このページは2007年度の調査をもとにした情報です。特殊文字や記号は省略しています。
大きく分けるとオランダは、首都圏と地方都市に区分することができます。
首都圏はランドスタッドまたはデルタメトロポリスと呼ばれており、東西約50キロ、南北約100キロの帯状に広がる地帯で、アムステルダム、ロッテルダム、ハーグ、ユトレヒト、ライデンなどが含まれます。
オランダの人口の半分近くがこの地帯に居住しています。
雑誌などでとりあげられるオランダの情報はほとんどこの区域内のものであると思っていいでしょう。

最近では、キャンパス内に住む場所を提供する大学も増えてきましたが、オランダには、キャンパス内に住むという伝統はないため、寮はほとんどありません。学生はキャンパス外に部屋を見つける必要があります。オランダは慢性的な物件不足で、現地の学生でさえ住むところを見つけるのが難しい状況です。住居探しはできるだけ早めに動いた方がよいでしょう。ただ、留学生については、大学がアレンジをしてくれる場合もあるので、相談をしてみるとよいでしょう。
各大学には住宅担当部署があります。住宅担当部署は大学が管理している場合と独立している場合があります。住宅に関して何か問題が生じた場合には、留学生課ではなく住宅カウンセラーに直接相談をした方がいいでしょう。
大学は、留学生に部屋を斡旋してくれる学生住居団体と提携している場合が多いです。学生住居団体については以下のウェブサイトを参考にしてください。
学生用の物件は、部屋は個室で、シャワー、トイレ、キッチン、リビングルームを他の学生と共有するが一般的です。ベッド、机、椅子などが予め備え付けられている家具付きと家具付きでないタイプがあります。
共有部分をシェアする同居人は、フラットメイトまたはコリドーメイトなどとよばれています。共有タイプに住むと、情報が得やすい、交友関係が広がるなどのメリットがある一方で、プライバシーを保ちにくい場合もあります。共有タイプは男女混合フロアーが一般的です。トイレ、シャワーなどが共有となるため、気になるようであれば前もって大学や斡旋団体に知らせておいたほうがいいでしょう。必ずしも希望通りにならない場合もありますが、可能な限り相談にのってくれます。
また、キッチン、シャワー、トイレなどが完備されている日本のワンルームタイプの部屋もあります。
サブレンタルとは、留学、インターンシップ、調査などで長期間自宅を離れる人が、自分の不在の間、第三者に部屋を貸し出すことをいいます。クチコミやインターネットなどで情報を得ることができますが、住民登録できない物件の可能性もあるので、必ず確認してから契約するようにしましょう。
家賃の相場は、300ユーロから600ユーロです。部屋の広さやシャワー、キッチン、トイレなどの設備が共有にするかどうかなどで家賃は異なります。
当然ながらアムステルダムやロッテルダムなどの大都市の相場はより高くなります。
契約の際には、契約期間、家賃以外にかかる費用、光熱費やインターネットなどの費用が含まれているかどうか、敷金の返金の際何が差し引かれているかなど、契約内容をよく確認してからサインをしてください。
大家さんとトラブルがおきた時は、アムステルダム学生協会(ASVA student desk)などが法律相談にのってくれます。

一般的な生活をした場合、学生の1ヶ月あたりの生活費(家賃、食費、書籍代など含む)は大体800~1,100ユーロとされています。
乳製品、野菜、肉は安めですが、魚は高めです。定期的に開かれるマーケットなども、利用するといいでしょう。
多くの大学では、学食にてリーズナブルな価格で食事を提供しています。また、市内のパブも手ごろな価格です。
<平均的な価格例>
コーヒー・紅茶:2ユーロ
チーズサンドイッチ:3ユーロ
学食での夕食:10ユーロ


オランダは、ホームドクター制です。オランダに到着したら、まず、ハウスアーツというホームドクターに登録しましょう。具合が悪くなった場合、まずハウスアーツに診療してもらい、必要があれば病院を紹介してもらうといった手順を踏みます。緊急時でもハウスアーツを介するのがルールですが、EHBO(エーハーベーオー:Eersterhulp Bij Ongelukken)という救急外来を利用することもできます。言語に不安がある場合は、信頼できるオランダ人の知人・友人に頼んで症状を説明してもらうと心強いでしょう。

