海外留学を考え始めた方や、準備を進めている方にお勧めの基礎情報。
語学や芸術文化など目的にあわせた留学先の情報を調べることができます。

各情報・データは更新時(2020年1月)における一般的な状況です。教育機関、地域、あるいは時期により異なる場合がありますので、最新・個別の情報については必ず各機関にご確認ください。このガイドの中ではいくつかの教育機関を取り上げていますが、あくまでも一例示であり、特にそれらを推薦する趣旨ではありません。特殊文字や記号は省略しています。
学校の種類と学位
  • 大学 8校(学士、修士、PHD、博士)
  • 大学レベルの芸術・建築系高等教育機関 11校(学士、修士、PHD、博士)
  • 専門カレッジ 7校(アカデミー専門学士、専門職学士)
  • 職業高等教育アカデミー 8校(修了証)
  • 海事教育及び訓練のための高等教育機関 4校(専門職学士)

学年度
  • 2学期制(秋学期:8/9月~、春学期:1/2月~)

出願資格
  • 高校卒業以上(ただし、大学1~2年次修了が必須の大学あり)
  • 専攻により、高校での特定課目の履修や職歴などが必要な場合あり

必要な語学力
  • デンマーク語力と英語力
    ※英語のみで学位が取得できるプログラムあり

出願方法
  • 学士課程の出願書類はoptagelse.dkを通してオンラインで行う
  • 修士課程、博士課程は志望校に直接問い合わせ

出願日程
  • 学士課程:秋学期:3月15日 春学期:9月1日まで
  • 修士、博士課程:プログラムにより異なる

入国・滞在
  • 日本国籍保持者は、3か月以内の滞在の場合、入国ビザは不要
  • 3か月以上滞在する場合は滞在許可が必要

授業料
  • 有料(年間45,000~120,000デンマーククローナ)
    ※EU、EEA(欧州経済領域)加盟国およびスイス出身の学生や交換留学生を除く

生活費
  • 6500~9,250デンマーククローナ/月(家賃含む)

住居
  • 学生寮、フラットシェア、アパートなど

費用のレート計算は、外国為替情報ページで確認してください。 参考:外国為替レート>デンマーククローネ

デンマークの高等教育機関は、 研究を基盤とした学部および大学院プログラム(学士、修士、博士)を提供する大学と、専門職学士やディプロマプログラムなどの特定分野の学部プログラムを提供するカレッジがあります。他に、海事教育および訓練に特化した高等教育機関と、実践的な短期教育を行う職業高等教育アカデミーがあります。
高等教育機関は、質の高い教育を提供していて、すべて英語で受講できる学位取得プログラムも多くそろえています。また、ほとんどのデンマーク人は流暢な英語を話すので、非英語圏ですが、英語留学先として検討することもできます。
大学や高等教育機関リスト、英語による学位取得プログラムのデータベース、サマースクールはStudy in Denmarkより検索できる。
すべての機関は、履修単位の国際的互換を推進する、ECTS(欧州単位互換制度)を採用しています。
大学
Research Universities/Universitet(デンマーク語) 8校
長期プログラムで、研究を主体とした学問を修めることができ、学士号・修士号・博士号の学位を取得することができます。
  • 学士号(Bachelor): 3年(180 ECTS)
  •  修士号(Master/Candidatus):2年(120 ECTS)
  •  PhD(Doctor of Philosophy/Philosophiae Doctor):3年(180 ECTS)
    ※PhDの上の課程として、博士(Doctoral)課程(Doktorgrad)というものもあります。
大学レベルの芸術・建築系高等教育機関
Artistic Higher Education Institutions University Colleges 10校
建築、デザイン、音楽、美術に特化した大学と同レベルの高等教育を提供しています。取得できる学位も大学と同レベルです。
  • 学士号(Bachelor): 3年(180 ECTS)
  • 修士号(Master/Candidatus):2年(120 ECTS)
  • PhD(Doctor of Philosophy/Philosophiae Doctor):3年(180 ECTS)
専門カレッジ
University College/Professionshojskoler(デンマーク語) 7校
大学より実践的な中期プログラムを提供しています。主に教育学、工学、経営学、看護学、健康学、栄養学、社会事業学などが学べます。 取得できる学位は以下の通りです。
  •  アカデミー専門学位(Academy Profession degree(AP)):2年(120ECTS)
    ※経営学、工学、IT、食品産業、マルチメディア学、観光学など雇用に直接結び付くプログラム。
    ※英語で講義を行っている科目あり。
    ※学士号へ進学することも可能。
    ※APの後にTop-up課程(90ECTS)へ進み、修了すると専門職学士号が授与される。
  • 専門職学士号(Professional Bachelor’s Degree):3~4.5年(180~270 ECTS)
    ※経営学、教育学、工学、IT、看護学、社会福祉学などが主な専門分野で、理論と実践が一つになったプログラム。インターンシップが含まれている。
    ※修士課程への進学を前提としたプログラムあり。
専門高等教育アカデミー
Academies of Professional Higher Education/Erhvervsakademi(デンマーク語) 8校
短期のプログラムを提供しています。高等学校または専門学校卒業後に進学することができる。地域経済・産業と強い結びつきを持っていることが特徴で、ビジネス、工学、IT、マルチメディア、食品産業、旅行関連などの分野で理論や実践を学ぶことができます。職業教育プログラムと企業での職業訓練からなる課程を修了すると修了証が授与されます。
  • 修了証:2~2.5年(120 ECTS)
    ※学校やプログラムによって異なる場合あり。
海事教育および訓練機関
Schools of Maritime Education & Training 4校
  • 専門職学士号(Professional Bachelor’s Degree):3~4.5年(180~270 ECTS)

