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体験レポート
留学先国・地域:カンボジア・バッタンバン
専攻名:国際開発研究科
留学期間:2025年8月~2025年9月
留学形態:修士課程(日本の大学在学中)
奨学金:JASSO給付型「海外留学支援制度(協定派遣)」
留学の動機について
Q. 留学をしようと思った動機を教えてください。
私が所属する大学院の研究科は国際開発研究科であるため、国際関係のみならず国際開発文脈における世界中の現実を様々な側面から知りたいと思い、新たな経験のために研究科の留学プログラムへの参加を決めました。
Q. 留学先の国・地域、留学先校を選んだ理由を教えてください。
カンボジアは、2050年までにOECDの分類における高収入国を目指していますが、1997年の内戦終結以降様々な外部ドナーの支援に依存しながら発展を遂げてきました。現在でも特に農村部では未整備なインフラや未発達な産業が残る途上国であり、国際社会がこうした経済発展中の国とどのようなパートナーシップを築いていくべきかを考える良い機会になると思い、カンボジア国バッタンバン州への留学を決めました。
留学の準備について
Q. 留学の準備にはどのくらいの期間を要しましたか。
情報収集においては、現地の協定先大学(王立プノンペン大学)の学部や教授、学生や、自分の所属大学のメコン流域国出身の博士学生などから指示や助言をもらいながら準備を進めました。留学自体は大学院の研究科のプログラムとして提供されているものなので、過去に何度も実績があり、学校選定やビザ申請などは名古屋大学とプノンペン大学の協力に基づいて進められたためスムーズなサポートを受けることができました。ビザ自体は出発の1ヶ月前に申請し、すぐ受理されました。
Q. 留学中の住まいはどのように探しましたか。
留学中はホームステイではなくバッタンバン州のホテルに2週間滞在しながら農村での実地研修を行いました。
Q. 語学学習はどのように行っていましたか。
クメール語の通訳はプノンペン大学のティーチング・アシスタントに一任しており、言語学習は行いませんでした。
Q. 留学にはどのくらい費用がかかりましたか。留学の資金調達はどのように行いましたか。
カンボジア研修プログラムへの参加にあたり大学院へ支払った費用が20万円、その外で自分の食費などに支払った金額が現金150ドル、クレジットカード分で100ドルほどで2週間生活しました。プログラム参加費用は両親に用立ててもらったほか、2週間分の食費や雑費は、普段の日本の生活費の分を充てました。
留学中の様子について
Q. 留学中の学校生活はどうでしたか。日本の学校との違いや、海外の学校だからこそ苦労すること、学校生活での楽しみなどを教えてください。
プノンペン大学での発表・交流に参加したのは最終日だけでしたが、2週間を通して、バッタンバン州のホテルで、プノンペン大のティーチング・アシスタント(TA)と同室で暮らしました。留学中の主なプログラムは通学ではなく実地研修だったため、自由時間を除いた時間のほとんど全てを、バッタンバン州のコミューンにおける農業と農業組合の働きについて調査するフィールドワークに費やしました。研究手法の実践的な訓練という意味で貴重な体験になりました。日本の大学院についてもよく知っているわけではありませんが、講義を受けるのが主となる日程とは異なり、インプットだけでなく情報提供者との相互のコミュニケーションが重要となる教育プログラムで充実した学びを得ることができたと思います。現地TAと引率教員のサポートがありほとんど苦労はありませんでした。
Q. 留学中の生活で大変だったことを教えてください。また、それをどのように克服、対応しましたか。
食事ははじめ慣れないものが多く苦手でしたが徐々に克服しました。カンボジアのバッタンバンでの食生活では、非常によくあるのがレモングラスの茎が入った料理です。その他にも、日本では食感的に出会うことの少ない調理法の、尖った鳥の骨のはいった料理などもあり少し苦労しました。イギリスやアメリカ、ヨーロッパなどの食生活と比べても、カンボジアの田舎ということもあり、昆虫食や香草の伝統的な調理法など、慣れるのに時間を要する食事に当初苦労しました。
留学後について
Q. 留学を経験してみて感じたこと、学んだことはありますか。
色々な意味で自分の考え方が変わったと感じます。首都プノンペンで見たカンボジア経済発展と海外資本の結び付き、国民の国境紛争への団結した態度、農村部で教育にアクセスするために危険を冒す子供など初めて目にした景色もあれば、昔の日本のように、米を自作して食し、人に優しく接し、できるだけ生活を良くしようと生きる人々など人間生活の普遍的な在り方にも触れました。先進国の学者・研究者が一口に「開発」「途上国」と論じる言葉の中にある多様な経験・生活のほんの一側面を見ただけですが謙虚に研究を行おうと思いました。
Q. 留学後の進路について教えてください。
名古屋大学の国際開発研究科にて研究を続け、博士前期課程の修了を目指します。
Q. 最後にこれから留学をする方へのメッセージ・アドバイスをお願いします。
様々な留学があると思いますが、一様に、留学は見識を広める経験であると思います。また、留学に後悔は付き物ですがそれすらも人間的成長の糧なので是非恐れることなく挑戦してみましょう。
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