留学先の国の特徴や留学情報をご紹介。
国ごとの違いを明確に知り、自分にあった留学先を見つけましょう。

大学・大学院・短期大学・専門学校 奨学金留学

留学先国・地域:オランダ/アラブ首長国連邦/アメリカ合衆国
留学期間:2013年8月-2023年5月
学校名:ユナイティッド・ワールド・カレッジ・マーストリヒト、ニューヨーク大学アブダビ校、デューク大学大学院
専攻名:なし、演劇学、インターディシプリナリー、舞踊学
留学形態:高校留学、大学/大学院への進学(学士号取得、修士号取得)

Q. 留学をしようと思った動機を教えてください。

10歳まで海外で暮らしていた経験があったので、また海外に行きたいという漠然とした思いはありました。特に、元々英語環境の中でバイリンガルに育ち、それが自分自身のアイデンティティだったのにも関わらず、日本に帰国してから英語力が低下し、幼馴染と話せなくなった自分に危機感を持ったのも、留学したいという気持ちに貢献しました。高校の時に一度留学してからは、このまま英語環境の中で水準の高い教育を受け続けたいと思い、留学を続ける決意をしました。


Q. 留学先の国・地域、留学先校を選んだ理由を教えてください。

ユナイティッド・ワールド・カレッジ(UWC)の高校留学は、世界中の奨学生を集めた二年間のプログラムですが、生徒の多様性と教育水準の高さに惹かれました。向こうで高校卒業資格を得ることができること、奨学金の支援があることにも、魅力を感じました。UWC日本協会を通して応募し、協会が留学先国・地域を指定しました。
ニューヨーク大学アブダビ校(NYUAD)の大学留学は、同じように世界中から多様な奨学生を集めたユニークな教育環境だったので応募しようと思いました。また、アメリカの大学は高額な授業料で有名ですが、アメリカの大学機関でありながら奨学金のオファーも大変良かったので、躊躇なく進学を決めることが出来ました。
デューク大学大学院の進学はプログラムの内容で決めました。大学院レベルで舞踊学を勉強したいと考えていましたが、他分野に跨る、理論と実践を横断する、舞踊学の研究をしたいと考えていました。それが出来るプログラムは世界中でも数少なかったので、簡単に志望校を絞ることが出来ました。


Q. 留学に対する家族の反応はどうでしたか?

最初に留学をしたいと中学三年生の頃言った頃は、一年の語学留学という選択肢しか知らず、その選択肢に対しては金銭的な面で躊躇いがありました。家族との相談の末、一年間のみの渡航、帰国したら学年を一つ落とすことになること、ホストファミリーなどに関わるリスク、そして費用が嵩むこと、それらのことを踏まえて諦めることにしました。その一年後に、UWCのプログラム、奨学金制度が充実している二年間の卒業資格取得プログラムを見つけることが出来て、家族の理解も変わりました。一度留学を経験した後は、財政面との相談はありましたが、私の決断に対してとてもサポーティブでした。

Q. 留学の準備にはどのくらいの期間を要しましたか?留学を思い立ってから、実際に出発するまで、それぞれの準備段階にわけて教えてください。

高校留学、大学留学はスムーズに行きました。プログラムを知ってから、受験、選考会を経て、一年後には留学できました。大学院留学はコロナや奨学金の状況により、合格通知を受けてから一年延期して留学しました。
大学院留学
2019年5月:大学を卒業し、大学院への進学希望を固める
2019年夏頃:情報収集
2019年10月~2020年2月:大学院プログラムに応募
2020年3月:合格通知受け取る
2020年4月:コロナにより、大学院側に進学を一年延期することを申請
2020年4月~2021年3月:複数の奨学金に応募、面接など
2021年8月:留学


Q. 留学情報の収集はどのように行っていましたか?使用したウェブサイト、雑誌、イベント、SNS(YouTube、Twitter等)などがあれば、あわせて教えてください。

高校留学及び大学留学は先輩の留学をきっかけに知りました。大学院の留学は、お世話になった教授や先輩に聞いて回り適切なプログラムを探しましたが、最終的には、自分自身でウェブ検索して見つけたプログラムを受験し進学することにしました。


Q. 語学学習はどのように行っていましたか?

帰国子女だったということもあり、元々英語環境で育ったことは強みでした。日本に帰り、公立の小学校と、帰国子女受験のない私立中高に通ったので、その間に英語力がかなり低下しましたが、友人と積極的に英語を使うように心がけていました。同じく英語を勉強している友人と登下校を英語で話したり、洋楽を聞いたり、週一で放課後の英会話コミュニティに参加しました。また、高校留学で世界中から集まった生徒と寮暮らしをしたことでカジュアルな英語を、国際バカロレアの教育課程をすることでアカデミックな英語を習得し、英語力を大学進学レベルになるまで伸ばすことができました。


Q. 留学(斡旋)サービスなどは利用しましたか?

UWCの高校留学は、UWC日本協会のサポートを受けて留学しました。大学、大学院は個人応募で留学しました。同じく海外大学を受験している友人に聞いて受験方法を教えてもらったので、自力で受験することにしました。


