生活情報
2025年5月8日更新
このページは2025年に調査した内容を掲載しています。
物価と生活費
ノルウェーは、世界の中でも物価が高いと言われています。ノルウェー高等教育・技能局(HK-dir)の留学者向けサイト「
Study in Norway 」によると、学生の生活費(2024~2025年)は月額13,790ノルウェークローネ、年間151,690ノルウェークローネ程度とされています。
ノルウェーのほとんどの学生都市には、学生福祉団体(ノルウェー語:Samskipnad)があり、提携する大学や高等教育機関の学生向けに住宅(学生寮)、食堂、医療、スポーツ施設などのサービスを提供しています。例えばオスロにはオスロ大学などの学生を対象とする団体、SiOがあります。
ノルウェー統計局によると、ワンルームの1か月当たりの家賃は全国平均8,400ノルウェークローネと高額で、節約のためフラットシェアを行う学生も多いです。また、大都市では競争が激しいですが、前述の学生福祉団体を通して部屋を安く借りることでも出費を抑えられるでしょう。
住居の探し方
「Study in Norway」によると、ノルウェー各地に14の学生福祉団体があります。提携する大学や高等教育機関の学生向けに住宅や学生寮のサービスを提供しているため、各団体のホームページから探してみましょう。
食事
ノルウェーは物価が高く、オスロ大学が発信している情報では1セメスターあたりの食費は20,000ノルウェークローネとされています。また、同大学は、留学生向けに発行している冊子「A Student’s Food Guide」において、ノルウェーでは昼食にサインドイッチなどの「matpakke」(弁当)を持参する習慣が広く定着しており、食費を節約していると紹介しています。
オスロ大学「A Student’s Food Guide」 [英語]
尚、外食の相場は以下の通りです。
コーヒーショップのカプチーノ:35~65ノルウェークローネ
格安レストランの食事:190~350ノルウェークローネ
中級レストランの3コースメニュー:650~1,500ノルウェークローネ
現地にはアジア食材を取り扱っているスーパーマーケットもあり、日本食材も入手可能です。
医療保険、医療上の注意事項
医療保険については、EEA・EU圏外の国(日本を含む)からの留学生で、滞在期間が3か月未満の場合、国民保険制度(National Insurance Scheme)には加入できません。そのため、滞在中に有効な医療保険に加入していることを事前に確認する必要があります。
滞在期間が3か月以上12か月以下の場合、EEA・EU圏外の国からの留学生は、国民保険制度への加入申請が可能です。ただし、加入手続きには時間がかかるため、渡航前に民間の医療保険へ加入することをおすすめします。国民保険制度への申請は、外国人向けの識別番号、Dナンバー(短期滞在者向け)やナショナルIDナンバー(長期滞在者向け)をNAV(ノルウェー労働福祉庁)で取得した後に行う必要があります。
※国民保険制度の申請の際は、パスポート、学生証(または学生IDアプリ)、居住許可証を持参する必要があります。
加入後は、ノルウェー国民とほぼ同じ医療サービスを受けることができますが、一部制限があります。
詳細については、以下の公式ページを確認してください。
NAV(ノルウェー労働福祉庁) 国民保険制度のメンバーシップについて [英語、ノルウェー語、サーミ語]
ノルウェーに12か月以上滞在し、有効な居住許可を持つ留学生は、入国日から自動的に国民保険制度の適用対象となります。ただし、この保険はノルウェー国外では有効ではありません。
留学中の保険
治安上の特色・防犯対策
在ノルウェー日本国大使館によると、ノルウェーは「治安が良い」とされています。殺人の発生率は日本と同様に低いですが、強盗、不同意(強制)性交、窃盗については日本よりも発生割合が高いです。現地に行く前に同大使館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」を読んでおきましょう。
アルバイト
