留学先の国の特徴や留学情報をご紹介。
国ごとの違いを明確に知り、自分にあった留学先を見つけましょう。

大学・大学院・短期大学・専門学校 奨学金留学

留学先国・地域:アメリカ合衆国
留学都市名:バークレー
留学先学校名:University of California Berkeley
専攻名:Business Administration
留学期間:2024年8月~2026年5月
留学形態:修士課程
奨学金:JASSO給付型「海外留学支援制度(大学院学位取得型)」

Q. 留学をしようと思った動機を教えてください。
大学時代にバックパッカーとして旅する中で、言葉が通じなくても温かく接してくれる人々に触れ、日本と海外をつなぐ仕事をしたいと考えるようになりました。その思いを胸に銀行に入行し、アメリカ駐在を経験しましたが、コロナ禍を通じて貧困格差やDEIといった社会課題を目の当たりにし、アメリカという国の歴史や発展をより深く学びたいと思うようになりました。  また、日々の業務の中で自身の力不足を痛感する場面があり、よりグローバルな環境でリーダーシップを磨きたいという思いが強くなりました。そこで、2年間、異なる価値観を持つ仲間と切磋琢磨し、国際的な舞台で活躍できるスキルと視座を身につけるために、留学を決意しました。

Q. 留学先の国・地域、留学先校を選んだ理由を教えてください。
伝統的な金融機関で働く中で、金融をより身近なものとし、多くの人の挑戦を支援できるようにしたいと考えるようになりました。その手段としてフィンテック分野に興味を持ち、新しい技術やビジネスモデルの可能性を学びたいと考えました。UC Berkeleyは、比較的シリコンバレーに近く、最先端のテクノロジーに触れる機会が多い点、ノーベル賞受賞者を多く輩出する理系の名門校として知られ、実践的なカリキュラムが充実している点が魅力でした。加えて、アントレプレナーシップやテクノロジーに関する授業が豊富な点が自身の目指すキャリアとも合致すると感じ、留学先として選びました。

Q. 留学に対する家族の反応はどうでしたか?
妻は日本での仕事があり、2年間離れて生活することになるため、迷惑をかける形にはなりましたが、それでも面接準備を含め、積極的にサポートしてくれました。また、両親には金銭面の相談も含めて事前に話をしていましたが、挑戦を前向きに受け止め、大手を振って背中を押してくれました。家族の支えがあったからこそ、安心して留学に踏み出すことができたと感じています。

Q. 留学の準備にはどのくらいの期間を要しましたか?
留学を思い立ってから、実際に出発するまで、それぞれの準備段階にわけて教えてください。 

留学を決意してから出発するまで、約1年間をかけて準備を進めました。
準備期間は個人の経験や語学力によって異なると思います。
2022年11月:情報収集の上、留学を決意。IELTS対策を開始 
2023年1月:IELTS受験。GRE対策を開始。 
2023年5月~7月:GRE受験、エッセイ準備 
2023年8月:奨学金応募、各学校の在校生とのコーヒーチャットを実施、同僚や教授に推薦状を依頼。
2023年9月~2023年12月:大学院願書提出(第一次)、面接実施も不合格、補欠 
2024年1月:大学院願書提出(第二次) 
2024年2月:奨学金合格、キャンパスビジット、面接実施 
2024年3月:大学院合格 
2024年4月~7月:ビザ申請、ワクチン接種等 
2024年8月:出発 

奨学金の応募、推薦状の依頼等が想像以上に切迫したので、前倒しで準備を開始する事をお勧めします。

Q. 留学情報の収集はどのように行っていましたか? 使用したウェブサイト、雑誌、イベント、SNS(YouTube、Twitter等)などがあれば、あわせて教えてください。
各学校の日本人MBA生が運営するブログ、海外大学院留学体験記、YouTube、Podcast、在校生とのコーヒーチャット、キャンパスビジットなど、考えうる手段は全て活用しました。

Q. 留学中の住まいはどのように探しましたか?
独身寮は手軽でしたが、妻が来た際に泊まれないため、学校近くのアパートを探しました。渡航前にCraigslistやZillowで物件をチェックし、在校生にもおすすめの地域を聞きました。多くの物件が内見後でないと正式に申し込めず、詐欺に見舞われるリスクもあった為、渡航後の最初の10日間はAirbnbで見つけたシェアハウスに滞在しました。到着翌日から5~6件まとめて内見を行い、住まいを決めました。

Q. 語学学習はどのように行っていましたか?
駐在中に最低限の英語力は身につけていたため、GREやIELTS対策では移動時間などの隙間時間も活用し、とにかく単語暗記に集中しました。MBA受験ではインタビュー対策が必要だったため、オンライン英会話で毎日同じ先生のタイムスロットを予約し、実践的な練習を重ねました。

Q. 留学(あっせん)サービスなどは利用しましたか?
個人カウンセラーから各学校の特徴や対策方法についてアドバイスを受けました。高額であるため、できる限り自分で対策を行いました。

Q. 留学にはどのくらい費用がかかりましたか? 留学の資金調達はどのように行いましたか?
各学校が予定費用を公開しているため、それを参考にしました。渡航前の受験料やワクチン接種費用などは100万円未満でしたが、2年間の学費だけで約3,000万円、家賃や生活費を含めると総額4,000万円近くかかる見込みです。  資金調達は貯金とJASSO奨学金を活用しましたが、それでも賄いきれず、家族からの借入を予定しています。当初は為替が好転する想定を置いていましたが、円安に加え、物価上昇の影響もあり想定以上に厳しい状況でした。JASSO奨学金がなければ、判断が難しかったと感じています。

