海外留学を考え始めた方や、準備を進めている方にお勧めの基礎情報。
語学や芸術文化など目的にあわせた留学先の情報を調べることができます。

このページは2015年度の調査をもとに、2018年6月時点で更新した情報です。
学校情報については留学を希望する学校に直接最新の情報を確認してください。なお、当機構がこれらの学校を特におすすめしているという趣旨ではありません。

音楽・美術を学べる教育機関

イタリアの音楽・美術分野における教育機関には、高水準の教育を提供するAFAM(Alta Formazione Artistica, Musicale e Coreutica)所属機関と、AFAMに所属していない教育機関の2種類があります。初心者が比較的短い期間で習いたい場合は、AFAMに所属していない教育機関の方が選択肢が多いでしょう。
AFAM所属機関

音楽院

国立音楽院
Conservatori di musica 59校

国立音楽院に準じる同等の音楽学校(公立、私立)
Istituto speriore de studi musicali(高等音楽学校)18校

イタリア教育大学研究省 国立音楽院リスト〔イタリア語〕

イタリア教育大学研究省 高等音楽学校リスト〔イタリア語〕

これらのAFAM所属機関は第一レベル、第二レベルに分かれています。専攻コースに登録し、必要な単位を取得して卒業試験に合格すると学位を取得できます。

第一レベルは学士課程にあたります。進学には、後期中等教育(高校)またはそれと同等の海外の教育機関の修了証明書と入学試験が必要です。第一レベルを修了するための必要単位数は180単位です。3年間の課程を修了すると、Diploma Accademico di Primo Livelloが取得できます。

第二レベルは修士課程にあたります。進学にはAFAM第一レベル修了か学士号の取得、またはそれと同等の海外の教育機関の修了証明書が必要です。また、各教育機関が定める要件も満たしていなければなりません。修了のための必要単位数は120単位です。2年間の課程を修了すると、Diploma Accademico di Secondo Livelloが取得できます。

第三レベルは博士課程にあたります。進学にはAFAM第二レベル修了か修士号の取得、またはそれと同等の海外の教育機関の修了証明書が必要です。取得必須単位はありません。第三レベルは一部のAFAM所属機関にのみ設けられています。修了するとDiploma accademico di formazione alla ricercaが取得できます 。

AFAM所属の私立美術学校のなかには、5年間の一貫課程としてコースを設けているところもあります。
外国人学生の入学条件と手続き
音楽院・美術院の第一レベルへの入学は、日本の高等学校を卒業し、9月初旬~10月上旬に実施される入学試験(イタリア語、専攻実技)に合格しなければなりません。
第二レベルは、日本の4年制大学を卒業し(学士号取得)、同じく9月初旬~10月上旬に実施される入学試験(イタリア語、専攻実技)に合格しなければなりません。
第三レベルは、第二レベルを修了しDiploma Academico di Secondo livelloあるいはそれと同等の教育機関の修了証明書を取得していなければなりません。一般的にイタリア語の能力は、中級以上のレベルが求められます。ただし欧州言語共通参照枠(CEFR)※のB2以上を取得している場合、入学時の語学試験が免除されます。また、18歳以上で出願条件を満たしていれば出願は可能で、年齢の上限は設けられていません。

※欧州言語共通参照枠(CEFR)についてはこちらをご参照ください。

主な語学・学力試験>イタリア語

出願手続きはイタリア文化会館を通じて行います。その後イタリアに渡り、各教育機関が定めた試験日に受験します。入学試験に合格したら入学許可証を発行してもらい、日本に帰国して就学ビザの申請を行います。イタリアで各教育機関の窓口に必要書類を提出して、入学手続きを完了させます。

留学手続きの流れや必要書類などは、予告なく変更されることがありますので、イタリア文化会館にて最新情報を確認してください。

※EU域外に居住する学生にはコース毎の人数枠があり、枠に空がなければ出願できません。人数枠は毎年春にイタリア教育大学研究省のウェブサイトで発表されます。

サマーコースについて

サマーコースなどの短期間のコースは、厳しい入学条件を定めている学位取得コースと比べ、初心者にも広く門戸が開かれています。学校によっては18歳以上、高校卒業資格者などの条件があります。開講期間は数週間が一般的で、高度な専門知識やイタリア語の能力がなくても受講できる場合が多いです。実技クラスのほかにイタリア文化のクラスを設けているコースや、英語のみで授業を行うコースもあります。通常、コース終了時には認定証や単位(ECTS※)が授与されます。入学手続きは、ウェブサイトやEメールで行います。

※ECTSについてはこちらをご参照ください。

サマーコースを提供する学校例
学位取得ができるコース例
例1:音楽
学校名 マントヴァ音楽院(Conservatorio di musica “Lucio Campiani” di MANTOVA)
コース名 Triennio di I Livello(第一レベル)
■ジャンル
クラシック、ジャズ
■専攻
ハープ、エレクトリックベース、ドラム/パーカッション、声楽、ギター、クラリネット、クラリチェンバロ、作曲、コントラバス、ホルン、コーラス指揮/作曲、ファゴット、アコーディオン、フルート、コラボレートマスター、室内声楽、オーボエ、オルガン、ピアノ、サクソフォン、打楽器、トランペット、トロンボーン、ビオラ、バイオリン、チェロ

