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奨学金留学
体験レポート
留学先国・地域:アイスランド・レイキャビク
学校名:アイスランド大学
専攻名:食品科学
留学期間:2025年8月~2026年5月
留学形態:学士課程(日本の大学在学中の留学)
奨学金名:JASSO給付型「海外留学支援制度(協定派遣)」
在籍している日本の学校の奨学金
留学の動機について
Q. 留学をしようと思った動機を教えてください。
中学生の頃から漠然と長期留学に行くと決めていました。それは英検の塾の先生の影響が大きかったと思います。やっていくうちに英語を学ぶのが楽しいと思えるようになりました。正直、留学へ行きたいと思ったのは、日本と違う大きく感情が動かされ、ワクワクするものがたくさんあるのでは、また留学を通じて自己の成長につながるのではないかという漠然な海外と自分への期待を持ち始めたのがきっかけだと思います。旅行とは違う、長期の留学でしか得られない学びや体験があると信じていました。
Q. 留学先の国・地域、留学先校を選んだ理由を教えてください。
アイスランド大学で自分の専攻である食品科学を学ぶことができるのが一番な理由です。その中でも少人数で、日本なら博士課程でやるような実践的な授業が受けられることが決め手でした。他には、幸福度が高いと言われる北欧に興味があったことも理由の一つです。また、大学2年生の頃に1ヶ月ベトナムに短期留学したことがあり、ベトナムや日本と全く違う環境がいいなと思いました。
Q. 留学に対する家族の反応はどうでしたか。
親は賛成してくれました。留学前はどのくらいお金がかかるか、どんな国なのか明確にはわからないままだったので精神的にも金銭的にも不安な面はあったと思いますが、それを私に感じさせず応援してくれました。兄は海外にあまり興味のない人でしたが、私が行くと聞いて「行ってみてもいいかもな」と興味を示してくれたことが、自分が家族に影響を与えられている気がして嬉しかった覚えがあります。
留学の準備について
Q. 留学にあたってどのような準備を行いましたか。留学を思い立ってから、情報収集・学校選定・出願・ビザ申請など、それぞれの準備について教えてください。
アイスランド大学および国のホームページ、アイスランド大学に行ったことがある先輩の経験談を参考にして行いました。しかし、自分が連絡することができる先輩は1人しかいない上に期間も大学も違かったので不明な部分は自分で調べ、進める必要がありました。大学選定時には、候補の大学の授業を調べ、自分の専門分野の授業があるか、どんな授業なのか比較を行いました。
Q. 参考にした情報媒体があれば教えてください。
YouTube や大学のホームページ、先輩の体験談を参考にしました。しかし、マイナーな大学でもあり十分な情報は得られませんでした。
Q. 入学や学生登録の手続き、ビザの手続きなどはどのように行いましたか。
通貨はアイスランドクローナであるため、送金するのに色々な銀行や企業の手数料を調べなるべく安くなる選択肢を探すのが大変でした。結果、Wiseを使ってユーロで送金しました。許可書が届くのが遅い上に、ビザ申請の書類を紙で現地に提出しなければならないため、DHLで急いで送りました。私は期限内に間に合いましたが、書類提出が遅れるとケニタラと呼ばれる、日本でいうマイナンバーカードの取得が遅くなり、到着後の手続きがより遅く大変になるので注意が必要です。
Q. 留学中の住まいはどのように探しましたか。
学生寮を申し込みました。大学のホームページに記載があると思われます。5月に申し込んで100人待ちであったが入寮することができました。私はトイレとシャワー付きの1人部屋でキッチンは8-14人で共用でした。ルームメイトはインタナショナルで私のエリアはヨーロッパかアメリカ出身がほとんどでした。洗濯機と乾燥機は建物全体で共有であり、無料で使うことができました。初めは孤独を感じることもあるのでシェアを選択したのは人と関わる機会を得ることができてよかったと感じています。半年以上滞在する人は国から住宅補助金(housing benefit)がもらえるため申請するべきだと思います。
Q. 語学学習はどのように行っていましたか。
TOEFLの勉強をしていました。留学前のTOEFLは、78点であり、大学の要件に足りていない程度でした。
Q. 留学にはどのくらい費用がかかりましたか。留学の資金調達はどのように行いましたか。
航空券:28万
ビザなどの申請:3万
保険(東京海上保険とSjova):8万4,000
住宅費・光熱費:16-17万/月(住宅補助を引くと10-11万)
生活費:8万
