留学先の国の特徴や留学情報をご紹介。
国ごとの違いを明確に知り、自分にあった留学先を見つけましょう。

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留学先国・地域:タイ、バンコク(前期)、パトムターニー(後期)
留学期間:2022年8月~2023年5月
学校名:タマサート大学
専攻名:教養学部東南アジア研究プログラム(前期)、タイ語学科(後期)
留学形態:学士課程への交換留学(日本の大学在学中)
奨学金名:JASSO給付型「海外留学支援制度(協定派遣)」

Q. 留学をしようと思った動機を教えてください。
東京外国語大学でタイ語を専攻している者として、タイ語を習得するだけでなく、タイ語が母語とされる現地で、語学以外のタイ語の授業を受講するという経験を得たいと思ったため。また、現地の人々とも積極的に関わり、異文化理解とタイ語でのコミュニケーション力の向上につなげたいと考えたため。

Q. 留学先の国・地域、留学先校を選んだ理由を教えてください。
近年の発展がめざましい東南アジアの国々に興味を持ち、その中でも農業や自動車などで日本とつながりがあるタイについて学んでみたいと思い、大学の専攻言語としてタイ語を選択した。留学先では、日本では経験するのが難しいタイの視点からタイや東南アジアについて学ぶことができたら良いなという思いから、「東南アジア研究プログラム」という学科があるタマサート大学を見つけ、留学を希望した。この学科は留学生には前期しか開講されていないため、後期も学ぶかどうか迷っていたところ、タイ語学科にタイ語を「使う」授業が多そうだと感じたこともある。

Q. 留学に対する家族の反応はどうでしたか?
新型コロナウイルスの影響がまだある時期で、行けるかどうか自体を心配されたことはあったものの、特に反対されることはなかった。一番最初に「留学に行きたくなった」という話をしたときも、「いくらかかるか調べておいて」と返されたくらいだった。

Q. 留学の準備にはどのくらいの期間を要しましたか?留学を思い立ってから、実際に出発するまで、それぞれの準備段階にわけて教えてください。
大学2年次の9月に、留学した先輩たちの体験談も含めて聞くタイ留学の説明会があった。そこから外大の協定校について調べ始め、上述した理由からタマサート大学に決めた。11月には筆記試験と面接があった。12月に合格者の発表と説明会があった。翌年の2~3月にはJASSOの奨学金の応募とそれ以外の給付の奨学金も探し、自分の条件に合うものに応募をした(実際に受かったのはJASSOのみ)。加えて狂犬病やA・B型肝炎などの予防接種も受けた。3~4月にかけて、外大の留学生課を通してノミネーション・アプリケーションの手続きとパスポートの更新を行った。5月下旬には航空券の予約をし、6月中旬にはアパートの契約をし、下旬には留学先から受入許可書が届いた。7月上旬にはビザの申請をして、月末に渡航した。

Q. 留学情報の収集はどのように行っていましたか?使用したウェブサイト、雑誌、イベント、SNS(YouTube、Twitter等)などがあれば、あわせて教えてください。
タマサート大学のHP、JASSOの「海外留学情報サイト

Q. 留学中の住まいはどのように探しましたか?
前期はタマサート大学の留学生課が紹介している学生用アパートのリストから気になる住居にメールをし、契約ができた。後期は同じくリストから目星をつけていたアパートを実際に留学生バディと一緒にいくつか見て回り、決めたところにバディが連絡してくれた。(連絡手段が電話のみだったため)  メールで連絡をする場合、アパート側の返信が遅いことがあるので余裕をもって連絡すると良いと思う。また、大学寮はすぐに埋まってしまうことも多いので、留学が決まったら早めに連絡してみることをおすすめする。

