このページは2015年度の調査をもとに2017年2月時点で更新した情報です。
ドイツ語のウムラウト記号は、該当の母音後にeを入れることで代替しています。
オーストリアは1999年にボローニャ宣言に調印して以降、高等教育制度の改革を進めてきました 。学士課程・修士課程・博士課程の区分の導入は、その主な成果です。またオーストリアは 、学生、研究者、講師の滞在許可を優遇するようにしています。留学生は、国内の学生と同じように、社会保険や交通費の学生割引、劇場や美術館などでの学生特典などを受けることができます。
国を挙げて力を入れている分野は音楽教育です。初等教育から高等教育までを大きく数えれば、音楽教育を行う公的な機関は、拠点となる比較的大きなものが430機関あり、それを支える補助的なものが1480機関あります。音楽を学んでいる者は全体で約20万人、教員数は約7千人です。音楽系の国立大学に限れば、履修者の約半数が外国人となっています 。留学生にとって過ごしやすい環境であると言えます。
義務教育は、初等教育の4年間、前期中等教育の4年間、後期中等教育の最初の1年間の合計で9年間です。後期中等教育では一般大学への進学を前提としたコースと、職業養成学校の二つに分かれます。オーストリアは音楽教育に力を特に入れており、一般の学校でも初等教育から音楽を教える他、各段階で音楽に特化した機関が設けられています。それらは初等教育で130機関、中等教育前期で100機関、中等教育後期で28機関となっています。他国と比べても音楽に特化していると言えます。
オーストリアで中等教育までの修了を示す資格は、マトゥーラ(Matura)と言います。これは欧州でいえば、ドイツのアビトゥーアや、フランスのバカロレアに相当します。日本人にとっては、高等学校を卒業し、大学にすでに入学しているか、大学入試に合格しているか、を意味します。芸術系大学の場合、マトゥーラ相当の資格が求められる学校と、それがなくても入学できる学校があります。