留学先の国の特徴や留学情報をご紹介。
国ごとの違いを明確に知り、自分にあった留学先を見つけましょう。

大学・大学院・短期大学・専門学校 奨学金留学

留学先国・地域:カナダ・バンクーバー
学校名:The University of British Columbia
専攻名:Major in Environmental Science
留学期間:2021年9月~2025年5月
留学先の課程:学士課程
奨学金:JASSO 海外留学支援制度(学部学位取得型)

Q. 留学をしようと思った動機を教えてください。
元々海外の大学になんとなくの興味を覚えていた。そして、環境学を学際的に学べる世界的にレベルの高い学位取得プログラムが、日本国内では見つけられなかったため。  

Q. 留学先の国・地域、留学先校を選んだ理由を教えてください。
University of British Columbia(以下UBC)は環境学の教育•研究において世界的に高い評価を得ていたから。(Qs Subject Ranking 環境学部門12位 2024年時点)
また、高校で開かれた説明会にて、UBC担当者からUBCの環境学プログラムは学際性を重視した、自分にとって理想的なプログラムであることを聞いていたため。このように国や地域に対する希望というより、志望大学によって留学先を選択した。

Q. 留学に対する家族の反応はどうでしたか?
非常に前向きかつ協力的だった。留学許可の条件は奨学金の取得のみだった。

Q. 留学の準備にはどのくらいの期間を要しましたか?留学を思い立ってから、実際に出発するまで、それぞれの準備段階にわけて教えてください。
<興味段階> 
中学3年:海外大学になんとなくの興味を覚え、学校で開かれた説明会に顔を出す。英語の塾に通い始める。学校のホームステイプログラムに参加する。

<準備段階> 
高校1年:塾で本格的に海外大進学を視野に入れたコースに進む。海外大を視野に入れた課外活動を本格的に開始、その他にも学校内の海外派遣プログラム等に参加。学校内の説明会でUBCに興味を持ち、第一志望校とする。 
高校2年:塾でSAT対策を開始。学校で英語の上級コースに参加。課外活動は継続。UBCのサマースクールプログラムに参加。また、説明会などを通して第二志望以降の大学候補や、奨学金などの情報を収集。 
高校3年:国内大学の一般受験の対策を捨てる。学校でも塾でも海外大学出願コースに進み、TOEFLやSATの受験を始めつつ、出願エッセイの準備を開始する。1学期まではアメリカの大学も視野に入れていたが、2学期以降は奨学金の合否やコロナ等の情勢も鑑みてカナダの大学のみの出願に絞る。奨学金や、国内大学のAO出願は全て1学期中に準備したものを元に、2学期に完成させる。12月~1月にUBC含めカナダ2校の出願を完了。 

<出発準備> 
JASSO奨学金とUBCの合否が3月に判明。その頃にパスポートを更新。4月ごろから留学ビザの申請を開始。
JASSO主催の合格者向け説明会で知り合った先輩等から必要な持ち物等を聞き、8月ごろから荷物の準備を始める。
8月末に出発。(それ以外はコロナワクチンの接種などの準備を5月ごろからしていた。)

Q. 留学情報の収集はどのように行っていましたか? 使用したウェブサイト、雑誌、イベント、SNS(YouTube、Twitter等)などがあれば、あわせて教えてください。
学校や塾で主催される説明会で大学のアドミッション担当者に話を聞いたり、登壇していた先輩方と知り合って教えてもらうのが主だった。それ以外は塾の講師や学校の海外大進学担当の進路指導教諭から相性の良さそうな大学や参考になりそうな先輩の紹介をしてもらっていた。その他は基本的に大学や奨学金の公式ウェブサイトを参照しており、SNSや留学エージェントのサイト等は見ていなかった。

