留学先の国の特徴や留学情報をご紹介。
国ごとの違いを明確に知り、自分にあった留学先を見つけましょう。

大学・大学院・短期大学・専門学校 交換留学

最新の情報については、 ビザについては日本国内の大使館・総領事館に、学校情報は留学を希望する学校に、必ず直接確認してください。
N.T.さん
都市名:プネー
学校名:プネー大学(University of Pune)
専攻名:M.A. Education
留学期間:2011年7月~2012年3月
取得資格・学位:出席証明
在籍課程:M.A.Education
留学形態:交換留学
留学の動機
なぜインドに留学しようと思いましたか?他国との比較、決め手になったことなどお答えください。
大学2年生の春休みに、ボランティアツアーに参加したことが一番のきっかけです。マザーテレサの施設で1週間ボランティア活動をし、タージマハルとガンジス川を観光しました。インドでは不思議と体がリラックスしており、ガンジス川の朝日の中で沐浴する人たちの風景に穏やかな感動を受けました。素直でシンプルで、しあわせそうで、ゆっくりとしたインドの人々の生き方をもっと知りたい、どのようなことにしあわせを感じ、どのような生活を毎日送っているのだろうか、いつかこの人たちと暮らせたら…というような思いをもちました。
帰国後、偶然にも友人に誘われて大学の派遣留学説明会に参加した際、インドにも提携校があることを知りました。インドに住むチャンスは今しかないと決心し、留学に挑戦しました。英語力を伸ばすことが可能であること、宗教学や哲学、ヨガに興味があったことも間接的なインド留学の希望理由です。
専門である教育の最先端・フィンランドにも興味がありましたが、自分の本当に住んでみたい国はどこかと考えると心はインドに傾きました。
留学前の準備期間、言語の勉強方法
留学を思い立ってから実際に現地へ出発するまで何か月くらいの準備期間が必要でしたか?
留学を思い立ったのは大学の派遣留学説明会に参加した5月、出発は翌年の7月だったので、準備期間は1年2ヶ月でした。
準備期間中にいちばん大変だったこと、時間は十分だったかをお答えください。
一番大変だったことはビザの取得です。必要書類である入学許可証が現地の大学から返ってこなかったので、出発直前にビザの申請を行いました。
留学前にインドの現地語または英語をどのように勉強しましたか?語学試験は受験しましたか?
TOEFLスコアの提出が義務づけられていたので受験をしました。提出のみで、点数規制はありませんでした。
現地語は文字をなんとなく発音できる程度まで読めること、挨拶と簡単な自己紹介ができるように友人たちと勉強しました。
英語は出発2ヶ月間前から週に3回、英会話学校のプライベートコースで特訓をしました。現地滞在に最低限必要な登録や申請が自分でできること、買い物などの日常生活をなんとか送ることができることが到達目標でした。
語学学習において、どんな勉強方法が一番効果的だと思いますか?
必要に迫られること、切実に近未来で語学を使う必要性があることが一番の勉強促進刺激だと思います。いつも英語で独り言を考え、英語で会話をしていました。3ヶ月その言語を話し続けると、自然と口から英語が出てきたり、新しい単語や言い回しがすぐに使用できるようになったりしました。日本に帰国後も3ヶ月でそのような言語感覚の衰えを感じたことから、継続することの大切さを実感しています。
情報収集方法
どのようにしてインド留学について情報収集しましたか?
前年度に同大学へ派遣留学していた学生からの情報や、現地で毎年研究をしている教授からの情報が主でした。旅行関係の書籍やインターネット(Wikipedia、外務省、個人ブログなど)も活用しました。
現地学校への問い合わせ
学校へはどのような手段で連絡を取りましたか?また、具体的な質問内容を差支えない範囲で教えてください。
渡航前は、個人的な連絡をとっていません。
出願について
出願時に提出した書類と、提出方法を具体的に教えてください。
派遣留学時に提出した書類は、
・派遣留学計画書(日本語・英語)
・派遣留学候補者推薦書
・語学能力を証明する書類
・学部学業成績証明書
です。
現地大学への提出方法は全て大学の事務にお願いしていたので分かりません。
出願から正式な許可書を受け取るまでに苦労したことはありましたか?それをどのように解決しましたか?
