留学先の国の特徴や留学情報をご紹介。
国ごとの違いを明確に知り、自分にあった留学先を見つけましょう。

大学・大学院・短期大学・専門学校 奨学金留学

留学先国・地域:英国、ロンドン
専攻名:TESOL(Teaching English to Speakers of Other Languages)
留学期間:2023年9月~2024年9月
留学形態:修士課程
奨学金名:JASSO給付型「海外留学支援制度(大学院学位取得型)」

Q. 留学をしようと思った動機を教えてください。
動機は大きく2つあります。
①海外大学院に行くことを考えた最初の動機は、コロナ禍で途絶えた学部時代の長期留学という夢を諦めきれなかったからです。もともと高校生の時から、海外の教育はどのようなものか、自分は世界で通用するのか、世界の同じ世代の人は何を考えているのか、異文化はどうなっているのか、どんな価値観を皆持っているのかと、好奇心を抱いていました。そして進路に悩んだ際、社会人になる前が、留学の夢を叶える絶好のチャンスだと考えました。

②もう一つの大きな動機は、第二言語学習や教育分野への関心が強かったからです。自分が英語を学ぶなかで第二言語学習の難しさを感じ、教育実習や塾での塾講師の経験から日本の教育現場における苦悩を感じ、言語学習に対し日本とは異なるアプローチが主流の海外の教育を学びたいと思いました。

Q. 留学先の国・地域、留学先校を選んだ理由を教えてください。
ロンドンの大学院を選んだ理由は大きく3つです。
①英語教育の知見を深め、自身の英語能力も向上させるために英語圏の留学先を志望していました。
②その中でも、イギリスの大学院は、より短期間(1年間)で集中的に学ぶことができることに加え、アメリカやオーストラリアの大学院と比べると留学費用が少なく、手が届きそうだったためです。また、イギリスの大学院は研究(修士論文の執筆)ができることから選びました。(アメリカやオーストラリアはコースワークのみのプログラムも多いです。)
③教授、カリキュラム、立地、学校の歴史等を総合的に判断し、自分のニーズに合っている大学院に出願しました。 

Q. 留学に対する家族の反応はどうでしたか。 
費用面が不安で少し留学に躊躇う時期もありましたが、ありがたいことに両親が背中を推してくれ、留学をする決断ができました。

Q. 留学の準備にはどのくらいの期間を要しましたか?
留学を思い立ってから、実際に出発するまで、情報収集、学校選定、出願、ビザ申請など、
それぞれの準備段階にわけて教えてください。
2021年6月より留学の検討を始め、2023年9月に出発しました。
2021年6月:海外大学院への進学の検討開始
2021年8月:進学を決め、下記の情報収集や応募準備を開始
①専攻分野の学習&研究テーマの深堀 
②留学先大学院を幅広くリサーチ
③TOEFLiBT学習
2022年2月:応募先大学院の選定&出願の必要条件の確定(GPA、推薦状、語学テストのスコア、エッセイの内容等)
2022年7月:出願書類を本格的に作成開始&推薦状をお願いする教授へのコンタクト 
2022年11月:志望校に出願
2023年2月:合格通知&寮の申し込み 
2023年7月:VISA出願
2023年9月:出国

Q. 留学情報の収集はどのように行っていましたか? 使用したウェブサイト、雑誌、イベント、SNS(YouTube、Twitter等)などがあれば、あわせて教えてください。
下記の情報ソースを利用していました。
・所属大学の海外大学院留学コミュニティ
・XPLANE(Slackコミュニティ)
・Beoの留学フェア 
・出願予定大学のウェブサイト

Q. 留学中の住まいはどのように探しましたか?
大学院のサイトで寮を探しました。

Q. 語学学習はどのように行っていましたか?
大学での授業の他に下記を行っていました。
①毎日英語のニュースを読み、それに対する意見を英語のエッセイとして記述
②自分の専攻分野の英語論文を熟読
③TOEFLの単語帳
④移動中のポッドキャストリスニング
⑤海外ドラマの視聴  

Q. 留学(あっせん)サービスなどは利用しましたか?
利用していません。

Q. 留学にはどのくらい費用がかかりましたか。留学の資金調達はどのように行いましたか?
合計800万~850万円ほどで、内訳は以下です。
学費:約400万円
寮費:約250万円
食費:約60万円
その他(航空代、保険、娯楽、必需品等):約120万円  

Q. 準備しておいてよかったこと、また準備しておいたほうがいいことなどはありますか?
①最も気をつけた方がいいことは、志望校の入学要件を真っ先に確認することです。学校によっては、大学時代に受講した講義が入学要件として課せられている場合もあります。そのため、自分が要件をクリアしているのか、クリアしていないとすれば、何をすればいいのかを、手遅れになる前に把握することが大事です。
②また、英語のスコア取得は早いうちから準備することをお勧めします。先に英語のスコア要件をクリアすることで、出願時はエッセイの準備などに集中することができます。また、英語要件によって自分の選択肢を狭めないように、できるだけ早くからコツコツ勉強することが大事です。  

