大学・大学院留学
2025年5月12日更新
このページは2025年に調査した内容を掲載しています。
学校の種類
●総合大学
Yliopisto(フィンランド語) / Universitet (スウェーデン語)/University(英語)
●応用科学大学
Ammattikorkeakoulu, AMK(フィンランド語) / Yrkeshogskola, YH(スウェーデン語)/University of Applied Sciences, UAS(英語)
教育文化省が管轄する高等教育機関として、総合大学が13校、実践的な職業教育に重点を置く応用科学大学が22校あります。また、応用科学大学には、他にもオーランド応用科学大学、また内務省が管轄する警察大学の2校があります。
総合大学がアカデミックな教育に力を入れているのに対し、応用科学大学は専門的な職業教育に重点を置き、教育省から認可を受けた学位プログラムを提供しています。
大学は、Study in Finlandより探すことができます。
Study in Finland〔英語〕 Home > Universities
留学までのタイムスケジュール
リンク集(学校検索など)
学位の種類、修業年限
●総合大学で取得できる学位
・学士号:Kandidaatti(フィンランド語)/ Kandidat(スウェーデン語)
・修士号:Maisteri(フィンランド語)/ Magister(スウェーデン語)
・上級修士号(開業有資格者):Lisensiaatti(フィンランド語)/ Licentiat(スウェーデン語)
上級修士号は、第3サイクル(Postgraduate studies)の下位学位として修士号と博士号の間に設置されている場合があります。ただし、医学部、歯学部、獣医学部の場合は修士号に相当し(開業有資格者)、学士課程を修了した後ですぐに履修します。
・博士号:Tohtori(フィンランド語)/ Doktor(スウェーデン語)
●応用科学大学で取得できる学位
・UAS学士号:Ammattikorkeakoulututkinto(AMK)(フィンランド語)/ Yrkeshögskoleexamen (YH)(スウェーデン語)
・UAS修士号:Ylempi ammattikorkeakoulututkinto (Ylempi AMK)(フィンランド語)/ Högre yrkeshögskoleexamen (högre YH) (スウェーデン語)
在学期間と単位
● 総合大学
・学士:3年(必須単位180ECTS)
・修士:2年(必須単位120ECTS)
・上級修士:2年(必要単位60ECTS)
医学部、獣医学部の場合は3年(必須単位は学士課程との合計で360ECTS)
歯学部の場合は2.5年(必須単位は学士課程との合計で330ECTS)
・博士:4年以上(必須単位240ECTS)
●応用科学大学
学士:3.5~4.5年で取得(必須単位:210~270ECTS)
修士:1.5~2年(必須単位:60~90ECTS)
※専攻により異なる
一般的な留学生受入条件や提供コース
国際的に優れた業績を上げている学術分野として、科学技術・IT、建築、デザイン、音楽などが知られています。また、地域特有の研究分野にはバルト地域研究、北極研究、言語学(フィンランド語をはじめとするフィン・ウゴル語族の言語)などがあります。人気の高い学術分野には、ビジネス・行政・法律、工学、情報通信技術などが挙げられます。
-協定留学
フィンランドへの留学は、協定関係にある外国の大学からの交換留学プログラムの学生として数か月~1年間の受け入れが一般的です。この場合は学位の取得はできませんが、学位取得課程の講義を履修することが可能な場合があります。
[例]
ヘルシンキ大学協定校(Mobility Partners)アジア
アールト大学ビジネススクール協定校(International Partners Universities)
ユヴァスキュラ大学協定校(Bilateral partner universities of JYU)
-フリームーバー/ビジティング・スチューデント
日本の在籍校が交換留学協定を結んでいない大学へ、個人で申し込み手続きを行い留学する方法があります。この形態での留学生はフリームーバー(Free mover)もしくは、ビジティング・スチューデント(Visiting student)と呼ばれ、大学で2か月~1年間学ぶことができ、フィンランドでの履修内容が日本の大学の単位に変換できる場合もあります。
ヘルシンキ大学の場合、受け入れの条件として、ヘルシンキ大学のコースを履修するか、インターンシップ・論文執筆・博士課程の研究を行い、ヘルシンキ大学で修了した単位、コース、研究が自国の教育機関で単位として認定されることを挙げています。ヘルシンキ大学のビジティング・スチューデントは同学の学位は取得できませんが、すべての履修内容に対して単位が取得でき、学費も無料です。
-正規留学(学位取得留学)
個別出願(Separate application)、または1回の出願で最大6学科まで併願できる共同出願(Joint application)により出願します。どちらの出願もオンライン(studyinfo.fi)で行えます。
・学士課程
学士課程は、総合大学と応用科学大学で開講されています。外国人留学生の入学資格・条件に関しては各大学に独自の選考基準があるので、できるだけ早くから志望校の情報を集めるようにしましょう。一般的には、高校の卒業証明書が必要です。
履修できる学士課程の全プログラム一覧 (Studyinfo)[英語]
・修士課程
修士課程は総合大学と応用科学大学で開講されています。修士課程で専攻を希望する分野と同じ、または関連する分野の学士号を取得していることが条件です。応用科学大学の場合は、職業技術に関する高い専門性を持った講義や実習があるため、学士号取得に加え、関連分野で2年以上の職務経験が必要です。
履修できる修士課程の全プログラム一覧 (Studyinfo)[英語]
・上級修士課程、博士課程
上級修士課程と博士課程は総合大学にのみ設置されており、応用科学大学にはありません。
上級修士課程は博士課程の前の学位で、2年間で学位が取得できます。
博士課程の出願は、開講されている大学に直接行います。
履修できる博士課程プログラム一覧 (Studyinfo)[英語]
学費