Q. 準備しておいてよかったこと、また準備しておいたほうがいいことなどはありますか?
渡航直後は時差ぼけや環境の変化で疲れやすいですが、銀行口座の開設や家探しは早めに済ませることで、学業に集中しやすくなります。また、大抵のものは現地で購入できるため、船便で送るよりもAmazonや現地のオンラインサイトで購入する方が便利です。実際に、IKEAで小物から家具まで約80点を購入し、消耗品類はTargetやAmazonで揃えました。一方で、服は日本の方が安く高品質なため、できるだけスーツケースに詰めて持っていくことをおすすめします。

Q. 入学や学生登録の手続き、ビザの手続きなどはどのように行いましたか? 特に苦労したことや気を付けたほうがいいことなどが教えてください。
ビザや数回のワクチン接種等、自分の都合だけで完結できないものもある為、確りとやるべき事を棚卸しして取り組む事が肝要かと思います。また、渡航するまで家探しが出来ないことには不安を感じましたが、結果的には問題なかったです。

Q. 留学中の学校生活はどうでしたか? 日本の学校との違いや、海外の学校だからこそ苦労することや、学校生活での楽しみなどを教えてください。
課題に追われることもありますが、概ね楽しく日々を過ごしています。日本の大学と異なり、正解が必ずしも定まっていない問いについて議論する機会が多いため、自分なりのポジションを持ち、意見を発信することが重要だと感じます。言語的なハンディキャップを感じることもありますが、成長の機会と捉え、前向きに取り組むよう意識しています。
また、周囲の学生は「自分が何をしたいのか」という軸を持ち、多様な視点から物事に取り組んでいるのが印象的で、私自身も常に考えさせられる機会が多いです。日本と比べると個性や自由が重視される分、グループワークではコンセンサスを取りにくいと感じる場面もあります。しかし、多様な文化背景を持つ学生との交流を通じて新しい視点、考え方を学べる機会が多く、日々知的好奇心が刺激されています。
Q. 学校外の生活はどうでしたか? 寮などでの生活や休日の過ごし方、町の治安などについても教えてください。
キャンパスからバスで15分ほど離れたアパートで一人暮らしをしています。物価が高いため、近くの手頃なスーパーを利用し、主に自炊しています。休日は友人と学校のコートでテニスをしたり、ポットラックパーティーを開いたりと、充実した時間を過ごしています。治安については、サンフランシスコに近いため懸念されることが多いですが、実際には電車で30分ほど離れており、日常生活で特に危険を感じることはありません。

Q. 留学中の生活で大変だったことを教えてください。また、それをどのように克服、対応しましたか?
言語の壁がある中で、授業やグループワークでどのように議論に付加価値を生み出せるかは常に悩みながら試行錯誤を続けています。今学期はプロジェクト系の授業を多く履修し、プレゼンや議論の機会を増やすことで、意図的にリーダーシップを発揮する場を作るよう心がけています。実践を重ねることで、少しずつ自信をつけていけるよう努力しています。

Q. アルバイトやインターンなどの活動はしていましたか?
F1ビザでは初年度のアルバイト、インターンが認められていないため、2年目に実施する予定です。現在は、授業の一環として現地企業とプロジェクトに取り組む機会があり、実務経験を積みながら学んでいます。

Q. 留学を経験してみて感じたこと、学んだことはありますか? 留学前と比べて成長した面はありますか?
何事も制約や限界を作らず、まず試してみることが重要だと強く感じました。例えば、就職活動ひとつ取っても、日本ではある程度決まった方法があるように思いますが、アメリカではイベントや友人、教授のつてなど、さまざまな手段でネットワークを広げ、自由にキャリアを模索する姿勢が印象的でした。また、授業の一環で商品開発のためのユーザーインタビューを実践する機会がありましたが、つながりがなくても自ら積極的に連絡を取るなど、とにかく行動することが求められると実感しました。このマインドセットを持って、積極的にイベントに参加し、何でも手を挙げて取り組むことで、自分のキャパシティが広がっていると感じています。
Q. 留学後の進路について教えてください。
これまで銀行員として培ってきたファイナンスの知識と経験、そして大学院で学んでいる経営知見や海外での勤務・学習経験を活かしつつ、人や企業の挑戦を後押しできるビジネスに携わりたいと考えています。海外での大学・大学院進学を例にしても、やはり金銭的な理由で挑戦が叶わないケースは多く、そうした挑戦を健全に支援できる仕組み作りに関心があります。一方で、現時点では特定の道に決めつけるのではなく、さまざまな可能性を試しながら最適な進路を模索していきたいと考えています。

Q. 最後にこれから留学をする方へのメッセージ・アドバイスをお願いします。
留学は決して楽ではないですが、日本では得られない新しい発見や機会が沢山待っています。私の周りにも不安を抱えながら留学した人は沢山いますが、みんな日々楽しく過ごしているので、行きたいと思ったら是非飛び込んでみてください。応援してます!

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。