許可書の届く時期が不明であり、いつになったら許可書がもらえるのかと気苦労が耐えませんでした。
入学試験
入学試験を受けましたか?またその教科や内容を教えてください。
派遣留学試験のみで、入学試験は受けていません。
ビザ・居住の許可等の取得
(JASSO注:手続き上の必要書類等は当該地における当時のもので、申請にあたっては、自己の責任において最新の情報を確認する必要があります。)
ビザの取得にはどのような書類や手続きが必要でしたか?気をつけた点も教えてください。
毎年申請方法が変わるので、まずは大使館のHPで手順や書類を確認しました。
まず、日本でのビザ取得には次の書類が必要でした。詳しくはインドビザ申請センターのHPをご覧下さい。
・パスポート
・証明写真
・ビザ申請書
・履歴書(英文)
・個人英文預金残高証明
・オリジナル入学許可書とそのコピー
・学費払い込みの証明とそのコピー
・航空券予約確認表(航空会社または旅行社発行)
・Self Recommendation
・委任状(日本語・英語)
・許諾書(Admission Letterが正式なものではないので、学生ビザが半年間のものであっても承諾することを証明する書類)
関西・神戸ビザセンターで代理申請を行いましたが受理されず、大使館でのインタビューがあるかもしれないことや出発日まで日がないことから東京のビザセンターへ申請に行きました。インターネットで確認した書類の他にも複数の書類を求められ、近くのインターネットカフェで必死に作成をしました。同じ時期に全く同じ申請方法を行った友人は必要書類のみですんなりと1年のStudent Visaを取得しましたが、私は6ヶ月の許可しか下りませんでした。担当者によって、必要書類や許可に差があるようです。1年間の留学を希望していたのですが、ビザセンターの職員には6ヶ月しか許可が下りなかった理由やどのような手順でビザの延長ができるのかも全く教えてもらえませんでした。
現地に到着し滞在申請などを住ませた後、早速ビザの延長手続きに向けて活動を始めました。ここでも、毎年申請方法が変更されており、現地で経験のある人の力を借りても非常に時間と労力のかかる手順を踏んで申請し、延長ビザを手にしたのは何ヶ月も後のことでした。
必要だった書類は以下の通りです。PCO(Police Commitional Office)で申請します。詳しい申請書類についてはPCOのHPをご確認下さい。
・Passport Copy
・Visa Copy
・Mark sheet all previous year & degree certificate
・Original Fresh Bonafide
・Residential Permit Copy
・Registered / Notarized Lease Agreement
・Bank transaction Details / Statement
・Verification Certificate
(JASSO注:手続き上の必要書類等は当該地における当時のもので、申請にあたっては、自己の責任において最新の情報を確認する必要があります。)
居住許可の取得にはどのような書類や手続きが必要でしたか?気をつけた点も教えてください。
インドの登録申請は難関で、かつ役人は親切ではありません。何らかの許可を申請する際は、役人の全ての要求に速やかに対処できるよう、いつも全ての書類とそのコピーを持参した上で申請に行くことをお勧めします。十分な時間と余裕、経験のある現地の方のサポートが必須です。
居住許可についても毎年取得方法が変化します。最初の居住許可は15日間で無効になってしまうため、15日以内に延長手続きをする必要があります。必要書類は以下の通りです。
・Copy of Passport
・Copy of Visa page
・Copy of arrival stamp page
・‘C’ Form & Notarized Lease agreement
・Certificate of Residence
・‘A’ Form
(JASSO注:手続き上の必要書類等は当該地における当時のもので、申請にあたっては、自己の責任において最新の情報を確認する必要があります。)
現地到着14日以内に外国人登録が必要ですが、その手続きはどのように行いましたか?住居証明書の準備や注意事項をお教えください。
同様に、毎年申請方法や必要書類が変化しているので注意が必要です。経験のある現地人のサポートがなければとても苦労します。以下、必要書類です。
・Passport Copy
・Visa Copy
・Arrival Stamp Page Copy
・‘C ’Form (Notarized lease agreement if available)
・Original Fresh Bonafide / Fresh Admission Letter
・For Afghan, Bangladesh & Pakistan - Check Post R.P. 7) Certificate of Residence
(JASSO注:手続き上の必要書類等は当該地における当時のもので、申請にあたっては、自己の責任において最新の情報を確認する必要があります。)
学費、生活費、お金の送金・管理方法等
留学中にかかった学費(+諸経費)の総額はおよそいくらでしたか?どのような支払方法が便利でしたか?