Q. 留学中の住まいはどのように探しましたか?
大学の合否が判明した時点で、学生寮への入寮を申請。その後もずっと学生寮に居住している。

Q. 語学学習はどのように行っていましたか?
英語の塾に中学3年時点から通っていた。学校で英語の上級クラス(all English)に進んだ。また、学校で海外派遣プログラムやホームステイプログラムがあれば、英語を練習する機会として利用した。日常的に継続して英語に触れ、話す機会があれば積極的に利用することが大切だと思う。

Q. 留学(あっせん)サービスなどは利用しましたか?
していない。

Q. 留学にはどのくらい費用がかかりましたか? 留学の資金調達はどのように行いましたか?
UBCの場合(バンクーバーキャンパス学生寮) 
学費:年間450万~500万円 
寮費:月額11万円(光熱費等全て込み) 
食費:月額3~5万円 
健康保険(BC州政府):月額8000円 
携帯:月額4500円 
交通費:学費に定期代が含まれる   
そのうち学費の年間300万と、生活費の月間8万8000円をJASSOの奨学金で賄う。大学4年次からは研究室アシスタントとしての給料で夏に月間30万円、それ以外で月間10万円を得て生活費に充てていた。これらを超過する分は、両親に支払ってもらっていた。バンクーバーは基本的に物価が高い(食品は特に顕著)なので、なるべく自炊をして節約した。  

Q. 準備しておいてよかったこと、また準備しておいたほうがいいことなどはありますか?
準備した方がいいこと: 
1. 早い段階での学生寮の入寮手続き(学生寮はキャンパス外で生活するよりよほど家計に優しい上、便利なので倍率が高い。留学まで時間があってもとにかく早めに行うことが重要。特にUBCの場合は2年以降の寮は希望者全員の入寮が保証されていないため、留学が決まった後早い段階から行った方がいい。) 
2. 特にカナダではキャッシュレスが進んでおり、現金が使えない店も多い。そのため、早いうちから海外での使用が可能なデビット、クレジットカードを用意しておくことが重要。 
3. 日本では想像がつかないぐらい食べ物の物価が高い上に、美味しいものは安く手に入らない。あらかじめレトルト食品等を日本から持っていっておくと、慣れるまでの間も安心できる。 
4. 冬は昼が短く、数ヶ月に及んで雨季となるので、1日を通して暗く精神衛生に悪い。雨季は10月後半ぐらいの、留学を始めたばかりで精神的にも安定しづらい時から訪れるので、メンタルケアの対策を考えておくと良い。 
5. その他衣類や家電など必需品の類は、現地で調達した方がいい。現地で購入した家電は変圧器がなくても使える上、衣類に関しては特に日本で買うよりも現地の気候に適している。

Q. 入学や学生登録の手続き、ビザの手続きなどはどのように行いましたか?  特に苦労したことや気を付けたほうがいいことなどが教えてください。
入学手続きは、大学の専門ポータルの指示に従って行ったため難しい点はなかった。ビザ等に関しては、まずビザの手続きの前に、早い段階(2~3月)ぐらいからパスポートの期限確認、更新を行った方がいい。また、ビザも予想外の事態で申請プロセスが遅れる可能性を考えて、4月ごろには始めた方がいい。特に、私が留学した年度はコロナによる渡航制限が厳しかったので、ワクチン接種証明が必要だった上に、ビザ含むさまざまな申請手続きに通常以上の時間を要した。このような有事はいつでも起こり得るので、必要な手続きは全て留学が決定した直後の早い段階から始めるのが重要。

