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交換留学・奨学金留学
体験レポート
留学先国・地域:ルクセンブルク大公国
都市名:Luxembourg
学校名:Université du Luxembourg
専攻名:Bachelor en Cultures Européennes - English Studies
留学期間:2024年9月~2025年2月
留学形態:学士課程
留学の種類:日本の大学在学中の留学
奨学金名:JASSO給付型「海外留学支援制度(協定派遣)」、在籍している日本の学校の奨学金
留学の動機について
Q. 留学をしようと思った動機を教えてください。
私が留学しようと思ったのは、海外経験が今まで1度も無くて、大学生活の中で自分の中の人生経験の1つとして留学したいという思いがあったからです。なんとなく北米ではなくヨーロッパに留学したいなぁという想いはありました!
Q. 留学先の国・地域、留学先校を選んだ理由を教えてください。
この国を選んだのは、本当に偶然です!元々、スウェーデンの大学に留学したかったのですが、上智大学の選考の途中で落ちてしまい残席が残っている国がルクセンブルクでした。最初はどこにあるのかも詳しくは知りませんでしたが、この国は1人当たりGDPが世界1位で公共交通機関(バス、電車、トラム)が全て無料だということを知り、日本よりもはるかに豊かな環境で暮らすこと、学ぶことを通して全てが経験になると思いこの国を選びました。
Q. 留学に対する家族の反応はどうでしたか?
全面的に応援してくれました。ただ、個人的に費用の問題をずっと心配していました。円安がかなりひどい状況だったので(渡航時1€=170円くらい)。
留学の準備について
Q. 留学の準備にはどのくらいの期間を要しましたか?
留学を思い立ってから、実際に出発するまで、情報収集、学校選定、出願、ビザ申請など、それぞれの準備段階にわけて教えてください。
1年間程度(だいたい出発の1年前から準備が始まりました)準備に時間がかかりました。
留学を思い立った時期:大学2年生夏休み期間
情報収集:大学2年生の夏休み期間(これに関しては少し反省点があります。もっとちゃんといろいろな大学を見ておくべきでした。比較してどこが自分にとってベストな留学先かを見極めることも必要です)
学校選定:大学2年生の夏休み期間
出願:大学2年冬
ビザ申請:大学3年生春(4月くらい。書類を郵送で送る必要があったので早めの準備が必要でした)
Q. 留学情報の収集はどのように行っていましたか? 使用したウェブサイト、雑誌、イベント、SNS(YouTube、Twitter等)などがあれば、あわせて教えてください。
周りの先輩や上智大学に提出されている留学のレポートをたくさん見ました。YouTubeで留学している人の生活などを見たりもしました。
Q. 留学中の住まいはどのように探しましたか?
大学から指定された複数の寮のタイプのうちから1つもしくは2つ選択し、抽選にかけ指定された寮に入りました。
Q. 語学学習はどのように行っていましたか?
ルクセンブルクに留学すると決めてから大学で第3外国語としてフランス語の授業を履修して勉強しました。(第2外国語はスペイン語でした)Duolingoも継続していました。
Q. 留学(あっせん)サービスなどは利用しましたか?
利用していません。
Q. 留学にはどのくらい費用がかかりましたか。留学の資金調達はどのように行いましたか?
・学費:交換留学のため上智大学に通常通り支払い。
・航空券:往復49万円(片道ずつ予約)
・寮費:月額425€(ですが、ルクセンブルク政府からの給付型支援で寮費を払う必要はありませんでした。政府が負担してくれていました)
・JASSO 月額80,000円 奨学金(給付)
・生活費:月額40,000円程度
・国内交通費:0円
・その他:60万円程度
JASSOから受給していた月額80,000程度の奨学金(給付)、日本で自分で貯金した約45万円、ルクセンブルク政府からの支援(2,200€程度)が無ければきっと留学していませんでした。