留学中にかかった学費は、個人的に通った英会話教室の授業料5,000Rs(ルピー)のみでした。
学費以外の生活費(住居費、食費、光熱費、教養・娯楽費など)の、1か月平均額または留学期間全体の金額を教えてください。
旅行などがなければ、現地での1ヶ月の生活費は25,000Rs(当時40,000円)ほどでした。
留学中にかかった費用と航空券代の合計は約80万円
留学までの準備や帰国後にかかった費用も含めた総合計は凡そ140万円です。
学費、生活費をどのように捻出しましたか?(お差支えなければ教えてください)
両親からの仕送りと、日本でのアルバイト代です。
お金をどのように管理していましたか?現地で銀行口座を作った場合、どのような手続きをしましたか?
留学資金の3分の2は新生銀行の口座に入れ、ATMで現金を引き出し家の中にストックしていました。ほとんどのATMがVISA使用可能です。残りの3分の1はクレジットカードの口座へ入れて使用していました。
外国人が現地で口座を作ることは非常に困難かつ複雑であったので、現地の銀行口座は作っていません。
日本からの送金が必要な際、どのように送金してもらいましたか?
新生銀行の口座に代理人カードで入金してもらうか、クレジットカードの口座にカード入金してもらっていました。
健康管理
どのような保険(タイプ・金額など)に入っていましたか?留学先校など現地で保険の指定はありましたか?
90日間有効のクレジットカードの保険に入っていました。損害火災保険の選択制ネット保険にも加入していました。死亡保障と医療保障(インドの医療費は安いので)、救援者費用、緊急一時帰国費用は付けずに総額約12万円でした。保険指定はありませんでした。
日本またはインドで予防接種・健康診断を受けた場合、その内容をお教えください。
A型肝炎、B型肝炎、破傷風の3点です。狂犬病も接種するべきか悩みましたが、料金が高いこととワクチンが入手困難であったことから接種しませんでした。インドの犬は賢く、こちらがよほど悪質な行為をしない限り人間には近寄ってきません。リスやコウモリなど牙のある動物には近づかない注意が必要です。
現地の医療サービス(大学・現地の病院・クリニック等の利用、薬や衛生用品の利用)を受けましたか?またその場合、気をつけるべき点があれば教えてください。
風邪をひき1度個人医院で診察を受け薬を処方してもらいました。
興味があり、アーユルヴェーダの個人医院に3度通い、ハーブの薬を処方してもらいました。
階段から落ち、個人整形外科医院で足のレントゲン撮影をしたこともありました。
病院は現地の信頼のおける人が通っている場所を紹介してもらうのが一番です。
英語で行われる医療や薬の用法説明を理解できるよう準備が必要です。
マラリア・デング熱等の伝染病対策はしましたか?気をつけたこと、困ったことはありましたか?
ありません。無理をしすぎないよう心がけていました。いつも蚊帳を張って寝ていました。
学校生活
日本の授業に比べて異なる点、インドらしいと思う特徴、受講した感想を教えてください。
言語については、授業は全て英語で行われることになっています。しかし私の所属したコースには地方出身で英語に不慣れな学生が多く、ひとまとまりの話ごとに英語で話した後に現地の言葉に言い換えている先生がいました。英語が苦手な先生も多く、最初は英語を使っていたのにしまいには現地の言葉でどんどん授業が進んでしまうこともありました。そのような先生の授業は内容がさっぱり理解できないので、受講を諦めざるをえませんでした。英語が苦手な学生も現地の言葉で発表したりレポートを作成したりしていたので、内容を理解するために授業中も逐一英語の得意な友人に通訳してもらっていました。
学生同士のディスカッションを求められることも日本に比べ多かったです。
形式的には、授業は休講になることがよくありました。祝日や祭りが多いことがその理由です。私のコースは授業に学生が集まらないことが多く、先生がいても学生が2、3人集まるまで授業を始めてもらえませんでした。新しい学期の始まる日にちが直前まで分からず、なんとなく始まるような具合でした。
授業の内容については、インドならではの講義を受けることができました。インドは宗教哲学や思想を学ぶのに最適の地です。教育の目的や役割についてインド哲学や各宗教の宗教観から再考し、グローバルな現代の各国の教育との比較から、理想の教育の在り方を考えるという授業や、インドで今求められている遠隔教育の開発についてといった日本では取り扱われないテーマについての勉強ができました。
現地の教育実践を見たかったので、街中の学校や田舎の学校、特殊教育学校やNPOのスラムの中の学校に自主的に見学に行ったり、授業に参加したりしていました。
予習・復習での工夫や苦労した点があれば教えてください。
図書館の蔵書から必要な資料を探し出し、読み、授業での発表に生かすということがとても難しかったです。
大学院の専門的な授業ばかりだったので、授業で先生がよく口にする英単語や専門用語は授業中に何度もスペルを確認したり、授業後に先生と質問やディスカッションをしたりと分からないことは積極的に尋ねていました。
試験やエッセイ・レポート対策について、工夫や苦労した点があれば教えてください。
エッセイや試験では、自分自身の考えをいつも求められました。
留学生であるという強みを生かし、日本との比較をすることでクラスでのポジションを得ていました。
英語の授業に参加した方に伺います。現地の言語は、授業・リサーチ・日常生活において必要でしたか?