Q. 語学学習はどのように行っていましたか?
YouTubeにあるタイ語で日本のものやタイのものを紹介する動画を視聴する、タイのドラマ・タイ語に吹き替えられた映画を観る。

Q. 留学の資金調達はどのように行いましたか?利用した奨学金などがあれば、あわせて教えてください。
JASSOの奨学金と家族からの援助  JASSOの奨学金は外大と提携しているので募集時期に従って応募し、それ以外の奨学金は外大のHPから探した。それ以外の奨学金は、指導教員などに推薦書の作成を依頼する必要があった。

留学前: 航空機代+保険料+OSSMA(危機管理サービス)+入国ビザ+パスポート更新+予防接種=約50万円 
留学中: 家賃+光熱費(電気・水道)+交通費+通信費+日用品等+旅行など=約110万円  (約50万+約110万)-70万(JASSO奨学金)=約90万(円)

Q. 準備しておいてよかったこと、また準備しておいたほうがいいことなどはありますか。
もっとタイ語のリスニングに慣れておけば良かった。  タイのバスの現在地が分かるアプリやタクシー手配ができるアプリがあることをタイのガイドブックで知って、渡航する前に入れておいた。Amazonで、タイで7日間使えるSIMカードを購入しておくと、現地についてからもすぐ通信ができるので便利。現地の薬は体に合わないこともあるので、日本の市販薬を持っていくと良い。

Q. 入学や学生登録の手続き、ビザの手続きなどはどのように行いましたか? 特に苦労したことや気を付けた方がいいことなどがあれば教えてください。
入学の手続きに関しては、外大の留学生課を通して行ったので特に不自由な点はなかった。発行に時間がかかる書類もあるので、期限に気をつければ大丈夫だと思う。わからないことがあればタマサート大学の留学生課にメールで質問していた。

ビザに関しては、日本で取得できるのは90日分のビザのみなので、タイで更新する必要がある。イミグレーションはバンコクのはずれにあってアクセスは良くなく、できるだけ長時間待たされないようにするためにもオンラインで予約をしてから行くことをおすすめする。 

また、引っ越しをする場合は、アパートなどの大家さんが入国管理局に提出する書類(TM.30)を、自分が入居してからすぐ出すようお願いしておくこと。タイでは、外国人を自分が持っているアパートなどに住まわせる場合にこの書類の提出が義務付けられているものの、「そんなもの知らない」「わからない」などと言って適当に流してしまう人も多いそう。私の場合は、前期と後期で学科が変わるためキャンパスも異なり、引っ越しをする必要があった。私の確認が不十分だったのもあり、引っ越し先で契約をする際に大家さんに必要な書類の提出をはっきりとお願いできていなかった。そのため、大家さんも結局出していなかったようで、90日レポート(90日ごとにする住所報告)をする際に、数十バーツではあるが罰金を取られてしまった。

Q. 留学中の学校生活はどうですか(どうでしたか)? 日本の学校との違いや、海外の学校だからこそ苦労すること、学校生活での楽しみなどを教えてください。
1コマの授業が3時間(休憩あり)で、最初は慣れずに集中力が続かなかったり、聞き逃すことが多かった。後期は特に、大学の近くに住んでいる人が多かったので、放課後や休日に一緒にご飯を食べることが多くて楽しかった。1年間を通して、タマサート大学の留学生課によるオリエンテーションが丁寧だったり、留学生を近隣の県に日帰りで連れて行ってくれたり、留学生お別れパーティーなどを開いてくれてとても楽しかった。

Q. 学校外の生活はいかがですか(いかがでしたか)?寮などでの生活や休日の過ごし方に加えて、街の治安などについても教えてください。
前期はタイ人向けの授業を受けていたこともあり、土日は主にその予習と復習に追われていた。しかし時間を見つけては、バンコク内で行ってみたい場所を探し行ってみるということをよくしていた。

後期はバンコクから離れた分、友達と遊ぶ予定などがなければなかなかバンコクに遊びに行くこともなかったが、その分ジムに行く、学内のカフェ巡りなどをして過ごしていた。後期にいたキャンパスはとても広いため、学内やその周りにカフェやレストランが多く、様々なお店を開拓するのも楽しみだった。

