留学先の国の特徴や留学情報をご紹介。
国ごとの違いを明確に知り、自分にあった留学先を見つけましょう。

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留学先国・地域:アメリカ合衆国・ニューヨーク
留学期間:2019/9-2021/5
学校名:Teachers College, Columbia University (コロンビア大学教育大学院)
専攻名:Adult Learning & Leadership (成人学習&リーダーシップ学科)
留学形態:大学院への進学(修士号取得)

Q. 留学をしようと思った動機を教えてください。

漠然と将来留学したいな、と思っていましたが、看護学生の4年間はめまぐるしく過ぎていき、気づけば社会人になっていました。当時は「社会人留学」をするとは夢にも思っていませんでした。
新卒で勤務していた病院では、心身ともに疲弊してしまい、1年もたずに退職しました。ところが、転職した病院では学びのサポートがしっかりとあり、患者さんの前に立つことに少しずつ自信を持てるようになりました。そこで、「大人が働きながら学び続けるためにはどのような支援があるのだろう?」と思い、調べていたところ「成人学習」という学問に辿り着きました。
当時は成人学習をしっかりと学べる環境が国内になかったので、世界に目を向けてみたことが最初のきっかけです。


Q. 留学先の国・地域、留学先校を選んだ理由を教えてください。

私が学びたい学問である「成人学習」の領域はアメリカがとても発展しています。なかでも進学したTeachers Collegeは成人学習の一人者であるジャック・メジローが立ち上げた成人学習を専門的に学べる学科があり、そこに進学したいと思いました。受験する前にキャンパスビジットに行き、教授や在校生がとてもあたたかく歓迎してくださり、「ここで学びたい!」と心から思いました。また、ニューヨークのマンハッタンという立地も、大好きなブロードウェイや美術館にいつでも行けるので魅力を感じました。


Q. 留学に対する家族の反応はどうでしたか?

両親は想像以上に心から応援してくれました。付き合っていた彼(今の夫)に打ち明けるのには勇気がいりましたが、私の夢を尊重して支えてくれました。留学準備期間、留学中の家族の支えは本当に必要でした。

Q. 留学の準備にはどのくらいの期間を要しましたか?留学を思い立ってから、実際に出発するまで、それぞれの準備段階にわけて教えてください。

2017年冬頃 留学を決意→2018年1月 留学カウンセラー決定→2018年4月 キャンパスビジットでNYへ→2018年12月 出願完了→2019年2月 第一志望合格→2019年8月末渡米


Q. 留学情報の収集はどのように行っていましたか?使用したウェブサイト、雑誌、イベント、SNS(YouTube、Twitter等)などがあれば、あわせて教えてください。

とにかく卒業生にコンタクトをとるのが最優先と考えていたので、FacebookやMessengerを活用して日本人の卒業生に連絡をとりました。行きたいプログラムの卒業生にコンタクトをとれたおかげで、在校生や教授と繋いでいただき、有意義なキャンパスビジットになったと思います。また、奨学金の合格者の先輩方(インタビュー記事やブログなど)にもコンタクトをとりました。返信がこなかったらどうしよう、とはじめは不安になりましたが、そのうち「当たって砕けろ!」の精神で手当たり次第に連絡をとるようになりました。不思議なことに、連絡をすると9割以上の方が返信をしてくださいました。自分も苦労した分、後輩を助けたいと思う方が多いのかもしれません(私も同じです)


Q. 語学学習はどのように行っていましたか?

留学生は既定のTOEFL(もしくはIELTS)のスコアがないと受験資格すらないので、まずはスコアメイクのために猛勉強しました。語学学習というよりも、TOEFLの対策に専念しました。通勤中はリスニングやスピーキング(ぶつぶつと唱えていました)、仕事が終わったら切り替えてTOEFLの自宅でできる模試などを繰り返し行っていました。他にも、TEDなど興味のある短い動画を視聴するのが息抜きになってよかったです。


Q. 留学(斡旋)サービスなどは利用しましたか?

大手の留学エージェントではなく、個人の留学カウンセラーにお世話になりました。私が進学したい大学・学科の卒業生の方がそのカウンセラーのもとで合格されていたので、同じ方にお願いしました。月1回のカウンセリングを通して、じっくりとやりたいことに向き合ったおかげで、SOP(志望理由書)を書き上げることができたと思います。


Q. 留学の資金調達はどのように行いましたか?利用した奨学金などがあれば、あわせて教えてください。

留学を決意してから、毎月の給料から留学資金用の口座に自動引き落としされるように設定していました。また、アメリカの大学院は自費で進学できないほど高額なので、手当たり次第奨学金に応募しました。奨学金によっては「併用不可」の条件がありますので注意してください。最終的には、JASSOと埼玉発世界行きの2箇所から奨学金をいただきました。
後輩の方々から「奨学金がなかったら進学を諦めていましたか?」と聞かれます。答えは「そんなことも考える余裕がないくらい必死に掴み取りにいっていました!」


Q. 入学や学生登録の手続き、ビザの手続きなどはどのように行いましたか?特に苦労したことや気を付けた方がいいことなどがあれば教えてください。

先輩方の留学体験記を読み込んで、優先順位をつけるようにしました。私の場合は、寮の申し込みが最優先だと事前の情報収集でわかっていたので、合格した日の夜には申し込みました。合格してからもやることはたくさんあるので、事前にTo Doリストを作成し、期日を明確にしておくと焦らないと思います。