EU/EEA/スイス以外の国から来ている留学生は、学期中であれば週20時間まで、休暇期間中はフルタイムでアルバイトとして働くことができます。学生の滞在許可(Study permit)を得た際に、パートタイムで働く許可は自動的に付与されます。求人は、ノルウェー労働福祉局(NAV)によるデータベースに掲載されています。基本的にノルウェー語のサイトではあるものの、トップページの「Søk etter din neste jobb」をクリックした後に表示される検索欄に「English」と入力すると、英語の求人が出てきます。
知っておくべき現地の文化・風習
日本とは全く異なる自然環境に戸惑う留学生も少なくありませんが、ノルウェーの自然の厳しさは、寒さだけでなく、日照時間の短さも特徴です。首都オスロでは、夏の日照時間は約19時間ある一方で、冬は約6時間と非常に短く、わずかな時間しか太陽の光が差しません。そのような環境の中で、ノルウェーの人々は、長い冬の家の中での時間に幸せを見つけ、キャンドルを灯したり、コーヒーなどの暖かい飲み物を楽しんだりしながら、心地よく過ごす工夫をしています。ノルウェー語には、それを象徴する「Koselig(クーシェリ)」という言葉があり、「居心地の良さ」や「温かさ」を感じた際に使われます。
言語的な特色、現地語の必要度合い
ノルウェーの公用語はノルウェー語とサーミ語であり、英語はあくまでも第二言語ですが、同国は非英語圏の116の国と地域における英語力ランキング、「EF EPI英語能力指数」において世界2位(2024年)であり、特に都市部で英語が通じやすいです。ノルウェー語検定として、Kompetanse Norgeが運営する「Norskprøve」があります。
お金の管理
ベルゲン大学は、ノルウェーの銀行口座を持つことで、給与の受け取りや、安全かつ効率的な資金管理が可能になるため、滞在期間が2セメスター以上(6か月以上)の場合、ノルウェーのナショナルIDナンバーを取得後に銀行口座を開設するよう留学生に推奨しています。銀行に直接行き、パスポートや滞在許可カード(EU/EEA/EFTA以外の国が出身者の場合)、入学許可証、そして、ノルウェーのナショナルIDナンバーの証明書といった必要書類を提出することになります。銀行口座の開設には数週間を要することを見込んでおくと良いとのことです。
一方、一学期(6か月未満)の滞在の場合、ノルウェーで銀行口座を開設することはほぼ不可能だといい、滞在中に利用できるクレジットカード(Visa/Master)を用意することが強く推奨されています。
また、オスロ大学によると、ノルウェーはほぼキャッシュレス社会であり、ほとんどのサービスや店舗ではカード決済が主流となっているため、現金を持ち歩く必要はほとんどないといえます。郵便局や一部の食料品店・スーパーマーケットでは外国発行のクレジットカードが使えないことがありますが、デビットカードは利用可能な場合が多いです。また、都市部の街中にはATMがあり、都市から離れたエリアでもキオスクや食料品店、ガソリンスタンドなど、現金を引き出せる場所が少なくとも一か所はあるでしょう。
お金の管理
通信事情
現地の空港、携帯キャリア、コンビニエンスストア、電化製品店などでSIMカードを購入可能です。キャリアは大手のTelenorやTeliaのほか、英語のホームページが用意されているMyCallなどがあります。住居でのインターネット接続については、学生寮や賃貸ではネット料金が家賃に含まれている場合が多く、大学のWi-Fiのほか、「WiFi4EU」などの公衆Wi-Fiも利用できます。
通信アイテム
交通
ノルウェーでは、鉄道、地下鉄、トラム(路面電車)、バス、タクシー、フェリー、飛行機など、さまざまな交通網が発達しています。また、「Entur」などの交通アプリを活用することで、公共交通機関のチケット購入やルート検索を簡単に行うことができます。
首都オスロの交通アプリ「Ruter」の公式サイトによると、オスロの公共交通機関はゾーン制を採用しており、料金は移動する範囲や利用期間などによって決まります。ゾーン1内を移動できるシングルチケット(片道切符)の料金は、44ノルウェークローネです(2025年2月現在)。チケットの有効時間内であれば、対象ゾーン内の異なる交通手段へ無料で乗り継ぎが可能です。