居住者は、オランダの保険( zorgverzekering=Dutch Public Healthcare Insurance)への加入が義務付けられていますが、学業のみでアルバイトや有給インターンシップを行わない日本人留学生は加入する必要はありません。日本で留学生保険に加入していくか、オランダの民間の保険へ加入することになります。どの保険に入ったらよいか迷う場合は、学校のインターナショナルオフィスに相談してみるのもよいでしょう。
ただし、卒業後にアルバイトや有給インターンシップを行う予定がある場合などは、zorgverzekering に加入する必要がでてくる可能性があります。学校、アルバイト先、インターンシップ先が手続きを代行してくれる場合もありますので、問い合わせるといいでしょう。
日本でも一般の海外旅行保険ではカバーしきれない「家主への賠償責任」や、「住宅内の家財や身の回り品の盗難・破損」、家族の死亡・危篤による「一時帰国費用」などの補償にも対応した留学生保険に加入することが可能です。契約は、店頭窓口もしくはインタ-ネット上で行うことできます。保険会社のサービス、 プランなどをよく比較、検討した上で、自分にあった保険選びを行いましょう。
「留学生保険 比較」などのキーワードでWeb検索をすると、各保険会社のサービスや料金の比較サイトがヒットしますので、自分の留学条件に合わせて検討するとよいでしょう。
通常の生活では、治安はそれほど悪くはありません。ただし夜の鉄道はひと気がなく、路線によっては危険なことがあるため、気をつけた方がいいでしょう。また、場所によっては地元の人もあまり近づかないところもあります。現地の人が注意している地区へは近づかないようにしましょう。
凶悪犯罪は少ないですが、スリが多いので注意しましょう。また、インターネットを利用した詐欺、暗証番号を盗む、カード偽造などの犯罪についても、注意が必要です。
緊急用(警察、救急車、消防車)の電話番号は112で通話料は無料です。(EU共通)
重大な事件、事故に巻き込まれた場合は、在オランダ日本国大使館に連絡をしてください。

一般的に、銀行口座の開設にはBSN ナンバー(社会保険番号)が必要となりますが、BSNナンバーを持たない留学生に便宜をはかるため、多くの大学は大手銀行と提携しています。その大学が指定した銀行の支店であれば、必要書類がそろっていれば口座開設が可能な場合もあります。
必要書類(一般的な場合)
• パスポート
• 大学の在籍証明書
• 住民登録票(市役所への届けが事前に必要)
※銀行によって必要書類が異なる場合があるので、直接確認してください。
ABNアムロ銀行(ABN AMRO)、ING銀行(ING Bank)、ラボバンク(Rabobank)の3つのメイン銀行があります。 各大学によって指定銀行が異なります。詳細は各大学へご確認ください。
ATMはGeldautomaat(ヘルドアウトマート)と呼ばれます。一年中24時間現金引出しが可能で、オランダ国内の銀行キャッシュカード使用での手数料は無料です。ただし、預け入れや振替はできず、引出しか残高照会のみとなっています。
ATMを利用する際、暗証番号は手元を手でおおって入力をしましょう。ATM周辺に小型カメラが巧妙に仕込んであり、暗証番号を盗まれ、口座からお金を引き落とされる犯罪が多発しているため、細心の注意が必要です。
銀行から定期的に送付されてくる入出金明細表もチェックを行い、不審な引き落としがないかどうか確認をしましょう。
国際キャッシュカード、デビットカード、プリペイドカード、現地の銀行口座への送金などの方法があります。オランダでは、デビットカードが主流のため、1枚持っていると便利です。

オランダ国内のインターネット普及率は高く、ブロードバンドも普及しているため、ストレスを感じることはほとんどありません。Wifiの普及率も世界トップクラスです。
公衆電話の数は少ないですが、カフェ、郵便局、お店などに設置されています。使用できるコインは20、50セントと1、2ユーロ硬貨です。ほとんどの公衆電話でクレジットカードが使用できます。公衆電話から国際電話を直通でかけることができます。
オランダの鉄道は、NS (Nederlandse Spoorwegen)といい、鉄道網は張りめぐらされているので、電車を乗り継げば国内の大体のところへはアクセス可能です。ただし、移動の際は、時間に余裕をもってスケジュールを組んだ方がいいでしょう。
鉄道には1等車、2等車の分類があります。
乗車する際は切符に日付を刻印する必要があります。切符をもっていなかったり、日付が刻印されていなかったりすると検札で高額の罰金をとられるので注意しましょう。
スキポール空港やアムステルダムなどの主要都市はIC(インターシティ)と呼ばれる急行列車で結ばれています。ICの時刻表は、駅の窓口で販売しています。
鉄道切符は、自動券売機や駅窓口で購入できます。窓口で購入する場合は、切符1枚ごとに手数料をとられます。そのかわり、時間や乗り換え番線などの情報は無料で提供してくれる他、頼めば紙に印刷して渡してくれます。多くの窓口には、自分でオンライン予約ができるセルフサービスコーナーが設置されていて、それを使えば手数料はかかりません。クレジットカードを使用する場合は、自動券売機でも手数料がかかるので注意しましょう。

