海外留学を考え始めた方や、準備を進めている方にお勧めの基礎情報。
国・地域・教育機関を限定しない一般情報が中心です。

海外でしばらく生活するには、まとまったお金が必要です。紛失・盗難など安全面を考慮すると、複数の方法でお金を管理するのが安全です。それぞれの方法のメリットとデメリットを考え、予定する留学期間と留学先での利便性を考慮し、自分に合った方法でお金を管理しましょう。

また、ポケットに見えるように財布を入れる、財布の入ったバッグを置いたままその場を離れるなどの日本での習慣が海外では盗難を招きます。せっかく複数の方法でお金を管理していても、現金と全てのカードが入った財布をなくす、あるいは盗難に遭ってしまうと意味がありません。小さいサイズのお財布を利用する、現金とカードを分散して持ち歩くなどの対策をしてください。

キャッシュレス社会が進んでいますが、例えば少額のチップを渡す時や、カード決済機能がない、あるいは決済機能が不具合の時など、現金が役立つ場面があります。多額の現金を持ち歩くのは紛失・盗難を考えると得策ではありません。少額の現金とカードを持ち歩くようにしましょう。

渡航時に留学先の現金を多少は持っていると安心です。通貨によっては、外国(日本国内)では両替できない通貨があります。日本国内で現地通貨に両替できない場合、留学先によっては、当面の生活費として米ドルやユーロを持って行く方が便利な国もありますので検討しましょう。一般的には紙幣のみ両替できます。両替する場所(銀行・両替所)によって両替レートは異なります。レートが有利でも、両替手数料がかかる場合もあるので、事前に確認してください。両替にはパスポートの提示を求められる場合が多いです。
メリット
いつでもどこでも使える

デメリット
盗難・紛失時に補償がない
額面の大きな紙幣は支払いを断られることがある

日常のさまざまな場面で使用することができます。VisaとMasterが最も広く利用できます。ホテル・航空券・レンタカーの予約には、身分証明と支払い能力証明としてクレジットカードが必要な場合が多いので、一枚は持っているといいでしょう。通常18歳以上でクレジットカードは申請できます。学生は学生カードだと発行審査が通りやすいですが、利用限度額は低くなります。保護者が持っているクレジットカードの家族カードを発行してもらう方法もあります。

海外キャッシングの機能がついているカードであれば、現地で提携ATMから現地通貨が引き出せます。カードの磁気情報を盗み取るスキミング犯罪などに備えて、定期的に利用履歴を確認するようにしましょう。

海外旅行保険が付帯しているカードがありますが、保険の適用範囲や滞在期限に制限があるので、保険は別途加入することをお勧めします。

メリット
日常のさまざまな場面で支払いができる
身分証明と支払い能力証明としての役割がある
不正利用に対して補償がある
現地の提携ATMから現金を引き出すことができる
ポイントなどの特典がある

デメリット
使った金額が見えにくいので、無駄遣いをしがちになる
海外キャッシング機能がついていれば、現地の提携ATMから現金を引き出すことができるが、為替レートの上乗せやATM利用手数料がかかる
借り入れとして現金を引き出すので、利息が発生する 
利用限度額が決まっている

現地で提携ATMから現地通貨が引き出せて、VisaやMasterの加盟店ではクレジットカードのように支払いに利用できます。クレジットカードと違い、銀行口座の預金から即時決済されます。現地のATMから現地通貨を引き出す場合、なるべく回数を減らすと手数料が抑えられます。デビットカードでの現金引き出しは、口座預金からの引き出しとなるので、利息はかかりません。国によっては、クレジットカードよりデビットカードが主流で、現地の銀行に口座を開設する際に、その口座に紐づけされたデビットカードを発行してもらえます。
 
メリット
現地の提携ATMから口座出金として現地通貨を引き出すことができる
クレジットカードのように買い物にも使用できる
即時決済なので、使い過ぎを防ぎやすい
不正利用に対して補償がある
カードによっては、キャッシュバックやポイントの特典がある

デメリット
為替レートの上乗せやATM利用手数料がかかる
クレジットカードのように支払い回数の選択やリボ払いはできない
カードの種類や利用金額によっては年会費がある

