留学先の国の特徴や留学情報をご紹介。
国ごとの違いを明確に知り、自分にあった留学先を見つけましょう。

このページは2020年7月時点で更新した情報です。各情報・データは更新時における一般的な状況です。教育機関、あるいは時期により異なる場合がありますので、最新・個別の情報については必ず各機関にご確認ください。

1965年に建国されたシンガポールは、面積が約720平方キロメートル、人口約564万人(2019年1月時点)の都市国家です。中国系・マレー系・インド系・その他の民族で構成された多民族国家で、公用語はマレー語・中国語・タミル語・英語の4言語です。教育は英語で行われ、公用語の中からもう一言語を学ぶ二言語教育がとられています。いくつかの言語が混じり合ったシングリッシュと呼ばれるシンガポール独特の言語表現が日常生活では広く使われています。熱帯に位置するため四季はなく、一年を通して高温多湿です。英語が広く通じること、インフラが整備されていること、治安がいいこと、政府の透明性が高いことなどから、国際ビジネスの拠点として発展してきました。外国人が選ぶ住みやすい国ランキングで、常に上位に選ばれています。

シンガポール国内には国立大学が6校あります。通常、2学期制で、8月から新学年が始まりますが、新入生向けのオリエンテーションが7月に始まる場合もあります。

このほか、INSEAD、シカゴ大学など、海外の大学がシンガポール校を設置しています。また、技術訓練校であるポリテクニック5校も外国人留学生を受け入れています。

ナンヤン工科大学

工科デザイン大学

国立大学の授業料は、シンガポール国民か、永住権保持者か、外国人留学生かで費用が異なります。フルタイムのコースに在学する外国人留学生は、卒業後にシンガポールに基盤を置く組織で3年間働く契約をすると、教育省からの補助金により減額された授業料が適用されます。
この制度は、学士課程では授業料交付契約(Tuition Grant Scheme)、修士・博士課程ではサービス義務契約(Service Obligation Scheme)と呼ばれます。どちらもオンラインで申請できます。これらの契約をしない、もしくは何らかの理由でできない外国人留学生は、教育省からの補助金がない学費が適用されます。医学部など、シンガポール政府の規定により契約対象外の専攻もありますので、各大学のホームページから授業料を直接確認してください。
授業料の一例として、ナンヤン工科大学(NTU)の授業料をあげます。学費/年は全てシンガポールドル、2020年度入学の例です。
  授業料交付契約あり 授業料交付契約なし
学部 17,550~ 31,970~
  サービス義務契約あり サービス義務契約なし
大学院 19,600~  

入学申請に必要な条件は、各大学と専攻により異なります。また、高校を卒業する際に、GCE-Aレベル、あるいはIB(International Baccalaureate)を取得している場合、入学申請の方法が異なる場合があります。各大学のホームページで直接ご確認ください。

外国人留学生は、大学が規定する例外の学生を除き、在籍大学の学生医療保険に加入する必要があります。各大学により医療保険の費用は異なります。保険が適用になるのは、大学内の医療機関ならびに大学指定医療機関に受診した場合のみで、保険が適用される医療処置内容には制限があります。 医療水準の高いシンガポールでは、多くの私立病院があり、日本人が経営もしくは日本人医師が常駐する病院があります。そのような私立の医療機関に受診を希望する場合は、海外旅行保険に加入しておくことをお勧めします。

日本国籍であればシンガポールに入国する際にビザは必要ありませんが、シンガポールの高等教育機関に留学する学生は、入国前にSOLAR(Student’s Pass On-Line Application & Registration)システムで学生パスを申請する必要があります。

学生パスを申請するには、まず留学する高等教育機関に入学申請をします。申請が受理された場合、高等教育機関が入学許可書を発行します。入学許可書にはSOLARシステムへのログインに必要なSOLAR申請番号が記載されています。入学許可書が発行されたら、SOLARシステムにログインして、学生パス申請書であるeForm16を提出します。eForm16提出後の審査期間は通常5営業日ですが、入学申請の多い7~8月の繁忙期はこれより長い日数が必要な場合があります。申請はコースが始まる2か月前から1か月前までなので、この期間のなるべく早い段階で申請することをお勧めします。

