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奨学金留学
体験レポート
2025年4月1日更新
日韓をつなぐ研究者 をめざして
修士学位授与式でガウンを着て
留学先国・地域:韓国
学校名:University of Seoul
専攻名:Dept. Landscape Architecture/Dept. Urban Planning and Design
留学期間:2019年3月~2021年8月/2021年9月~現在
留学形態:修士課程・博士課程
奨学金名:JASSO給付型「海外留学支援制度(大学院学位取得型)」
あの時の決断が学位取得留学へ
カリキュラム上、交換留学をすると大学卒業を延ばさなければならず怖さもありましたが、「行かないと後悔する」と思い、九州大学と釜山大学の交流事業に参加したことがきっかけで元々親しみがあった、釜山大学への交換留学を決めました。1 年間韓国で生活したことで長期滞在するビジョンがはっきりしたこと、また熱心に勉強する多くの韓国人学生に出会ったことで、韓国の大学院に進学するという選択肢が生まれました。海外という、より厳しい環境に身を置いて学びたいという気持ちも学位取得留学をする決断につながりました。
大忙しだった留学準備
交換留学の時期が学部4 年次だったため、5 年次に卒業・大学院入学・奨学金全ての準備をすることになり、休む間もない一年間でした。特に韓国は3 月入学のため前年12 月頃から入学手続きやビザ申請が始まるのと同時期に卒論発表会があり、2 月は奨学金面接と卒業設計発表会、2 月末には学部の卒業式を待たずして大学院入学のために出国する等大忙し
でした。また交換留学は手続きの大半は大学がしてくれますが、学位取得留学の場合、煩雑な手続き全てを自分で進めなければならず想像以上の労力がかかり、とても大変でした。
自分なりのリフレッシュ方法を見つけて
ソウルのシンボル・漢江の夕暮れ
韓国は授業や研究室の雰囲気が日本と大きく変わらず、衣食住も似ている部分が多いため適応しやすい留学先だと思います。それでも学位取得留学を始めて3年は色々な要素が重なり大変なことが多かったように思います。修士課程入学後、新たに勉強することも多く不安があったのですが、その年の夏に日本製品不買運動が始まり、そのまま2020年初めにCOVID-19の流行に突入。そこから2 年間日本への一時帰国もできず精神的に不安定な時期を過ごしました。修士課程の頃は平日の大半の時間を研究室で過ごし、食事は学食か出前、夜遅く2 名1 室の学生寮に戻る生活の繰り返しで一人の時間を作ることができなかったこともストレスの原因でした。COVID-19を機に寮を出て以降、自分の好きなものを料理することがいい気分転換になっています。
韓国で博士学位取得へ
学会の基調講演で日韓通訳を担当(壇上向かって右)
修士課程入学当初は卒業後すぐ就職する計画でした。しかし在学中にRA として色々な研究プロジェクトに関わったことで、修士学位論文執筆時には、より自分が専門性を高めたいテーマに出会えました。また幸運にも博士課程でも奨学金をいただけることになり、現在も修士時と同じ先生の下で博士学位取得のために奮闘中です。
普段出会えない人との出会いも留学の醍醐味
私の専攻では韓国への留学が珍しいので「日本人」という立場のおかげで特別な出会いの場がたくさんあります。一学生としてだと忙しくお会いするのが難しいような先生方が日本から来られた際に、通訳等を兼ねてゆっくりとお話しする機会を多々いただき、このような時間も研究に取り組む糧になっています。
留学前の情報収集が鍵
韓国語の修得が必要で、専攻によっては敢えて韓国で学ぶ理由を見つけることが難しいと感じる人も多いと思います。ただ経済的支援が手厚く研究に集中できる環境が整っている大学・学科やRA として様々な研究プロジェクトに参加できる研究室も多いです。積極的に色々な情報を仕入れて自分に合った場所を探してみてください。
私の語学勉強法
使えるチャンスを最大限に活用して
学部1 年次に第二外国語として韓国語を履修したのに加え、2 年次以降も卒業要件としては必要ない中級以上の韓国語の授業も履修していました。当時は延世大学での3週間語学研修に参加できる大学のプログラムがあったため、このような機会も積極的に活用しました。会話の上達に焦りがちですが、日本でしていた語彙文法の理解を深める勉強も大事で、留学中の研究等の専門的な会話や論文執筆をする上で非常に役立ちました。
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