留学先の国の特徴や留学情報をご紹介。
国ごとの違いを明確に知り、自分にあった留学先を見つけましょう。

大学・大学院・短期大学・専門学校 奨学金留学

留学先国・地域:アメリカ合衆国
留学都市名:West Lafayette
留学先学校名:Purdue University
専攻名:Nutrition Science
留学期間:2022年8月~2026年5月
留学形態:博士課程
奨学金:JASSO給付型「海外留学支援制度(大学院学位取得型)」

Q. 留学をしようと思った動機を教えてください。
将来、大学教員になることを見据え、質・量ともに研究へ没頭できる環境を探していました。また、海外進学には国際的なネットワークを構築できる機会も期待していました。加えて、自分の研究テーマは欧米諸国において先進的かつ莫大な研究費を用いた研究が活発に行われているため、海外の大学院で経験を積むことは今後のキャリアにおいて強みになると考えました。

Q. 留学先の国・地域、留学先校を選んだ理由を教えてください。
端的に、「自分とマッチする研究室が見つかったから」以外の理由はほとんどありません。自分のやりたい研究ができるか(論文や面接を通して)、指導教員との相性は会いそうか(学部時代の指導教員の紹介や面接を通して)、研究室から論文が活発に出ているかなど、進学後の研究活動を軸として進学する大学を決定しました。仮に指導教員が別の大学に所属していれば、異なる大学へ進学していたと思います。

Q. 留学に対する家族の反応はどうでしたか?
特に変わった反応はありませんでした。進学先のアメリカ合衆国は、以前に家族で数年間住んでいたので、特に心配は無かったのだと思います。

Q. 留学の準備にはどのくらいの期間を要しましたか?
留学を思い立ってから、実際に出発するまで、それぞれの準備段階にわけて教えてください。 

海外の大学院への進学を決めたのは学部2回生夏です。
その後、興味を持った論文の著者へコンタクトを取る、また指導教員の紹介で教員、研究員、大学院生と面談をする等、直接的なやり取りを通して大まかに志望校のイメージを膨らませました。同時並行で、3回生の夏までに英語の試験(IELTS)の必要点数を取りました。これは、教員との面談時に既に必要な点数を持っているとポジティブに受け取ってもらえると考えたからです。

最終的に、現在の指導教員とマッチングし、本大学への出願を決定しました。出願を決めたのは3回生の2月で、そこから出願書類の準備や奨学金情報の収集を始めました(その過程で学生支援機構の奨学金を見つけました)。

その後、4回生の秋~冬には学生支援機構の奨学金申請と大学への出願が完了し、結果を待つのみとなりました。4回生の3月に合格通知が届き、1~2か月後にはビザ申請に必要な書類も全て届きました。実際にビザを取得したのは卒業後の6月でした。

したがって、留学を思い立ってから約3年、出願先を決めてから約2年を要しました。

Q. 留学情報の収集はどのように行っていましたか? 使用したウェブサイト、雑誌、イベント、SNS(YouTube、Twitter等)などがあれば、あわせて教えてください。
興味を持った論文の著者へコンタクトを取る、また指導教員の紹介で数名の教員、研究員、大学院生と面談をする等、直接的なやり取りを通して情報を収集しました。

Q. 留学中の住まいはどのように探しましたか?
現地の学生アパートの不動産サイトを見つけ、メールをして空いている部屋を紹介してもらいました。

Q. 語学学習はどのように行っていましたか?
IELTSの問題集を購入し、演習を軸として準備しました。また、IELTSは同義語の問題が多く出題されるため、単語の学習もしました。

Q. 留学(あっせん)サービスなどは利用しましたか?
利用しませんでした。

Q. 留学にはどのくらい費用がかかりましたか? 留学の資金調達はどのように行いましたか?
概ね初期費用は70万円くらいだと思います。アパートの契約費と初月分の家賃に25万円、渡航費に25万円、その他引っ越し費用等に20万円くらいはかかりました。留学の資金調達は概ね学部時代の貯金から行いました。

