海外留学を考え始めた方や、準備を進めている方にお勧めの基礎情報。
語学や芸術文化など目的にあわせた留学先の情報を調べることができます。

このガイドは、中国での語学留学を希望する方々のために書かれています。各情報・データは更新時(2018年6月)における一般的な状況です。教育機関、地域、あるいは時期により異なる場合がありますので、最新・個別の情報については必ず各機関にご確認ください。このガイドの中ではいくつかの教育機関を取り上げていますが、あくまでも一例示であり、特にそれらを推薦する趣旨ではありません。
 
学校の種類 大学付属語学コース
在学期間 大学の学期に準じる。
短期コースもある。大学によっては、随時入学可能。
コース 長期コース:大学の学期(2学期制)に準じる。秋学期 9~1月、春学期 3~7月
短期コース:各大学が個別に設定(2週間~1学期)。主に夏期(7~8月)と春期(2~3月)
出願期限 学校・コースにより異なる。
一般的に、長期コースはコース開始の約3か月前まで、短期コースは約8週間前までに出願。定員になると締め切るので、早目に出願すること。
応募資格 大学・コースにより異なるが、年齢や学歴の限定をしている場合もある。
必要な語学力 コースにより異なる。初級クラスは特に語学力は求められない。
入国・滞在手続き 180日以上の滞在:X1【長期留学】ビザ
180日以下の滞在:X2【短期留学】ビザ
中国ビザ申請センター、もしくは最寄りの駐日中国総領事館に申請する。
 必要な書類は「入国・滞在の手続き」参照
授業料 一般的に沿海部大都市はその他の地域より高いが、大学により異なる。「授業料・滞在費用」参照
生活費 滞在する地域や生活スタイルにより異なる。「授業料・滞在費用」参照
滞在先 ほとんどの大学には留学生寮があり、多くの留学生が寮に住んでいる。

中国語を現地で学ぶ目的は、中国語レベルを上げることだと思いますが、自分のレベルを確認したい、進学希望の大学が語学力を証明する書類の提出を求めている、留学後の就職に有利といった理由から多くの人が語学試験を受験しています。中国語語学試験ではHSK(漢語水平考試)がよく知られています。目標とする級やスコアに到達することを目的にすると語学研修の成果も出やすいでしょう。HSKについての詳細は、「語学・学力テスト>中国語」をご参照ください。
留学先は、外国人留学生を受け入れることのできる大学となります。そのため、語学研修プログラムも大学の秋学期(9~1月)と春学期(3~7月)にあわせた学期制が一般的です。短期コースは、大学ごとに異なった日程で、主に夏期(7~8月)と春期(2~3月)に行われています。
実り多い語学留学にするには、自分の目的と条件にできるだけ合った学校を選ぶことが重要です。書籍やインターネットで日本語による学校情報を得ることもできますが、必ず学校のウェブサイトなどで詳細を確認し、比較・検討をしましょう。選択にあたって留意すべき点を、以下項目別にいくつか挙げます。
地域
中国は、地域によって気候や文化が大きく異なります。冬季の気温は南北で差が激しく、例えば1月の平均気温は、南の広州市と北のハルピン市の間で35℃の開きがあります。
風習や文化も56の民族で構成されるため多種多様です。沿岸部と内陸部では経済格差も大きく、物価や生活スタイルも異なってくるでしょう。
クラス編成
一般的には、入学後のクラス分けテストにより、各自のレベルに合ったクラスに振り分けられます。レベル別クラスの数は、留学生数の多い学校ほど多く細かく分けられています。
授業時間数
授業時間は学校やコースにより様々ですが、通常コースで週20時間程度です。
コース内容
基本的には、文法、読み、書き、会話が中心です。大学によって異なりますが、文学、書道、経済、建築、法律、漢方医学、鍼灸、芸術、武術、HSK対策などの授業が選択できるようになっています。都市部では、現地の語学学校でも中国語や中国文化に関するクラスを開講しています。
授業料
一般的に内陸部の地方都市にある学校の方が沿岸部の大都市に比べて授業料は2~5割以上安い傾向にあります。
宿泊先
一般的な宿泊先は大学の留学生寮になります。学外に居住する場合は、自分で居住地区を管轄する公安機関で臨時居住登録手続きを行う必要があります。
応募資格
年齢制限はコースによって異なります。コースによっては高校卒業相当の学歴も求められます。初級コースであれば、中国語のレベルは問われません。

