留学先の国の特徴や留学情報をご紹介。
国ごとの違いを明確に知り、自分にあった留学先を見つけましょう。

大学・大学院・短期大学・専門学校 私費留学

最新の情報については、 ビザについては日本国内の大使館・総領事館に、学校情報は留学を希望する学校に、必ず直接確認してください。
T.T.さん(30代男性)
都市名:マドリード
学校名:マドリード・コンプルテンセ大学
専攻名:芸術学部
留学期間:2001年7月~2010年6月
取得資格・学位:学士
留学形態:私費留学
留学の動機
なぜスペインに留学しようと思いましたか?他国との比較、決め手になったことなどお答えください。
絵や彫刻などの一つのジャンルにとらわれない作家を生み出している国で美術を学びたいと思ったからです。未成年での留学開始であったため、マドリッドに保護者代わりになってくれる父の知人がいたことも大きい理由です。
留学前の準備期間、言語の勉強方法
留学を思い立ってから実際に現地へ出発するまで何か月くらいの準備期間が必要でしたか?
5か月程。
準備期間中にいちばん大変だったこと、時間は十分だったかをお答えください。
ビザ取得に必要な書類を揃えること。
留学前にスペイン語または英語をどのように勉強しましたか?語学試験は受験しましたか?
スペイン語の基礎をネイティブの方から週1で3か月ほど学びました。
語学学習において、どんな勉強方法が一番効果的だと思いますか?
現地に行き、生きた言語に触れ、慣れることだと思います。
情報収集方法
どのようにしてスペイン留学について情報収集しましたか?
知人や留学情報誌。
現地学校への問い合わせ
学校へはどのような手段で連絡を取りましたか?また、具体的な質問内容を差支えない範囲で教えてください。
知人に連絡を取っていただきました。
出願について
出願時に提出した書類(例:願書・成績証明書・推薦状・エッセイ・作品など)と、提出方法(例:オンライン・郵送・持参など)を具体的に教えてください。
願書とスペイン文部省による高校までの成績証明・承認書を直接持参しました。
入学試験
入学試験を受けましたか?またその教科や内容を教えてください。
留学1年目にコンプルテンセ大学の外国人の為のスペイン語コースを受け、2年目に私立のアカデミー(予備校)にて現地の大学入試対策を行いました。私が受けたSELECTIVIDAD(日本でいうセンター試験)の教科は以下の6教科です。

必須教科:国語(スペイン語)、文章読解コメント、英語
選択教科:美術史、スペイン文学、数学II(8教科ほどある中から自由に選べます)
それぞれ10点満点です。
この試験の点数は合計点数で競われるのではありません。

 1. まず、国語の点数×0.443+文章読解・コメントの点数×0.222+英語の点数×0.335の和で必須教科の点数を10点満点で出します。
 2. そして、選択教科の点数を3教科の平均で出します。
 3. 1.と2.の平均によってこの試験の総合点数を10点満点で出し、この点数が4点以下の場合はこの時点で失格です。
 4. 最終的に高校の平均成績(スペインの文部省によって10点満点で算出された)とこの試験の総合点数(3.)を足して2で割った平均点数が最終点数となります。
 5. 各大学、学部によって最低必要点数が設けられており、4.の最終点数次第で各学部の2次試験に進めるかが決まります。

