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奨学金留学
体験レポート
いいことも悪いことも全部、私の財産。
卒業演奏で沢山支えてくれた子と
留学先国・地域:ドイツ、ニュルンベルク
学校名:ニュルンベルク音楽大学
専攻名:音楽研究科・器楽専攻(2021年3月学位取得)
留学形態:修士課程
奨学金:DAAD(Teilstipendium für Auslander)
憧れのドイツでオーケストラ!
父が、幼い頃からずっと「海外に絶対出たらいい」と言ってくれたおかげで海外への憧れが昔からありました。音楽の大学に進学したので、クラシックの本場で勉強してみたいと思っていたら、私の大学ではドイツのバイエルン州立青少年オーケストラ(BLJO)と提携をしていると知り、夏休みにそこへ参加する事となりました。現地で約1週間同世代の子とオーケストラを通じ、音楽を演奏したり、拙い英語でもお互いの事を話が出来たことが自分にとって、とても嬉しい出来事でした。そしてそこで留学へのビジョンが少しハッキリしました。
なんかドイツってカッコいいから
恥ずかしながら、音楽だったらドイツなんじゃない?という理由だけでドイツを選びました。
もちろん、こんななまぬるい理由だったので本当に苦労しました。まず、家を見つけるのが本当に大変です。日本と違い、ネットで探すより、知り合いやFacebookのコミュニティで投稿したりするのが結局一番早いと思います。また、先生ですが、最初の一年はワーホリを使い、現地で本格的に先生を探しました。色々な先生にレッスンをしてもらい、生徒数の空きがあるのか、私をとってくれそうかなどの確認をして先生を決めました。
弱い自分も私の個性と教えてもらった。
老人ホームで小さなコンサート
念願の大学院に合格し、とにかくたくさん音楽に没頭しました。クラシックのコンサートやオペラが学生だと安く、本当にたくさんのコンサートに行きました。やはりいろいろな事に慣れず、生きるのに精一杯でしたが、ひとつの音楽を共有したり、奏でる瞬間が留学生活で一番楽しい時でした。また私の先生は本当に愛情深い人で、練習だけでなくいろいろな事をして人間的に豊かになりなさいという人でした。そして繊細過ぎる私を「それがあなたの個性よ」と教えてくれました。
また一番大変だったのは私が卒業する年にコロナでパンデミックになってしまった事です。あの時は卒業演奏会の不安と、とにかく1人で自分の命を守る事に必死で、毎日毎日両親に泣きながらメンタルブレイクを起こしながら電話をしていました。あのトラウマはもうこりごりです。
ドイツでやりたいことを全てやり切って
私は海外で働いてみたいという最終目標があったのですが、ちょうどコロナのパンデミックでオーケストラのオーディションもなくなり、卒業後は日本に帰らなくてはいけませんでした。ですが、しばらくして大学院在学中オーケストラの研修生をしていたところから「契約団員やらない?」と突然メールをいただき、半年間ドイツで今度は契約団員として働きに行きました。そのあとは日本に完全帰国し、今はプロオケや様々なエキストラに呼んでもらったり、教室で教えたりしています。フリーランスとして活動しています。
何も知らなかった事を知った
留学するまで自分がこんなにもネガティブで女々しいとは思いませんでしたし、とにかく自分の知らない事を沢山知ることができました。第二外国語で自分の気持ちをハッタリでも説明する機会が増えた事によって、自分の感情が分かるようになったのです。また、ヨーロッパの人達の話し方や、自分の機嫌はきちんと自分でとったり、人をリスペクトして解決するという人間的な面でもとても勉強になりました。人間的に豊かになると音楽も説得力のあるものになるのだなと実感しました。
とにかく自分でどんどん動いて
私は日本の大学を卒業してすぐにドイツに行ったわけではありませんでした。やはり外に出る事は怖かったです。でも全部が中途半端でいる自分が本当にいやでした。留学したらなにか変えられるかもしれないと思い、今しかない!と若さと勢いと無知さでとにかく突っ走っていました。ドイツという国をとっても、地域ごとにそのルールは違い、提出する書類も担当する人によって違ったりするので、結局は自分でどこまでどうするかが問われました。行動力のある人はその分だけチャンスがあります!
学校のお気に入りのホールでリハ
私のドイツ語勉強法
「日本ではなるべくお金をかけずに」
私は大学の時の授業で初級コースでドイツ語をとっていました。週に2回、文法とスピーキングだったのでドイツ語を使って喋る抵抗は少しなくなっていました。日本にいる時はなるべくお金をかけたくなかったので、NHKのラジオ講座で毎日きちんと文章を暗記するようにしていました。音大生は耳からの情報処理が得意なので、聞いて覚えるのが早いと思います。ドイツに行ってからは、平日毎日語学学校に行って本格的に始めました。
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