大都市にはトラム、トロリーバス、メトロなどがあります。
オランダは運河が多いため、場所によっては渡し舟やウォータータクシーなどもあります。
バスの停留所は、一般的に鉄道の駅近くにあり、近郊への足となっています。
Connexxionをはじめいくつかのバス会社が運営しています。概ね時刻通りに運行しています。深夜でも安心して利用することができます。
アムステルダムとロッテルダムにはメトロが走っていて、トラムよりも割安です。

【
OVチップカールト(OV-chipkaart)
】
国内の公共交通機関を利用する際の支払いに使用する、OVチップカールト(OV-chipkaart)というICカードがあります。記名式と無記名式があり、カードの価格は共に7.5ユーロで、5年間有効です。オートチャージ可能な記名式を作成するには、オランダ国内に銀行口座を持っているなど所定の条件があります。無記名式は、公共交通機関のサービスデスク、駅の⾃動券売機、キヨスク、スーパーマーケットなどで購入することができ、現金やクレジットカードでチャージし使用します。オランダ鉄道の乗車券の支払いに使用したい場合は、「NSチケットマシン(オランダ鉄道自動券売機)」にてカードを有効化(アクティベート)する必要があります(鉄道の場合は20ユーロ以上、トラム、バスは4ユーロ以上の残高が必要。※無記名式の場合)。
初乗り料金は4人乗りのタクシーの場合、7.5ユーロ(最初の2kmまで)です。これを超えると距離と時間によって2.20ユーロ程度が加算されていきます。夜間料金はありません。
タクシーは車の上にあるTaxiのマークが目印です。大型ホテル・駅前・広場にあるタクシー乗り場を利用するか、電話で呼び出します。日本のような流しのタクシーはほとんどありませんが、つかまえることができる町もあります。
自転車専用道路が整備されているオランダでは、10~20km程度の距離は自転車での移動が一般的です。雨、風の強い日が多いですが、悪天候の日でもカッパに身を包み、自転車を利用する人が多く見られます。盗難防止のため、鍵は頑丈なものを2重、3重にかけます。そして自転車ごと持っていかれるのを避けるため、道路に備え付けてある柵に施錠した方がよいでしょう。
自転車は、自転車専門店やリサイクルショップなどで購入することができます。購入の際には、評判のいいお店を選び、ギア・ブレーキ・ライトなどがきちんと作動するかをよく確認しましょう。新学期は自転車が品薄になるので、手頃なものを見つけるのが難しい場合もありますが、生活の足として必須のため、妥協せず根気強く探しましょう。自転車の下取りを行っている店もあるので、買い替え可能な場合もあります。
オランダの鉄道は、自転車を車両内に持ち込むことができるので、自転車をかついで、移動する人を多くみかけます。
無灯で自転車走行すると高額の罰金が課されます。
オランダには自転車専用道路があり日本とは比較にならないほど高速走行する人を多くみかけます。また一部原付バイクも自転車専用道路を走行可能なため、うっかり逆走行してしまうと非常に危険です。曲がるときには、「曲がりたい方向へ腕を垂直にだし、合図をする」などの最低限の交通ルールは知っておいた方がいいでしょう。

大概のものは入手できますが、文房具(ホッチキスやパンチなど)を一から揃えるとなると案外出費がかさむので、余裕があれば持参するといいでしょう。
オランダ人は高身長で有名です(男性平均180センチ以上、女性165センチ以上)。サイズが合わないことも考えて、多めに持っていった方が安心です。
雨が多いのでフード付きレインコートは必須です。濡れたくない人は上半身ジャケットだけではなく、パンツも持参したほうがいいでしょう。風が強いので傘はあまり役に立たないと思った方が良いでしょう。
通常、自転車には前カゴがついていないので、通学カバンはリュックサックかショルダーバッグが便利です。
日本からノートパソコンを持っていく場合、プラグの形状が違うので注意しましょう。プラグは安価でかさばらないので、数個余分にもっていくと便利です。最近のパソコンやデジタルカメラの充電機器は変圧器なしに海外でも使用できるものが多いので確認してから購入しましょう。

オランダで勉強する海外留学生を支援するネットワークや団体は多数あります。
自分の留学先の都市に類似の団体があるかどうか、ネットなどで検索してみましょう。または、以下リンク先に連絡して、自分の留学地域のサポートセンターを教えてもらうこともできます。
オランダにはVVV(フェーフェーフェー)とよばれる観光案内所があります。ここでは、市町村とその周辺、宿泊所、レストラン、観光スポットや催物、また主要な場所の住所、開館時間など、様々な情報を提供しています。また、ホテルやコンサート、劇場などの予約も行なってくれます。
