で6学期以上(180ECTS以上)修了していることが条件です。
 

<ドイツ語>
オーストリアの大学における講義言語は基本的にドイツ語です。多くの専攻において、出願時に、授業についていけるだけのドイツ語能力があることを示す証明書の提出が求められます。一般的には、ドイツ語能力を示すテストのB2ないしはC1のレベル(※CEFR)に合格すれば、オーストリアの大学で十分なドイツ語能力を備えていると認められます。

日本国内で受験できる主なドイツ語の語学能力試験

<英語> ​
専門分野によっては英語での受講も可能です。下記のウェブサイトで英語で受講可能なプログラムの検索ができるので、set FilterLanguageEnglishと設定して希望する専門分野を英語で学ぶことができるかどうか確認してみましょう。

● オーストリア教育科学研究省(bmbwf)のウェブサイト
   studienwahl.at〔英語・ドイツ語〕

書類審査の結果、オーストリアの大学入学資格と同等の資格を持たないとみなされた場合は、大学側からドイツ語およびその他の科目について補足試験:Ergaenzungspruefungen(独)に合格することを求められることがあります。

この試験の準備として、オーストリア学術交流会(OeAD)が、ウィーン、グラーツ、レオーベンにて大学入学準備コース:Vorstudienlehrgaenge(独)/University Preparation Programmes(英)を開講しています。また、大学独自の準備コースを設けている場合もあるので(クラーゲンフルト大学、FH Oberoesterreich、FH Burgenland、FH Technikumなど)、志望する大学の情報を各自で調べてください。

● オーストリア学術交流会(OeAD)大学入学準備コース
  To Austria>University preparation programmes〔英語・ドイツ語〕

入学資格や語学力などに問題がなければ、入学を希望する教育機関の受け入れ部署に必要書類を提出し、入学許可を待ちます。出願方法は大学によって異なりますので、必ず大学のウェブサイトで確認しましょう。願書提出は、多くの大学において冬学期入学希望の場合は9月初旬、夏学期入学希望の場合は2月初旬日が締切りです。

留学準備に必要な期間は、教育機関や留学形態によって異なりますが、大学などへの留学の場合は約1年半前から準備を始めることをお勧めします。医科大学、芸術大学をはじめ、専攻によっては願書の締め切りが学期開始半年から1年前という場合があります。特に、出願に際して試験が課せられる専攻への出願にはある程度の準備期間が必要でしょう。例えば、美術専攻の場合はオリジナル作品の制作、音楽専攻の場合は実技-Vortrag(独)-課題の準備のために十分に時間をとるようにしましょう。

公立大学の学士課程やディプローム課程に出願する際に一般的に必要とされる書類
  • 申請書
  • 高校卒業証明書と日本の4年制大学(留学先の専攻と同分野)の入試に合格した証明書
  • ドイツ語能力証明書
  • パスポートのコピー
注意:ドイツ語または英語以外で書かれた書類には、公的認証(アポスティーユ※)が必要です。

●外務省
アポスティーユ
海外渡航・滞在>証明(公印確認・アポスティーユ)・在外公館における証明>公印確認・アポスティーユとは

 

6か月以上オーストリアに滞在する場合は、現地で在留許可を申請する必要があります。日本国籍保持者は基本的にオーストリア国内で直接申請します。必要書類は出発前に日本で準備し、入国後すみやかに留学先の州政府の移民課で在留許可を申請します。申請に必要とされる一般的な書類や申請先については、駐日オーストリア大使館のウェブサイトをはじめ、以下のサイトに説明があるので参照してください。在留許可に関する情報は変更になる場合もあるため、入国前に当該州政府の移民課や学校に必要な書類を必ず確認するようにしましょう。

● 在京オーストリア大使館
  オーストリア渡航>ビザ〔日本語・英語・ドイツ語〕

● オーストリア学術交流会(OeAD)
  To Austria>Entry and Residence>Third countries〔英語・ドイツ語〕

公立大学に通うEU加盟国以外の外国人留学生には、基本的に毎学期726.72ユーロの学費が課せられます。この他に、学生組合費(OeH-Beitrag)として19,20ユーロを支払う必要がありますが、学生組合員として保険に加入したこととなり、事故などの補償を受けることができるようになります。専門・応用科学大学私立大学の学費は、学校やプログラム毎に設定されています。

1か月約950ユーロは必要です。
  • 家賃約400ユーロ
  • 食費約250ユーロ(例:コーヒー・紅茶約3ユーロ、サンドイッチ約3.50ユーロ、学食での夕食約10ユーロ)
  • 書籍代・文化娯楽費約300ユーロ(例:バス代約2.2ユーロ、映画約9ユーロ、美術館約10ユーロ)

※外国人留学生がアルバイトをするためには、原則として就労許可の申請が必要です。就労許可があれば、週に20時間までは働くことが認められますが、アルバイトの収入のみで生活費をまかなうことは難しいでしょう。

● ロイター外国為替レート>ユーロ

● この国の奨学金についてはこちら

外国人留学生は、オーストリア学術交流会(OeAD)のHousing Officeを通して学生用住宅を探すことができます。サイト上で希望の寮や部屋のタイプを選び、入学許可証が手元にあれば渡航前にオンラインで申し込みをすることができます。申込みには35ユーロかかり、サイト上でクレジットカード決済をする必要があります。

また、各大学にあるオーストリア大学生組合(OeH)では、学生向けの物件を紹介しています。各大学の留学生担当部署に、どのような選択肢があるか問い合わせてもよいでしょう。オーストリアへ渡航前に宿泊先を確保することができない場合は、入国後、ユースホステルやホテルなどに滞在しながら、自分に合った住居を見つけるのも一つの案です。


※音楽専攻の学生は、大学の練習室をどの程度利用できるか確認し、自宅でも楽器の練習が必要な場合は、室内で楽器を弾いてよいか、練習可能な曜日・時間帯はいつかなどを契約前に必ず確認しましょう。

● OeAD Housing Office〔英語・ドイツ語〕
  オーストリア学術交流会(OeAD)が運営する、学生用住居の検索と申し込みの出来るサイト。

● Study in Austria>Living>Accommodation〔英語・ドイツ語〕
  オーストリア学術交流会(OeAD)が運営する留学情報サイトに、滞在先の探し方について説明があります。

● オーストリア大学生組合(OeH)〔英語・ドイツ語〕
  オーストリアにある学生寮の全リストをダウンロードできます。

● 語学テスト>ドイツ語

● Study in Austria〔英語・ドイツ語〕
オーストリア学術交流会(OeAD)の留学情報サイト。大学生活に関して外国人留学生が必要とする情報が掲載されています。studyという項目を選択したページの右のPublicationsという欄から、オーストリアへの留学を希望する学生向けの情報冊子「Study Guide」(PDF)や、オーストリアにある全ての高等教育機関のプロフィールを網羅した資料「Higher Education Institutions」(PDF)がダウンロード出来ます。

● Studiversum〔ドイツ語〕
オーストリア教育科学研究省(bmbwf)の大学情報サイト。大学選びから学生生活まで大学生の必要とする情報をまとめています。

● studienwahl.at〔英語・ドイツ語〕
  各大学が提供する学位プログラムを検索することができます。
(2018年2月作成:禁無断転載)

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。