留学先の国の特徴や留学情報をご紹介。
国ごとの違いを明確に知り、自分にあった留学先を見つけましょう。

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留学先国・地域:スイス・ローザンヌ
留学期間:2020年8月~2023年2月
学校名:スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)
専攻名:エネルギー工学
留学形態:正規留学(修士課程)
奨学金:JASSO海外留学支援制度(大学院学位取得型)

 

Q. 留学をしようと思った動機を教えてください。
海外で活躍できる人材になりたいと考えたからです。
海外でも事業を将来やりたいのであれば、社会人まで待つのではなく、学生の時から退路を経って、感度高く、シビアな環境で学ぶことが必要不可欠であることと感じていました。

Q. 留学先の国・地域、留学先校を選んだ理由を教えてください。
❶日本人やアジア人が少ない、シビアな環境で退路を絶って2年間勉強をしたいと思ったからです。
❷学部の内容が特殊で自分の興味関心に沿うものだったからです。
スイス工科大学のエネルギー工学科は、学部再編が行われて4年目で、マスターからしか入れない学部です。研究面では、多様な専門分野を持った学生が5つの脱炭素プロジェクト(例えばCCSや、アンモニア混焼技術、環境配慮型コンクリートの開発等)に向き合ってグループで解決を目指していきます。また、卒業論文を、企業での長期インターンシップを通して、執筆するのも興味深かったため、スイス工科大学のエネルギー工学科を選びました。

Q. 留学に対する家族の反応はどうでしたか?
私自身のチャレンジを後押ししてもらいました。自分の価値観や積み上げてきたことに対して、新しい考えが加わることはとても良いことであると、非常に好意的に考えてくれました。

Q. 留学の準備にはどのくらいの期間を要しましたか?留学を思い立ってから、実際に出発するまで、それぞれの準備段階にわけて教えてください。
大学1年の時から海外大学院に入学したいと考えていたので、目標から逆算し、大学1年時から、学業成績の確保や研究室での研究、そして高い水準の志望動機書執筆など、社会人経験者が半分を占めるスイス工科大学に入学するために、できることは全てやろうと考えました。
そして、当時インターン採用をしていなかった風力ベンチャーで、インターンのポストを作ってもらい1年以上勤務しました。大学3年時にはオランダの大学にて、洋上風力発電プログラムに6週間参加をしました。
チャレンジに対して向き合い、考えていくということに対し、過去一切妥協をしたことはありません。
大学は理工学部だったので研究室での研究や、実験などかなり負担がありましたが、奨学金の準備とともに、世界中の大学院を調査して、自分にあった大学学科を絞り込んでいくなど、全てのことを同時並行にやっていくのが最も困難なことでした。

Q. 留学情報の収集はどのように行っていましたか?使用したウェブサイト、雑誌、イベント、SNS(YouTube、Twitter等)などがあれば、あわせて教えてください。
インターネットで事前に情報収集をしたうえで、大学の3年の時にオランダを訪問し、大学院の雰囲気を体感しました。

Q. 留学の資金調達はどのように行いましたか?利用した奨学金などがあれば、あわせて教えてください。
国立大学であったため、基本的には学費が年に30万円を下回る程度であり、JASSOの奨学金を除くと、追加の資金調達を特に行っておりませんでした。

Q. 準備しておいてよかったこと、また準備しておいたほうがいいことなどはありますか。
目指したい将来像を定めた上で準備をしていくと、準備が進まない時にも励みになると考えます。

Q. 留学中の学校生活はどうでしたか?海外の学校だからこそ苦労することや、逆に学校生活での楽しみなどを教えてください。
スイスの大学院で大きく違ったのは、日本の研究室も中身は濃いとは思っていたのですが、日本の研究室並みの負担が大きな科目が1年で7つくらいあることでした。これには私は面を食らいました。
それに加えて日本であれば課題を計算式で提出していましたが、スイスではこれをコンピューター言語化して提出を求められたので、新鮮でした。
とてもシビアな環境であり、みんな退路を絶って大学に入学していました。また、卒業後総合職に就職するという概念はないので、専門性のみで勝負するという環境でした。

Q. 学校外の生活はいかがでしたか?寮などでの生活や休日の過ごし方に加えて、街の治安などについても教えてください。
自分の専攻している分野の友人だけではなく、他の工学分野や社会学を学んでいる学生、バイオリンで日本選手権優勝した芸術選考の学生や、建築、ホテル事業にかかわる人たちと、一緒にスキーに行くなどの交流があり、自分自身の興味関心が広がっているのを感じました。

Q. 留学中の生活で大変だったことを教えてください。また、それをどのように克服、対応しましたか?
専攻分野が異なる人5人グループで課題に取り組んだ際に、みな先走ってどんどん話が進んでいくため、お互いの専門、研究している内容の理解が追いつかなかったのが印象に残っています。建築、土木、機械、電気、熱力学などの分野が融合して次なる一手を考えるのですが、これらを全て1人が理解するのは難易度が高かったです。
対処法として、会議中に、遠慮を捨て、プライドに凝り固まらずにどんどん素直に全てを聞くということを大事にしました。それでも理解が追いつかないので、週2回の会議の前日に、全員が取り組んだことの要約を作成してもらうようにしました。しかし、ただでさえ忙しいのに、そこまで求めると相当大変で嫌がられるので、まず自分から動き、毎回自分がやったことの要約を共有するようにしました。そうすると、みんなからの評判がよく、他の人も面倒くさがらず、お互いの専攻分野理解のための要約作成をしてくれるようになり、自分自身もしっかり理解した状態で毎回の研究に取り組むことができるようになりました。

Q. 留学を経験してみて感じたこと、学んだことはありますか?
プライドで凝り固まるのではなく、全て素直に教えてもらう姿勢を学び、恥ずかしいと感じることが減りました。
大学では教える側になることも多かったのですが、スイスの社会人経験者を含め、恥ずかしいと思わずに素直な姿勢を見せることで、むしろ信頼関係が構築できます。得体が知れない自分を受け入れてもらうには、これくらいしないといけないと覚悟を決めることができました。

Q. 留学後の進路について教えてください。
総合商社で勤務し、国内外の洋上風力発電に関する仕事に従事しております。

Q. 最後にこれから留学をする方へのメッセージ・アドバイスをお願いします。
当初は準備に向け、スケジュールを細かく区切って管理し、スケジュールに沿って留学準備を進めようと考えておりましたが、上手くいきませんでした。
一周回って、休むときはとにかく思い切って休み、遊びを企画することで、活力が上がり、研究やインターンシップ、大学院進学に向けての勉強等を活動的に、明るい感じで取り組めるよう意識することができました。

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。