Q. 準備しておいてよかったこと、また準備しておいたほうがいいことなどはありますか?
・資金調達(留学はどうしてもお金がかかるのでここは必須)
・語学力(英語∔現地の公用語をできる範囲で)
・保険加入(必須)
・日本のことをもっと知っておくこと
・日本でしか手に入らないもの/海外での購入が難しいもの
Q. 入学や学生登録の手続き、ビザの手続きなどはどのように行いましたか?
特に苦労したことや気を付けたほうがいいことなどが教えてください。
入学や学生登録の手続きは、交換留学なので上智大学とルクセンブルク大学の担当者がスムーズに行ってくれます。各大学から送られてくるフォーム等にしたがって、しっかり順序通り進めれば問題ないです。しかし、ビザの手続きは時間がかかります。出発前に必ず「仮滞在許可証」の取得が必須で、ルクセンブルク入国後90日以内に本滞在許可証を取得する必要があります。非常に時間がかかります。(2025年からはETIASが渡航の際に必要になると思うので、申請が変わる可能性もあります!)
やはり滞在許可証の手続きが大変でした。最初、書類がフランス語でしか書かれていないことに驚きましたが、英語の翻訳も付けてほしいと郵送するときに頼むとしっかりつけてくれます。ルクセンブルクの治安は隣国に比べると非常に良いです。ただ、貴重品は必ず前に持つ等の最低限の注意は必須です。
留学中の様子について
Q. 留学中の学校生活はどうでしたか?
日本の学校との違いや、海外の学校だからこそ苦労すること、学校生活での楽しみなどを教えてください。
日本では100分間の講義が多かったですが、ルクセンブルク大学で私が履修していた授業は、授業時間は同じもののディスカッションが多く、一方的に教授の話を聞いていることは少なかったです。講義形式の授業であっても先生から「これについてみんなはどう思う?」と聞かれて、話し合って自分の意見をしっかり発表する機会がたくさんありました。日本では授業後に先生が参考文献を示しますが、ルクセンブルク大学では授業前に文献を読んで授業に参加します。リーディングの量は学部や授業によって異なりますが、私が取っていた授業では、1授業あたり毎回約30ページ程度だったように思います(文学作品の授業では150ページ以上という場合もありました)事前に文献を読んでいないと授業についていくことができないので、必ずやっていました。履修していた授業は5個でした。(Popular Literature、Cultural Heritage、Life Linguistics、Phenomenology and analytic Philosophy、Academic English B2.1)
日本の大学はサークル活動や部活動が活発な印象がありますが、ルクセンブルクではそこまで活発ではありませんでした。しかし、留学生が本当に多い環境なので、ESNという団体が主催するイベントには留学生がたくさん参加するので1つのコミュニティになりました!私も参加して、友達をたくさん作ることができました。苦労したことは、大学の学生課とのメールでのやり取り等です。日本に比べ返信のスピードが本当にゆっくりなので、こちらがただ焦っているだけになってしまうこともありました。
Q. 学校外の生活はどうでしたか? 寮などでの生活や休日の過ごし方、町の治安などについても教えてください。
個人的に私は寮のルームメイトたちが本当に良い人たちで(退寮するときにサプライズプレゼントをくれるほどの)、その空間が楽しかったです!ルクセンブルク大学が位置するのはルクセンブルクの南側(フランスとの国境付近)で、中心部まではバスや電車で30~40分程で行けるので便利でした。街の治安は良いです!しかし、ルクセンブルクは南側に行けば行くほど治安が悪くなるのですが、隣国に比べるとはるかに良いと感じます。事件が起きたり等私がいた期間は聞いたことがありません。休日の過ごし方は、2ヵ月くらいまでは家でゆっくり過ごしたりESNのイベントに参加したり、友達と少しフランスの街に行ってみたりしていました。その後は、せっかくヨーロッパにいるのだからいろいろな街に行って実際に目で見て体感したいと思ったので旅行をたくさんしました。ルクセンブルク含め11ヵ国訪れることができました。もちろん大学の授業の課題もあるので、課題がたくさんあるときは平日に頑張って終わらせて土日はあんまり勉強のことを考えないようにも工夫していました。2025年に入ってからは、ルクセンブルクのことをもっと知りたいと思ったので世界遺産に登録されている中心街に何度も足を運んで景色を見たり、おしゃれなカフェをたくさん見つけたり、市内の美術館に行ってみたりしました。小さい国で日本人になじみのない国だからこそ、凄くレアで貴重な体験ができたと思っています。
