大学・大学院留学
2025年5月14日更新
このページは2025年に調査した内容を掲載しています。
学校の種類
1. 大学(高等教育推進調整法(HFKG)に基づき運営される高等教育機関)
a. 総合大学:州立10校
b. 連邦工科大学:国立2校
b. その他のHFKGに基づく高等教育機関:8校
2. 専門大学
a. 応用科学大学・芸術大学等:公立11校、私立6校
b. 教育大学:19校
3. 上級専門学校(職業訓練校) :383校(州立または私立)
分野は、工業技術、飲食・旅館業、経済、農林業、医療、福祉、成人教育、芸術・造形デザイン、交通・運輸と多岐に渡ります。
留学までのタイムスケジュール
リンク集(学校検索など)
学位の種類、修業年限
大学(総合大学、連邦工科大学)では、学士(3年)、修士(1年半~2年)および博士(3年)を取得できます。専門大学では学士(3年)と修士(2年)を取得できます。上級専門学校では、連邦高等教育ディプロマ(2年または3年)を取得できます。
一般的な留学生受入条件や提供コース
一般的な留学生受入条件
総合大学および連邦工科大学
一般的な留学条件・資格は、各大学が出願者の出身国別に設定しています。学士課程を志望する日本人学生の場合、下記を履修した高校の卒業証明書が必要になります。
1 国語
2 英語など第二言語
3 数学
4 理科(生物、化学、物理)
5 社会(地理、歴史、経済/法律)
6 選択科目(2、4、5から1教科、または情報科学もしくは哲学)
各大学の入学要件は各大学が設定しています。下記にその例をいくつか示します。
・スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL、基礎科学コース、情報・コミュニケーション科学コース、エンジニアリングコース):高校卒業証明書および独自試験。英語とフランス語でヨーロッパ言語共通参照枠C1レベルを推奨。EPFL言語センターが言語・コミュニケーションスキルの習得を無料サポート。
・バーゼル大学(ビジネスコース、経済学コース):5段階評価で3以上の成績の高校卒業証明書、および認可を受けた日本の大学が発行した希望学科の大学入学資格証明書、およびスイス大学補足試験(ECUS)合格。主にドイツ語で授業等が行われるため、ドイツ語でヨーロッパ言語共通参照枠C1レベルを推奨。バーゼル大学言語センターが、必要レベルの言語能力を習得できるよう支援している(www.sprachenzentrum.unibas.ch)。
専門大学
科学技術系・ビジネス系、サービス系・芸術系など多種多様な専門大学については、入学に関する規則(専門大学入学規則)に基づき、各大学が定めています。同規則によると、希望専攻分野に関連する職業高校課程修了証などがあれば、試験を受けずとも入学が認められますが、25歳で一定期間の職業訓練と職業経験があれば入試を受けられます。ここでも、いくつかの大学で提供しているコースと入学要件を紹介します。
・チューリッヒ応用科学大学(応用言語学、応用心理学、建築・デザイン・土木工学の各コース):応用心理学の学士課程の入学要件は、以下となっています。
1 研修以外での少なくとも1年間の実務経験
2 中級専門学校修了資格(Berufsmaturitaet)、専門大学入学資格(Fachmaturitaet)、または普通科卒業、上級専門学校のディプロム
3 有料の2段階適性テストに合格
4 ドイツ語と英語に関する優れた知識(ドイツ語はヨーロッパ言語共通参照枠C1、英語で授業等を受ける場合はB2)
・チューリッヒ芸術大学(美術、音楽、演劇、映画、美術教育、文化批評、デザインなどのコース):デザインコースの学士課程の入学要件は、以下の通りです。
1 中級専門学校修了資格、専門大学入学資格、または普通科卒業、その他同等の職業教育修了(全コース共通)。
2 デザインコースの学士課程については、専門分野の職業教育経験がない場合は、1年間の実務経験または2学期間の予備授業(Propaedeutikum)を経験していること。
・言語能力(一般的にドイツ語と英語でヨーロッパ言語共通参照枠B2だが、映画ではドイツ語のC1が必要)、創造力など専門の適性。
学費
公立大学 (応用科学大学:学士課程および修士課程で年間約2,000~45,000スイスフラン、総合大学など:学士課程および修士課程で年間約1,000~8,000スイスフラン、博士課程で年間約400~700スイスフラン)
公立大学の学費については、
