このページは2015年度の調査をもとに2017年2月時点で更新した情報です。
ドイツ語のウムラウト記号は、該当の母音後にeを入れることで代替しています。
ドイツの高等教育機関には、一般の総合大学が約110校、芸術系の大学が約50校、専門単科大学が約200校あります。ドイツでは一般の学部や学科では入学試験が課されないことがしばしばありますが、芸術系の高等教育機関には試験が課されています。
芸術系の高等教育機関には一般に、学士号、修士号、博士号の他、修士号に相当するディプロムとマギスターがあります。音楽系の場合、ほとんどの大学が学士号(4年)となっています。美術系の場合、大学ごとで違いはありますが、公立大学の多くはディプロム(5年)で、私立大学は学士号(4年)のケースが多いと言えます。修士号を取得することができる機関はある一定数ありますが、芸術の実技系で博士号は取得できません。しかし修士号を取得した後で、後述の資格(コンツェルト・エクサーメンとマイスター・シューラ―)を取得できる大学があります。
芸術系の高等教育機関は一般に、かなりの難関と言えるでしょう。初心者が比較的短い時間で習いたい場合は、音楽や美術の教室や短期講座などの方が選択肢が多いでしょう。
ドイツは多くの留学生を受け入れており、そのための制度も整備しています。ドイツの大学に在籍している国外からの学生の占める割合は、平均して約11%を超えるとされています 。ドイツ政府は2014年10月、全国の公立大学の授業料を実質無償化し 、留学生も同様にしました。また、日本の大学などの教育機関とのパートナーシップが盛んで、670以上の協定が日独の大学間で結ばれています。
ドイツは州の制度が重要視されるため、大まかなところでは同じですが、細部においては修業年限が異なります。義務教育は6歳から始まり、15歳まで、9年間続きます。初等教育は基礎学校4年で、その後、各生徒の適性を見極めるための期間が設けられています。教員は助言を行いますが、決定は保護者に委ねられています。
中等教育は三つから選びます。ギムナジウム(Gymnasium: 8年か9年)は、大学進学希望者のためのものです。実科学校(Realschule: 6年)を卒業すると、職人(マイスター)の資格を取得するための準備が整ったことになります。職業訓練のためのハプトシューレ(Hauptschule: 5年)を卒業すると、就職資格が与えられ、職業訓練を経て就職することができます。統合制学校(Gesamtschule)は、こうした早期振り分けの弊害を調整するためのもので、三つの要素をいずれも兼ね備えています。
ギムナジウムを修了するにあたっては試験があり、合格者には、中等教育修了資格アビトゥーアAbiturが与えられます。これが高等教育機関進学のための要件となります。
高等教育機関には、総合大学(Universitat)、専門大学(Fachhochschule)、芸術大学(Kunst, Musik, und Filmhochschule)、神学校(Theologische Hochschule)、教育大学(Padagogische Hochschule)、職業アカデミー(Berufsakademie)があります。またマイスターを取得するための機関として、職業・技術学校(Fachschule)があります。大学の場合、原則、半期ごとに大学を移動したり、専門を変えたりすることが認められていま