留学先の国の特徴や留学情報をご紹介。
国ごとの違いを明確に知り、自分にあった留学先を見つけましょう。

大学・大学院・短期大学・専門学校 奨学金留学

最新の情報については、 ビザについては日本国内の大使館・総領事館に、学校情報は留学を希望する学校に、必ず直接確認してください。
M.O.さん
都市名:プネー
学校名:プネー大学
(University of Pune)
専攻名:歴史学科
留学期間:2007年11月~2012年9月
取得資格・学位:Ph.D. in History
留学形態:奨学金留学
奨学金名:みずほ国際交流奨学財団 アジア留学助成事業(2007年~2009年)、りそなアジア・オセアニア財団 調査研究助成(2010年~2012年)
留学の動機
なぜインドに留学しようと思いましたか?他国との比較、決め手になったことなどお答えください。
もともとインドに興味があり、学部の時からインド史を専攻していました。インドの歴史を海外で学ぶ場合、かつてインドを植民地支配していたイギリスや、多くの研究者が集まるアメリカ合衆国も留学先に挙げられます。しかし私は、現地で、現地の言葉を学び、現地の史料を読みながら、より直接的にインドの歴史を学びたいと思い、インド留学を決めました。
留学前の準備期間、言語の勉強方法
留学を思い立ってから実際に現地へ出発するまで何か月くらいの準備期間が必要でしたか?
かかった期間は、1年5か月です。2006年6月頃に留学の準備を始め、プネー大学に願書を出しました。ただ全く返事がないため、2006年の7月に現地に行き、願書を9月に出しました。それで2006年11月に面接試験があり、それをクリアして、2006年12月に、在日本のインド大使館にビザ申請を行いました。ただ、半年が経ってもビザに関して全く情報がないため、07年7月にビザ関係の処理を担当しているデリーの人材開発省に直接行き、私の書類の一部が紛失していることを確認しました。そのため、同省へ再度書類を提出し、07年10月にビザが発行されました。そして10月末に出発し、プネーに07年11月1日に着きました。
準備期間中にいちばん大変だったこと、時間は十分だったかをお答えください。
大変だったことは、準備のためにインドを3往復したことですが、今考えると、留学に際して必要な経験だったと思います。
留学前にインドの現地語または英語をどのように勉強しましたか?語学試験は受験しましたか?
英語に関しては、もともと勉強もしていましたが、留学準備のためにプネー大学や関係省庁と連絡を取る中で自然に身につきました。現地語は、マラーティー語というインド西部の言語を習得したのですが、04年の修士の時から、日本で専門の先生から直接、指導を受けました。マラーティー語に関しては、現在は市民講座が開設されているようで、私の頃よりも簡単に学ぶことができると思います。
語学学習において、どんな勉強方法が一番効果的だと思いますか?
まずは、教室や先生につきながら、または本を読みながら基礎を勉強することが大切だと考えます。その次は、インド人に会うことが大切です。現在は多くのインド人が日本、特に大都市圏に住んでいて、彼らはグループをつくっています。例えば、マラーティー語に関しては、東京・マラーティー・マンダルというのがあり、年に2-3度、何か催し物をしています。そういうところに積極的に参加して、現地の人と話すことが重要だと思います。
情報収集方法
どのようにしてインド留学について情報収集しましたか?
私は、日本でもインド史を勉強するコースにいたので、先輩からの情報や大学の公式ウェブページから情報を得ました。
現地学校への問い合わせ
学校へはどのような手段で連絡を取りましたか?また、具体的な質問内容を差支えない範囲で教えてください。
書類が着いたかに関して、メールで問い合わせても返事がなく、電話も要領を得ませんでした。なので、私は現地へ直接行きました。
出願について
出願時に提出した書類と、提出方法を具体的に教えてください。
まずは願書を郵送しました。ただし返事がないため、最終的に、願書、成績証明書、研究計画書(A4で10枚程度。英語)を持参して提出しました。
出願から正式な許可書を受け取るまでに苦労したことはありましたか?それをどのように解決しましたか?
苦労したのは、出願から入学の面接まで2か月程度要したために、私は日本で用事があったので、一度日本に帰らなければならなかったことです。
入学試験
入学試験を受けましたか?またその教科や内容を教えてください。
まずは、A4で10枚程度の研究計画書(参考文献票を含む)を作成し、まず指導教官にみせました。指導教官の許可を得た後、面接があります。研究計画を30分程度で説明し、質疑が30分程度ありました。言語はインドの言語ではなく、英語で行われました。その他の試験は一切ありませんでした。ただし現在は、大学関係のルールが変わり、筆記試験が課されることもあるようなので、チェックしてください。
奨学金・授業料減免制度
奨学金もしくは授業料減免制度の情報をどこで得ましたか?また利用するためにどんな準備や手続き(書類提出・面接等)をしましたか?