Q. 留学の資金調達はどのように行いましたか?利用した奨学金などがあれば、あわせて教えてください。

高校留学は、UWC日本協会の奨学金と、一部自己負担で行きました。大学は、大学側の全額奨学金で行きました。大学院は、大学院側の授業料補助額が少なかったので、日本の奨学金を探しました。最終的にはJASSOの海外留学支援制度、ロータリー財団の地区補助金、一部自己負担、そして大学院でのリサーチアシスタントやティーチングアシスタントなどの仕事をして、留学を実現することが出来ました。


Q. 入学や学生登録の手続き、ビザの手続きなどはどのように行いましたか?特に苦労したことや気を付けた方がいいことなどがあれば教えてください。

学校側がビザの手配をファシリテートしてくれたので、その手順を踏んでビザの申請などを行いました。提示された締切を守ることだけ心がけました。

Q. 留学中の学校生活はどうですか(どうでしたか)?海外の学校だからこそ苦労することや、逆に学校生活での楽しみなどを教えてください。

初めて高校留学で海外に行った時は、英語で友人と会話するのは早々に慣れていきましたが、ディスカッションベースのクラスで発言することに苦労し続けました。教授との個別面談、ディスカッションのノウハウの習得、授業で使う資料を入念に読み込む準備と、成功体験の積み重ねで、徐々に良くなっていきました。
と同時に、それは学校生活の楽しみになっていきました。学びたい人に対してとてもポジティブでサポーティブなカルチャーがあったので、学びたい姿勢を強く持つ生徒と一緒に授業を受け、自分の興味を探求することは、変え難い経験だったと思います。


Q. 学校外の生活はいかがですか(いかがでしたか)?寮などでの生活や休日の過ごし方に加えて、街の治安などについても教えてください。

マーストリヒト(オランダ)、アブダビ(アラブ首長国連邦)、ダラム(アメリカ)の学校外の生活は、交通手段によって大きく作用されました。自転車の手段があったマーストリヒトは休日よく市内に出かけて、友人とピクニックをしたり、川沿いで座ったり、蚤の市に行ったりしました。アブダビは砂漠の真ん中にキャンパスがあり、タクシーかバスでしか市内に出かけることが出来なかったので、行く機会は多くありましたが、主に大学コミュニティの中で濃密に時間を過ごしました。今現在留学しているダラムは、車という移動手段があるので、ノースカロライナ州の自然の中でハイキングに行ったり、ドライブで遠出したりすることがあります。また、大学外でのダンスクラスや、イベント、交流会に参加したりローカルなコミュニティの輪も広げています。
いずれの場所も、治安は気になりませんでした。


Q. アルバイトやインターンはしていますか(していましたか)? 

基本的に大学・大学院在学中はどちらの学校でもリサーチアシスタント、ティーチングアシスタントの経験をしました。リサーチアシスタントは、教授の指導のもと、その教授に代わりリサーチを行ったり、研究内容のアーカイブ作業のお手伝いをしたりし、ティーチングアシスタントは、教授の教える授業に就いて、授業の準備、生徒とのやり取り、提出物の採点などを担当します。また、大学中は、学期中や長期の夏休み中に、スケジュールが許す限りインターンをしていました。演劇を専攻していたので、公演のプロジェクトに参加したり、劇場やギャラリーでの短期インターンを行いました。と同時に、特に何もしない期間を設けたり、家族との時間を作ることも心がけました。

Q. 留学を経験してみて感じたこと、学んだことはありますか?

最初に留学した時に、自分がまさか大学・大学院で演劇学、パフォーマンス学、舞踊学などの分野を専門的に学ぶとは想像していませんでした。芸術分野の研究が進んでいる大学研究機関に留学することで、芸術というものが社会をどう映し出し、批評し、そして新しい社会のあり方を想像・提起をするか知り、芸術分野がいかに社会に意義深い研究を生み出すものであることを学びました。つまり、自分の中に潜在的にあった学問のヒエラルキーが覆ったように思います。
また、多種多様なコミュニティーに参加することで、自分の育った環境で固まっていった価値観が壊されていく様子を体感しました。物への考え方、美学、政治性などから、人との距離感、関係性など、あらゆる面において、自分の既成概念が変わり続けています。自分より大きな世界が存在すること、その中で視野を広く持つことの大切さを学びました。


Q. 留学後の進路について教えてください。

アート実践者、研究者として、ダンスと社会を繋げ、理論と実践を横断した存在になりたいと考えています。


Q. 最後にこれから留学をする方へのメッセージ・アドバイスをお願いします。

私は留学したいという思いが先走って留学しましたが、常々思っているのは留学は目的ではなく手段であるということです。学びたいこと、会いたい人、身を置いてみたい環境を想像した時に、それが日本ではない場所にあるのなら、どんどん留学したらいいと思います。そして留学を決断した後、財政面、スケジュール、条件に合う学校がないなど様々なハードルはあると思いますが、オプションを広く持ち、情報をかき集めると、案外留学を実現する機会は様々あることに気づくはずです。応援しています!

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。