留学先の国の特徴や留学情報をご紹介。
国ごとの違いを明確に知り、自分にあった留学先を見つけましょう。

大学・大学院・短期大学・専門学校 日本にある代表機関を通して留学

30代 女性

  • 都市名: ブダペスト
  • 学校名: センメルワイス大学
  • 専攻名: 医学部
  • 留学期間: 2013年6月~2021年6-7月予定
  • 留学形態:日本にある代表機関を通して留学
  • 奨学金:なし
留学に至った動機
高校時代にアメリカ人を日本で観光案内する機会に恵まれ、海外の人と触れ合い、関わることに興味を持ち始めました。そこから自然と留学システムのある日本の大学や海外の大学に進学したいと思っていました。
留学先(国、大学)を選んだ理由
ハンガリーには医学部英語コースがあったためです。もちろんアメリカやイギリスでも英語で医学が学べますが、学費が高く入学もとても難しいです。そのためハンガリーの医学部を選びました。
ハンガリーの中でも生活環境の観点から首都のブダペストを選びました。
留学前の準備
ハンガリーの医学部を知ったのが4月、説明会への参加と受験をしたのが5月、そしてハンガリーへ渡航したのが6月なのであまり順当に準備する時間はありませんでした。
持っていって便利だったものや不要だったもの
炊飯器やお米は持っていってよかったと思っています。また当時ハンガリーにはあまり日本の物が売っているお店はなかったのでふりかけやお味噌汁の素、海苔なども役立ちました。
不要な物としては衣類でしょうか。何箱か郵送で送りましたが、趣味嗜好も変わり、着ずにチャリティーに出してしまったものが多いように感じます。
留学前の情報収集方法
ハンガリーの概要については外務省のHPで治安や人口などの情報を収集しました。
当時はハンガリーの医学部へ進学した日本人も少なく、まだ卒業生も出ていない状況でした。そのためツイッターやブログなどを漁り、少しでも医学部留学に関する情報を得られたらと考えましたが、なかなか見つけられませんでした。
留学前・留学中の語学学習方法
留学前は慌ただしく、語学を勉強する時間もありませんでした。留学前は英語は全く話せなかったのですが、現地での3か月間の英語研修(6~8月)、1年間の予備課程の間になんとか医学部で勉強する程度の英語を身に付けました。
ただ、英語研修で十分だったわけではなかったため、ハンガリー人や海外からの留学生と積極的に交流するなど自分で努力してコミュニケーション能力を身につけました。
出願
日本にある代表機関に卒業証書、高校の成績証明書などの書類を提出、その後日本にある代表機関内で英語試験(TOEIC,TOEFLなど)と日本語での面接を受けました。
提出書類についてはセンメルワイスセンメルワイス大学にも同様の書類を提出しておりますが、資料の英訳などは日本にある代表機関が代行しました。
入学試験、試験対策
ブダペストの予備課程ではセンメルワイス大学を含むハンガリー国内の4大学(デブレツェン大学、ペーチ大学、セゲド大学)から進学先を選ぶことが可能です。

