大学・大学院留学
このページは2024年に調査した内容を掲載しています。特殊文字や記号は省略しています。
学校の種類
一般分野
・ 国公立大学50校(うち1校は通信、2校は修士課程・博士課程のみの大学)
・ 私立大学39校(うち5校は通信)
(※機関数は2023年現在)
特別教育制度
① 芸術教育(Enseñanzas Artisticas)
・高等音楽学校(Conservatori o (Escuela) Superior de Musica):37校(国公立22、私立15)
・高等舞踊学校 (Conservatorio (Escuela) Superior de Danza: 7校 (国公立6、私立1)
基礎教育、職業教育、高等教育の3つのレベルがあります。職業教育を受けるためには、行政が定める試験を通過しなければなりません。高等教育に進むには、Bachillerを取得し、能力試験に合格する必要があります。
・ 高等造形芸術学校(Escuela Superior de Artes Plásticas) :2校、公立のみ
・ 高等デザイン学校 (Escuela Superior de Diseno) :53校(国公立36、私立17)
職業教育と高等教育の2つのレベルがあります。職業教育は、中級(Grado Medio)と高等(Grado Sperior)に分かれています。中級に進むためにはGESO、高等に進むためにはBachillerを取得し、それぞれの能力試験に合格しなければなりません。
・ 高等文化財保護・修復学校 (Escuela Superior de Conservacion y restauracion de bienes culturales) :10校、公立のみ
高等教育レベルのみで行われています。Bachillerを取得し、入学試験に合格しなければなりません。
・ 演劇(Escuela Superior de Arte dramático:18校(国公立12、私立6)
高等教育レベルのみで行われ、通常は4年間です。Bachillerを取得し、能力試験に合格しなければなりません。
(※機関数は2022年現在)
② スポーツ教育(Enseñanzas Deportivas)
・高等スポーツ教育センター(Centro de Enseñanza Deportiva):53校(国公立20、私立33)
中級(Grado Medio)・上級(Grado Superior)にわけられます。
中級に進むためにはGESO、上級に進むためにはBachillerと中級スポーツ教育修了資格が求められるうえ、それぞれの能力試験に合格しなければなりません。
学位の種類、修業年限
スペインの大学は、第1課程(学士課程)、第2課程(修士課程)、第3課程(博士課程)からなります。
・第1課程:学士課程(Grado)
3~4年間で基礎知識を習得。180~240ECTSを取得し学士論文を提出すると「学士(Grado)」が授与されます。専攻分野(医学、獣医学、歯科学など)によっては修学期間が長くなる場合もあります。
・第2課程:修士課程(Máster)
1~2年間で専門的な知識を習得。60~120 ECTSを取得し修士論文を提出すると「修士(Máster)」が授与されます。
・第3課程:博士課程(Doctorado)
2~4年間。(様々な条件によって修業年は延長できるようです。)ECTSのシステムは適用せずに専門分野の研究に専念し博士論文を提出、発表すると「博士(Doctorado)」が授与されます。
留学までのタイムスケジュール
リンク集(学校検索など)
専攻分野
一般的な専攻分野の他、大学以外では芸術や文化に特化した特別教育制度があり、それぞれの専門分野の学位を習得することができます。
【特別教育制度】
芸術教育(造形芸術・デザイン、文化財保護・修復、音楽・舞踊、演劇)、語学教育、スポーツ教育が含まれます。終了時にはそれぞれの分野のタイトルが与えられます。
芸術教育(Enseñanzas Artisticas)
・ 音楽・舞踊(Musica y Danza)
基礎教育、職業教育、高等教育の3つのレベルがあります。職業教育を受けるためには、行政が定める試験を通過しなければなりません。高等教育に進むには、Bachillerを取得し、能力試験に合格する必要があります。
・ 造形芸術・デザイン(Artes Plásticas y Diseno)
職業教育と高等教育の2つのレベルがあります。職業教育は、中級(Grado Medio)と上級(Grado Sperior)にわかれています。中級に進むためにはGESO、上級に進むためにはBachillerを取得し、それぞれの能力試験に合格しなければなりません。
・ 文化財保護・修復(Conservación y restauración de bienes culturales)
高等教育レベルのみで行われています。Bachillerを取得し、入学試験に合格しなければなりません。
・ 演劇(Arte dramático)
