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交換留学・奨学金留学
体験レポート
留学先国・地域:ブラジル・サンパウロ
学校名:サンパウロ大学
専攻名:人文学
留学期間:2023年8月~2024年2月
留学形態:日本の大学在学中の留学(学士課程)
奨学金名:トビタテ!留学JAPAN、佐々木泰樹育英会
留学の動機について
Q. 留学をしようと思った動機を教えてください。
留学しようと思った動機は、子供の頃から世界の旅番組が好きでよく見ていたからなのか、外国(ここではないどこか)への憧れです。
Q. 留学先の国・地域、留学先校を選んだ理由を教えてください。
留学先の国・地域は、学部生の頃ポルトガル語専攻だったことが決め手です。大学受験で外国語大学を受験する際、日本から遠い国で高校の世界史では学べなかった国のことを知りたいと思って、ラテンアメリカを選びました。
ここでスペイン語とポルトガル語の二択になるのですが、音の響きが好きだったので直感でポルトガル語にしました。学部時代の勉強の集大成としてブラジル留学を目標にしていましたが、学部時代の留学計画はパンデミックにより中止となり、大学院時代にリベンジすることに決めました。大学院の交換留学制度を利用して、また研究テーマとの親和性も高いため、サンパウロ大学を選びました。
Q. 留学に対する家族の反応はどうでしたか。
留学に対して家族は応援してくれましたが、治安等の安全面を心配していました。
留学の準備について
Q. 留学の準備にはどのくらいの期間を要しましたか。
留学情報の収集は、既に留学した知人友人を頼り、またインターネットでとにかく検索しました。ポルトガル語学科のある他大学の留学体験記を参考にしていました。
Q. 留学情報の収集はどのように行っていましたか。
留学を思い立ったのと学校選定は、大学院の合格を知った2023年3月時点で完了しました。情報収集も同時期から少しずつ進めました。出願は交換留学制度を利用したので、大学から提示される締切に従いました。ビザ申請は予約や準備書類など時間がかかったので、早め早めに進めるとよいと思います。
Q. 留学中の住まいはどのように探しましたか。
まずは大学の寮を検討しましたが、交換留学生(=学位取得しない学生)は入寮の対象外でした。そこから知人友人先生を頼り、結果としては先生の知人の方のお家にホームステイをさせていただけることになりました。そこで二か月暮らしながら、家を探し、結果としては同時期に同大学に通っていた他の日本人留学生のいるシェアハウスに引っ越ししました。
Q. 語学学習はどのように行っていましたか。
大学の授業で行いました。
Q. 留学(あっせん)サービスなどは利用しましたか。
恥ずかしながら留学斡旋サービスという存在を知らず、利用していません。そもそもブラジルは留学先としてマイナーなので、サポート対象地域ではあまりないのかもしれません。
Q. 留学にはどのくらい費用がかかりましたか。留学の資金調達はどのように行いましたか。
留学の資金調達は、奨学金と貯金と親からの支援です。奨学金の情報収集は、親がトビタテ!留学JAPANを高校生の頃に勧めてくれたので、その時点で知っていました。申請書類の準備は一人で行ないましたが、面接準備は有志の皆で進めました。総経費は約1,720,000円でした。
Q. 準備しておいてよかったこと、また準備しておいたほうがいいことなどはありますか。
準備しておいてよかったことは、スマートフォンを二台用意することです。何かあってもWi-Fiがあれば連絡できると思うことができ安心でした。
準備しておいたほうがいいことは、国際ブランドのクレジットカードとデビットカードで一枚ずつは持っていけばよかったです。親に送金の手間を掛けました。
Q. 入学や学生登録の手続き、ビザの手続きなどはどのように行いましたか。
特に苦労したことや気を付けたほうがいいことなどが教えてください。
入学や学生登録の手続きは交換留学制度を利用したので、大学から提示される締切に従いました。ビザの手続きは自身で行いました。特に苦労したことや気を付けたほうがいいことは、スケジュール管理です。
