・各情報・データは作成・改訂時(2025年9月)における一般的な状況です。
・実際の状況は、教育機関、地域、あるいは時期によって異なる場合があるため、最新の情報については、各機関及び各学校のウェブサイトを必ず確認してください。
※各国の語学留学情報については、下記をご覧ください。
ドイツ語留学の目的
ドイツ語は、EU圏内で最も使用人口が多い言語で、母語話者の数は世界で1億人を超えています。ヨーロッパ経済の中心を担うドイツ語圏の国々でのビジネスチャンスを見据え、ドイツ語を学習する人の数は、世界的に見て増加傾向にあります。ドイツ語を学んで哲学書を読み、芸術を楽しみたいという人もいるでしょう。ドイツ語圏の大学で学びたい、ドイツ語を使って仕事がしたい、検定試験に合格したいなど、まずは自分が何を得たいか目標をはっきりさせましょう。
学校の種類
1.大学の言語センター
ドイツ、オーストリア、スイスのいずれの国においても、大学などの高等教育機関が言語センターを併設しています。大学の言語センターでは、一般向けの語学コースと、大学に籍がある(もしくは入学許可がおりている)学生や交換留学生向けのコースがあります。大学に在籍する学生や交換留学生のみが対象のコースもあります。
2.公的機関の運営する語学学校
<市民大学(VHS)>
ドイツ・オーストリア・スイスの各国において、地方自治体の運営する市民大学(Volkshochschule: VHS)では主に現地に住む外国人向けのドイツ語コースが開講されています。移民や留学生が多い地域ではコースが充実しています。現地に生活する移民に向けたコースですが、ドイツ語検定試験の対策コースを提供している学校もあります。市民大学の語学コースの授業料は他の語学学校などより少し安い傾向がありますが、滞在先の紹介などレッスン以外のサービスは充実していません。オンラインでの申し込みが可能な学校もありますが、海外からの申し込みを受け付けるか、支払いはどうするのかといった点については直接問い合わせてみましょう。
<ゲーテ・インスティトゥート>
ドイツと日本の文化交流促進のために設立されたドイツの公的機関である
ゲーテ・インスティトゥート(Goethe Institut)は、ドイツ国内はもとより、世界各地においてその文化活動と語学教育で重要な役割を果たしており、教材、カリキュラム、レベルの設定基準などを統一して運営しています。ドイツ国内のゲーテ・インスティトゥートは私立語学学校に比べて受講料は割高ですが、プログラム内容やサービスが充実しています。
3.私立の語学学校
私立の語学学校では、通常一年を通してドイツ語コースを開講しています。さらに、一般的なドイツ語コースに加えて、音楽など文化的要素を取り入れたコースやビジネスドイツ語といった専門コースなど多様なコースを提供しています。クラスの形態も、マンツーマンから十数名程度のクラスまで様々です。エクスカージョンの企画、寮の提供やホームステイ先の斡旋、空港までの送り迎えなど、レッスン以外のサービスも学校によっては充実しているところがあります。
学校選択のポイント
充実した留学にするためには、自分の目的と条件に出来るだけ合った学校を選ぶことが重要です。はじめから1校に絞らず、複数の学校を比較・検討してみましょう。学校のウェブサイトや直接取り寄せた資料で詳細を確認して、疑問点が出たらドイツ語や英語で直接学校に問い合わせてください。
留学する国・地域
ドイツだけではなく、オーストリア、スイス、リヒテンシュタイン、ルクセンブルグなどでもドイツ語は公用語ですが、外国人留学生向けのドイツ語コースが充実しているのは、ドイツ、オーストリア、スイスの3か国で、いずれの国でも標準ドイツ語を学ぶことが出来ますが、それぞれの地域の人が話すドイツ語には地方ごとに特徴があります。さらに、気候や文化的な条件にも違いがあります。新しいドイツを体験したいならベルリン、伝統を感じたいならミュンヘン、クラシック音楽が好きならウィーン、スイスの自然に囲まれて生活したいならベルンなど、ドイツ語を学ぶ目的や条件を考えると同時に、地域の特徴などを調べて、希望に合う学校を選ぶようにしましょう。
入学条件・時期
プログラムによっては大学生限定や年齢の上限などがある場合もあります。
通年開講しているコースの入学受付は随時行っているところが多いですが、学校によっては申し込み時期を限定している場合があるので、学校に確認をしてください。特に、観光地として人気の地域での夏期コースでは、早い時期にコースの定員に達して申し込みが締め切られることがあります。
クラス編成
多くの学校ではコース開始前に、レベル分けテストが行われます。学校の規模によりますが、1クラス5~20人ほどで、レベル別にクラス分けされます。クラスのレベル表記には、欧州言語共通参照枠(CEFR)※が使われることが多く、通常、初級(A1・A2)、中級(B1・B2)、上級(C1・C2)に分かれています。
カリキュラム
授業時間は45分が1レッスンで、集中講座の場合1週間に15~30レッスン程度が一般的なカリキュラムです。コースの期間は1週間から1か月の短期集中コースから数か月にわたる長期のコースまであります。
滞在先
ホームステイ、寮、アパート、ホテルなどの選択肢があります。学校によっては独自の寮を併設しているところもありますが、部屋の数に限りがありますので、夏期プログラムの期間など人の多く集まる時期に希望する場合はできる限り早く予約しましょう。ホームステイ先やアパート・ホテルの手配を直接行う学校がある一方、滞在先リストを紹介するのみの学校もあります。また、滞在先を決めるにあたり、部屋代だけでなく、食事付きか利便性が良いかなどの詳細も確かめておくとよいでしょう。
留学実現までのプランニング
下記の『留学までのタイムスケジュール』を参考に、留学計画を立て、準備をしていきましょう。色々な学校や地域をじっくり比較検討するためにも留学開始時期の半年くらい前から計画を立て、情報収集を始めていきましょう。行きたい学校がいくつか絞られてきたら、ウェブサイトに載っていない詳細や最新情報について留学生担当窓口にEメールなどで質問してみてもよいでしょう。学校の対応の良し悪しも学校選択をする上で考慮する一つの材料になりえます。
留学までのタイムスケジュール
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