Q. 留学中の学校生活はどうでしたか?日本の学校との違いや、海外の学校だからこそ苦労すること、学校生活での楽しみなどを教えてください。
学校生活に関しては、基本は授業と課題、試験対策が中心だった。(私の専攻は課題や試験が多かった。)基本的に授業が面白く、非常にやりがいがあったので、勉強時間が占める割合が多くても充実しており、日々成長が実感できて楽しかった。また、私は趣味で楽器をやっていて、UBCではオーディションに受かれば音楽学部のオーケーストラの授業に参加できたので、趣味の方面も充実していた。
人間関係に関して、UBCは留学生が多い上にカナダ自体も移民が多い国なので、皆新しくコミュニティに参加する人に対し非常に寛大であり、馴染むのは簡単だった。またクラブ活動等も充実しているため、友人を作る機会は多かった。その他にも学生主体のボランティア活動や、研究活動に関わる機会などが多種多様で、広くコネクションを作りやすい環境だった。
海外だからこそ苦労する点は、特に寮生活で食文化や衛生観念の大きな差によるショックを受けることがあった点。ルームメイトときちんと相談して、相手の文化や習慣を尊重しつつ、生活のルールに関する妥協点をしっかり模索することが大切。心配する人が多いであろう語学面は、特に理系の場合あまり問題にならないと思う。数字、数式等は全世界共通であり、また理系学問で重視される論理性、的確性、客観性は言語以前の問題なので、英語が苦手だからといって授業で良い成績が取れないわけではない。逆に、文系(特に英文学など)の授業は語学センスを問われる場面が多いので、初めは時間をかけて勉強する、教授に相談するなど多くの努力が必要。日常生活の英語に関しては人と関わっていれば慣れる。移民が多いカナダでは英語が不自由な人への対応が慣れているので、理解されず心が折れることはない。

Q. 学校外の生活はどうでしたか? 寮などでの生活や休日の過ごし方、町の治安などについても教えてください。
バンクーバーはダウンタウン一部エリアを除き治安が非常に良好で、特にUBCキャンパス近辺は高級住宅街に囲まれているため、(本来は決して望ましくないが)夜に一人で歩いていても何も起こらないくらい安全。
しかし、そのダウンタウン一部エリアは、コロナの景気低迷や近年のインフレによって殊更貧しくなっており、一人で歩くことは推奨できない。また、大麻が合法なので、ダウンタウンでは中毒者のような人を見かけることもある。だが、そこに関わりさえしなければ海外の中でもかなり安全な方。

Q. 留学中の生活で大変だったことを教えてください。また、それをどのように克服、対応しましたか? 
食品の値段が高い点は大変だったが、自炊を増やすなど節約して対応した。また、寮のルームメイトと衛生観念が合わず不快な思いをすることがあったが、お互いを尊重しつつ話し合いを重ね、妥協点を模索することで対応した。  また、私自身は経験したことがないが、カナダでは医者の予約を取るのが難しいので(いざかかろうとしたら3ヶ月先まで枠が空いていなかったりする)、なるべく病気や怪我をしないように気を付けることが重要。

Q. アルバイトやインターンなどの活動はしていましたか?
アルバイトはしていなかったが、大学の研究室でリサーチアシスタントとして4年生の間働いていた。

Q. 留学を経験してみて感じたこと、学んだことはありますか? 留学前と比べて成長した面はありますか?
まず留学自体によって成長できた点としては、多種多様な人と関わることによって視野が大きく広がり、コミュニケーション能力が向上した。私は元々内気な性格で人と関わるのが苦手な方だったが、カナダの人々からどんな相手でも敬意を持ってオープンに接する在り方を学び、人と接する際に臆することがなくなったように感じる。
学問的な側面としては、多様性と国際性に富むUBCに通ったことは、広い視点が必要な環境学を修める上でこの上ないアドバンテージだったと思う。その上、世界有数の大学として質の高い授業を受け、実際の研究に関わる豊富な機会に触れたことによって、自分の知識の幅、思考力や研究能力が大きく向上した。

Q. 留学後の進路について教えてください。
大学院進学(予定)

Q. 最後にこれから留学をする方へのメッセージ・アドバイスをお願いします。
知らない国で知らない言語や文化に囲まれて過ごすことは恐ろしいことのように思えるかもしれませんが、いざ行ってみれば意外となんとかなります。留学の経験は自分を人間として大きく成長させるチャンスですので、臆さず挑戦してみてほしいと思います。

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。