授業では、先生にもよりますが、地方出身の英語が堪能ではない学生がいることから現地の言語でずっと講義をする先生が多かったです。学生は英語の読み書きができても話すことが苦手であり、授業中はいつも現地の言葉で発表していました。
日常生活においては、ホストファミリーに英語の通じないおばあちゃんがいたので、その人とコミュニケーションを取るため、またリキシャ等に乗って行きたい場所を告げ指示するための現地の言葉が必要でした。現地の言語を少し話すと人との距離が大きく縮まったので、生活においてなるべく多くの言葉を覚えようと努力していました。
授業やレポートにおいて、語学上・学習上のサポートはありましたか?
サポートはありませんでした。授業中や授業後に分からない単語があれば、自分から先生に質問していました。英語力を向上したかったので、自主的に英会話学校を探して通ったり、英語家庭教師を雇って毎日勉強したりしていました。
学校の施設(図書館・PC・カフェなど)は充実していましたか?
図書館の蔵書は膨大でしたが、仕組みが整っていないので必要な資料を探し出すことは困難でした。PCはコース所属の図書館に5台ほどあり、図書館が開館している時間は使用することができました。キャンパス内には有料のコピー店やインターネットカフェもありましたが、非常に混雑していました。食堂はキャンパス内に4箇所ほどあり格安ですが、美味しいとは言えませんでした。ジムは男子学生のみが利用していました。キャンパスが広大であるため、学内にバスやリキシャが走っていました。
学校全体やクラスで、現地の学生・外国人留学生・日本人留学生の割合、学生の年齢層はどのようでしたか?
学校全体では現地の学生が9.5割、中東を中心とした外国人留学生が0.5割でした。日本人留学生は4人でした。
コースでは20人ほど現地の学生が在籍しており、外国人留学生は私のみでした。学生の平均年齢はおよそ23歳であり、30代で仕事や子育てをしながら通う学生もいました。
現地の学生・外国人留学生と交流できましたか?その方法(授業・課外活動・寮生活等)や大変だったことがあれば教えてください。
コースの学生とはほぼ学校内のみでの交流でした。プライベートでは、他大学の日本語コースの学生や、留学生のボランティアイベントで出会った留学生との交流がありました。
日本人留学生との交流、インドや他の外国からの学生との交流はできましたか?大変だったことはありましたか?
プネー市に長期留学している日本人留学生が私を含めて4人しかいなかった為、協力し合ったり、月に1度ほど食事の場で集まったりしていました。同じ大学から派遣留学に来ていた学生とは近くに住み合っていたので、ほぼ毎日会い、全ての物事において協力し合っていました。日本人の絶対数が少なかったので、インターンシップや短期留学に来た日本人学生ともよく知り合いました。
質問の趣旨とは少しずれますが、現地に長期滞在しているビジネスマンや日本語教師、現地で結婚された日本人女性の方たちにもいつも仲良くして頂き、お食事に誘われたり一緒に行事に参加したりしていました。
現地学生で仲良くなったのは、ほとんどが日本に関心があって日本語を学んでいる学生や、日本関係のビジネスマンでした。
外国の留学生とも仲良くなりました。他大学の学生ばかりでしたが、留学生が集まるイベントで仲良くなり、たまに集まって食事をしたり、ボランティア活動に参加したりしていました。
指導教官とのやり取りでよかったこと、大変だったことはありましたか?
授業に出席している学生が少なかったので、少人数で指導を受けられたことはとてもよかったです。分からない単語に出会ったり疑問が浮かんだりしたに時は授業中に質問する事ができました。
コース内の留学生が私のみだったので、質問を多く当ててもらったりしてかわいがってもらいました。
先生にメールをしても返ってこなかったり、学生が集まらないと授業を始めてもらえなかったり、大変だったことも数多くありました。
食事
普段はどのように食事をされましたか?現地の食事・食材で苦労したことはありましたか?