先輩・知人や大学に貼られている掲示で知りました。みずほ国際交流奨学財団へは、書類を提出し、その後で面接がありました。りそなアジア・オセアニア財団は、インドから申請したこともあり、書類審査のみでした。
 奨学金もしくは授業料減免制度を利用した感想について教えてください。
お金のやりくりを気にせずに、勉強・研究に専念できるので、奨学金はとても重要です。インドにしかない本をたくさん購入したり、様々な研究会・国際会議に行く費用も全部、奨学金から出せたので、留学の活動の幅も広がりました。
ビザ・居住の許可等の取得
(JASSO注:手続き上の必要書類等は当該地における当時のもので、申請にあたっては、自己の責任において最新の情報を確認する必要があります。)
ビザの取得にはどのような書類や手続きが必要でしたか?気をつけた点も教えてください。
願書、研究計画書、受け入れ大学からの推薦(証明)書、所属機関の証明書、成績表などだったと思います。私の書類はインドで紛失しました。手続きが完了しているか、まめに問い合わせる必要があります。
居住許可の取得にはどのような書類や手続きが必要でしたか?気をつけた点も教えてください。
居住許可の書類は特に必要がなかったように記憶しています。
現地到着14日以内に外国人登録が必要ですが、その手続きはどのように行いましたか?住居証明書の準備や注意事項をお教えください。
大学の学科の推薦書、学科の推薦書、大家(寮長)などの推薦書、地元警察(交番)からの推薦書、過去3か月の銀行取引の書類(英文)だったと思います。書類は予め、全てそろえてから行く必要があります。必要書類は、しばしば変わるので、地元警察署のウェブページで必要書類をチェックする必要があります。
学費、生活費、お金の送金・管理方法等
留学中にかかった学費(+諸経費)の総額はおよそいくらでしたか?どのような支払方法が便利でしたか?
年間5,000ルピー(7,500円程度)だったと思います。キャンパス内の銀行に、現金で直接支払いました。
学費以外の生活費(住居費、食費、光熱費、教養・娯楽費など)の、1か月平均額または留学期間全体の金額を教えてください。
私は寮暮らしだったので、住居費と光熱費を合わせて、毎月2,000ルピー(3,000円程度)、食費は、自炊でしたが、友人との外食などをふくめると7,000~8,000ルピー(12,000円程度)、本代や映画などの娯楽で、2,000ルピー(3,000円程度)だったと思います。
学費、生活費をどのように捻出しましたか?(お差支えなければ教えてください)
奨学金です。
お金をどのように管理していましたか?現地で銀行口座を作った場合、どのような手続きをしましたか?
日本でシティバンクの口座を開設し、現地のシティバンクのATMから引き出していました。
健康管理
どのような保険(タイプ・金額など)に入っていましたか?留学先校など現地で保険の指定はありましたか?
病気や損害賠償をふくめた総合的なものに日本で入っていました。金額は年間12万円程度だったと思います。現地の大学からは特に指定はありませんでした。
日本またはインドで予防接種・健康診断を受けた場合、その内容をお教えください。
日本で、A型・B型肝炎、腸チフス、狂犬病、日本脳炎、破傷風の予防接種を受けました。
現地の医療サービス(大学・現地の病院・クリニック等の利用、薬や衛生用品の利用)を受けましたか?またその場合、気をつけるべき点があれば教えてください。
風邪を引いたときなどに、町医者にかかっていました。気をつけるべきことはとくにありません。
マラリア・デング熱等の伝染病対策はしましたか?気をつけたこと、困ったことはありましたか?
蚊よけをしていました。体力が落ちているとかかりやすいようなので、十分な休息を取るようにしていました。
学校生活
日本の授業に比べて異なる点、インドらしいと思う特徴、受講した感想を教えてください。
大学の寮で外国人留学生と交流しました。
他には、現地の文書館や学会・研究会を通して同じように博士課程の学生に出会いました。
日本語を学ぶ現地の学生とも交流をしました。
日本人留学生との交流、インドや他の外国からの学生との交流はできましたか?大変だったことはありましたか?
同じ寮に日本人留学生がいたため、彼らと交流していました。
指導教官とのやり取りでよかったこと、大変だったことはありましたか?
指導教官は、研究に関して、何でも相談にのってくれました。本当に感謝しています。大変だったことは特にありません。
食事
普段はどのように食事をされましたか?現地の食事・食材で苦労したことはありましたか?