高等教育レベルのみで行われ、通常は4年間です。Bachillerを取得し、能力試験に合格しなければなりません。
語学教育(Enseñanza de Idiomas)
基礎(Nivel Basico、A1およびA2)・中級(Nivel Intermedio、B1およびB2)・上級(Nivel Avanzado、C1およびC2)の3つのレベルに分けられます。中級および上級の語学教育は公立語学学校で行われ、修業年限は2~4年です。16歳以上が入学可能です。
スポーツ教育(Enseñanzas Deportivas)
中級(Grado Medio)・上級(Grado Superior)にわけられます。中級に進むためにはGESO、上級に進むためにはBachillerと中級スポーツ教育修了資格が求められるうえ、それぞれの能力試験に合格しなければなりません。
留学生受入条件や提供コース
スペインへの留学は、目的により以下の4つに大別できます。
①大学・大学院への正規留学
入学資格としてはそれぞれの課程において以下の通りです。
・ 第1課程(学士課程):高校卒業の資格を有し、各大学が定める基準を満たす者
・ 第2課程(修士課程):「学士(Grado)」かそれと同等の学位を取得し、各大学が定める基準を満たす者
・ 第3課程(博士課程):「修士(Master)」かそれと同等の学位を取得し、各大学が定める基準を満たす者
②交換・派遣留学
交換・派遣留学生として海外の大学に留学する場合、留学先は、学生が在籍する日本の大学が協定を結んでいる海外の大学に限られます。協定により少しずつ異なりますが、海外の協定校に1学期~1年間程度在籍して、語学研修や正規授業を受講します。留学先の大学で取得した単位が日本の在籍大学での卒業要件単位として認められるかどうか(単位互換制度の有無)は、各大学間協定の内容によって異なるため、詳しくは日本で在籍する大学の国際交流担当部署などに問い合わせてください。制度によっては留学を含めて最短修業年限で卒業することも可能です。
協定の内容によりますが、多くの場合、交換留学中の授業料は、日本の在籍大学に授業料を支払うことにより、留学先のスペインの大学の授業料が免除になります。
本サイト内「留学体験レポート」に交換留学した方の体験談も掲載していますので参照してください。
各大学に交換留学制度があるかそれぞれご確認ください。
③芸術専門教育機関への留学
スペインに留学を希望する日本人の間で関心の高い分野として音楽・美術があります。近年は幅広い分野にわたって高度に専門化された教育を受けることができますが、大学レベルに相当する上級の課程に進むためには、スペインの高校卒業資格と同等の資格を有することが条件で、入学試験が課されることもあります。出願手続きは教育機関ごとに異なるため、詳しくは留学を希望する教育機関に問い合わせてください。
学費
① 公立大学
州により1単位当たりの費用が決められており、履修する単位数によって学費が決まるため、課程や専攻、学年により学費が異なります(平均15.60ユーロ/単位。2022~2023学士課程)。外国人用の料金を設定している大学もあります。
例)マドリード・コンプルテンセ大学 文学部:
約1.050ユーロ、60単位/年(2023~2024年度)
② 私立大学
各大学が自由に学費を決めることができます。
例)ネブリハ大学 コミュニケーション学部ジャーナリズム科:
11.215ユーロ/年(2024~2025年度)
この国の政府奨学金を見る
留学のための奨学金
その他の奨学金を探す「奨学金検索サイト」
応募方法
出願方法
・ 第1課程(学士課程):スペイン教育・文化・スポーツ省にて日本での高校卒業資格の認定を受け、必要書類とともに出願します。外国人学生のためのオンライン出願サービス、UNEDasiss(※下記参照)の利用が可能です。
・ 第2課程(修士課程)以上:志望大学へ直接問い合わせます。
出願期限
・ 学士課程への出願は通常6月中旬~7月上旬ですが、大学、課程、専攻により異なるため、詳細は必ず志望大学に確認してください。
A. 入学を希望する大学に必要書類の確認
<一般的な書類> ※スペイン語に翻訳したもの
・身分証明書のコピー(パスポートなど)
・手数料支払い証明書
・高校の成績証明書の原本または認証コピー
・Homologacionを受けた高校卒業資格の認証コピー(申請中の場合は控え)
B. UNEDassisにオンライン登録
C. 提出書類をUNEDassisに送付
UNEDassisに直接郵送、またはスペイン大使館領事部に提出します。
D. 各大学が定める締切日までに、大学に出願登録
各大学は、UNEDassisのオンラインシステムを通じて、出願者の書類にアクセスします。
UNEDassisは出願サービスだけでなく、提出書類の認証やPCE(Pruebas de competencias especificas:書類審査の際に加点材料となる試験)なども行っています。
大学のウェブサイトを読みこなそう!
