各情報・データは更新時(2021年1月)における一般的な状況です。教育機関、地域、あるいは時期により異なる場合がありますので、最新・個別の情報については必ず各機関にご確認ください。このガイドではいくつかの教育機関を取り上げていますが、あくまでも一例示であり、特にそれらを推薦する趣旨ではありません。特殊文字や記号は省略し、ウムラウト記号は、該当の母音後にeを入れることで代替しています。
学校の種類
- 総合大学(特別教育機関含む)・連邦工科大学:公立 12校
- 応用科学大学・芸術大学:公立 8校、私立 1校
- 教育大学 :17校
- 私立教育機関
- 特別教育機関 (IHEID: Graduate Institute of International and Development Studies)
学位・在学期間
- 学士:3年、修士:1.5年~3年、 博士:3~5年
- 学士:3年、修士:1.5年~2年、MAS(生涯教育課程):1年
- 学士:3年、修士:1.5年~2年、MAS(生涯教育課程):1年
- 各機関が規定
- 修士:1.5年~3年、 博士: 3~5年
学年度
- 2学期制(原則秋学期に開始)
- 秋学期:第37-38週目~第50-51週目
- 春学期:翌年の第8-9週目~第22-24週目
※2019~2024年度
入学資格
- 学士課程:日本の大学入学試験に合格、現地で行う入学試験に合格など。各大学が個別に設定。
- 修士課程:学士号取得。各大学が個別に設定。
- 博士課程:各大学が個別に設定。
必要な語学力
- 地域によりドイツ語、フランス語、イタリア語。課程や専門分野により英語。
- 教育機関により、必要な語学力が独自に設定されている。
出願方法・選考方法
出願期限
入国・滞在手続き
- 90日以上の滞在は、原則として、スイスへ渡航前に現地のカントン(州)の担当局に滞在許可発行確認書を申請。スイスに入国後当該カントンの担当局で正式な滞在許可を取得。
授業料
生活費
滞在先
- 総合大学・連邦工科大学
学術研究を目的とし、学士課程、修士課程が置かれています。またスイスで博士課程がある機関は、総合大学と連邦工科大学のみです。総合大学は10校あり、幅広い分野を扱います。連邦工科大学は2校あり、理系の学問を扱います。総合大学は、州が管轄していますが、各州で差が出ないようにいくつかの調整が行われています。連邦工科大学は国が管轄しています。
- 応用科学大学・芸術大学
応用科学大学・芸術大学は公立8校、私立1校です。これらは中等教育後期で職業学校を卒業した学生や、社会人経験を経た学生のための機関です。工学、IT、建築、ビジネス、音楽、芸術などの幅広い分野で学士号や修士号が取得できますが、博士課程はありません。博士課程で学ぶ場合は、修士課程修了後に、総合大学の博士課程へ進むことができます。実学を旨とし、学生のニーズや雇用状況に応じて、中小企業との連携による研究開発活動を行います。またMAS(Master of Advanced Studies Programmes: 生涯教育課程)が設置されています。
- 教育大学
教育大学は17校です。幼稚園からMASに至るまで、ほぼ全ての教育課程の免許を取得することができます。学士号と修士号が取得できます。博士課程で学ぶ場合は、修士課程修了後に、総合大学の博士課程へと入ります。またMAS (Master of Advanced Studies Programmes: 生涯教育課程)が設置されています。
- 私立教育機関
ビジネススクール、ホテル・観光経営学校などがあります。欧州の学校の中でも、高い評価を得ています。
- 特別教育機関(IHEID: Graduate Institute of International and Development Studies)
特別教育機関は修士課程と博士課程のみで、国際関係、国際研究、開発研究の分野に特化しています。講義は英語とフランス語で行われます。機関によっては、総合大学として認められていたり、総合大学と提携していたりします。
スイスは、ボローニャ・プロセスに移行して以降、 他のEU諸国と足並みをそろえる形で、学士課程、修士課程、博士課程の3つにプログラムが統合されました。新しい制度では、欧州単位互換制度(ECTS) が導入され、学士課程(180 ECTS)、修士課程(90~ 120 ECTS)、博士課程(ECTS換算なし)です。
