留学先の国の特徴や留学情報をご紹介。
国ごとの違いを明確に知り、自分にあった留学先を見つけましょう。

このページは2012年度の調査をもとに、2019年12月時点で更新した情報です。特殊文字や記号は省略しています。
インドには、多種多様な宗教および民族が存在します。また、地域によって習慣、風土、言語、衣服、食事などが異なります。多文化環境により摩擦が発生していることも事実です。インドで生活する際には、相手の宗教、出身地、習慣などに十分配慮して付き合っていくことが大切です。

インドの今をジェトロが紹介しています。写真が豊富で、活気溢れるインドの現代生活を感じることができます。 日本貿易振興機構(ジェトロ)インドスタイル〔日本語〕

インドの雑貨店

ホストファミリーや友人と日本料理パーティー

インドで留学生が居住できる住居には、学生寮(Hostel)、ペイイング・ゲスト・ハウス(PG House:下宿)、アパート(Apartment)などがあります。
それぞれの特徴は以下のとおりです。 

 

  • 学生寮
一般的にキャンパス内にあります。多くの場合、キッチン、インターネット、テレビルームなどが設置されており、学生生活を送るために必要な設備が整っています。学生寮は、留学生とインド人学生が部屋や設備をシェアする大学と、留学生向けの寮を備えている大学があります。寮費、部屋の広さ、食事の有無、申込み方法は大学ごとに異なります。渡航前に寮の部屋を確保できるのかなど、詳しくは留学を希望する機関に問い合わせる必要があります。
学生寮の例
University of Delhi(デリー大学)
北キャンパスと南キャンパスに、ホステルと呼ばれる寮があります。寮により、入居できる学生の優先順位が異なります。留学生が多い寮として、International Students HouseとInternational Students House for Womenがあります。International Students Houseは学部生と大学院生が対象です。International Students House for Womenは、女性の学部生と大学院生が入居できます。寮の申請書に必要事項を記入して、申請料を添えて申し込みます。面接による審査などを経て、選ばれた学生が入寮します。

Jawaharlal Nehru University (JNU)(ジャワハルラール・ネルー大学)
18のホステルと呼ばれる寮があり、滞在可能です。各寮には朝昼夜と食事が提供される食堂、自習室、共同テレビルーム、ゲームやスポーツの設備があります。キャンパス内にマーケット、理髪店、医療機関、郵便局、書店、銀行、ATMなどがあり、大学の敷地内で日常生活に必要なほとんどの用事を済ませることができます。

Savitribai Phule Pune University (プネ大学)
キャンパス内に留学生向けの男子寮と女子寮があり、大学のホームページから入寮を申し込みます。また、キャンパス内に、カフェテリア、スポーツ設備、医療機関、銀行、郵便局などがあり、大学からプネ市内の主要な場所へバスが走っています。
  • ペイイング・ゲスト・ハウス (PG House:下宿)
多くが家具付きで、食事なども含まれています。日本から渡航してそのまま生活できます。簡易なホテルのような所もあれば、部屋の間借りで大家と同居のところもあります。
  • アパート(Apartment)
留学先教育機関がアパートメントの斡旋をするケースは少なく、地元の不動産業者などから探すのが一般的です。住居の契約は一年以上の前払いを要求される場合が多く、家具、電気製品、ガス台などは基本的に設置されていません。ガスは一部の都市ガスがある地域を除き、プロパンガスがほとんどです。
生活費は、留学先の地域や生活スタイルによって異なりますが、一般的には月に200~420米ドル以内で生活できます(住居費を除く)。インドの四大都市(デリー、ムンバイ、チェンナイ、コルカタ)の中心部とベンガルールは、他の地域に比べて相対的に生活費が上がります。ICCR(インド文化関係評議会)は、留学生がインド到着時に少なくとも50,000ルピーを当面の生活費として持っていることを勧めています。
  • 食費
キャンパス内の食堂を利用するか、自炊するか、外食するかで大きく変わります。キャンパス内の食堂は安価に利用できます。学生寮などにキッチンがある場合は、自炊すれば節約できます。外食する場合、ストリートにある屋台などであれば安く済みますが、衛生的にあまりお勧めできません。ショッピングモールなどのレストランで食べると日本で外食するより高く感じることがあります。
  • 物品・サービス税(GST)
2017年7月より、物品・サービス税(GST)が導入され、それまで州ごとに徴収するなど複雑多岐にわたっていたインドの間接税が統一されました。日本の消費税にあたるGSTの税率は非課税~28%と物品により異なる税率が適用されています。野菜・果物・牛乳などの基礎的食品は非課税です。
  • チップ
一般的にチップの習慣はありません。高級ホテルでは荷物一個につき30~40ルピー、レストランでは料金の5~7%程度をチップとして支払いますが、請求額に含まれている場合もあるので、確認しましょう。