入学試験・審査方法
学士課程への入学
日本の高校を卒業していることが条件となります。まず高校卒業資格の認定をしてもらい、その後、UNEDassisという外国人学生のためのオンライン出願サービスを通じて手続きを行います。
高校卒業資格の認定(Homologacion)
スペイン教育・文化・スポーツ省が実施しています。日本国内の問合せ先および申請書類の提出先は、駐日スペイン大使館領事部です。提出書類は下記の通りですが、変更される場合もあるため、事前に必ずスペイン大使館領事部にお問い合わせください。
<Homologacion提出書類>
・手数料支払証明書・身分証明書の認証コピー(パスポートなど)
・代理人が申請を行う場合は、本人による許可書および代理人の身分証明書の認証コピー・認定を申請する資格の認証コピー・成績証明書の認証コピー(科目名、成績、履修した学年がわかるもの)
学士課程への編入
日本の大学の在籍中にスペインの大学に編入を希望する学生は、志望大学にて、既得している単位の認定(Convalidacion)を受ける必要があります。(※下記参照)
- ※Convalidacion提出書類:宣誓翻訳(スペイン外務・協力省公認の翻訳士による公式な翻訳。駐日スペイン大使館などで取得可能)が必要かどうかなど、詳細は各大学に問い合わせること。
- 志望者の身分証明書もしくはパスポートのコピー
- 申請書類(Solicitud de la Convalidacion)
- 在籍大学の成績証明書(大学の公印のあるもの)
- 認定を希望する科目の内容を記した書類(大学の公印のあるもの)
- 在籍大学におけるシラバス(修業年数、科目を記し、大学の公印のあるもの)
大学院への入学
通常、取得した学位の認定は求められません。各大学院が独自に要件を定めているため、入学を希望する大学院に直接お問い合わせください。
聴講制度
海外あるいはスペイン国内の大学に在籍あるいは卒業した者は、聴講生(Alumnos Visitantes)として正規の授業を聴講することができます。一般的な手続きは、以下のとおりです。
- 志望大学にて聴講生受講の申請
- 申請書のほかに、各大学が定める必要書類を提出
- 大学から受講許可をもらう正規登録
試験を受けることで単位認定や修了書を授与される場合もあります。手続きや受け入れ条件などは志望大学に直接お問い合わせください。
卒業後の進路
大学には就職サポートオフィスがあり、雇用の相談やアドバイスを求めることができます。在学中にインターンシップ生(becario)として一般企業で働き、単位を取得したり、経験値として履歴書に加えることができる制度もあります。また卒業後も訓練生(práctica)として専門分野の知識を生かして働くことができます。
留学生会など、現地の日本人との交流
現地日本人の団体や情報サイトがあり、情報交換や交流ができます。(各URL参照)
留学生の出身国別統計
2021~2022年の期間において、国別留学生トップ5は次の通りです。
- イタリア: 22.688人
- エクアドル: 19,519人
- フランス: 19,351人
- コロンビア: 17,854人
- 中国: 12,525人