日本人を含めたEU/EEA以外の学生は、英語を指導言語とする学士課程・修士課程に対して学費を納める必要があります。学費は、大学により年間8,000~20,000ユーロです。なお、博士課程の学費は国籍を問わず無料です。
[例]アールト大学の学費(2025年8月1日より適用)
ビジネス分野:学士課程12,000ユーロ、修士課程15,000ユーロ/年
工学分野:学士課程12,000ユーロ/年、修士課程17,000ユーロ/年
この国の政府奨学金を見る
留学のための奨学金
海外留学奨学金検索サイト
応募方法
学士課程と修士課程には2つの方法で出願できます。
第1の方法は、プログラムに直接出願する個別出願(Separate application)です。学士・修士課程の出願締め切りは、指導言語やコースによって異なるので、必ず志望先の出願方法およびスケジュールを確認しましょう。出願は、総合大学や応用科学大学のウェブサイトのほか、フィンランド教育庁が運営している
studyinfo.fi でも、プログラムを検索して直接出願フォームを送信することができます。
もう一つの出願方法は、最大6学科まで併願が可能な共同出願(Joint application)で、これも
studyinfo.fi を経由して行えます。共同出願は年に3回行われ、英語によるプログラムへの出願は、プログラムの開講時期により1月か9月、またフィンランド語/スウェーデン語による学位プログラムの共同出願は毎年3月にあります。
なお、2025年1月1日から、EU、EEA、スイス以外の国からの出願者(日本人を含む)は、フィンランド永住権などの在留許可がない限り、100ユーロの出願料の納付が義務付けられました。
協定留学の場合は、日本の所属大学に確認してください。出願日程が異なるので注意しましょう。なお、博士課程への出願は締め切り日を特に設けていない場合があるので、志望する研究室に直接問い合わせてください。必要書類の作成言語は、学校の指示に従って準備しましょう。
できるかぎり早い時期から、志望大学のウェブサイトを確認し、情報を集めるようにしましょう。不明な点や不安なことがある場合は、志望大学へメールなどで問い合わせるようにしましょう。
入学試験・審査方法
出願後、入学試験が課されるかは各プログラムによって異なります。また、SAT(大学進学適性試験)、GMAT(Graduate Management Admission Test)、面接などが選考プロセスに含まれる場合もあります。英語によるプログラムに出願する場合は、IELTS、TOEFL、PTE、ケンブリッジ英語検定などの結果を提出して英語力を証明する必要があります。
[学士課程の例]
Bachelor's Degree Programme in Sustainable and Social Entrepreneurship, Bachelor of Science (Economics and Business Administration) (3 years), University of Turku
定員20名、以下の2つのグループから選考:
グループI(70%):
SATテストの結果(Evidence Based Reading and WritingおよびMathematics)に基づき選考。
グループII(30%):
証明書(フィンランド入学資格試験、国際バカロレア、欧州バカロレア、Reifeprüfung/Die Deutsche Internationale Abiturprüfung)の成績に基づく入学スコアに基づき選考。
トゥルク大学が定めた学士課程の英語の能力を示す以下の証明書のいずれか
TOEFL(有効期限2年):総合スコア78点以上、IBTでのライティングテストスコア20点以上
IELTS(有効期限3年):バンドスコア6.0、ライティング5.5以上
ケンブリッジ英語検定:C2 Proficiency、C1 Advanced
PTE(有効期限2年):総合スコア54点以上、ライティング42点以上
YKI(フィンランド教育庁が主催する語学検定):全領域(読解、ライティング、スピーキング、リスニング)で4以上
[修士課程の例]
Architecture, Master's Programme in Architecture, Master of Science (Architecture) (2 years), University of Oulu
・建築学の学士号またはフィンランドのUAS学士号(rakennusarkkitehti AMK)を'very good'または'excellent'の成績で取得し、ポートフォリオの設計スキルも同様の成績であること。
・出願者の履歴書を含むデジタルポートフォリオ、ビデオにより選考。
・オウル大学が定めた修士課程の言語要件を証明する書類の提出。
例:
TOEFL(有効期限2年):92点(ライティング20点以上)
IELTS(有効期限2年):6.5(全セクションで5.5以上)
PTE(有効期限2年):62点(ライティング52点以上)
ケンブリッジ英語検定:C2 Proficiency、C1 Advanced
YKI(フィンランド教育庁が主催する語学検定):全領域(読解、ライティング、スピーキング、リスニング)で5
その他
卒業後の就職
学位プログラムの目標や修了後に予想される進路は、各コースの概要で説明されていることが多いので、studyinfo.fiなどで確認しましょう。また、多くの大学でキャリアサービスが設置されており、就職活動に関するサポートが行われています。
実践的な分野を学ぶ応用科学大学の学士課程には、実習が組み込まれています。また、総合大学でも学士課程に職業実習が含まれているほか、修士課程でもインターンシップが必修となっている場合があります。現在のところ、外国出身の学生がフィンランド国内で最も就職しやすいのは医療・福祉分野です。
留学生会・日本人会など
留学生の出身国別統計
■交換留学またはインターシップ(2023年)
-3カ月以上の場合(単位:人)
1.ドイツ(1665)
2.フランス(1206)
3.スペイン(702)
4.オランダ(549)
5.イタリア(498)
6.オーストリア(306)
10.日本(228)
-3カ月未満の場合(単位:人)
1.ドイツ(423)
2.フランス(210)
3.オランダ(204)
4.ベルギー(192)
5.スペイン(120)
(日本は上位20位圏外)