swissuniversities のウェブサイト [英語] のTuition fees at the member institutions of swissuniversitiesの各アイコンをクリックして、Tuition fees per semester: Foreign studentsの欄に列挙されています。
各大学では例えば次のように授業料の案内をしています。
・スイス連邦工科大学ローザンヌ校:全コース・全課程共通で2025年秋学期より年間4,380スイスフラン(2025年秋学期より外国人留学生のみ3倍値上げした金額)。
・バーゼル大学:全学部(法学部、哲学部(歴史系、自然科学系)、経営・経済学部、医学部等)共通で学士・修士課程は年1,700スイスフラン、博士課程は年700スイスフラン。
私立大学 (平均的に高い。年間43,000ユーロに達することも。)
・Swiss School of Higher Education(ビジネススクール):学士(3年)は年間28,000スイスフラン、修士(1.5年)は年間32,000スイスフラン、博士(3年)は年間20,000スイスフラン。
・International Institute in Geneva(情報科学部を含む):学士(3年)は年間34,500スイスフラン、修士(1年)は年間36,400スイスフラン。
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応募方法
出願方法については大学ごとに定められており、政府・関係省庁等による統一した出願サイトはありません。例としていくつかの大学や大学院の出願方法を紹介します。
・バーゼル大学
学士、修士、博士のすべての課程でオンライン出願を採用し、パスポートや履歴書、卒業・修了証明書などの提出書類もオンラインで提出します。出願時に100スイスフランの出願料をオンラインで支払います。
学士課程、修士課程:医学系・スポーツ系を除いて、2025年秋学期の申請期限は2025年4月30日。2026年春学期の申請は、2025年10月15日から可能で期限は2025年11月30日です。コースやプログラムによっては秋学期の申請しかできないことがあります。医学系およびスポーツ系の2025年秋学期の申請期限は2025年2月15日です。
博士課程:2025年春学期の出願締め切りは2025年1月5日です。
・スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)
学士課程 :秋学期(9月)の出願時期は11月中旬から4月30日まで。オンライン出願。
この期間内に証明写真やパスポート、申請時期までの中間成績表や成績証明書、語学力証明書などをアップロードして、出願料(外国人は150スイスフラン)を支払います。7月10日までに最終成績表や卒業証明書をアップロードします。書類はすべて英語、フランス語ドイツ語、イタリア語のいずれかで作成し、すべての書類について公認翻訳を他の言語で添付する必要があります。
修士課程 :出願時期は12月16日から3月31日。フランス語または英語でのオンライン出願。この期間内にパスポート、履歴書(職務経歴書)、学士位のコピー、成績証明書、志望動機書、推薦状を依頼する推薦者3名の連絡先(推薦状は申請期限の一週間後までに提出)などをアップロードします。このとき、外国人はやはり150スイスフランの出願料を支払います。
博士課程 :出願時期は専攻によってまちまちですが、4月と12月、1月の期限が多いです。オンラインで出願します。出願料は無料ですが、学外からの学生には博士課程登録料がかかります(外国の大学の場合は150スイスフラン、スイスの他大学の場合は50スイスフラン)。すべて英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語のいずれかで作成または翻訳された卒業・修了証明書と成績証明書、志望動機書、パスポートのコピーをアップロードします。推薦状を作成する3名の推薦者の連絡先も提供します。
大学のサイトを読みこなそう(ドイツ語)
入学試験・審査方法
各大学の入学試験や審査方法は各大学が設定しています。下記にその例をいくつか示します。
総合大学および連邦工科大学
・スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL):独自試験。
英語とフランス語でヨーロッパ言語共通参照枠C1レベルを推奨。
・バーゼル大学(ビジネスコース、経済学コース):スイス大学補足試験(ECUS)。