学士課程
日本の高校卒を卒業していることが条件です。
大学独自の選考方法を採用している場合もあるので、志望校に直接確認することをおすすめします。
​日本の大学に在籍中に、協定留学を行う場合は、在籍校へ問い合わせてください。
修士課程
学士課程(もしくは同等の資格)を良い成績で修めている必要があります。
博士課程
修士課程(もしくは同等の資格)修了以上が条件です。なかには、学士課程修了後に修士課程を1年間修めていれば、4年間の博士課程に応募できる大学もあります。
専門高等教育アカデミー
高校卒業資格程度あるいは職業実習などの受講によりそれと同等の資格を有する者。
学士課程および修士課程においては、デンマーク語で行われる授業を履修希望の場合はデンマーク語力を、英語で行われる授業を履修希望の場合には英語力が求められます。博士課程については、希望の大学に直接問い合わせてください。
デンマーク語講義の場合
デンマーク語力は、筆記・会話から構成される語学試験Danish as a Foreign Language(Studieproven i dansk som andetsprog for voksne undlandinge)を受験してデンマーク語の能力を証明するか、Danish Test 2 (Danskprove2)を取得する必要があります。専攻によってはDanish Test3レベルを求められることもあります。
多くの高等教育機関で、学期中あるいはサマースクールでデンマーク語のコースを提供しています。また、地方自治体(kommune)、成人学習センター(VUCs)、民間の語学学校、フォークスクール(Folkehojskole)でも学ぶことができます。
英語講義の場合
専攻によって異なります。TOEFL iBT79~93、IELT6.5のレベルが求められる場合と、iBT94~101、IELTS7.0という高いレベルが求められる場合があります。英語で行われる授業のみを希望の場合は、デンマーク語能力を提示する必要はありません。
正規の留学生は、無料で大学内のデンマーク語のクラスを受講できます。英語講義の学部へ入学したあと、デンマーク語を学び、語学力が一定のレベルに達すれば、その後、デンマーク語講義の大学院へすすむという道もあります。
学士課程
学士課程への出願は、optagelse.dkを通して行うため、まずはアカウントを作成します。
選考は各大学が独自に行っています。出願条件などは大学や学部によって異なるため、少なくとも1年前から志望校のウェブサイトをよく読んで出願のスケジュールや条件など詳細を確認し、不明な点はメールなどで問い合わせるようにします。
出願書類の締め切りは通常、秋学期(8月/9月開始)入学希望者は3月15日、春学期(1月/2月開始)入学希望者は9月1日です。願書は、締め切り日の約2か月前から、各大学またはoptagelse.dkから入手できます。
修士課程/博士課程
大学により条件、提出書類、締め切りなどが異なるため、志望大学に出願方法を確認するようにしましょう。博士課程も英語のみで修めることが可能な場合もあります。
博士課程プログラムは以下のリンクより検索できます。
協定留学/認定留学
日本の大学と協定を結んでいる機関へ交換留学生として留学する場合は、日本の在籍校に確認してください。
希望する大学が在籍校と協定を結んでいない場合は、志望校のインターナショナルオフィスに連絡してみてください。ゲストスチューデントとして個別に受け入れている場合があります。受入条件が大学によって異なるため、詳細は志望校に確認してください。
日本国籍保持者は入国ビザ不要ですが、3か月以上デンマークに滞在する場合には、滞在許可(Residence Permit)が必要です。滞在許可の発行には時間がかかるため、少なくとも出国の2~4か月前から準備を始めましょう。
詳しくは駐日デンマーク王国大使館のウェブサイトで確認してください。
協定留学の留学生やEU、EEA加盟国およびスイス出身の学生は学費無料ですが、日本を含むその他の国、地域からの留学生は、年間約6,000~16,000ユーロの学費が必要です。学費は課程や専攻、留学形態により異なります。
デンマークの生活費は決して安いとは言えません。特に、コペンハーゲンなどの都心部は他都市よりも物価が高めです。ただ、生活費は個人のライフスタイルによって左右されるので、どのような生活を送るかによって異なるでしょう。
<1か月の生活費の目安 6500-9,250クローナ>
  • 家賃 3,000-5,000デンマーククローナ※インターネット使用料込みの場合が多い
  • 保険 約200デンマーククローナ
  • 書籍類 250-500デンマーククローナ
  • テレビライセンス 100デンマーククローナ
  • 携帯 150デンマーククローナ
  • 食費 1,500-2,000デンマーククローナ
  • 交通費 300デンマーククローナ
  • 雑費 1,000デンマーククローナ
デンマークは、基本的にキャンパス内に学生寮はありません。ほとんどの学生が、キャンパスから少し離れた場所の学生寮やアパートに住んでいます。学期開始時期に学生用の手ごろな物件を見つけることは非常に難しいため、少なくともデンマークに到着する1か月前から物件探しをはじめることをおすすめします。あらかじめ大学などに問い合わせたり、ウェブサイトを参照して情報を入手したりしましょう。

デンマークへの留学に関して、何か困ったことがあれば、デンマーク教育省管轄のStudy Guidance in Denmarkのカウンセラーが、留学相談にのってくれるのでメールで問い合わせてみるとよいでしょう。

通路

(2020年1月改訂:禁無断転載)

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。