前・後期ともに他大学に留学している外大の友達と遊びに行くこともよくあった。  バンコクから離れた県(カンチャナブリー県、ルーイ県など)では、バンコクとは違った自然を存分に楽しむことができるのでおすすめ。

治安に関しては、夜遅い時間に1人で出歩かない・多額の現金を持ち歩かない・荷物に気をつけるなどすれば安全に暮らせる治安ではあると思う。ただ、在タイ日本国大使館から「プロムポン・アソークなど日本人・外国人が多い地域でスリ被害が多発している」という注意喚起を受けたことがあるので、行く際は注意した方が良いとは思う。

Q.留学中の生活で大変だったことを教えてください。また、それをどのように克服、対応しましたか。
タイ人向けの授業を理解することは難しかったが、授業で使うレジュメやスライドの内容の要点を日本語でまとめてから授業を受けたり、授業後に授業の内容をタイ語で要約する、授業外でも日本やタイのことをタイ語で紹介する動画を視聴することで乗り越え、最高評価を得ることができた授業もあった。

Q. アルバイトやインターンはしていますか(していましたか)? 
現地にいる外大OBの方の紹介で、タイの高校で日本語の授業の手伝いをするボランティアをする機会が何度かあり、「タイ語で日本語の特徴や意味を教える」という貴重な経験をした。日本語非母語話者は日本語のどんなところを難しいと感じるのか、助詞や動詞の活用といった日本語自体の難しさ、それらをタイ語でどのように説明すれば伝わるかについて学ぶことができた。

Q. 留学を経験してみて感じたこと、学んだことはありますか? 留学前と比べて成長した面はありますか?
留学前は、人と話すことが得意でないと感じることがあったが、留学が始まってからは「タイ語で人とコミュニケーションをとるのが楽しい」と感じるようになり、人と話すことに抵抗感を感じなくなった。最初の方はタイ人と話していると、「タイ語を理解すること」に意識がいってしまい「疲れる」と感じてしまうことも少なくなかったが、頻繁にタイ人や他の留学生とコミュニケーションをとったことで、そう感じることがなくなった。

また、タイ語で何かを伝える際に「わかりやすく伝えよう」と意識するようになったことから、日本語でも「わかりやすく伝えよう」と意識するようになった。タイ人向けの授業を受講する際に、タイ人学生と比べて参加する必要のあるMicrosoft Teams, LINEオープンチャットなどの情報が来るのが遅く、その情報を得るために、自分からTAの方や周りのタイ人学生に声をかける必要があった。まだまだ自分のタイ語が拙いと思っていて自信がない頃だったが、周りのタイ人は丁寧に接してくれた。この経験から、必要な情報を得るために自分から動く能力が身についた。

Q. 留学後の進路について教えてください。
1年在学してから総合コンサルティングファームへ就職
Q. 最後にこれから留学をする方へのメッセージ・アドバイスをお願いします。
前例がない、前期と後期で学科が変わるというイレギュラーな留学でしたが、「前例がなく不安だから」といった理由で諦めずに、自分の学びたいことを留学先で学べて本当に良かったと思っています。

これから留学する人は、自分のやりたいことがあるかつそれができるのであれば、是非そうしてほしいと思います。  留学先では留学生が私1人だけという授業も多く、心細かったですが、タイ人学生の皆は、座っているだけだった私にも積極的に話しかけてくれました。課題などでわからないことがあっても快く質問にも答えてくれました。タイ人学生には限りませんが、周りの頼れる人はどんどん頼って大丈夫です。最初は(タイ人向けの授業を受けるなら特に)授業の内容が分からず辛いと感じることもあるかもしれません。しかし、最初は難しくても必ず理解できるようになります。勉強以外のことも楽しみつつ、諦めなければきっと乗り越えられます。応援しています。

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。