他にスイス独自の学位 として、MAS(Master of Advanced Studies Programmes:生涯教育課程)があります。これは60単位を履修するか、1年間のフルタイムの学業を修了することによって取得できます。ただし MASは一般の修士課程とは異なる扱いです。例えば、この資格は博士課程に進学するための要件とはなりません。
※一部の大学では、学士と修士をひとつにした従来の課程Lizentiat/Licence・Diplom/Diplomeが継続しています。
総合大学と連邦工科大学への留学条件・資格は、各大学が出願者の出身国別に設定しています。応用科学大学では、通常、それぞれの大学の学校・学部が入学資格を設定しています。ソーシャル・ワークや芸術といった専門分野の場合、大学独自の入学試験があります。
【学士課程進学の例】
- バーゼル大学(Universitaet Basel): 日本の高校を5段階評価で3以上の成績で卒業し、入学を希望する専攻分野と同じ分野について、日本の大学の入学試験に合格する。さらに現地の統一入学試験に合格。
- フリブール大学(Universitaet Fribourg): 日本の高校を5段階評価で3以上の成績で卒業し、日本の大学の入学試験に合格する。さらに統一入学試験に合格する。
- スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL Lausanne): 日本の高校を卒業し、現地の大学独自の入学試験に合格する。
スイスの高等教育機関では、所在する地域によっ て教授言語が異なります。言語圏により、ドイツ語、フランス語、イタリア語のいずれかの語学能力を証明することが必要です。一般の語学検定試験の他、大学 独自の試験を受けるケースもあります。各教育機関のウェブサイトでご確認ください。
【総合大学の例】
a ドイツ語: バーゼル大学、ベルン大学、チューリッヒ大学、ルツェルン大学、ザンクトガレン大学
b フランス語: ジュネーヴ大学、ローザンヌ大学、ヌーシャテル大学
c イタリア語: ルガーノ大学
d ドイツ語とフランス語の併用: フリブール大学
【スイス連邦工科大学の例】
a ドイツ語: チューリッヒ校
b フランス語: ローザンヌ校
※大学院以上は英語で受講可能なコースも数多く開講されています。以下のサイト内でCourse languagesをEnglishと選択して検索してください。
留学準備に必要な期間は教育機関や留学形態によって異なりますが、大学などへの留学の場合は約1年半前から準備を始めることをお勧めします。
スイスの大学の中には、オンラインでの出願が可能な大学もあります。一般に出願は年1回、締め切りは4月30日です。入学は原則的に秋学期です。以下に、出願時に必要とされる書類の例を挙げます※。
【出願時に必要な書類の例】
- 申請書
- 大学入学資格(高校卒業証明書、日本の大学の入学試験合格証明書など)
- 成績証明書
- 履歴書
- 語学能力証明書(語学検定試験の結果)
- パスポートのコピー
- 申請料の支払い証明書
90日以上の滞在を希望する場合は、原則として、ビザが必要になります。手続きは、まずスイスへ渡航する前に留学先の居住地を管轄するカントン(州)の担当局に直接申請して滞在許可発行確認書を得ておきます。次にスイスへ入国後にカントンの担当局で正式な滞在許可を取得します。ただし留学先の大学がサポートしてくれる場合は日本出発前の申請が不要になることもあります。詳細必ず事前にカントンの担当局と留学先の大学に確認してください。
大学によって異なります。また外国人は高めに設定されています。
- 連邦工科大学:1,500スイスフラン/年
- 大学:1,000~8,000スイスフラン/年
- 応用科学大学・芸術大学:1,600~60,000スイスフラン/年
- 教育大学:1,000~9,000スイスフラン/年
※以下のページのSemestergebuehr auslaendische Studierende「留学生授業料」の項目をご参考にしてください。
なおこれは学期ごとの授業料です。
地域や個人で差はありますが、一般的に、20,000~30,000スイスフラン/年です。長期ビザを持つ留学生はスイスに半年以上滞在した後、最長15時間/週までアルバイトをすることが可能です。しかし、この収入のみで学生生活を送ることは極めて難しいでしょう。