Q. 留学中の生活で大変だったことを教えてください。また、それをどのように克服、対応しましたか?
留学生活が始まってすぐにホームシックになったことです。20年間日本から出たこともなく、飛行機にも乗ったことが無いので、初日からもう初めてのことだらけで、体力的にも精神的にも初日は限界でした。最初は日本に帰りたくて仕方ありませんでした。日本で1人暮らしをしたことが無かったので、自炊するのも最初は苦労しました。日本食を扱っているお店が本当に少なくて、どうしても日本食を食べたいときに、なかなか食材を手に入れることができないのが大変でした。また、スーパーマーケットで店員さんがフランス語しか話せない、ということが想定外でした。ホームシックに関しては、まずそれを自分自身で認めて、日本にいる家族や友達、かつて留学をしたことがある人に相談したりしました。最初の1ヵ月は本当に苦しかったですが、その後は本当に楽しかった思い出しかありません。日本食を食べたくなったら、値段は高いけど食べることが大事だなぁと思いました。フランス語に関しては、ルクセンブルクに留学してからも勉強しました。授業はとっていませんでしたが、Duolingoで毎日やっていました。また、母語と母語を教え合うタンデムというプラットフォームを利用して、言語だけではなくルクセンブルクの生活、日本の生活を伝え合うこともしました。
Q. アルバイトやインターンなどの活動はしていましたか?
していません。ただ、ルクセンブルク大学で開催される”Student Fair”や”Asian Day”というイベントで日本のブースを大使館の方と一緒にお手伝いしました。ルクセンブルクの高校生やルクセンブルク大学に在籍する多くの学生と交流することができたので、参加して非常に良かったと思っています!
留学後について
Q. 留学を経験してみて感じたこと、学んだことはありますか? 留学前と比べて成長した面はありますか。
実際に留学して、現地に住んでみないとわからないことがたくさんありました。日本でもヨーロッパ研究を専攻していましたが、そこで学べることはほんのわずかで、実際に足を運んで「生活者」として半年間もしくは1年間、あるいはそれ以上の長さを暮らしてみないと、表面上で分かった気になってしまっているだけになると思いました。語学力に関しては、個人的には成長している感覚があまりなかったのですが、現地の友達から客観的に私の英語を評価してくれたのが自信に繋がりました。人間的に強くなったように感じます。
生活する中で、家族との時間がどれだけ尊い時間だったのかを痛感することが多々ありました。留学中、2週間に1回程度家族と電話していました。日本のことを聞いたり、ルクセンブルクでの生活を話したりそういう時間を作り、家族と共有する時間を持つことも非常に大事だと思いました。また、旅行を通して計画性、適応力、対応力が向上したように思います。旅行先で同じく留学やワーキングホリデーをしている子と会ったりすることもありました。1人で旅行することも多くありましたが、ヨーロッパで1人で全て管理しつつ現地で人と話したりして、かつ困ったときは人に頼って、ということを体感して学ぶことができました。
留学前と比較して、「自分」がどういう人間でどういう考え方を持っているのかを自分の中で認めて、それを表現できるようになったと思います。日本では、たとえ自分の意見を持っていたとしても集団の中で意見が埋もれてしまったり、あるいは意見を言うことができなかったり、自分のことをどう表現すれば良いのか分からなかったりしました。しかし、今では言語化してそれを表現してどういう形であれ相手に伝える、伝えようとすることの大切さを体感し、日本で活かすことができていると思います。
Q. 留学後の進路について教えてください。
現在、帰国して就職活動をしています。就職先は未定です。
Q. 最後にこれから留学をする方へのメッセージ・アドバイスをお願いします。
私にとって留学は人生の中で間違いなくプラスになる経験でした。留学したい、と思う人はたくさんいると思いますが、実際にそれを行動に移せている方は少ないと思います。留学に正解も不正解もありません。自分で現地に行って体感してみることが大事だと思います。みなさんの留学がより良いものになることを応援しています!!
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