インドの銀行 待つ人

  • 銀行
インド国内で、当座預金(Current Account)と預貯金(Savings Account)のルピー口座開設が可能です。口座開設の際には、どのような書類が必要か事前に銀行に問い合わせましょう。銀行によってはインターネットバンキングに対応しています。
なお、銀行口座の開設と閉鎖にはかなり時間がかかるため(数週間かかることもあります)、余裕をもって手続きを進める必要があります。
最近はATMが多く設置されており、海外で利用できる日本の銀行口座のキャッシュカード、デビットカード、プリペイドカードで、現地通貨のルピーを引き出すこともできます。ホテルなどではVisa、Masterなどほとんどのクレジットカードが利用可能です。詳しくは、「お金の管理」ページを参照してください。
  • 送金
海外から米ドルや円などが送金された場合、インド側で受け取る銀行が、送金された日本円および米ドルをその銀行の為替レートでルピーに換算した上で、ルピー口座に入金します。
  • 両替
インドで物品・サービスを購入するためにはルピーが必要です。米ドルおよび日本円などの外貨は一部のホテルや空港を除いてほとんど使用できません。米ドル・日本円ともに現金からルピーへの換金が可能です。両替の際は、金額が正しいか必ずその場で確認しましょう。銀行、ホテル、街中の両替商で両替できますが、パスポートの提示が求められます。地方都市では米ドルの両替は可能でも日本円の両替は難しい場合もあります。
また、インド滞在中は常に小銭を用意しておくことをお勧めします。特に個人商店などは小銭を用意していないことが多く、お釣りをもらえないことがあります。

インドの小道

  •  飲料水
ミネラルウォーターの購入をお勧めします。ペットボトルの開栓の際には、密閉が確かであったか確認するようにしましょう。水道水を利用する場合は、浄水器で濾過したものをさらに沸騰させてから飲用する方がよいでしょう。 
  •  食料品
野菜・果物などは豊富に出回っていますが、調理の際に十分火を通してください。また、野菜は農薬や肥料などが残っていることがあるので、入念な水洗いや消毒が必要です。醤油・味噌などの日本食材を取り扱う店も一部あります。
  • 外食事情
近年、大都市にはホテル以外にも利用しやすいレストラン、カフェやファストフードのチェーン店などが数多くあります。ただし、レストランなどの氷は水道水を利用していることがありますので、注意してください。
インドでの生活の一般事情については、「リンク集」に掲載されているインド各地の日本人会ホームページの「生活の手引き」を参照してください。
  • インド渡航前の準備と滞在中の注意
手続き」の渡航準備に、予防接種など渡航前の準備について記載していますので、参考にしてください。
また、滞在中の健康・医療に関する情報源として、厚生労働省検疫所FORTH、外務省の「世界の医療事情」、在インド日本国大使館の「医務室より」を確認してください。現地で利用できる医療機関の情報を見ることができます。
  • インドの医療事情
国立病院、私立病院、個人クリニックなど各種の医療機関があります。大きな病院は外国人専用窓口を設けているところもあります。
国立病院は診療費が無料または安価ですが、常に混雑しており、また衛生面の問題があります。一方、都市部の私立病院は清潔で設備が整っており、適切な医療が期待できます。ただし、私立病院の医療費は決して安くありませんので、必ず海外旅行傷害保険に加入しておいてください。また、受診の際の注意事項としては、過剰と思われる医療を受けないよう、治療に対する疑問や要求はその都度申し出ることです。  
医療機関ではほぼ日本語は通じず、英語またはヒンディー語で意思疎通する必要があります。日本人が主に利用する医療機関の医師のほとんどは、欧米での留学・研修経験があり英語が通じますが、サービス面で日本のような水準を期待することは難しいでしょう。また、最新の医療機器を備えた病院や高度先進医療を行える病院はごく一部しかありません。
なお、初診の際は原則として登録料が必要です。専門医を受診する場合、基本的に電話などで事前予約が必要です。入院する際は数万ルピーの前払い金(デポジット)の支払いを要求されることがあり、部屋の種類によって室料や診察料金が異なります。
  • 救急医療
緊急の場合、救急医療を行っている医療機関の救急番号に直接電話して病院から救急車を派遣してもらうか、自ら病院に行かなければなりません。インドの救急医療体制は未だ十分に整備されていないのが現状です。夜中や休日の緊急事態に備えて、どの医療機関にどのようにアクセスするかをあらかじめ確認することが必須です。一般的な救急番号(102番)で救急車を呼ぶと、公立の病院に搬送される可能性があるので、お勧めしません。
  • 医薬品と衛生用品
インドでは、薬は医師の処方箋を院内または街中の薬局(Chemist)に持参し購入します。処方箋がない場合も一般的な風邪薬や解熱鎮痛剤などは購入可能です。しかし有効成分の量が日本と異なり、効き目が強いと感じる人が多く、副作用にも注意が必要です。また、インドでは品質の悪い薬や偽薬が販売されていることもあります。日本で常備または服用している薬があれば持参したほうがよいでしょう。
衛生用品については、品質にこだわらない限りほとんどの品が現地で調達可能です。