合計237万円ほど(内1カ月ほど旅行に行っておりその分は抜いています)
基本食事は自炊で、肉や魚などのたんぱく質源は高いので毎日は食べていませんでした。日本と同じような食生活をしようとするとより高くなると思います。春や夏はなるべく徒歩で移動していたため、交通費もかなり節約しています。
奨学金に関して、JASSOから合計100万、大学から20万いただきました。私はサーチ不足で間に合いませんでしたが、アイスランドには渡辺奨学金と呼ばれるものがあるので強くお勧めします。
留学中の様子について
Q. 留学中の学校生活はどうでしたか。日本の学校との違いや、海外の学校だからこそ苦労すること、学校生活での楽しみなどを教えてください。
留学中の学校生活は、日本の学校と比べて発表やディスカッション、グループワークの機会が多く、初めは大変でした。日本では講義を聞いてノートを取る授業が多い印象でしたが、アイスランドでは少人数の授業が多く、自分の意見を求められる場面が多くありました。また、積極的に発言する学生も多く、ただ授業を聞くだけでなく、自分で考え、発言し、相手と話し合いながら学ぶ姿勢が必要だと感じました。
日本の学校との違いとして印象的だったのは、学生の年齢層や背景が幅広いことです。若い学生だけでなく、さまざまな年代の方が授業を受けており、赤ちゃんを連れて授業に参加しているお母さんがいたこともありました。このような光景から、学ぶことが年齢や生活状況に関係なく開かれている雰囲気を感じました。
一方で、海外の学校だからこその楽しさもありました。食品開発の授業では、実際に製品コンセプトを考え、試作し、プレゼンを行うなど、実践的な学びが多くありました。また、先生や企業の方との距離が近く、少人数で丸机を囲んで話すようなカジュアルな雰囲気も印象的でした。発表やディスカッションは大変でしたが、自分の興味のあるテーマについて話す時は、英語の不安よりも「伝えたい」という気持ちが強くなり、楽しいと感じることもありました。
Q. 学校外の生活はどうでしたか。寮などでの生活や休日の過ごし方、町の治安などについても教えてください。
学校外の生活では、学生寮での生活や友人との交流を通して、授業以外でも多くの学びがありました。休日は、友人とプールに行ったり、ハイキングや旅行をしたりして過ごしました。アイスランドは自然がとても壮大で、滝や山、海岸などを訪れるたびに、日本とは異なる自然環境を肌で感じることができました。
町の治安は非常に良く、生活しやすいと感じました。夜に女性1人で歩くのはもちろん、子供が歩いても安全だと思います。荷物を置きっぱなしにしても取られません。日本よりも安全と言えるかもしれません。また、物価は高く、外食はお金がかかるため、友達と一緒に料理をすることもありました。冬は特に日照時間が少ないのでなるべく人と関わるように意識しました。さらに、Iceland Fisheries ExpoやScience Weekなどのイベントにも参加し、アイスランドの産業や大学の社会貢献活動に触れられたのは貴重な体験でした。展示会では、水産業における自動化技術や食品産業の特徴を知り、Science Weekでは子ども向けに研究を分かりやすく伝える工夫を学びました。他にも食品に関するスタートアップが集まるものなど様々なイベントに参加しました。
大学のジムでバスケや運動もしていました。冬は特に家にこもり、運動不足になりがちなのでいい運動しながら人とコミュニケーションをとり、気分転換になりました。休みの期間を利用し、友達とヨーロッパやスカンジナビア(ノルウェー、スウェーデン、デンマーク)、カナダなどの国に他国に旅行にも行きました。同じ北欧であっても、違いが感じられるいい機会でした。
Q. 留学中の生活で大変だったことを教えてください。また、それをどのように克服、対応しましたか。
留学中、特に初めの頃に大変だったことは、英語面と生活環境の両方に慣れることです。英語面では、授業や日常会話を聞き取れないことがあり、自分の意見をうまく伝えられるか不安に感じる場面が多くありました。特に発表やグループワークでは、専門的な内容を英語で話す必要があり、強い緊張感がありました。そのため、分からないことを曖昧にせず、聞き返すこと、確認すること、自分の考えを伝えることを意識しました。また、グループワークでは作業の進め方や考え方の違いに戸惑うこともありましたが、その中で自分の強みを活かしてできることは何かを考え、相談しながら実行することでチームに貢献しようと努めました。
生活面では、シェアキッチンで人に話しかけることにも初めは勇気が必要でした。しかし、小さな挑戦を続けることで、少しずつ友人との交流が増え、現地での生活にも慣れることができました。その結果、会話や授業でのやり取りにも徐々に慣れ、英語を使うことへの不安も減っていきました。