私の場合、この後、コンプルテンセ大学の芸術学部を選び、実技の石膏デッサンの試験を受けるという流れでした。
ビザ・居住の許可等の取得
(JASSO注:手続き上の必要書類等は当該地における当時のもので、申請にあたっては、自己の責任において最新の情報を確認する必要があります。)
ビザの取得にはどのような書類や手続きが必要でしたか?気をつけた点も教えてください。
スペイン大使館領事部に必要だと言われた書類を一つずつ揃えました。
学生在留カードの取得にはどのような書類や手続きが必要でしたか?気をつけた点も教えてください。
在学証明書、保険加入証明、銀行の通帳のコピー(預金残高だけではなく、お金の流れを見るため)など。
学費、生活費、お金の送金・管理方法等
留学中にかかった学費(+諸経費)の総額はおよそいくらでしたか?どのような支払方法が便利でしたか?
授業料は教科数にもよりますが平均で年10万円ほどでした。
学費以外の生活費(住居費、食費、光熱費、教養・娯楽費など)の、1か月平均額または留学期間全体の金額を教えてください。
生活費は、一人暮らしであった為、月12万円から15万円ほどでした。ルームシェアなどをすれば月10万円以下で大丈夫だと思います。
学費、生活費をどのように捻出しましたか?(お差支えなければ教えてください)
両親。
お金をどのように管理していましたか?現地で銀行口座を作った場合、どのような手続きをしましたか?
出国前にcitibank口座を開設し、ある程度まとまったお金を入金して出国しました。現地で最寄りのcitibankオフィスにて、ユーロで下ろしていました。特徴は、レ―トは下ろす日によって変動し、下ろす度に手数料がかかります。その後、現在でも行っているかわかりませんが、La Caixa という銀行でパスポートを提示して口座を開設し、為替レートの変動に注視しながら、そちらの口座に日本の銀行から国際送金してもらっていました。パスポートで開設できない場合は、学生在留カード取得後であれば、どの銀行でも口座開設可です。
健康管理
どのような保険(タイプ・金額など)に入っていましたか?留学先校など現地で保険の指定はありましたか?
現地大手保険会社の総合医療保険に入ってました。月3,000円から4,000円ほど。
学校生活
日本の授業に比べて異なる点、スペインらしいと思う特徴、受講した感想を教えてください。
出席率は成績に関係せず、課題や試験にパスすれば良い。授業中に居眠り、おしゃべりをするぐらいだったら出席しない。
試験やエッセイ・レポート対策について、工夫や苦労した点があれば教えてください。
試験やレポート対策として単語を変えて使える基本フレーズの幅を広げることを心掛けていました。文章の流れを良くするために同じ単語を出来るだけ繰り返さないようにも注意していました。
授業やレポートにおいて、語学上・学習上のサポートはありましたか?
レポート提出前に現地のクラスメートに最終チェックをしてもらっていました。
学校の施設(図書館・PC・カフェなど)は充実していましたか?
最低限のものはそろっていました。
学校全体やクラスで、現地の学生・外国人留学生・日本人留学生の割合、学生の年齢層はどのようでしたか?
芸術学部は、ヨーロッパ各国の大学と交換留学も行っており、現地の学生と外国人留学生で8:2ほどの割合だと思います。日本人留学生は、聴講生で年に3~4名いました。現地の30代から60代の方で働きながら、午後の授業に出席してる方も1割ほどいました。
食事
普段はどのように食事をされましたか?現地の食事・飲料水・食材で苦労したこと、気をつけたことはありましたか?
自炊をしていました。カツオ、サーモン、マグロなど魚を生で食べるときは、市場にもこだわり、細菌を殺すために一度冷凍処理していました。
日本の食材を手に入れることはできましたか?日本から持参すると良い食材があれば教えてください。
基本的な日本食は高くはありますが売っています。海外で使える炊飯器を持参するといいと思います。私は圧力鍋派でしたが。
住居
留学中、どんな住居に住んでいましたか?(寮・ゲストハウス・アパートなど)その特徴とともにお教えください。
2KのPiso(アパート)
住居を決めた際の基準(周辺環境、家賃等)や、探した方法(学校などからの紹介の有無、口コミ等)を教えてください。
交通面、治安面を考慮してエリアを絞り、情報誌(Segunda Mano)などで探しました。
住居でトラブルはありましたか?その際、どのように対処しましたか?
何かあった場合は、守衛さん、大家さんに対応していただきました。
現地の治安状況・注意したこと等
現地の治安状況についてどのように情報収集しましたか?
大使館からのメール配信サービスより。
治安状況を踏まえて気をつけた点について教えてください。
置き引きには注意が必要だと思います。カフェやバルなどで私物を肌から離さないようにしてください(バッグなどは椅子などに掛けずに膝に掛けるなど)。
通信
通信機器(PC・携帯電話・スマートフォン等)は、日本から持参されましたか?学校や居住施設での利用はいかがでしたか?
PCを日本から持参し、ケータイは現地契約。問題なく使用していました。
現地で上記の通信機器やインターネットを利用した際、機器・プロバイダの選択や手続きはどのように行いましたか?
知人に紹介してもらい、申し込みました。
気候
日本との気候の違い(暑さ・寒さ・湿度・日照時間等)に対して心がけた点を教えてください。
日中と朝、晩で気温差が日本よりありますので、外出時はそれを考慮した服装が必要です。
現地生活状況・各種相談先
学校内・学校外で問題があったとき、誰に相談しましたか?
現地の知人、友人。
帰国後の進路/留学と進路との関係
現在の所属について、差し支えない範囲で教えてください。
フリーで作家活動を行っています。
後輩へのアドバイス
留学生活を送る際の注意点と、これから留学を考えている後輩へのアドバイスをお願いいたします。
留学は、学習面だけではなく人間性も豊かにしてくれると思います。日本で生活していた時よりも比較対象が増え、物事の観方、視野が広がることでしょう。自分がどういった人間であるか、そして、どのように生きていきたいのかということを客観的に考えることのできるいい機会にもなると思います。慣れないこともあるかとは思いますが、たのしんでください。
留学中の1週間の授業時間割
時限
(9時00分~12時00分) 彫刻 彫刻          
2(12時00分~13時30分) 美学 美術史 美学 美術史      
3(13時30分~15時00分)     視覚芸術学   視覚芸術学    
4(15時00分~18時00分) 素描 素描 銅版画 銅版画      
5(18時00分~21時00分)       絵画 絵画    

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。