Q. 入学や学生登録の手続き、ビザの手続きなどはどのように行いましたか? 
特に苦労したことや気を付けたほうがいいことなどが教えてください。

①全て自分でやりました。大学からも案内が来るので、それに従う形でした。ビザ登録等のサポートサービスを利用する選択肢もあるとは思いますが、海外大学院に合格することのできる英語力がある人であれば、どのプロセスも自身の力だけで問題ないと思います。不安な場合は、過去の経験者のブログ等を参考にすれば、方法も丁寧に記載されているケースが多いため、スムーズに手続きをできます。
②気を付けるべきことは、住む場所を早めに確保することです。世界中の人が一斉に寮の予約をすることになるため、入学する大学を決めた段階で真っ先に寮の予約をすることをお勧めします。私の時は、寮の予約が争奪戦のようになっていて、一番利用したかった寮は既に満員になっていました。  

Q. 留学中の学校生活はどうでしたか?
日本の学校との違いや、海外の学校だからこそ苦労すること、学校生活での楽しみなどを教えてください。
①学業に関して最も大きな違いは、成績評価が完璧な成果主義なところです。日本の大学では出席点や講義での態度・積極性等が成績評価に影響することがあると思います。イギリスの大学院では、学期末の成績は提出物のみで評価され、提出物は全て匿名で採点されます。そのため、いくら講義で頑張っていても、提出物のクオリティが低い場合落第する可能性があるということです。
②学校生活の楽しみは、ソーシャルと呼ばれる立食パーティのようなものが年に数回学部で行われたことや、寮では定期的に交流企画があったことです。ロンドンは世界中の国から学生が集まっており、初めて聞いた地名出身の人も多かったです。そのような多種多様な学生と出会い、関係を築けたことが日本では味わうことのあまりない楽しさでした。  

Q. 学校外の生活はどうでしたか? 寮などでの生活や休日の過ごし方、町の治安などについても教えてください。
①寮に住むと、様々な国の人、様々な専攻分野を持つ人と交流を持つことが楽しかったです。彼らと一緒に勉強や料理をしたり、日々の生活を送ったり、貴重な異文化交流の機会でした。新しい世界、価値観に触れると同時に、改めて日本の良いところにも気がつきました。ただ、共に生活をすることになるので、寮内でトラブルになっているケースも見受けました。適切なコミュニケーションをとる力が大事でした。
②また、正直学業が忙しく、休日もあまり休むことはできませんでしたが、長期休暇の際には友達とディナーに行ったり、ロンドンからはヨーロッパ諸国への旅行もしやすかったです。
③ロンドンの治安に関して心配になったことはありませんが、スマートフォンを盗まれている友達もいたので、貴重品の持ち運びには配慮が必要です。

Q. 留学中の生活で大変だったことを教えてください。また、それをどのように克服、対応しましたか?
学業のタイムマネジメントです。克服の方法は、学業に費やす時間を増やすことと、生産性を高めることです。
①時間は物理的に睡眠時間を減らさなくてはいけない場面も多々ありましたが、できるだけ料理を簡略化し、毎日決まったルーティーンを作ることで、無駄な時間を減らし、学業に集中しました。特に、自転車を購入し移動時間を減らすことができたことがとても効果的でした。ロンドンであれば、自転車利用はお勧めです。
②生産性に関しては、自分が集中できる勉強環境を確保することが大事です。また、一人だけで勉強をするのではなく、時には留学先の友達と協力し合って学問の理解を進めることができました。 

Q.  アルバイトやインターンなどの活動はしていましたか?
チャレンジしてみたかったですが、学業が忙しくできなかったです。

Q. 留学を経験してみて感じたこと、学んだことはありますか? 留学前と比べて成長した面はありますか。
①留学中に感じたことは、私は日本がとても好きということです。イギリスで1年間暮らし、世界中の学生と交流する中で、日本人としてのアイデンティティが強くなりました。留学中に私の視野が広がっただけでなく、日々の会話から、食、アニメ、インフラストラクチャー、車、家電製品など、数えきれない分野で改めて日本の魅力を認識し、日本の様々なところに改めて誇りを持ちました。
②学んだこととしては、もちろん学問の知識が深まりました。それ以外で留学前と比べ特に成長したと感じることは、より自立した人間になったことです。ロンドンの大学院には、とても自由な人がいたり、とても真面目な人がいたり、自我(my way)を貫いている人がたくさんいました。そんな人達と1年間時間を過ごす中で、私も以前より自分の意見を表明するようになったと感じます。また、初めての一人暮らしで、自立したという意味もあります。  

Q. 留学後の進路について教えてください。
日本で働き、「人」という観点から社会に貢献することで、日本の国際競争力の強化に寄与したいです。様々な選択肢を模索していますが、将来的にはアカデミアか教育現場に携わりたいと考えています。

Q. 最後にこれから留学をする方へのメッセージ・アドバイスをお願いします。
①大学院の正規留学は、勉強に割く時間が圧倒的に多いです。そのため、集中して何かの学問を学ぶにはとても良い環境だと思います。つらいことも多いかもしれませんが、努力をすれば乗り越えられると思いますので、応援しています! 
②また、留学がどれほど充実するか決まる一つの要素は、留学前に身につけた語学力にあると思います。留学を通して英語を学ぶのも大事ですが、できるだけ留学前に英語を身につけることで、現地での人間関係の構築しやすさが変わります。授業の理解度も深まりますので、できるだけ留学前に英語の勉強を頑張ってください!  

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。