朝食は自炊、昼食はレストランで外食、夜は自炊をしてホストファミリーと一緒に食べたり、レストランで友人たちと集まって食べたりしました。買い食いもよくしました。
食材の適正価格を知らないので、留学当初は度々路上の店で野菜を高い値段で買わされました。水道水は私には匂いがきつかったため、歯磨きも含め飲料水は全てミネラルウォーターを使用しました。20リットルの大きなボトルを購入していました。香辛料や油を多用している店が多く、毎食外食で済ませることは難しかったです。香辛料が控え目の安いお弁当屋さんをホストファミリーに紹介してもらい、よく利用していました。希望すれば配達もしてもらえます。
日本の食材を手に入れることはできましたか?日本から持参すると良い食材があれば教えてください。
日本の食材はほとんど入手できませんでした。菓子パンもほとんどありません。料理が好きな人なら、だしやみそ、醤油などといった調味料やお米があるとスパイシーな食事の息抜きになると思います。インスタントラーメンやうどん、お茶漬け、レトルトおかゆやカレー、お菓子は宝物でした。
住居
留学中、どんな住居に住んでいましたか?(寮・ゲストハウス・アパートなど)その特徴とともにお教えください。
現地人老夫婦の住む一戸建ての家の一部屋を借りて住んでいました。シャワーとトイレが併設された部屋です。長年日本人学生を受け入れ続けている家族だったので、日本文化にも理解があり本当に助かりました。おばあちゃんはまるで自分の娘のように私の世話をしてくれました。2階では老夫婦の娘が朝夕2回ヨガ教室をしていました。
ホストファミリーは滞在手続きやビザの延長手続き、英会話学校や家庭教師の情報探しなど、本当に最初から最後まで親身にサポートをしてくれました。このホストファミリー無しでは、私のインド留学はありえないというくらい、深い人間関係を作ることができました。
住居を決めた際の基準(周辺環境、家賃等)や、探した方法(学校などからの紹介の有無、口コミ等)を教えてください。
現地でホームステイをしたいと思っていたので、前年度に留学していた学生の紹介で即決しました。家賃は電気・水道込みで1ヶ月4,000Rs(当時約6,000円)でした。街の中で最も閑静な住宅街でした。
住居でトラブルはありましたか?その際、どのように対処しましたか?
大きなトラブルはありませんでした。
現地の治安状況・注意したこと等
現地の治安状況についてどのように情報収集しましたか?
渡航前は外務省のHPや留学経験者、大学の先生の情報を頼りにしていました。
留学中は、現地の新聞、テレビ、口コミを利用していました。
治安状況を踏まえて気をつけた点について教えてください。
危険地域やテロの起こる可能性の高い地域、田舎過ぎる地域には近寄らないことです。
初めて行く場所は事前に正確な情報をできるだけ多く掴み、旅行の際は可能な限り全てインターネットでブッキングを終え、隙を見せず、なるべく夜遅くの行動は控えました。いつも現地の服であるパンジャビドレスを着て、現地の人たちに溶け込むようにしていました。
犯罪に巻き込まれたことはありましたか?その際どのように対処しましたか?
痴漢に遭ったことがあります。その際は近くにいた男友達に追い払ってもらいました。電話番号を聞かれたら、こちらかかけるからといって決して自分の番号は教えないようにしていました。
旅先で携帯電話を盗まれたことが2回ありました。どちらもリキシャやタクシーの中だったので、恐らく運転手に盗まれました。気づけば時すでに遅し、でした。
通信
通信機器(PC・携帯電話・スマートフォン等)は、日本から持参されましたか?学校や居住施設での利用はいかがでしたか?
すべて日本から持参しました。無料Wi-Fiはプネー市内全域ほぼ使用不可能であり、スマートフォンの通信手段は使えなかったので、現地で安いチャージ式携帯電話を購入しました。
現地で上記の通信機器やインターネットを利用した際、機器・プロバイダの選択や手続きはどのように行いましたか?