留学中の様子について
Q. 留学中の学校生活はどうでしたか。
日本の学校との違いや、海外の学校だからこそ苦労すること、学校生活での楽しみなどを教えてください。
留学中の学校生活は、学生の起こしたストライキで特に後半はほぼ授業がありませんでした。ストライキの理由は複雑で、発端はサンパウロ大学の日本語コースの先生の不足(退職するのに新しい先生を募集しない)への抗議だったと理解しています。そこから派生して、教職員のジェンダーバランスなど、議題が追加されていきました。日本の学校との違いもそこで、学生の主体性が全く違いました。これもまた私の理解なので誤っていたら申し訳ないのですが、中心メンバーの一人が「ストライキをして授業がなくなって私は単位不足で今年卒業できないけれど、大切なことなのでこのタイミングでストライキをしている」と言っていたように記憶していて、凄いと思いました。海外の学校だからこそ苦労することは、ひとえに私の語学力の不足で、授業内容を理解できず、苦労しました。
学校生活での楽しみは、一食90円の学食と構内の90円のカフェオレと豊富な資料のある図書館でした。
Q. 学校外の生活はどうでしたか。寮などでの生活や休日の過ごし方、町の治安などについても教えてください。
寮には入らず、ホームステイとシェアハウスをしました。休日の過ごし方は、ブラジル国内を旅行しました。町の治安は心配していたほどではなく、ただしUberなど配車サービスを利用し、一人ではあまり行動しないようにしていました。
Q. 留学中の生活で大変だったことを教えてください。また、それをどのように克服、対応しましたか。
留学中の生活で大変だったことは、現地に銀行口座を開設しなかったことで、送金サービスを利用できなかったのですが、現金かクレジットカードで対応しました。
Q. アルバイトやインターンなどの活動はしていましたか。
アルバイトもインターンも行なっていません。トビタテ!留学JAPANの実践活動として、日本からブラジルに渡った移民の方々の資料館(サンパウロ人文科学研究所)に受け入れていただき、蔵書の整理を担当しました。
留学後について
Q. 留学を経験してみて感じたこと、学んだことはありますか。留学前と比べて成長した面はありますか。
留学を経験してみて感じたことは留学を目標にして良かったということです。もしもっと私が頑張れていたら、留学を手段にして真の目標を達成できたと思うのですが、コロナ禍があったせいか、留学に行けることそのものが喜びであり幸運に感じていました。
留学を経験してみて学んだことは、すぐに相談をすることの重要性と、大体のことは何とかなることの二つです。
留学前と比べて成長した面は、行動力です。具体的には、自ら連絡をして自ら赴く力や、依頼や誘いがあったときに応じる力のことです。
Q. 留学後の進路について教えてください。
留学後の進路は、独立行政法人職員です。就職活動時に留学の話をしたおかげか、初配属先は国際部に配属いただき、成長を実感しながら社会人生活を送っています。
Q. 最後にこれから留学をする方へのメッセージ・アドバイスをお願いします。
留学経験者のほぼ全員の意見かもしれませんが、留学をしたいと思う方は是非してください。また、心身の健康と安全を第一に頑張ってください。可能であれば、複数のコミュニティに所属してください。どれだけ楽しい留学にも辛くなるときはきっと訪れます。そのときに一旦逃げ込める場所があることは、心の健康を恢復するうえで力になってくれるはずです。留学は、学生の持っている「お金はないが時間はあること」と、「地位や肩書がないぶん自由に飛び込んでいける」ことを最大限活かせます。勿論留学は、必ずしも語学ができるようになり、就職活動が上手くいき、自己肯定感も他者評価も上がるなどといった万能薬ではないですが、人生をかなり豊かにしてくれるものではあります。たとえば日本に帰ってから夜眠りに着く前、満員の通勤電車のなかで、あるいはコーヒーを飲みながら、留学時代の景色や友人をふっと思い出して、じんわりと心が温まるはずです。
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