インドの雑踏

  • 携帯電話
携帯電話加入者数は11億人を超え(2017年)、「インドではトイレよりも携帯電話のほうが多い」と言われています。大手通信会社は、バルティ・エアテル(Bharti Airtel)、ボーダフォン・インディア(Vodafone India)、アイデア・セルラー(Idea Cellular)などです。留学体験談でも紹介していますが、日本人留学生の中には現地で携帯電話を購入する人もいます。また、留学体験談にあるように、日本から持参したデバイスが使えないといったケースもあるようです。携帯電話の普及にともない、固定電話加入者は減少傾向にあります。
  • インターネット
数多くのプロバイダーがあり、様々な利用形態、料金形態から自分に合ったものを選ぶことができます。
最近は多くの学生寮でWi-Fiが利用できます。ただし、インドのインターネット接続状況はデリーなど大都市部では比較的安定しているものの、停電なども頻繁に起こるため、日本と比べ劣ります。

通信アイテムについては、「通信アイテム」を参照してください。

オートリキシャー

  • タクシー
タクシーにはメーターが備え付けられていますが、多くの場合、乗る前に値段を交渉する必要があります。電話やインターネットで無線タクシーを呼び出すことも可能です。
  • オートリキシャー
三輪車であるオートリキシャーは安定が悪いためあまり安全とはいえません。乗る前に値段を交渉する必要があります。他に交通手段がない場合を除いて、利用は勧められません。
  • 鉄道
都市間を旅行する際に便利ですが、安全上の問題があります。夜行寝台列車内など、逃げ場が特に少ない環境では盗難、置き引き、強姦などが発生しやすいので注意が必要です。 
  • メトロ
インドのメトロは、地下鉄と高架を含みます。デリーでは路線が充実して、中心部と郊外、近郊のノイダやグルガオンを結んでいます。コルカタ、ハイデラバード、チェンナイ、コチ、ムンバイ、ベンガルール、ジャイプールの各都市は、路線数は少ないですが、メトロが設置されています。車両や駅は新しく、便利、快適で格安な交通手段です。夜間を除いて全般的に安全であり、女性専用車両も設けられています。
  • バス
都市を走るバスはルートや本数が多く、市民の足になっています。

なお、インドは日本と同じ左側通行ですが、車の運転マナーが大変悪く、交通事故が頻繁に起きています。道を歩く際も車に十分気を付けてください。

インドの渋滞

  • インドの治安状況
インドは国家間・民族間・宗教間の対立による暴動などが治まらず、治安は悪化の傾向にあります。
また、都市部は人口集中、失業者の増加、貧富の差の拡大などを背景として、犯罪発生件数が増加傾向にあります。詐欺、窃盗、強盗、強姦などの犯罪が多発しており、十分な注意が必要です。地域によっては夜間の一人歩きは危険です。また、交通事情が全般的に劣悪であることから、交通事故に遭わないよう十分な注意が必要です。
  • 防犯対策
日常生活においても、テロの標的になるような危険な場所や不特定多数の人が集まる場所は、できるだけ近づかない方がよいでしょう。不審物に注意し、周囲の状況に常に注意を払う必要があります。治安・防犯対策については、事前に外務省海外安全ホームページを参照することをお勧めします。「安全の手引」をクリックすると、現地日本国大使館・総領事館が発行している「在留邦人向け安全の手引き」を見ることができます。
市販のインド旅行者向けガイドブックには、治安と防犯について様々な情報やアイデアを掲載していますが、内容にはかなりのばらつきがあります。利用者自身の責任で内容を判断・利用することを十分に理解した上で参照してください。

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。