留学手続きの流れ
色々な学校や地域をじっくり比較検討するためにも留学開始時期の半年くらい前から計画を立て、情報収集を始めましょう。
行きたい学校がいくつか絞られてきたら、ウェブサイトに載っていない詳細や最新情報について留学生担当窓口にEメールなどで質問してみても良いでしょう。中国語に自信がなければ、学校との連絡は英語でも可能ですし、大学によっては日本語の話せる担当者がいる場合もあります。
入学申請
オンラインで申請するか、希望する大学のウェブサイトから申請書をダウンロードして、記入後に送付し、申請費用を送金します。学習計画書、最終学歴の卒業証明書・成績証明書、推薦書、パスポートのコピーなどを求められる場合があります。
上記の各種書類は、中国語または英文で記入するか、もしくは中国語か英語の公証された訳文を添付する必要があります。
留学期間が180日を超える場合はX1ビザ、180日以内の場合はX2ビザを申請します。
X1【長期留学】ビザの申請に必要な証明書類
  • 中華人民共和国査証申請表
  • パスポート原本とコピー(6か月以上の有効期間、2ページ以上の空白ページが必要)
  • 6か月以内に撮影された証明写真1枚(4.8cm×3.3cm、カラー、背景は白)
  • 留学先教育機関発行の「録取通知書」
  • 外国留学人員来華査証通知書(JW201あるいはJW202)
    ※「JW201」は中国政府奨学金の留学生、「JW202」は個人や団体を通して留学する場合に発行されます。
X2【短期留学】ビザの申請に必要な証明書類 
  • 中華人民共和国査証申請表
  • パスポート原本とコピー(6か月以上の有効期間、2ページ以上の空白ページが必要)
  • 6か月以内に撮影された証明写真1枚(4.8cm×3.3cm、カラー、背景は白)
  • 留学先教育機関発行の「録取通知書」
注意事項
  • ビザ申請時における《外国人体格検査記録》の提出は原則不要ですが、中国現地での居留許可申請時には同記録の提出が義務付けられています。日中友好医院或いは国公立病院での受診結果が利用できます。
  • X1ビザ取得後、中国に入国してから30日以内に滞在地の県以上の地方人民政府公安機関出入境管理機構に居留許可の申請が必要となります。(X2ビザは居留許可申請不要)

3か所ある中国ビザ申請センターの管轄地域は以下のとおりです。その他の都道府県に居住する方は、最寄りの駐日中国総領事館で申請してください。

【管轄地域】
中国ビザ申請センター(東京):関東1都6県、長野県、山梨県、静岡県
中国ビザ申請センター(大阪):近畿2府4県、四国・中国地方(山口県を除く)
中国ビザ申請センター(名古屋):東海3県、北陸3県
  • 授業料は大都市と地方都市で差があります。授業料以外に申請費用が必要です。
  • 生活費は、滞在地域だけでなく、各自のライフスタイルによっても異なります。食費は、学内の食堂を利用する場合と、頻繁に外食する場合とでは大きな差が出てきます。目安は以下のとおりです。

大学の寮:1~3万円/月(2人部屋)
食費:1.5~3万円/月
 
例1:北京外国語大学
(1) 授業料:4,000人民元/4週、11,150人民元/学期、申請費用400人民元
(2) 住居費:留学生寮 35~110人民元/日

例2:上海外国語大学
(1) 授業料:3,700人民元/1か月、9,200人民元/学期、申請費用450人民元
(2) 住居費:留学生寮(学外のホテルタイプを含む)50~190人民元/日

例3:西安外国語大学
(1) 授業料:7,300人民元/学期、登録費用400元
(2) 住居費:留学生寮 1,200~1,800人民元/学期 (学外ホテルタイプは40元/日)
※費用のレート計算は、外国為替情報ページで確認してください。
現在日本の大学に在籍している方なら、日本の大学に在籍したまま留学することも可能です。大学により制度が少しずつ異なりますが、大きく分けて次のような方法があります。
在籍大学の交換・派遣留学制度を利用する
中国の協定校に1学期~1学年間程度留学し、語学コースや正規授業を受講することができます。留学中に取得した単位を帰国後認めてもらえることが多く、制度によっては留学を含めて4年で卒業することも可能です。
休学して留学する
学校を自分で選び、各個人で手続きを行って留学します。協定校以外に個人で留学した場合でも、大学への事前申請により単位が認定されることがあります。学校によっては留学を休学理由として認めないところもありますので、在籍校の留学担当課と事前によく相談してください。

提灯

語学留学の奨学金は少ないですが、以下のウェブサイトをご参照ください。詳細は直接該当機関に問い合わせてください。留学開始時期の1年以上前に締め切る奨学金もありますので、早めに情報を収集しましょう。
中国政府奨学金

中国政府奨学金留学生募集要項中国の大学・大学院進学のための奨学金。大学・大学院合格者は中国語研修期間から奨学金が支給されます。

孔子学院奨学金

孔子学院奨学金〔英語・中国語〕中国語教育、中国文化などを専攻して学位取得を目指す人や、中国語語学研修者が対象。

その他奨学金

パンダ

(2018年6月改訂:禁無断転載)

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。