大学・大学院留学
2024年8月7日更新
このページは2024年に調査した内容を掲載しています。特殊文字や記号は省略しています。
学校の種類
インドの高等教育機関は、主に大学(University)、カレッジ(Collage)、独立教育機関(Stand-Alone Institutions)に分けられます。
大学(University)
インドには全1,074校(2023年1月時点)の大学があり、主に以下の区分になっています。Universityは学位の発行が法律によって認められています。
① 国立大学(Central University)は、連邦政府が管轄する大学で56校あります。
② 州立大学(State University)は、州政府が管轄する高等教育機関であり、全460校あります。
③ 準大学(Deemed University)は、連邦政府から学術的・教育的に高い水準をもつと認定され、人材開発省の認可を受け、University Grants Commission(UGC)によって大学の資格を与えられた高等教育機関です。
④ 私立大学(Private University)は連邦政府、また州政府が関連法に基づき設置を認可した機関であり、全430校あります。
また、大学(University)はAffiliating UniversityとUnitary Universityの2種類に分けられます。Affiliating Universityは、大学院や研究所のある中央キャンパスと、その傘下にある学部レベルの教育を中心としたカレッジ(College)から構成される大学(University)です。カレッジをもたないUniversityのことをUnitary Universityと呼びます。
大学レベルの研究機関(University Level Institutions)
インドではUniversityとは別に、大学レベルの水準を持つ教育機関が認められています。
Universityとは設置の根拠となる法が異なりますが、こちらも同様に学位の発行が認められています。代表的な例として、重点研究機関(Institution of National Importance)は、国家的重要性をもつ研究機関として連邦政府に認定された機関です。例えばインド工科大学(Indian Institute of Technology)や全インド医科大学(All India Institute of Medical Sciences)などが挙げられます。このほか、州議会法に基づく研究機関(Institute under State Legislature Act)や個別法に基づく研究機関が存在します。
カレッジ(Collage)
インドには約43,000校のカレッジが存在しています。
カレッジはあらゆる専攻を設けており、学士課程(日本の学部レベル)の教育を中心に行っています。
独立教育機関(Stand-Alone Institutions)
大学(University)、カレッジ(College)の範囲に入らず、特定の専門分野の知識や技能を身に付けるための教育コース(ディプロマ課程、ポストグラデュエイト・ディプロマ課程)を提供する高等教育機関を、独立教育機関(Stand-Alone Institution)と呼びます。
例えば看護師養成学校、教員養成学校などの教育機関が挙げられます。
留学までのタイムスケジュール
リンク集(学校検索など)
学位の種類、学位以外の取得可能資格
以下の学位があり、それぞれ修業年限が定められています。
学士(Undergraduate、3~5年)
大学院(Postgraduate、2~3年)
研究修士(M.Phil、1~2年)
博士(Ph.D、2~5年)
学位以外では以下の資格などが高等教育機関で取得できます。
ポストグラデュエイト・ディプロマ(Postgraduate Diploma、1~3年)
ディプロマ(Diploma、1~3年)
サーティフィケート(Certificate、教育機関ごとに異なる)
専攻分野
人文社会科学、芸術、経済、教育、法学、経営・経済、医学、工学、情報通信など、ひととおり開講しています。
インドに留学を希望する日本人の間で関心の高い分野として、芸術・舞踊・伝統医学(アーユルヴェーダ)などがあります。舞踏や音楽を学ぶために利用できるインド文化関係評議会(ICCR)奨学金も実施されています。
学費
大学ごとに学費は異なります。
国立大学と私立大学の学費の目安は以下のとおりです。
【国立大学】
20万インド・ルピー程度(約36万円)
【私立大学】
学部によっても費用は異なり、理系学部で費用が高い傾向があります。
年間3,000米ドル~9,000米ドル程度が相場です。
留学のための奨学金
奨学金を検索
一般的な留学生受入条件や提供コース
大学の学士課程の場合、母国で12年間の教育を修了していることが最低条件です。そのほか、大学によっては英語のテストの点数や、理系学部では理系科目の成績要件などが課されている場合があります。詳細は各大学の留学生向けの募集要項をご確認ください。
大学留学の場合、教育省が運営している留学専用サポートウェブサイト「STUDY IN INDIA」が非常に便利です。全国1,600以上の教育機関で開講される2,600以上のコースを横断的に検索し、応募ができます。
応募方法・入学試験・審査方法
STUDY IN INDIA(SII)プログラムは、インド政府教育省(MoE)が導入したプロジェクトで、オンライン登録をすることでコース検索や応募手続きができます。
STUDY IN INDIAプログラムに提示されている場合は当該サイトを経由して出願します。
それ以外のプログラムに出願する場合は、大学ごとに直接出願することになり、オンラインフォームやメールなどを通じて出願書類を提出します。
パスポート、自身の大学の成績証明書、TOEFLやIELTSなどの語学試験の成績などの提出が求められる場合が多いです。これらの書類が審査され、合否が決まります。
交換留学
交換・協定留学とは、日本の大学とインドの大学が締結する協定により、大学相互で学生の派遣・受入れを行い、双方の学生を決められた期間在籍させるプログラムです。派遣のみのプログラムも存在します。交換・派遣留学生としてインドの大学へ留学する場合、留学先は、学生が在籍する日本の大学、あるいは学部間で協定を結んでいるインドの大学に限られます。どこの大学と協定を結んでいるか、在籍する大学で確認してください。
「体験レポート」には交換留学した方の体験談も掲載していますので、参考にしてください。
国内の大学に在籍中、交換・協定留学制度を利用せず休学して私費で留学することもできます。詳しくは、「日本の大学での手続き」を参照してください。
日本の大学での手続き
その他
卒業後の就職
インド留学後は、日本で企業に就職、起業、日本の文化発信など留学経験を活かした進路を選択する人が多いようです。現地在住者によると、現地の学生は大学の就職支援センターや民間の求人サイトを活用して就職活動を行います。
インド留学の留意点
インド英語について
インドで勉強・生活するには、必ずしも現地語を習得する必要はなく、日本の学校教育で教えられるアメリカ式(またはイギリス式)の英語の運用能力があれば十分ですが、インドで一般的に話されている英語は、イギリス式英語にヒンディー語をはじめとするインドの現地語が混ざった「ヒングリッシュ」と呼ばれるインド式英語です。そのため、英語を学ぶための語学学校に留学する場合を除き、アメリカ式・イギリス式の英語を身につけることを想定してインドへ渡航すると、インドで日常話されている英語は、予想していたものとは全く異なる可能性が高いことに留意してください。
語学試験
インドの教育機関に留学する際、基本的に現地語の語学試験はありません。ただし、ほとんどの授業および試験は英語で行われるので、授業についていける英語力が必要です。TOEFLなど英語能力試験のスコアが入学要件に含まれている場合は、願書申請と共にスコアを提出します。