留学先の国の特徴や留学情報をご紹介。
国ごとの違いを明確に知り、自分にあった留学先を見つけましょう。

このページは2024年に調査した内容を掲載しています。特殊文字や記号は省略しています。

メキシコの大学はUniversidad、Instituto、Colegio、Escuela、Centroと様々な名称がついており、カリキュラムの内容・質、教員のレベルも多岐にわたります。自然科学や先端科学技術分野での研究設備が整っているのは国立の大学です。州立大学はその州の地場産業やニーズに対応するような分野に力を入れていることが多く、必ずしも自然科学や先端科学技術分野の研究整備が整っているとは限りません。一方、私立大学は経済学や経営学などのカリキュラムが充実しています。

教育機関としてだけでなく、幅広い研究プログラムやプロジェクト、文化の普及を行っており、メキシコでの大学ランキングの上位は国立大学が占めます。
家庭の経済状況に関わらず教育を受けさせる、という目的から、基本的に学費や入学費はゼロに近く、さらに奨学金制度も充実しています。
各州が運営する高等教育機関であり、文化の普及や知識の創出という機能を担っています。
公立大学ほど多くの学科や専攻を有していませんが、その分専門性を高めることができ、インフラも整っているのが特徴です。またほとんど全ての私立大学で独自の奨学金制度を設けています。

メキシコの大学についての詳細な情報を得るためには、メキシコ高等教育機関協会(Asociacion Nacional de Universidades e Instituciones de Educacion Superior:ANUIES)のデータベースの活用をお勧めします。大学名、所在地(州名)、分類(国立・州立は“Publica”、私立は “Particular”)の条件を設定し、検索することが可能です。
■メキシコ高等教育機関協会ANUIES>大学検索ページ〔スペイン語〕

主な学位は以下の通りです:
・大学修了後:学士(Licenciado)、専門学位(エンジニア、弁護士、会計士など)
・大学院修了後:修士(Maestria)
・博士課程修了後:博士(Doctorado)
 
上記の他にDiploma(ディプロマ)とCertificado(認定)があります。
基本的にディプロマは、高等教育機関で提供される中~長期間のコース・講座などを受講した際に提供される認定(証書)であり、Certificado(認定)は主に短期間で受講した後に提供される認定書(証書)です。学位ではありません。

主な専攻分野は以下の通りです(国立大学の一例)
建築、データサイエンス、工業デザイン、物理、エンジニア、数学
生物学、薬学、栄養学、歯科学、化学
コミュニケーション、法学、会計学、経済、地理学、社会学
芸術デザイン、映画学、グラフィックデザイン、哲学、外国語、ラテンアメリカ研究、芸術史、文学、音楽、翻訳、演劇学など

【大学の入学条件の一例】
学士課程は高卒であること(メキシコ以外の高等機関を卒業した場合、Revalidacionと呼ばれる卒業資格再認定手続きが必要になることもあります)
大学が求める最低基準の成績を満たしていること(基準は大学により異なる)
求められるスペイン語の語学力は大学にもよりますが、DELE(スペイン語検定)だとB2~C1レベルが求められます。大学によって、スペイン語能力証明として認められる試験が異なり、DELEではなく、SIELE (シエレ:スペイン語国際評価サービス)が求められる大学もあります。
志望大学の出願条件をよく確認しましょう。
滞在期間に応じた査証を有すること

DELEとSIELEについてはインスティテュト・セルバンデス東京のHPで詳細を確認してください。
試験の違いについても説明がされています。
■SIELE (シエレ:スペイン語国際評価サービス) 〔日本語〕
■DELEスペイン語検定〔日本語〕
 
【大学院の入学条件の一例】
学部と異なり、大学院の選抜方法は主に書類選考です。大学院への留学の場合、選考条件は各大学により異なりますので、事前に出願を希望する学科のコーディネーター(Coordinador Academico)に連絡を取り、詳細を確認することをお勧めします。書類選考の後に、筆記試験や面接を行う学科もあります。
出願時期は大学院によって大きく異なりますが、学期開始の約6か月前にはホームページや新聞に募集要項を掲載しますので、随時確認することが大切です。なお、大半の大学院のホームページには学年暦“Calendario Escolar”が掲載されており、受験、入学、学期開始・終了、休日などの日程を把握できます。なお、留学生用の特別な出願時期はありません。学科によっては2年に1回のみ開講する修士・博士課程もあるため、事前の情報収集が大切です。
 
【一般的な留学生への提供コース例】
多くの場合、基本的に授業はスペイン語で行われ、交換留学であれば日本の大学で専攻している学科の履修科目を受けることになります。
①交換留学(一例)
日本の大学との協定校でない場合も機関に連絡をすることで、留学可能な大学もあります。
協定校でない場合、「ビジター学生」として上記公募に応募し、登録費用と各履修科目における費用を払えば聴講が可能です。
セメスター(6か月)単位での交換留学です。
※協定校間の交換留学であれば、ほとんどの場合メキシコの大学の学費は免除されます。
②学部生として入学
③オンラインコースで学部生として入学

【一般的な留学生への学費】
私立大学の一例
1か月分:9,141ペソ(哲学専攻の学部生として入学する場合)
※その他大学に通う期間、医療保険などの支払いが必須な場合もあります

国立大学の一例
登録費用:250米ドル(ビジター学生として留学する場合)
一履修科目につき275米ドル

公立大学の一例
大学交換留学の場合、日本の大学側で必要な書類を集め、大学を通して交換留学に応募します。協定校でない場合も各大学で定められた必要書類を集め、各HPに記載されているメールアドレスに書類を送ることで留学が認められる場合もあります。

国立大学の一例
協定校である場合は毎年、3月または8月に告知される公募に応募します。
協定校でない場合、「ビジター学生」として上記公募に応募し、登録費用と各履修科目における費用を払えば聴講も可能です。

交換留学の場合
各大学管轄部署への問い合わせが必要です。
上記記載の国立大学一例にビジター学生として留学する場合、以下の要件が求められます。
・SIELEもしくはDELEの全体レベルでB2を有すこと

大学に学部生として入学する場合
公立・私立含め、大学ごとに入学試験・審査方法は異なりますが、基本的には高校卒業資格を有することが求められ、国外で卒業した場合はRevalidacion(再検証)という手続きを行うことで、国外の高卒資格が認められることとなります。

国立大学入学までの流れ
1月:入学申請書の入力、入学試験の支払い
5月:入学試験の実施
7月:入学試験結果の公示、入学手続き
8月:大学授業開始

大学卒業のためには、Servicio Social(社会奉仕)と呼ばれるインターシップのような活動が卒業に不可欠となります。期間については6か月から2年までとさまざまで、各大学が定めた時間数をクリアする必要があります。この社会奉仕については、各大学と協定を結んでいる企業で行う必要があるなど、制限がある場合もありますが、社会奉仕での繋がりが正社員雇用に繋がることもあります。基本的には無給での奉仕となりますが、場所によっては交通費や食費を支給してくれる場所もあります。
日本人学生の数が欧州や米国などと異なり少ないため、大学に「日本人サークル」や「アジアサークル」というものはありませんが、大学によっては日本との協定校が複数あり、メキシコシティであれば他の日本人大学生と知り合う機会はあります。他の州だと外国人の数も少ないため、日本人学生と交流できる機会はあまり多くありません。
社会人になれば日本商工会議所などもあるため、現地で働く人との交流機会は多くなります。
2022年度においては、43,348名の留学生がメキシコに来たとされており、その大半がアメリカからの留学生ですが、続いてカナダ、コロンビア、アルゼンチンからの学生が多くメキシコに留学しています。

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。