銀行口座の開設が不要で、マイナンバーの提示で簡単に作れます。現地で提携ATMから現地通貨が引き出せて、VisaやMasterの加盟店ではクレジットカードのように支払いに利用できます。チャージできる通貨の種類が日本円のみのカードと、1枚のカードで複数種類の通貨に対応しているカードがあります。

カードによって、入金手数料の有無、入金限度額、利用限度額が異なります。通常、チャージした通貨と異なる通貨を利用した場合、為替手数料が上乗せされます。目立たないところに小さな字で書かれていることがあるので、必ず利用前に詳細を確認しましょう。現地のATMから現地通貨を引き出す場合、なるべく回数を減らすと手数料が抑えられます。盗難に備えて、あらかじめ本カードとスペアカードを発行してくれる会社があります。プリペイドカードに残った残金を清算する場合、清算手数料がかかります。
メリット
銀行口座の開設が不要
現地の提携ATMから現地通貨が引き出せる
クレジットカードのように買い物にも使用できる
チャージした額までの使用なので、使い過ぎを防ぎやすい
盗難に遭っても、被害額はチャージ残高まで、あるいは盗難・紛失の連絡時の残高を補償するカードもある

デメリット
チャージできる通貨の種類が限られている
為替レートの上乗せやATM利用手数料がかかる
カードによっては入金時に入金手数料がかかる
チャージ限度額が決まっている
カードの残金を清算する際に、清算手数料がかかる

現地で開設した銀行口座に送金する方法と、現地の銀行口座がなく送金する方法があります。

現地に開設した銀行口座に送金する場合、外国為替取扱銀行から海外の銀行口座宛に送金します。送金先国によっては、BICやIBANコードが必要です。送金手数料は金融機関により異なります。一般的には、オンラインで送金すると手数料が抑えられます。また、手数料に目が行きがちですが、まとまった金額を送金する場合、換算レートが有利な方が受取り金額は多くなります。海外送金では、送金側の銀行に手数料を支払うだけでなく、受取り側の銀行でも手数料が発生します。送金側の銀行と受け取り側の銀行の間に他の銀行を経由する場合、経由した銀行からも手数料が差し引かれることがあります。学校宛の学費の支払いなど、決まった金額を送金しなければいけない場合、手数料が送金額から差し引かれて金額が不足しないよう注意が必要です。

現地で銀行口座がなくても、国によっては海外送金サービスを利用して送金をすることが可能です。あらかじめ登録が必要ですが、現地の金融機関、スーパーなどで送金を受け取れるサービスを提供している会社があります。送金にかかる日数は金融機関によって異なるので、送金前に確認しましょう。
 
 
メリット
現地ATM利用手数料がかからない
一度送金すれば、日々の為替レート変動を気にする必要がない

デメリット
送金手数料がかかる
受取り手数料がかかる
送金元銀行と受取り銀行の間に他の銀行を経由する場合、経由した銀行からも手数料が差し引かれる場合がある
送金の際、身分証明書や送金理由を証明する確認書類が必要

口座開設には必要書類があり、国によっては開設に手間と時間がかかりますが、長期に留学する場合は、現地で銀行口座を開設すると便利です。現地銀行口座に入金後は、為替レートの変動やATM利用手数料を気にする必要がありません。海外からの送金を受けられるだけでなく、現地でアルバイトをする場合、給料の振込先として利用できます。また、預金として利息が付くので、預金の利率が高い国では、メリットの一つでしょう。

現地で銀行口座を開設すると、現地で生活している実感が得やすいものです。留学先の教育機関が提携している銀行がある場合、口座が開設しやすいでしょう。ただし、国や金融機関によっては、一定期間以上の留学でないと口座を開設できないことがあります。渡航前に確認が必要です。日本国内に留学先国の銀行の支店がある場合、日本国内で現地銀行の口座を開くことが可能な場合があります。口座を解約する時は、時間に余裕を持って手続きをしましょう。
メリット
日本からの海外送金先として利用できる
ATM利用手数料がかからない
現地でアルバイトをする場合、給与の振込先になる
預金に利息が付く
国によっては、口座に紐づけされたデビットカードを発行してもらえる

デメリット
口座開設には必要書類や身分証明書が必要で、口座開設までに手間と時間がかかる場合がある

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。