試験では、ブダペストの予備課程に各大学の先生が訪問し、センメルワイス大学以外の大学を志望した場合も、ブダペストで試験を受けることができました。

試験では、英語の筆記試験の他、医療英語、生物と化学の口頭試問がありました。主に英語を話せるかをチェックされました。

試験勉強については、予備課程の授業をきちんと受けていればちゃんと受かるように思いました。
滞在許可の取得
滞在許可証はハンガリー到着後、1か月以内に取得する必要があり、英語の残高証明書、住居証明の書類提出が求められます。ただし、移民局は常に混んでおり、朝6時にいっても手続きに時間がかかります。
滞在許可は最大2年のため、できるだけ2年の滞在許可を得られるように証明する残高を多くするなどの工夫をしています。なお、滞在許可については申し込み書類などはハンガリーにある代表機関でも用意しており、取得についてもサポートがあります。
留学にかかった費用
1年間の学費: 約1,800,000円(大学によって異なる、年々上昇)、入学金もありますが、日本の大学のように高額ではありません。
  • 日本にある代表機関への納付金:代表機関に確認のこと。
  • 生活費: 約100,000円/月
お金の送金・管理
学費、日本にある代表機関への納付金は両親に日本から直接振り込みしてもらい、生活費は毎月私の日本の銀行に振り込んでもらっています。基本的に日本のクレジットカードで支払いし、現金が必要な場合は現地で引き出して使用しています。日本にある代表機関の紹介で一度ハンガリーでライファイゼン銀行の口座を作りましたが、維持費がかかり常時一定のお金を入れておく必要があったため、解約しました。
健康管理
保険は大学でカバーされており、基本的な診察は大学または総合診療医で無料で受けることができます。何か困ったことがあればほとんど学校(大学病院)で先生に診てもらっています。ただし、歯科は保険適用外となっています。
また健康診断は日本に帰国した時に受診しています。
本コース・準備コースそれぞれについての学校生活
予備課程では、午前9時~午後3時まで授業があり、科目は化学、生物学、物理学、英語、医療英語、ハンガリー語でした。日本人留学生は1学年200人程度のうち20人程度で日本人同士で固まってしまうことも多かったため、他の国の人と交流するように努めていました。
現在は1クラス10~15人程度で、その内日本人は自分を含めて3人です。1年次は朝~昼過ぎまで授業でしたが、現在は病院実習を行っています。クラスメイトや他の学生とは、試験期間終了後やセメスター開始直後の時間がある時にパーティーを開いたりして交流しています。
授業以外の活動
休学して日本に帰国していた時に、医療関係の学生団体に所属し、そこからさらに日本の医療関連の研究会に所属しています。 例えば、医療ガバナンス研究所(福島)という団体に所属し、そこでは主に論文を書いたり、文章を書いて発信することをご指導いただいております。また、福島原子力発電所事故後の避難地域の医療・研究も担っており、福島にお邪魔して(病院実習や論文執筆を含む)勉強させていただくことも多々あります。
ハンガリーでは学校の生徒会に所属し、国際的なパーティーの開催や、カリキュラムについて、学生から意見集約を行い、大学に提言するなどの活動を行っています。
食事・住居
食事については主に自炊でサラダなどを作っています。たまに日本食材を購入したり、和食をレストランに食べに行くこともあります。
住居については、Facebookなどで空き物件の情報を収集しています。ハンガリーに来た時には日本にある代表機関からのアパートの紹介もありましたが、家賃が高かったです。現在はスペイン人の友人とルームシェアをしています。
現地の治安状況・注意したことなど
ハンガリーに来てすぐにニセ警官の被害に遭い、知らない人に話しかけられた後、警官を装った人物に尋問され、財布から紙幣を盗まれることがありました。スリに気をつけています。
生活の中での使用言語
学校の授業や友人との会話は英語ですが、街中や病院での診療の際にはハンガリー語を用いています。
通信(電話・インターネットなど)
携帯電話はこちらのSIMカードを契約しています。約2,000円/月で電話、インターネット、など不自由なく利用できています。
日本への通話などはLINEやスカイプなどのインターネット通話を利用しています。
自宅のインターネットは約3,000円/月で契約しています。
気候
夏は日本より過ごしやすいです。冬はブダペストもそんなに雪が降ることはありません。
異文化理解・交流
インターナショナルコースなので、色々なバックグラウンドの人が集まります。現地の声が直接聞けるという大きなメリットがありますが、時に政治的なことで摩擦が生まれることもあります。基本的には学校内では政治の話はしない、という暗黙のルールがあります。
現地での各種相談先
ハンガリーに来たばかりの時は日本にある代表機関の現地コーディーネーターさんに相談していましたが、最近はハンガリー人の友人やその家族に相談しています。
日本の病院とハンガリーの病院の違い、ハンガリーの医師の印象
日本の病院の方が施設や設備も整っているように感じます。
総合診察に関して言えば、ハンガリーでは大雑把な診察が多いように感じます。
欧州全体になりますが、「医師も人」という考えが根付いており、プライベートと仕事を分けています。
留学後の進路
まずは日本に帰り、日本の医師免許取得と保険医の資格取得に必要である初期研修は受ける予定です。
その後は機会を見つけて繋がりのあるハンガリーやドイツでも医師として働くことができたらな、と考えております。
2年次終了時の試験対策、口頭試問の対策
私の大学では2年次の最終試験が最も難しい(多くの人が落ちてしまう)試験だと言われています。2年間で習ったことをまとめた総試験のようなもので、とにかく膨大な量を勉強しなければいけないのが大変だと言われている要因です。ただもうこれはコツコツと勉強する以外に方法はないように感じます。一夜漬けでなんとかなるような量でもないですし、きちんと時間をかけて理解しなければいけないものばかりのように感じます。
試験範囲など先輩からの情報収集を行ったり、自分一人で閉じこもってしまわないように、週1回くらいは友人と一緒に勉強するなどの工夫をしました。
臨床実習先の探し方
臨床実習はハンガリーとドイツで行いましたが、ハンガリーについては通っているセンメルワイス大学病院で行い、ドイツでの臨床実習の際には、自分で行きたいドイツのエリアの病院にメールで連絡しました。
日本での国家試験に向けて苦労したこと、アドバイスなど
まだ本格的に勉強を始めたわけではないのでなんとも言えませんが、やはり今まで勉強した医療英語を全て日本語に直していかなければいけません。日本語の参考書を見ても病気の名前から機械の名前まで違うことも多く、そこが苦労するのではないか、と考えています。
日本を出国してから医師になるまでかかる見込み年数
(予備課程は通さずに)いきなり大学に通いはじめ、留年や休学をせずに全てスムーズにいけば、出国して7年で日本で医師として働くことができます。(こちらの大学の卒業が夏であるため、2月の国家試験まで半年間空いてしまい、日本で働けるのは出国から7年後となります。)
就職活動の開始時期とその方法
日本では研修医マッチングと呼ばれるシステムが(就職の前年度)夏~秋頃にあり、その前に病院見学などをして希望研修病院を選ばないといけません。5年次の冬くらいから就職活動を開始します。
後輩へのアドバイス
やりたいことをやりたいときに頑張るべきだと思います。
実習関連でいえばハンガリー語をやっておけばよかったと思っています。
ハンガリーは近年発展しているため、大学の進学先としてはおすすめです。

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。