申請が受理された場合、学生パスの発行機関であるシンガポール入国管理庁(ICA:Immigration & Checkpoints Authority)からIPAレター(In-Principle Approval letter)が発行されます。入国ビザが不要な日本国籍の留学生は、シンガポール入国時にこの証明書を提示します。IPAレターには、学生パス受理の際に必要な提出書類が記載されており、健康診断証明書が必要な場合は、その旨も記載されています。

シンガポール入国後、留学生はIPAレターに記載されている全ての必要書類(英語でない場合は、公証を受けた翻訳を付ける)を持って入国管理庁に出向き、学生パスを受理します。学生パスは留学するコースが始まる一か月前から受理できます。シンガポール入国後、学生パスを受理するまで、近隣国を含む外国への出国はできません。申請方法ならびに申請に必要な書類などの最新情報は、入国管理庁のホームページで確認してください。

申請費用は、60シンガポールドルで、マルチプルジャーニービザ/Multiple Journey Visa(有効期限内に何度でも出入国ができる)を希望する場合は、更に30シンガポールドルかかります(2020年)。クレジットカード、デビットカード、もしくはインターネットバンキングでの支払いが可能です。

シンガポールの生活費は、住居費の占める割合が大きく、住居や生活スタイルで大きく異なります。大学の学生寮に入居できれば住居費は抑えられますが、全ての学生が寮に入居できるわけではありません。寮に入れない場合は、大学近辺で住居を探す必要があります。

シンガポールはMRT・LRT(電車)、バスなどの公共交通が発達しており、割安な学生運賃が設定されています。島内の車両台数を制限するため、自動車の購入は大変高額な一方で、タクシーは手軽に利用できます。タクシーの初乗り運賃は3シンガポールドルからで(車種により異なる)、交通量が多いピークタイムと夜間は割増料金となります。空港、マリーナベイ、セントーサ島など指定の場所から乗車した場合と中心部に乗り入れた場合は、追加料金がかかります。

一例として、シンガポール国立大学(NUS)が想定する学部生の生活費/年(休暇期を除く)をあげます。
  • 住居費(学生寮):2,905~7,140シンガポールドル
  • 食費:894.52~1,776.50 シンガポールドル
  • 個人的な出費:2,200シンガポールドル
  • 国内交通費:800シンガポールドル
  • 教材費:400シンガポールドル

シンガポールは治安の良い国ですが、レストラン、空港、ショッピングセンター、路上などで、スリや置き引きが発生しています。犯罪への処罰は厳しく、麻薬の所持は外国人であろうと厳しい処罰を受けます。また、チューインガム(医療用を除く)の持ち込みが禁止されている、公共物や私有物への落書きで鞭打ち刑を受けるなど、日本とは異なる法律があるので注意が必要です。 禁煙場所での喫煙、ごみのポイ捨て、異臭物を公共交通内に持ち込む、路上で泥酔するなどの行為も謹んでください。

シンガポールでの就労にはWork Passが必要ですが、学生パス(Student Pass)を保持している留学生は例外的に週16時間を上限にアルバイトが可能です。在学している大学の産業プログラムで、卒業要件を満たすのに寄与する場合、あるいは大学が長期休暇中は、時間制限はありません。詳細は、人材資源省のページで確認してください。

シンガポールの教育は、シンガポール教育省(MOE:Ministry of Education)が管轄しています。義務教育は初等教育の6年間です。 初等教育卒業時の初等学校卒業試験(PSLE:Primary School Leaving Examination)、中等教育卒業時のシンガポール・ケンブリッジ普通教育認定試験(GCE-O:Singapore Cambridge General Certificate of Education, Ordinary Level)、大学準備教育(ジュニアカレッジなど)卒業時のシンガポール・ケンブリッジ上級教育認定試験(GCE-A:Singapore Cambridge General Certificate of Education, Advanced Level)の結果に基づいて、進学先が決まります。PSLEの結果により中等教育進学の時点で、中高一貫校、特別独立学校、中等学校エクスプレスコース、中等学校ノーマルコース、特別学校職業指導コースに振り分けられ、その後の進路に大きく影響します。 二言語政策と初等教育段階からの能力主義がシンガポールの教育制度の特徴です。

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。