主にドイツ語で授業等が行われるため、ドイツ語でヨーロッパ言語共通参照枠C1レベルを推奨。
専門大学
科学技術系・ビジネス系、サービス系・芸術系など多種多様な専門大学については、入学に関する規則(専門大学入学規則)に基づき、各大学が定めています。同規則によると、希望専攻分野に関連する職業高校課程修了証などがあれば、試験を受けずとも入学が認められますが、25歳で一定期間の職業訓練と職業経験があれば入試を受けられます。ここでも、いくつかの大学で提供しているコースと入学要件を紹介します。
・チューリッヒ応用科学大学(応用言語学、応用心理学、建築・デザイン・土木工学の各コース):応用心理学の学士課程の審査方法および語学力条件入学要件は、以下となっています。
1 有料の2段階適性テストに合格
2 ドイツ語と英語に関する優れた知識(ドイツ語はヨーロッパ言語共通参照枠C1、英語で授業等を受ける場合はB2)
・チューリッヒ芸術大学(美術、音楽、演劇、映画、美術教育、文化批評、デザインなどのコース):デザインコースの学士課程の語学力条件は、以下の通りです。
・一般的にドイツ語と英語でヨーロッパ言語共通参照枠B2。ただし映画専攻ではドイツ語のC1が必要。
その他
卒業後の就職
インターンシップ・キャリアフォーラム-スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)の例
修士課程の学生は、企業のインターンシップに参加しなければなりません。学習・研究において習得したスキルと知識を応用して、8週間以上6か月以内の期間に連続してフルタイムで働きます。学期と重なる場合は秋学期では10月1日まで、春学期では3月1日まで参加できます。EPFLの学習管理ツールIS-Academiaでインターンシップを探して応募・登録することもできますし、個人的に別に探して最終的にIS-Academiaに登録することも可能です。
3月初旬には、春学期のインターンシップを探す修士課程の学生を対象としたイベントも開かれます。そこでは、EPFLイノベーションパークの企業(AXA、Siemens Healthineers、Agilentなど)が180秒のプレゼンを行ったり、直接学生にインターンシップの参加を促したりします。
就職事情
連邦経済省経済管轄局(SECO)では、学位取得や職業訓練修了の前に就職活動を始めるよう勧めています。最初に実務訓練やインターンシップで働いたことのある企業に就職できるかどうかを尋ねることから始めて、スイス国内外の様々な関連分野の企業にアプローチするようアドバイスしています。
具体的には、ネットワーキング、Job-Roomなどのオンライン求人ポータル、企業ウェブサイトや新聞の求人からの応募、人事コンサルタントの活用などを提案しています。
大学でも就職のサポートを行っています。例えばEPFLではワークショップやセミナーの他に、独自の求職プラットフォームや卒業生のLinkedInグループでの就職活動が可能です。バーゼル大学では、キャリアサービスセンターが就職関係のワークショップを開催したり、個別に履歴書のチェックや相談に応じたり、卒業生のみを対象とする求人掲示板が設けられていたりします。
留学生会など、現地の日本人との交流
・
Japan Club Zurich(チューリッヒ日本人会) [日本語]
新年会や親睦会、コンサートなどで交流を図ったり、現地のくらし情報などが紹介されていたりします。
・
バーゼル日本人会 [日本語]CERN見学会、星空観賞会、バーゼル美術館鑑賞会など、定例イベント以外にも様々な交流の催しがあります。
・
ベルン日本人会 [日本語]
ベルン在住の日本人を中心とした、会員同士の親睦を目的とする会です。最近では新年会、映画上映会、ボウリング&お食事会などが開催されています。
留学生の出身国別統計
スイス連邦統計局によると、総合大学、連邦工科大学、専門大学に通う2023/24年度の外国人留学生数は合計78,558人でした。
留学生の出身国別統計は、次の通りです。以下のランキングにアジアの国はありませんが、アジア全体で8,464人の学生がスイスに留学しています。
ドイツ:11,974人
フランス:9,449人
イタリア:6,451人
オーストリア:1,506人
スペイン:1,505人
ポルトガル:1,356人
トルコ:1,157人
ロシア:954人
ギリシャ:814人
ベルギー:729人
イギリス:648人
オランダ:600人
ポーランド:598人
ルーマニア:557人
リヒテンシュタイン:457人