Q. 留学中の学校生活はどうですか(どうでしたか)?海外の学校だからこそ苦労することや、逆に学校生活での楽しみなどを教えてください。

わくわくすることや楽しいことや山ほどあったので、ここでは逆に悔しかったエピソードを紹介します。

海外の授業ではシラバスといって事前に課題と期日が明確に記載されていることがほとんどです。なので、このあたりまでに課題を進めておこうと計画を立てやすいのがとても良かったです。ある時、何十ページもレポートを書かなければいけない大きな課題があったため、私はコツコツと進めていました。そして課題提出の2日前のクラスで、同じクラスメイトの子が「教授、私は今子育てで時間がとれないので期限を2週間延ばしてください」と皆の前で発言しました。その子はとても交渉上手で、最終的に教授は課題の延期を認めました。その時、自分の頑張りが報われなかったような気がして寮で大泣きしたことを覚えています。アメリカは交渉の国、とイメージはしていましたが実際にその場に立ち会うととても悲しく悔しい経験でした。そして、「それはおかしい」と発言する勇気が持てなかったことも、とても悔しかったのです。大学院はさまざまな理由で進学するひとがいるので、モチベーションの差ももちろんあります。周りに流されず、自分をしっかり持つことも必要だとその時に感じました。苦労することも数えきれないほどありますが、それを異国の地で乗り越えたという経験が自分を強くしてくれたように思います。


Q. 学校外の生活はいかがですか(いかがでしたか)?寮などでの生活や休日の過ごし方に加えて、街の治安などについても教えてください。

私が進学した大学院では、留学生以外の学生はほとんどがパートタイムだったので、基本的に授業は夕方17時~夜がほとんどでした。留学生にとっては日中がまるまる自由時間だったので、自分で「勉強する時間」「遊ぶ時間」をコントロールする必要がありました。勉強の息抜きには大好きな美術館めぐり(学生証があるとほとんど無料か割引あり!)やブロードウェイを観に行ったりしました。私が住んでいた寮は、あまり治安がよくないとされているハーレムに近い場所でしたが、学生寮周辺は警備もしっかりしていて比較的安全でした。夜遅い時間には一人で出歩かないなど基本的なルールを守ることを心がけていました。


Q. アルバイトやインターンはしていますか(していましたか)? 

夏休みは2ヶ月強ととても長いので、インターンを行なっていました。せっかくなら看護以外の仕事もみてみたいと思い、コンサルティング系の会社や、医学系の出版社でインターンを行いました。一方で、看護の現場も忘れたくないと思い、夏休みや冬休みには短期でもともといた職場にパートとして何日間か勤務しました。
留学先では留学生のアルバイトは禁止されていたので(学内の仕事はOK)、日本の雑誌の執筆活動などでお仕事をいただいていました。

Q. 留学を経験してみて感じたこと、学んだことはありますか?

ここには書ききれないほど、私にとって留学生活は濃く、新しい学びばかりでした。
日本にいると、「社会人留学をする」というだけでも周囲からすごいね、と言われる機会が多かったです。だんだんと自分のなかでも、「私ってすごいのかも」と思うようになっていたことが正直ありました。しかし、いざ渡米してみると自分のできなさにがっくりきます。教授の言っていることがわからないことも、自分より遥かにすごい友人に囲まれることも、授業で一度も発言しないまま終わることも。高く積み上がったプライドや自信が崩壊する瞬間がありました。だからこそ、困ったときに周囲に頼ること、自分なんてまだまだだと客観的に分析する力、粘り強く頑張る精神などを培うことができたのだと思います。また、大学院は競争ではないので、周りを助けることも大切だと感じました。留学生の私が、ネイティブの友人の勉強を助けるというありえない状況も度々起こりました。謙虚にかつ実直に学問と向き合う喜びを日々感じることができました。狭い世界にいては絶対に得られなかった財産だと強く感じます。


Q. 留学後の進路について教えてください。

現在はもともと勤務していた病院へ戻り、看護師として再び勤務しています。留学は良い意味でキャリアの選択肢が広がり、看護の道から離れようかと思ったこともありましたが、初心に立ち帰ると「現場で働く看護師を支えたい」という思いがありました。私自身も看護師として働きながら、新人・若手看護師の研修や学びのサポートに携わることに意味があると考えています。病院外にも、看護系雑誌への執筆活動や、学会での講演を行っています。院内・院外へ幅広く学んだ知見を広めていきたいです。


Q. 最後にこれから留学をする方へのメッセージ・アドバイスをお願いします。

私は留学を決意したと同時に「アメリカ大学院留学記」のブログを開設しました。留学準備は本当に孤独な闘いで、どうしようもない不安を面白おかしくブログに書くことでストレス発散できていました。2017年に最初の記事を書いてから卒業する2021年まで5年間つづいたものです。ありがたいことに、今でもそれを読んで留学を目指している方から連絡をいただくことがたくさんあります。自分の経験が誰かの役に立てているとは夢にも思いませんでした。
もし、留学を希望していたら何かの形で発信することをおすすめします。日記でも、SNSでも、ブログでも、自分が留学の軌跡を振り返れるようにしておくと、いつかの心の支えになるからです。私も、今でも仕事で挫けそうな時はブログ記事を読み返して、エネルギーをもらうことがあります。
大人になってから大きな夢を持てたこと、それを自分自身の手で叶えられたことはこれからの人生の軸になります。みなさんの大きな夢を、ぜひ掴み取ってください。応援しています!

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。