TATAから出ているUSB式のWi-Fi受信機器を利用していました。契約は全てホストファミリーに行ってもらい、月々約850Rsを払って借りていました。
気候
日本との気候の違い(暑さ・寒さ・湿度・日照時間等)に対して心がけた点を教えてください。
サマーシーズンは長期間外にいないよう気をつけました。
移動の際は、日光と大気汚染等から身を守るため、現地の女性のように頭をスカーフで覆い、サングラスをかけていました。
冬は夜になると冷え込むので、フリースを用意しました。
水分をこまめに摂取し、決して無理をしないよう小刻みに休憩していました。
蚊に刺されないよう注意していました。
現地生活状況・各種相談先
現地購入できて役に立ったもの、日常品で重要なものがあればお教えください。
20リットルの飲料水ボトル、蚊帳、地図、現地のカレンダー(祝日が多いため)
学校内・学校外で問題があったとき、誰に相談しましたか?
ホストファミリーや同じ時期に留学していた学生、日本語教師などの日本人、日本語を学んでいる学生です。
住居などについて支援を受けられるような学生互助会(自治会)などはありましたか?その支援を受けましたか?
ありませんでした。
現地の人(学生に限らず)との文化的摩擦、トラブルの経験や、異文化の中で気をつかった点はありましたか?
たくさんありました。
友人との口約束が果たされないことには戸惑いました。役人が非常に不親切であったり、大学の新学期がいつから始まるのか1週間前になっても分からなかったり、住居登録等全ての登録が非常に複雑であったことも辛かったです。
帰国後の進路/留学と進路との関係
現在の所属について、差し支えない範囲で教えてください。
金沢大学 人間社会学域 学校教育学類 国語教育専修 4回生です。
留学前・留学中・留学後のいつ、就職活動をされましたか?
留学後に教員採用試験と大学院入学試験を受験しました。
インドで就職活動をされましたか?その場合、その内容や特徴、現地大学からの支援の有無について、差し支えない範囲で教えてください。
しませんでした。現地で働く日本人の方から、お誘いを受けたことは何度かありました。
留学経験は進路決定に影響しましたか?また、留学経験は現在の仕事・学業にどのようにいかされていますか?
大学院で引き続き学業を深めたいと思うようになりました。
私は近代文学教育を専門としているのですが、多様で柔軟な価値観をもてたことは研究内容の理解を深めてくれていると感じています。視野が世界規模に広がり、世界の向かっていく方向に対する感覚が強まったことも文学の行く末を考える際に生かされています。
後輩へのアドバイス
これまでの留学準備と留学生活を振り返って、「日本にいる間にしておけば良かった」と思うことはありますか?
・私は4年時に留学しましたが、3年次の留学であれば就職準備や大学院受験に余裕を持って取り組めたと思います。
・留学先の大学や授業、先生の実態をよく確かめて下さい。形式と実態は大きく異なることがあります。形式から期待する内容の勉学が、期待された方法で行われているとは限りません。私の場合、形式的には全ての授業が英語で行われるはずでしたが、実際にすべての内容を英語で話してくれた先生は1人だけであり、言葉が分からず非常に歯がゆい思いをしました。可能であれば、一度現地訪問し授業にも参加した上で留学の決断をすることを勧めます。
・現地の言葉をもう少し勉強しておけば、留学中更に深く学ぶことができたかもしれません。

 
留学生活を送る際の注意点と、これから留学を考えている後輩へのアドバイスをお願いいたします。
インド留学の実現、成功、活動の輪を広げるチャンスをもたらしてくれたのは、全て人々との出逢いでした。インド留学は、人とのコネクションやそこからの情報・紹介が全てと言っても過言ではありません。留学のチャンスを生かすも殺すも本人次第です。仲間を増やし、協力し合い、最後までくじけずに理想の留学生活を実現させて下さい。
自分から行動しなければ、何事も前に進みません。インドでは殊更そのことを実感すると思います。チャンスに飛び込んでいく勇気と行動力を大切にして下さい。
私の場合、ホストファミリーが常に親身になって問題解決に協力してくれました。また、古い世代の現地人と共に生活できたことで、インドの文化や思想をより深く、実感をともなって理解することができました。日本文化に理解のあり信頼のおける現地の人の協力を得ることは、精神的にも留学生活を大きく支えてくれるはずです。
苦労や困難もありましたが、インド留学は私にとって生涯忘れられない宝物のような時間と経験です。皆さんがインドで素敵な留学生活を送られますことを、お祈りしております。
留学中の1週間の時間割
時限
1(8時30分~10時15分) Nature and Purpose of Education Operational Dimension of Education 英語 英語 英語 英語  
2(10時30分~12時00分) Nature and Purpose of Education Operational Dimension of Education          
3              
4(14時00分~16時30分)     History of Japanese Language        
5(18時30分~20時00分) 英語 英語 History of Japanese Language        

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。