基本的に昼は外食、夜は自炊が多かったです。飲料水は、水をわかして、湯冷ましを飲んでいました。
日本の食材を手に入れることはできましたか?日本から持参すると良い食材があれば教えてください。
醤油やのり、うどんやそばを購入することは可能ですが、割高なのであまり買いませんでした。日本から食材は持参せず、現地の食事になれるのがよいと思います。私は何も持って行きませんでした。
住居
留学中、どんな住居に住んでいましたか?(寮・ゲストハウス・アパートなど)その特徴とともにお教えください。
大学の寮に住んでいました。寮の部屋は個室で、共同キッチン、バス・トイレは共同でした。水が出なくなったり、停電することはよくありました。留学生寮だったので、様々な国の人と触れ合うことができました。
住居を決めた際の基準(周辺環境、家賃等)や、探した方法(学校などからの紹介の有無、口コミ等)を教えてください。
もともと寮に住みたかったので、特に比較はしませんでした。寮の利点は、キャンパス内にあり、所属していた学科にすぐに行けることです。
住居でトラブルはありましたか?その際、どのように対処しましたか?
ありませんでした。
現地の治安状況・注意したこと等
現地の治安状況についてどのように情報収集しましたか?
外務省のウェブページを以前からみていたのと、自分の研究で、インドの新聞(英字:ウェブ版)を毎日読んでいました。そのことが治安状況を知るよい手助けになっていたと思います。
治安状況を踏まえて気をつけた点について教えてください。
爆弾テロのような突発的なものは防ぎようがないですが、暗い夜道を歩かないということや、貧困地域などで治安が悪いといわれている地域には、近づかないようにしていました。
通信
通信機器(PC・携帯電話・スマートフォン等)は、日本から持参されましたか?学校や居住施設での利用はいかがでしたか?
通信機器は、PCと携帯電話を使っていましたが、どちらも現地で購入しました。
現地で上記の通信機器やインターネットを利用した際、機器・プロバイダの選択や手続きはどのように行いましたか?
寮の友人と一緒に使っていました。選択肢はいくつもあり、リライアンスを使っていました。
気候
日本との気候の違い(暑さ・寒さ・湿度・日照時間等)に対して心がけた点を教えてください。
プネーは湿度が低く、AC(空調設備)も必要なかったので、東京よりも快適に過ごすことができました。
現地生活状況・各種相談先
現地購入できて役に立ったもの、日常品で重要なものがあればお教えください。
毎日、湯をわかしていたので、簡単な湯沸かし器(ポット)が、現地で購入してよいものでした。
学校内・学校外で問題があったとき、誰に相談しましたか?
私は、指導教官か現地の語学の先生に相談しました。
住居などについて支援を受けられるような学生互助会(自治会)などはありましたか?その支援を受けましたか?
ありませんでした。
現地の人(学生に限らず)との文化的摩擦、トラブルの経験や、異文化の中で気をつかった点はありましたか?
べジの店にノンベジを持ち込まないことや、友人との飲酒を目立ったところでしないなど、食事関係のルールがいろいろとあります。
帰国後の進路/留学と進路との関係
現在の所属について、差し支えない範囲で教えてください。
横浜市立大学と、共愛学園前橋国際大学で非常勤講師をしています。
留学前・留学中・留学後のいつ、就職活動をされましたか?
留学最終年度(2011年秋ごろ)に両大学に履歴書を出して、非常勤職に応募しました。
インドで就職活動をされましたか?その場合、その内容や特徴、現地大学からの支援の有無について、差し支えない範囲で教えてください。
していません。
日本で就職活動をされましたか?その場合、その内容や留学とのかかわりを差し支えない範囲で教えてください。
インドで、日本に遠隔(メール・郵送)で、書類を郵送しましたので、留学生活そのものとの関わりはあまりありません。
留学経験は進路決定に影響しましたか?また、留学経験は現在の仕事・学業にどのようにいかされていますか?
留学時の研究を継続させて、現在も研究をしているので、留学経験が、現在も進路決定に大きく影響しています。
後輩へのアドバイス
これまでの留学準備と留学生活を振り返って、「日本にいる間にしておけば良かった」と思うことはありますか?
特にありません。インドで何でもできます。留学したければ、一刻も早く、目当ての大学にアクセスすることが重要だと思います。
留学生活を送る際の注意点と、これから留学を考えている後輩へのアドバイスをお願いいたします。
私は大きな病気はしませんでしたが、健康に気をつけて、十分に休んで、よいことも悪いことも、とにかく経験するのが良いと思います。

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。