Biennio di II Livello(第二レベル)
■専攻
声楽、ギター、クラリネット、作曲、コントラバス、ホルン、ファゴット、アコーディオン、フルート、室内楽、室内声楽、オーボエ、オルガン、ピアノ、サクソフォン、打楽器、トランペット、トロンボーン、ビオラ、バイオリン、チェロ
条件 第一レベル:高等学校卒業、入学試験・イタリア語試験の合格(目安はCEFRのB1レベル)※B2以上取得者はイタリア語試験免除
第二レベル:第一レベル修了または学士号取得、入学試験・イタリア語試験の合格(目安はCEFRのB1レベル)※B2以上取得者はイタリア語試験免除
期間 第一レベル:3年間
第二レベル:2年間
※入学時期は11月
言語 イタリア語
価格 第一レベル:900ユーロ/年
第二レベル:1,100ユーロ/年
HP https://www.conservatoriomantova.com/

例2:美術
学校名 ヌオーヴァ美術アカデミー(Nuova Accademia di Belle Arti)
コース名 Diploma accademico I livello(第一レベル)
■専攻:デザイン、ファッションデザイン、グラフィックデザイン、メディアデザイン、ヴィジュアルアート、セットデザイン、ニューテクノロジー(応用美術)

Diploma accademico II livello(第二レベル)
■専攻:ファッション・テキスタイルデザイン、インテリアデザイン、プロダクトデザイン、コミュニケーションデザイン、ヴィジュアルアート・キュレーション研究
※1年間のアカデミックマスタープログラムの専攻は、写真&ヴィジュアルデザイン、コンテンポラリーアート市場、クリエイティブ広告
条件 第一レベル:高等学校卒業、入学試験の合格、イタリア語で行われる授業を受講する場合はCEFRのB1以上のイタリア語能力、英語で行われる授業を受講する場合は十分な英語能力(IELTS 5.0 Academic相当)
第二レベル:学士号取得(専門に関連する学士号をもっていることが望ましい)、イタリア語で行われる授業を受講する場合はCEFRのB1以上のイタリア語能力、英語で行われる授業を受講する場合は十分な英語能力(IELTS 5.0 Academic相当)
期間 第一レベル:3年間
第二レベル:2年間(1年間のアカデミックマスタープログラムもあり)
※入学時期は第一レベル10月、第二レベル2月と10月
言語 イタリア語、英語
価格 第一レベル:16,090ユーロ/年
第二レベル:14,390ユーロ/年(1年間のアカデミックマスタープログラムは16,550ユーロ)
HP http://www.naba.it/en
AFAM所属でない私立の教育機関

音楽を学べる機関

イタリア国内に多数存在する音楽系専門学校や語学学校に併設された学校や特別コースで学ぶことができます。コースはピアノ、弦楽器、管楽器、室内音楽、オーケストラ、作曲、歌など多岐に渡ります。試験に合格しないと入学できない、プロの音楽家を養成する高いレベルの機関から、初心者も受け入れる学校までさまざまな種類があります。学生ビザの取得が可能か否かは、個別に確認する必要があります。

アンケートのページには、初心者も対象としている音楽系専門学校1校へのアンケートを掲載しています。

美術を学べる機関

美術系専門学校、美術工房、語学学校に併設された学校や特別コースなど種類は多岐に渡っており、プロの美術家を養成する学校として高度なイタリア語力や美術的技術を求められる学校から、初心者でイタリア語力がない学生にも門戸を広げている学校もあります。小規模な学校が多いため、丁寧に教えてもらえるというメリットがあります。コースの期間は数週間から1~3年と、学校によって異なります。学生ビザの取得が可能か否かは、個別に確認する必要があります。

アンケートのページには、初心者も対象としている美術工房の2機関のアンケートを掲載しています(学校等へのアンケート:美術)。
外国人学生の入学条件と手続き
入学条件は学校によって異なります。高校卒業と同等の資格を有し、試験に合格しなければ入学できない学校もあれば、入学可能な年齢の下限を定めている学校もあります。一方で、特に条件を定めていない、初心者でも入学可能な学校もあります。
手続きに関しては、AFAM所属機関と比べると複雑ではありません。オンライン、あるいはファックス、郵送で行います。入学願書など申請に必要な書類は通常、各学校のウェブサイトからダウンロードできます。

音楽や美術を教える一部の教育機関では、イタリア教育大学研究省によって認定された「学位取得コース」(AFAMと同等の学位を取得できるコース)を開講しているところがあります。該当する学校のリストはイタリア教育大学研究省のウェブサイトで確認できます。これらの学校の学位取得コースに入学する場合は、音楽院や美術院と同様にイタリア文化会館を通して行う手続きがあります。
音楽・美術専門コースを設置している語学学校例

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。