また、アイスランドの冬は天気の変化が激しく、風が強い日も多いため、日本のように自分の予定に合わせて行動するのではなく、天気や日照時間に合わせて行動する必要がありました。最初は不便に感じることもありましたが、現地の環境に合わせて生活することで文化やその地の生活を肌で感じることができました。
留学後について
Q. 留学を経験してみて感じたこと、学んだことはありますか。留学前と比べて成長した面はありますか。
留学を経験して感じたことは、「実際に行ってみないと何ができるのか、何を感じるのかは分からない」ということです。留学前は、英語能力の向上、異文化交流、実践的な授業という言葉を目的として考えていました。しかし、実際にアイスランドで生活する中で、それらは表面的な言葉ではなく、自分の肌で感じて少しでも「知る」ことに近づくためのものだと感じました。
特に印象に残っているのは、アイスランドの自然の中で生活した経験です。ハイキングだと言われて参加した遊びが、実際にはロッククライミングや崖の端を歩くようなものであったり、滝を裏から見た時に水しぶきでびしょびしょになったりしました。また、山登りの途中で冷たい雨が降り始め、息ができないほど風が吹き、体温が下がっているのを感じた時には、自然の壮大さと人間の無力感、ちっぽけであることを実感しました。日本では自分の予定に合わせて生活することが多かったですが、アイスランドでは天気が良いうちに買い物に行く、日が出ているうちに外に出るなど、自然に合わせて生活する感覚がありました。
また、友人との会話を通して、日本を外から見る機会も多くありました。例えば、宗教の話になった時、日本ではクリスマスを祝い、その数日後には神社にお参りに行くことを話すと、友人から「そういう文化いいね、好きだよ」と言われました。私にとっては当たり前すぎて、好きか嫌いかを判断する対象として見たことがなかったため、はっとさせられました。この経験から、他の文化を知ることだけでなく、今まで考えたこともなかった日本の文化や価値観を見つめ直すことも、異文化交流の良いところだと感じました。この経験を通して、知識として知っていることと、実際に経験して理解することは違うと学びました。留学前よりも、物事を一つの視点だけで見るのではなく、文化、自然、生活、人との関係など、多角的な面から考えられるようになったと思います。
Q. 留学後の進路について教えてください。
学士課程卒業後、修士課程に進み魚の鮮度に関する研究を続ける予定です。その後は、食品の価値を科学的に捉え、人々が納得して食を選択できる社会に貢献したいと考えています。
Q. 最後にこれから留学をする方へのメッセージ・アドバイスをお願いします。
「考えて、行動、挑戦し続ける」ことを大切にしてほしいです。留学に来た、全く違う環境で生活をする、授業を受ける、異なる言語を話すこともすごい行動で、挑戦だと思います。ただ、どこかで慣れて、comfort zoneになってしまうこともあります。だからこそ、小さな挑戦でいいので、自分から人に話しかけたり、授業で発言したり、イベントに参加したりしてほしいです。最初は、英語に授業、生活などすべてについていくことに必死になると思います。英語が聞き取れなかったらどうしよう、話せなかったらどうしようと心配になることもあるかもしれません。しかし、分からない時は聞き返せばいいし、確認すればいいと思います。正しい英語かどうかよりも、自分が英語で話し、それを相手が理解してくれることが大切だと感じました。また、留学では自分の専門分野や学びたいことがあると、その価値を強めることができると思います。Lecture中心の授業で終わらすこともできますが、グループワークやプレゼン、ディスカッションがある授業に飛び込むことで、自分で考え、行動する機会が増えます。自分でしっかり考えて、本気になったものほど、身になっていると感じました。そして、分からないことを曖昧なままにしないことも大切です。私自身、チームで取り組む中で、自分の分からなかったことや今後の方針を相手に尋ねたことで、すごくスッキリしました。自分の曖昧な分からない部分をあやふやにせず、はっきり相手に伝えることができたことは、自分にとって成長だったと感じています。留学は、時間の制限、周りに新しいことが多くある、comfortではない環境に囲まれている、二度と来ないかもしれない土地、学生という肩書という挑戦しやすい環境、自分の背中を押してくれる環境だと思います。この環境を最大限に活かして、自分のものにしてほしいです。
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