Q. 準備しておいてよかったこと、また準備しておいたほうがいいことなどはありますか?
身体の不調や不安は可能な限り取り除くことをお勧めします。具体的には、親知らずを抜こうか迷っている方、抜いておきましょう。また、多くの大規模な大学ではアパートが足りない問題が起こっています。進学が確定したら、可能な限り早く住まいを探すことをお勧めします。特に大学院生でresearch assistantやteaching assistantとして働く場合、住所が無いと銀行口座の開設や社会保障番号の取得などができず、とても苦労すると思います。

Q. 入学や学生登録の手続き、ビザの手続きなどはどのように行いましたか? 特に苦労したことや気を付けたほうがいいことなどが教えてください。
入学や学生登録の手続きは、すべて電子メールで行われました。必要書類が電子メールで送られてくるので、サインして返信する流れでした。ビザの手続きは、必要書類が全て届いてから面接の予約をしました。郵送でも手続きは可能でしたが、重要書類を郵送することに不安があったため、直接大使館まで行きました。

Q. 留学中の学校生活はどうでしたか? 日本の学校との違いや、海外の学校だからこそ苦労することや、学校生活での楽しみなどを教えてください。
アメリカの大学院の特徴として、授業の負担が大きいことが挙げられます。特に、最初の2年間は毎日のように授業があります。毎度多くの課題が出され、研究活動と両立することが非常に難しいです。
学校生活の楽しみは、研究活動で成果を挙げられたときです。これは、実験が上手くいった、論文が投稿されたなどが挙げられます。やはり自分の本業にやりがいと感じられているのは学校生活の楽しみと言えると思います。
Q. 学校外の生活はどうでしたか? 寮などでの生活や休日の過ごし方、町の治安などについても教えてください。
スポーツ観戦に行くことが多いです。車で日帰りできる距離に大きな都市がいくつかあるためプロスポーツも観られますし、スポーツが盛んな大学なのでキャンパス内でも高レベルな試合を観戦できます。町の治安は非常に良いです。隣町はやや危険な雰囲気のするエリアがありますが、特に不安を覚えるような経験はありません。

Q. 留学中の生活で大変だったことを教えてください。また、それをどのように克服、対応しましたか?
健康保険のシステムは、非常に分かりにくいです。一度、学内の診療所で健康診断を受けた際、本来支払う必要のない請求が届きました。保険会社へ見直しの申請をしたころ、約3カ月かかってようやく請求が取り下げられました。健康保険の内容を理解していなければ、支払っていたかと思います。アメリカは医療費が高額なうえ健康保険の内容も分かりにくいので、実際に医療サービスを受ける前にどの程度支払う必要があるか理解する準備が求められます。また、自分の大学には保険会社とやり取りをしてくれる代理人がおり、そこへコンタクトできたことは大きかったです。

Q. アルバイトやインターンなどの活動はしていましたか?
Research assistantやteaching assistantとして学内で働いています。Research assistantは主として所属研究室での研究活動が軸となりますが、稀に他の研究室からも雇ってもらえるケースのあります。自分の場合、この稀なケースが2学期続けてありました。新しい実験手法や研究内容に触れられる良い経験となりました。Teaching assistantでは、学部生の授業を担当しました。約90名の大規模なクラスでしたが、主任の教員のおかげで乗り切れました。

Q. 留学を経験してみて感じたこと、学んだことはありますか? 留学前と比べて成長した面はありますか?
何より研究者として大きく成長しました。新たな実験手法を数多く学び、論文を書く技術も大きく向上しました。また、授業を通して基礎的かつ多角的な知見を獲得しました。加えて、英語で学術的な議論をする技術が身に付きました。これは、今後の国際共同研究等に活きると考えられます。さらに、多くのタスクを効率的に処理する能力も徐々に身についていると思います。

Q. 留学後の進路について教えてください。
博士研究員(ポスドク)として働く予定です。

Q. 最後にこれから留学をする方へのメッセージ・アドバイスをお願いします。
一歩ずつステップを踏んで準備すれば留学は実現できます。そのためにも、留学すること自体を目的とせず、将来を見据えたステップとして留学をとらえ、自分とマッチした留学先を見つけることが最初のステップとなると思います。

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。